スレイヤーズの世界 あれこれ疑問箱


スレイヤーズの世界に関する、全体的なことのあれこれ。補足説明的にどうぞ。



スレイヤーズ世界の魔族・神族の歴史とは?
神族と魔族の構成
バケツ・キャパシティとプール・キャパシティ
リナたちの身長は1m程度ってホント?
金貨や銀貨ってどういうもの?



スレイヤーズ世界の魔族・神族の歴史とは?

 「金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)」が、この世界を作り出し、神・魔・竜・エルフ・人 など様々な生ける者たちを産み出したのは、遠い遙か昔のこと。それはあまりに昔すぎて、いつの頃か は誰も知らないけれど、相反する存在として生み出されたその時から、神と魔はそれぞれ対立し続けて いた。
 生きて、この世に在り続けることを望む神と、その他多くの種の生き物。この世の全てと共に滅び、 無に帰すことを望む魔。お互い決して理解できず、和解することもできない、いつ終わるとも知れぬ 戦いに変化が生じたのは約五千年前。
 神の側で頂点に立つ、赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィードが、赤眼の魔王(ルビーアイ) シャブラニグドゥによって滅ぼされた。しかしスィーフィードは、同時にシャブラニグドゥを七つに 分かち、それぞれを人間の魂に封印することに成功した。人の魂は、封印としては弱いが転生のサイクル が早い。その中で、できるだけ早く魂を浄化し、シャブラニグドゥを消滅させようというつもりだった らしい。かくして、神と魔のそれぞれ頂点に立つ者が不在となったが、スィーフィードは滅びの間際、 四体の竜王を己の分身として残し、世界の四方に配した。北には水竜王(アクアロード)ラグラディア、 あとの三体は明記されていないが、セレンティア・シティの寺院の配し方を見るとおそらく、東に火竜王 (フレアロード)ヴラバザード、西に空竜王(エアロード)バールウィン、そして南には地竜王(アース ロード)ランゴート。また、シャブラニグドゥも同時に、封印される寸前に五体の腹心を作った。冥王 (ヘルマスター)フィブリゾ、覇王(ダイナスト)グラウシェラー、獣王(グレーター・ビースト) ゼラス=メタリオム、海王(ディープ・シー)ダルフィン、魔竜王(カオス・ドラゴン)ガーヴで ある。いわば幹部とも言えるこれらの神魔がにらみ合う形で、戦いは膠着状態に陥った。
 そして、千年前。「降魔戦争」と呼ばれる戦いが幕を開ける。人間の大魔道士、レイ=マグナスの中 に封印されていたシャブラニグドゥの七分の一が、復活したのである。転生を視る力を持った フィブリゾが、レイ=マグナスの中の魔王を見つけ出した。国と国とを争わせ、混乱に乗じて魔王を 復活させる、実に巧みなやり方だった。竜族はゼラス=メタリオム配下の獣神官ゼロスに、ほぼ壊滅 状態になるまで追い詰められ、魔族たちはカタート山脈に住む北の水竜王へと攻め込んだ。
 詳しい戦いは明記されていないが、魔竜王と水竜王の、同じ『竜』という属性を利用して力を叩き 込み、シャブラニグドゥは水竜王を滅ぼした。しかし同時にレイ=マグナス=シャブラニグドゥは、 カタート山脈に氷づけという形で封印され、魔竜王ガーヴも死んで、復活を待つこととなる。さらに 水竜王は、逆にガーヴに封印をかけ、人間の魂と同化させてしまった。そのため、この後ガーヴの意識 に、魔族らしからぬ考えが芽生えることとなる。神族はこの戦いでかなり数を減らしたらしいが、魔族 の被害も決して少なくはなく、冥王の配下の冥将軍、冥神官はこの戦いで滅びている。
