ストーリー
ひとつの十字路で、リナは人を待っていた。相手はセイルーンの第一王位継承者、フィリオネル
王子。その王子は必ずこの道を通るはず。リナは王子をつかまえて、自分の魅力で一目ぼれさせ、玉の輿
を狙っていた。ガウリイはつきあいきれないとばかり、先に次の町に行くと言い残して行ってしまった。
ガウリイが川の水で一休みしていると、追い剥ぎの場面に行き会う。見過ごすわけにもいかず、助け
ようとしたところ、突然高らかに少女の声で口上が轟く。皆がその姿を見つけられずにいると、高い木の
てっぺんから、少女が降ってきた。しかも着地に失敗。
思い切りバカにする追い剥ぎを、呪文であっという間に退治すると、少女はガウリイを剣士と見込んで
協力を求めてくる。どうして高いところから落ちてきたのか、と聞くと、「正義の使者とは昔からそう
いうものだ」と言い切る少女に、ガウリイは不安を隠しきれない。
一方リナは、いつまでも来ない王子に待ちくたびれて、とうとう次の食堂に行ってしまった。気持ちの
いい食事をしていると、そこへ司祭と山賊の二人連れが入ってくる。その司祭はリナに声をかけてきて、
仕事の依頼を持ちかける。とりあえず話を聞くことにしたリナ。するとその山賊は、リナの前に短剣を
出してきた。注目すべきはその紋章。なんと、その山賊だと思ったおっさんが、リナの待っていた
セイルーンの第一王位継承者、フィリオネルおうぢサマだったのだ。
フィルさんの依頼は魔物退治。最近このあたりを騒がせている魔物がおり、お忍びの最中のフィルさん
の耳に入った、というのだ。戦力が足りないので、リナにも力を貸してほしい、という。待たせている
ガウリイのことは少し気になるが、報酬の一言でリナの心は決まった。
目的の洞窟に着き、どんどん奥へと進む一行。大きな怪しい扉を開けると、そこには魔道士がおり、
フィルさんを殺すと宣言してきた。そして、理由を問いただすフィルさんに答えたのは、従者の司祭
ランディ。驚くことに、彼はセイルーンの第三王位継承者で、セイルーンの王位を狙っていたのだと
いう。リナたちはあっという間に、魔物たちに囲まれた。
そのとき、高らかに少女の声で口上が響く。声の方を見ると、くだんの少女と、少女の足場となるため
肩を貸しているガウリイがいた。実はその少女は、フィルさんの娘、アメリアだったのだ。アメリアは
ランディを、父親譲りの”説得”で説き伏せようとするが、もちろんそんな話を聞くはずがない。
アメリアの呪文で魔物は一掃、新たに呼び出したブラス・デーモンも、フィルさんの「平和主義者
クラッシュ」であえなく散る。さらに呪文で攻撃しようとしたランディに、アメリアも呪文で対抗。次の
展開を的確に予想したリナが悲鳴をあげた瞬間、洞窟は呪文の余波で崩れはじめた。
命からがら逃げだし、報酬をもらってとっととおさらばしようと思ったリナだったが、フィルさんの
お金は裏切り者のランディが持っていた、という。アメリアも、父をあてにして来たので、手持ちの金が
ない。セイルーンに着くまでは報酬がもらえない、ということで、旅の仲間を二人増やし、リナの旅は
ますますにぎやかになるのだった。
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