ストーリー
とある町で、ごろつきにからまれている、オレンジ売りのおばちゃんを助けたリナ。その縁で、
おばちゃんことカーシャさんの娘、家出少女マーリーンと、母娘の話し合いの場を持つ手助けを頼まれる。
快く引き受けたリナだったが、マーリーンの家出先に向かうカーシャさんの、迷彩服姿を見てしまい、
戸惑いを隠せない。マーリーンの家出先は、近隣でも有名な巨大犯罪組織。しかし当たり前のように組織の
情報を持ち、当たり前のように襲撃をかけるカーシャさんに、リナはますます違和感を強めるのだった。
攪乱のため、カーシャさんと別行動していたリナは、彼女より先にマーリーンと出会う。マーリーンの
話を聞いてみると、彼女は母であるカーシャさんの、当たり前のようにヒグマと対峙させられる特訓や、
当たり前のように冬の山中十日間サバイバル特訓などに嫌気がさし、家出したのだという。リナはその姿
に、かつて姉ちゃんにしごかれた自らをはっきりと重ね合わせた。
自身の辛い体験から、マーリーンに加勢することを、リナは約束する。しかし、姉ちゃんとカーシャさん
が似ていることがわかった今、カーシャさんに真っ向から逆らうことは、リナの本能が拒否をする。リナは
カーシャさんとマーリーンに、マーリーンが一人前になったかどうか、二人が納得する形でテストすること
を提案して、母娘を円満に(?)和解させて、その場を去った。
町に戻り、リナが食事をしていると、彼女の目の前に突如マーリーンが現れる。なんと、母娘のテストの
内容は、リナを3日間守りきることができるかどうか、というものに決まったらしい。もちろん激怒する
リナだが、すでにテストは始まっており、止めることはできないという。リナは怒りに震えつつも、生き
延びるため、テスト合格に手を貸すハメになったのだった。
殺気も悪意も感じさせず、頸動脈を狙ってくるカーシャさんは手ごわい。リナたちは宿屋に籠城戦をする
ことにし、大きな宿屋の一室に上下左右の空き部屋を作って籠もったが、なんとその部屋にはすでに
カーシャさんが潜んでいた。リナの作戦を読んで、先回りしていたのだという。慌ててマーリーンにその場
をまかせ、逃げ出すリナだったが、翔封界(レイ・ウィング)で逃げたにもかかわらず、術を解いたその
すぐ後ろに、カーシャさんが佇んでいた。そして振り上げられる、一本の剣。
しかしカーシャさんの剣は、同じく一本の短剣で受け止められていた。剣の主は、なんとカーシャさんの
夫であるという。ちょうどゲリラ退治から帰ってきたところだという、やっぱり何者様なお父さんに、
カーシャさんがテストの内容を説明している機を逃さず、リナはテストに異議を唱えた。すると、実は
マーリーンが、リナがテストに承諾しない場合は連絡するという予定になっていたらしい。リナはそこに
マーリーンの、リナを強制的にテストに参加させて味方につけるという悪意を感じとり、情報伝達を忘れる
のはテストをする以前の問題、と話を持っていって、しっかりマーリーンを不合格に叩き落としたの
だった。
やがて遅れて駆けつけるマーリーン。しかしテストは不合格が決定し、母だけでなく似たもの夫婦の父も
特訓に参加するという。目線で助けを求めるマーリーンを無視して、リナは再びこの一家に関わらないこと
を願い、まだまだ越えられそうにない郷里の姉ちゃんに想いをはせるのだった。
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