 水竜王を滅ぼすために魔族たちは、シャブラニグドゥが封印された北のカタート山脈を拠点として、神 封じの結界を張っていた。北のカタート山脈を覇王、東の滅びの砂漠を冥王、西の群狼の島を獣王、南の 魔海を海王が、それぞれ担当した結界である。このため、結界の外と中では行き来ができぬようになり、 その交流は実に千年も途絶えたままになっている。魔族たちは主に結界の中に集まり、結界の外では 人間の脅威といえば吸血鬼やトロル、といった魔族ではない者たちであるらしい。
 そして現代。数度目の人間として生まれた魔竜王ガーヴは、ただひたすら滅びを望む魔族の考えには 賛同できなくなり、「他人を滅ぼしても自分のみは生き残る」という、多少利己的かつ人間的な生への 執着が生まれ、魔族の側から配下の者たちを連れて離反した。
 結界の中にはリナ=インバースが生まれ育っていた。赤法師レゾの中に眠っていた魔王は、賢者の石 を手に入れたことをきっかけとして目覚め、リナにロード・オブ・ナイトメアの力を使って滅ぼ された。このためロード・オブ・ナイトメアの力を使える人間がいることは、冥王フィブリゾの知る ところとなり、リナを使った世界壊滅計画が立案される。
 フィブリゾは、獣神官ゼロスを使ってリナを巧みに追い詰めながらも、ガーヴの一派をも騙して、 魔族に離反したガーヴを滅ぼし、ガーヴについていった彼の配下たちを、魔族側に引き戻そうと計画 していた。ガーヴに関しての計画はかなりうまく運び、首尾よく隠れていたガーヴをおびき出して 滅ぼすことに成功するのだが、そのすぐ下の配下・竜将軍と竜神官は、この件で同じく滅びてしまう。 また、ロード・オブ・ナイトメアの力を暴走させて世界を滅ぼす、という計画は、根本的に考え違いを していたため、とばっちりで冥王フィブリゾは滅びる。これによって、滅びの砂漠の結界が破れ、結界 の外と行き来ができるようになっており、アニメのTRY、漫画「水竜王の騎士」はそれを舞台にして いるのだが、原作設定ではリナたち事件の当事者以外がそれに気づくにはしばらく時間がかかる だろう、とのことで、結界の外と交流ができるのは、もう少し先になりそうだ。
 魔族側にとってはかなり負けの込んだ一件だったが、この後リナは覇将軍の一人・シェーラを 滅ぼし、覇王グラウシェラーを弱体化させるまでに追い込む。また、魔族の大々的な計画ではなかった が、ルークがシャブラニグドゥとして復活し、これもリナによって半ば望んだ形で滅ぼされる。
 現時点で、滅んだ神族・魔族を見ると、神族側ではトップのスィーフィードと、その四分の一の分身 の水竜王。魔族側では同じくトップのシャブラニグドゥ七分の二と、冥王及び配下の将軍神官、魔竜王 及び配下の将軍神官、覇王配下の将軍1体。さらに動けなくなっているのはシャブラニグドゥ七分の五 と、覇王。果たして現在、どちらの方が優位と見るべきか?ちなみに、この滅んだ魔族たちのうち、 リナが関わらなかった魔族は冥王配下の将軍神官のみ、となれば、リナたちの魔族撃退率がどれほど 高かったかわかるというものである。もっとも、直接彼女が滅ぼしたものばかりではないので、彼女の 二つ名「赤い糸切りのリナ」をもじり、「魔族への不幸の運び屋リナ」とでも言うべきか?



