ストーリー
リナがモンテール・シティの魔道士協会に顔を出すと、評議長のミルトンじーちゃんが声をひそめて頼みごとをしてきた。いわく、「攻撃魔法を教えてほしい」――。攻撃呪文を他人に教えるのは、魔道士協会ではご法度。そこを曲げてまでリナに頼み込む理由は、なんと隣町の魔道士協会評議長のケールと、互いの孫のどちらが、かけっこでズルをしたか実力で決着つけようというしょーもないものだった。しかしそこそこの依頼料と、秘本中の秘本という魔道書を見せてもらえるという条件につられ、リナは依頼を受けることに。
できるだけカンタンな呪文を教えようとしたリナだが、ちょっとした手違いから、ミルトンじーちゃんを穴に落として、足をひねらせてしまう。実は決戦はあさって。しかも治療(リカバリイ)の呪文で傷を治すと、体力のない老人は数日動けなくなってしまうという。呪文を使わないと、やはり治るのに数日かかってしまう。このままでは依頼料の魔道書も見せてもらえなくなると、リナは苦肉の策を考えた。
そして当日。会場に現れたミルトンじーちゃんは、おおきなローブの下にやたら盛り上がった体を隠して現れた。リナがじーちゃんを背負い、二人羽織の状態で現れたのだ。決戦の実行委員たちは、しかしツッコミを入れる者はいない。その理由は対戦相手のケールにあった。なんとケールの方も、誰かに抱きかかえられた二人羽織の状態でそこにいたのだ。しかもローブの下は、どうやらナーガらしい。
そんな四人二組による決戦が開始された。しかし実行委員は、こんなアホな争いは無駄だと気づかせるべく、無理難題をふっかけてくる。じーちゃんたちだけならば、白旗を上げていたかもしれないが、その後ろに(文字通り)ついているリナとナーガにはさほど難しくはない。竜を倒してくる、という難題を、ナーガ&ケール組はしてのけてしまった。
とうとうキレた実行委員によって、実はミルトンとケールの孫が彼らの手の中にある(=招かれていた)ことを知る。逆上した二人のじじいと、いつの間にかのってきてしまったリナ、そして最初からノリノリのナーガは孫たちを探し始める。そしてついに見つけた孫たちは、リナとナーガがついてることによって八頭身になったじーさんたちを見てこう言った。『うわっ。キショッ。』
撃沈した孫ラブじじいたちは、すっかり大人しくなり、二つの町には平和が戻ったのだった。
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