ストーリー
今日も元気に自称正義の勇者さまを吹っ飛ばしたリナたち。その途中で、1人の男がリナたちの前に姿
を現した。だが、初対面のその青年を、リナもアメリアも近づくことすら拒否するほど嫌がる。そのうち
リナが、青年に魔法がかけられていることに気づいた。それはなんと異性を寄せ付けない魔法で、魔法を
解呪するとリナもアメリアも青年への嫌悪感はなくなった。
青年の名前はハラス=ライズ。近くに住む、大金持ちの一人息子だという。実は今、彼の家は悪い女
魔道士・キャリーによって、乗っ取られようとしていた。キャリーは娘を金持ちの家に嫁がせ、財産を
奪うという手法を使う悪人で、今回はライズ家が狙われたのだ。ハラスは結婚を断っていたが、キャリー
の『一週間以内に結婚相手を連れてくれば家から出るが、できなかったら娘と結婚する』という条件を
飲み、結婚相手を探していたのだ。そして、ハラスはリナの手を握り、突然結婚を申し込む。当然拒む
リナ。しかしハラスは、これは偽装結婚であり、もし協力してくれたらサイラーグまで馬車で送るし、
さらに金貨5000枚の報酬を払うという条件で、リナの首を縦にふらせた。
キャリーの居座るライズ家の屋敷に、リナはハラスの婚約者ミナ=イナーズ、アメリアはメイドの
メリー、ガウリイは執事ガガーリとして潜り込む。だが、キャリーに紹介されている最中、ガウリイが
くしゃみをして変装が解けかけ、キャリーにはリナたちの正体がバレてしまった。キャリーは結婚式の
最中にリナたちの正体を皆にバラし、さらに男たちを使ってリナを捕らえ、賞金を得ようと計画する。
そして結婚式当日。リナはとても綺麗な花嫁姿を披露した。その可憐さは、偽装結婚とわかっている
はずのハラスが鼻の下を伸ばし、本気でプロポーズしてしまうほど。粛々と式は行われ、何事も滞りなく
進んでゆく。だが、それが逆にリナは気に入らない。そして式は終盤を迎え、新郎新婦の誓いのキスと
いう場面。リナは拒むが、ここぞとばかりキャリーと娘が囃したてた。周囲もキスをしない新郎新婦を
訝しむ。ハラスは役得とばかりにキスをしようとするが、リナはハラスを叩きのめしてしまった。思惑
通り展開が進み、キャリーはチャンスを逃さずリナの正体を告発する。自分が呼び寄せた男たちに合図
して、リナを捕まえさせようとするが、そのとき現れたのはあらかじめいたごろつきたちではなく、
ちょうどリナたちに追いついたザングルスとヴルムグンだった。
リナの呪文や激しい戦闘で、ライズ家の屋敷はあちこち壊されてゆく。思いもかけぬ展開に焦った
キャリーは、自らの手でリナを始末しようとした。一方リナは、ウェディングドレスがジャマでうまく
戦えない。そうこうしているうちに、ドレスはキャリーの呪文の余波でボロボロ。立ち回りができない
ほど破かれてしまい、逃げることもできなくなってしまう。やがてリナたちは一室に追い込まれ、そこへ
ザングルスたちとキャリーたちが詰め寄る。だが、どちらがリナたちを倒すかで両者がケンカを始めた
隙に、リナは呪文を放つ。呪文は、ザングルスたちもキャリーたちも、ライズ家の屋敷さえも巻き込んで
見事に炸裂した。
どさくさで馬車を奪い、逃げ出すことには成功したリナたちだったが、当然のことながらキスまで
されそうになったのに、金貨5000枚の報酬はパア。リナは放心したまま、ただただ固まり続けて
いた。
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