神族と魔族の構成

 魔族の中の王といえば、赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥ。五千年前の戦いで、赤の竜神 (フレアドラゴン)スィーフィードによって七つに分かたれ、人間の魂の中に封じられた。  そのうちの一つ、レイ=マグナス=シャブラニグドゥは、千年前の降魔戦争の時に目覚め、現在は水竜王(アクアロード)ラグラディアの力によって、北のカタート山脈にて、氷漬けとなっており、そこから動くことはできない。また、近年レゾ=シャブラニグドゥ、ルーク=シャブラニグドゥと、二体が相次いで覚醒しているが、どちらもリナ=インバースの実力と幸運によって、すでに滅ぼされている。
 魔王の下には、五人の腹心がいる。冥王(ヘルマスター)フィブリゾ、覇王(ダイナスト)グラウシェラー、魔竜王(カオスドラゴン)ガーヴ、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオム、海王(ディープ・シー)ダルフィンである。ただし現在、ガーヴは魔族を裏切ったことからフィブリゾによって滅ぼされ、フィブリゾも金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)に誤ってちょっかいをかけたことから不快を買い、滅ぼされている。
 五人の腹心の下には、それぞれに仕える将軍・神官がいる。それぞれ仕える主の名をとって、二つ名が決まっている。たとえば、覇王グラウシェラーに仕えるのは覇将軍・覇神官といった感じ。この将軍・神官は、別に呼び方で特に能力が決まっているわけではない。また、それぞれの腹心が将軍・神官に与えられる力は決まっているため、数を多く作れば作るだけ、力が分散されて弱くなることとなる。一人だけ作られた獣神官・ゼロスは、対して二人作られた竜神官・竜将軍を合わせなければ勝てない。四人も部下を作った覇将軍・覇神官に至っては、ゼロスの四分の一の力、といった具合である。
 この将軍・神官のうち、冥将軍・冥神官は共に女性タイプで、降魔戦争の時にすでに滅びている。竜将軍ラーシャート、竜神官ラルターク(共に男性タイプ)は、冥王のリナを巻き込んだ陰謀の時に、同じく 滅んでいる。獣神官ゼロスは男性タイプ。覇将軍シェーラは女性タイプで、これも滅んでいる。
 神族の中で最も力が強く、頂点に位置するのは、赤の竜神(フレアドラゴン)スィーフィード。 しかし、五千年前の戦いで、すでに滅びている。その下に、水竜王(アクアロード)ラグラディア (千年前の降魔戦争で滅びる)、火竜王(フレアロード)ヴラバザード、西に空竜王(エアロード) バールウィン、地竜王(アースロード)ランゴートと、スィーフィードの分身の竜王四体がいる。神族は リナ達の世界と関わりが薄いため、この下の構成は不明。



バケツ・キャパシティとプール・キャパシティ

 神坂先生が、よく魔力の説明をする時に、この言葉を使う。バケツ・キャパシティとは、一回呪文を唱えるのに使用できる魔力のこと。プール・キャパシティとは、その人が持っている魔力の全体。プールがどれほど大きくても、一回に汲みだせる量はバケツの容量、と考えるとわかりやすい。
 人間の中で、最大のバケツ・キャパシティの人のみが使えるのが竜破斬(ドラグ・スレイブ)。 これは、人間の持てるバケツ・キャパシティを最大に使用した呪文である。もちろん、人間のバケツ・ キャパシティでは使用できない呪文もあり、暴爆呪(ブラスト・ボム)、獣王牙操弾(ゼラス・ ブリッド)、神滅斬(ラグナ・ブレード)などがこれにあたり、竜破斬を使えるリナでさえも、魔力を 増幅しなければ使えない。
 一方、プール・キャパシティを使用した呪文もあり、浄化結界(ホーリー・ブレス)、重破斬 (ギガ・スレイブ)などがこれにあたる。これらはプール・キャパシティを利用するので、どんな高位 魔道士も、連発して使用することはできない。



リナたちの身長は1m程度ってホント?

