ストーリー
白い砂浜。青い空と青い海。ダークスターとの戦いから目覚めたリナがいたのは、そんな海辺だった。
周りには自分以外、だれもいない。それになぜか、服もいつものものから、青と白のエプロンドレスに
着替えさせられている。そもそもここがどこかもわからない。わからないことだらけなれど、ひとまずリナ
は仲間を捜して歩きだした。しかし、その途中で、だれかが寝てる自分の服を着替えさせたのだと気づき、
真っ赤になる。
やることは決まったものの、場所がわからないリナは、どちらに行ったらいいか判断がつかない。通り
すがりの、行軍中のペンギンに道を聞くが、邪魔をするなと追いかけられてしまった。逃げ込んだ、不思議
な空間で、リナは自称世界の狭間をさまよう案内人のピックと出会う。ピックは、マスターからの言いつけ
で、リナを案内すると言い出すが、リナは相手にせずふたたび逃げ出した。
しかし、次の世界でもその次の世界でも、リナはピックと出会ってしまう。リナは怒って、ピックに
詰め寄った。ピックの話によると、その昔、世界を亡き者にしようとした悪魔と世界を救おうとした勇者が
戦ったとき、激しい戦いの影響で時空にゆがみが生じてしまい、この世界が生まれてしまったのだという。
リナがさらに問いつめようとしたとき、再びペンギンに追いかけられ、リナはまた別の世界へ行かされて
しまった。
さらに追われるそのうちに、リナはペンギンやカーニバルの参加者の人形を見つける。そして、ピックの
言葉を思い出した。人形は勝手に動かない、この世界を操っているマスターとやらがどこかにいるはず。
リナは走りながらも、周りの人々が糸のついた操り人形であることを、たしかに確認してゆく。やがて
たどりついた舞踏会の広間には、王座に人が座っていた。こいつには糸がついていない。近寄って話し
かけると……その人物はゼルガディスだった。ゼルガディスは、気持ちよく眠っていた。
たたき起こすと、ゼルガディスはもう3日もこの世界にいるという。いろいろ探りを入れたのだが、結局
はイカれた舞踏会にたどりつくのだと。つまりはリナたちの進む道を、誰かが決めているのだ。そのとき、
二人の目の前にピックが現れる。そしてリナは確信を持った。ピックの人形はどこにもなかった。ピック
こそが、案内人をかねた、この世界の『マスター』だったのだ。元の世界に戻せ、と詰め寄る二人に、
とぼけるピック。リナは怒りの竜破斬(ドラグ・スレイブ)を、渾身の力でぶちかます。
天井が崩れ落ち、次の世界が姿をあらわした。今度は人々が、リナたちを驚きの目で見つめている。また
吹っ飛ばしてやろうかとリナがかまえたとき、二人に声をかけてきた人物がいた。それはなんとフィリア。
なんでもここは、最近できたアトラクション・テーマパークなのだという。ガレキの下から、ピックも顔を
出した。なんとピックも、中に男の入った着ぐるみだったのだ。リナとゼルガディスは、ずっと
アトラクションの中で迷っていたらしい。
やりどころのない怒りに、ひたすらキレるリナ。そして、誰がリナの服を着替えさせたのか、という疑問
は、謎のまま残されるのだった。
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