 どこから流れ始めたのかは知らないが、「リナたちの身長が1m程度しかない」という噂があるらしい。 その根拠として、スレイヤーズTRYの存在と、ロスト・ユニバース(以下ロスユニ)の存在がある。
 ロスユニの世界は、地球が舞台となっている。つまり、我々の世界だ。そしてロスユニには、『闇を撒く 者(ダークスター)』デュグラディグドゥがいた。ダークスターは、スレイヤーズの世界にも顔を出して おり、アニメ「スレイヤーズTRY」で多数のダークスター世界の住人が顔を出した。
 ここでポイントとなるのが、彼らとリナたちの身長差。アルメイスとリナたちが並んでいるシーンを見て もらえるとわかるのだが、いくら身長の低いリナとはいえ、並べるとアルメイスはまるで巨人のようで ある。ガウリイと並んでも、大人と子供のような身長差だ。そしてこれは、シーリウスと、彼を勇者と慕う 少女の時にも見られた現象である。
 つまり、スレイヤーズ世界の住人は、ダークスター世界の住人と比べて小さい。そう言いたいので あろう。ざっとサイズを言えば、1mほどの身長だ、と。
 しかし、ロスユニの設定が多数明らかにされる中で、この説に疑問を挟む余地がいくつも出てきた。 たしかに、スレイヤーズ世界の魔族は、人間の中に紛れやすくするため人間の姿をとっているが、 ダークスター世界の神族がそうとは限らない。そもそもアルメイスたちはヴォルフィードに仕えているとは 言ったが、神族なのかそれとも別の存在(アニメの竜族など)なのかは明確にされていない。というか、 少なくともアルメイスたちのような人間が、我々地球人の中に混じっていたら、違和感バリバリでは ないか。ゆえに、アルメイスたちの姿は、地球人を模したものではない可能性も高い。
 そして原作設定として、ロスユニ5巻を解釈すると、実はダークスターやヴォルフィードがいた世界、 正確にはそれらが伝説となっていた世界は、地球ではない。その世界(惑星)は、自らの手で宇宙船 『ダークスター』を造り出したため、その宇宙船に文明を滅ぼされている。当然、アルメイスたちがいた のも、その「地球ではない、後に自らの手で滅びを歩む惑星」に属するもののはずだ。ならば地球人と同じ 身長である保証は、これっぽっちもない。さらに裏設定ではあるが、神坂先生が設定した、『リナたち4人 の身長設定』が秘かに存在する。このデータ集でも書いたが、きちんと単位がcmで設定されていたので、 まず間違いなかろう。
 もちろん、「リナたちの身長は1m程度」という説を信じたい人は、信じていればいいと思う。ただ、 それを信じたくない人は、悲観することはない。否定要素だって、これだけ残されているのだから。



金貨や銀貨ってどういうもの?

 よく小説を読んでいると、「金貨30枚」など、貨幣に関する記述が出てくる。しかし、スレイヤーズ世界にあるのは金貨だけではない。「サイフから銅貨1枚取り出して――」などの記述もあるように、銀貨、銅貨もあるのだ。常識的に考えて1枚の価値が、金貨>銀貨>銅貨なのはわかるが、ではどれだけ価値の開きがあるのか。
 昔、江戸時代に、日本では金と銀の為替レートが存在し、日によって価値が変動したらしい。今でいう円とドルの関係だ。こういうことも金と銀の間ではありえるが、しかし金貨や銀貨はこの世界の共通通貨のようなので、日によって変動しては物価が安定しない。たとえば、ゼフィーリアで金貨1枚=銀貨10枚だったのが、1週間後に銀貨15枚になってたりすると、銀貨しか持っていない人間は非常に困る。
 スレイヤーズ世界での金・銀・銅貨の価値はきちんと一定しており、公式FC作者インタビューによると、金貨1枚=銀貨20枚=銅貨400枚(銀貨1枚=銅貨20枚)となるようである。単位をつけない、「120」とか「800」とか数字のみを言う場合は、普通は銅貨の枚数を指す。つまり、リナがガウリイに光の剣を売って♪と提示した「550」は、「銅貨550」という意味である。
 ちなみに、この金貨銀貨銅貨は、日本円に直すと銅貨1枚100円(銅貨20枚=銀貨1枚=2千円、銅貨400枚=金貨1枚=4万円)だそうだ。これを考えると、スレイヤーズ世界の物価は、現代日本よりずいぶん高めであることがわかる。たとえば、リナがイカフライの代金に請求したのが、銀貨1枚=2千円(これは食事中に横取りされたものなので、おそらく食堂の値段設定)。日本でイカフライ2千円とは、どこの高級店だろう?という感じである。ジョセフィーヌさんが、ジェフリーを騎士にしてほしいと出した依頼料が、金貨30枚=120万円。リナが光の剣を売ってくれと交渉したのが、銅貨550枚=5万5千円。リナがゼロスから増幅のタリスマンを買い取った金額が、銅貨550万=5億5千万円。ルークがリナに魔力剣を売ってもいいと言った額が銅貨530億=5兆3千億円(これは単に言っただけ)。……とすると、リナは常に5億以上の荷物を持ち歩いているわけで……。