今夜はやたらと冷え込んでいる。そういえば天気予報では、この冬一番の寒さだとか言ってたっけ。
 しかし人間は寒くても冬眠などできないわけで、そうなると働いて身銭を稼ぎ、食っていかなければならない。
 つまるところこれぐらいの寒さなら、いつもと変わりなく世界は回るということだ。
「ありがとうございましたー」
 定番の挨拶をして、客を送り出す。
 酒屋コペンハーゲンは本日も盛況。酒屋は春や秋より夏や冬の方が儲かるものなのだ。
 酒好きな人は一年中飲むけど、その他に夏の暑さに対してビール、冬の寒さに対して熱燗を飲む人が増える。その分がプラスされ、夏冬の酒屋は忙しい。ああ、春が少ないとはいっても、花見の時期だけは別だな。
 今見送った客と入れ替わる形で、もう一人のバイト店員が入ってくる。その新人店員は気さくに俺へと話しかけてきた。
「士郎。これはどちらへ?」
「あ、それは奥の方へ。あんまり出ない酒だから」
「はい、では倉庫の方へ持ってゆきます」
 モデル並の身長とプロポーションを持ち、人外の美しさを誇る美女が、俺でも重いワインケースを軽々と運んでゆく様は正直見慣れた俺でも違和感がある。最初はネコさんや店長おやじさんも相当驚いたらしい。
 彼女が歩くたびに、下の方で縛った長い紫色の髪がひょこひょこ揺れる。
「……ライダーも馴染んできたよなあ」
 衛宮邸では当たり前に見られる後ろ姿を改めて眺めながら、そう独り言をつぶやいた。
 ライダーがコペンハーゲンでバイトをするようになって、およそ一月。ネコさんがある日、
『新しいバイトさんだから、エミヤん面倒みてやってね』
 なんて言いつつライダーを連れてきた時は、アゴがはずれるかと思うほど驚いた。
 なんでも俺は知らなかったがネコさんも本好きで、ライダーとは本屋で知り合ったらしい。結果二人は意気投合、あれよあれよという間にコペンハーゲンでのバイトが決まったとか。
 ……そう考えるとネコさんはすごいな。全く誰の紹介もなくただ偶然だけで、藤ねえと俺とライダーという衛宮邸の住人と知り合っていることになる。
 自動ドアが閉まるまでのわずかな隙に、外の冷気が入り込む。一瞬だけど温度が下がって思わず身体が震えた。
「うー、さむ……」
 この冬一番の寒さ、というのはどうやら間違いないらしい。冬は基本的に温暖な冬木市だが、長い冬の間には1日か2日くらい、こんな身を震わせるほど寒い日というのが存在する。
 まして空は鈍い灰色をした曇天。こうなるともはや視覚的にも寒い。
 今夜はあったかい鍋にしたい。あー、でもそういえば、桜がそろそろ得意のシチューを作りたいと張り切っていたっけ。遠坂も冬の間に身体をあたためる麻婆豆腐を作りたいと言っていた。今夜あたり、二人とも台所を狙ってきそうだな。
 本当なら俺も参戦したいところなのだが、時計を見れば時刻はすでに夕飯を準備する時間。今日はバイトがあるので俺は料理をする資格がないのである。
 そんなことをつらつら考えていると。
「おー、エミヤんがなんかボーッとしてるね。こりゃ珍しい」
「士郎、お先に失礼いたします」
 さっきのワインケースの片付けで上がりだったのか。帰り支度をしたライダーと、いつものエプロン姿のネコさんが、そろって奥から出てきた。
「あ、すみません。仕事中なのに」
「ん? かまわんかまわん。キミはいつも生真面目すぎるし、それっくらいが丁度いいって。
 でもホントに珍しいから、ちょっと興味がわくね。何考えてたん?」
「な、なにって……」
 今夜の晩飯のこと、と言えば、また所帯くさいと言われるのだろうか。どうも藤ねえから俺の日常が色々バレているらしく、最近の俺の肩書きは、ネコさん的に「なんでも妖精」と「お母さん」であるらしい。
 言葉を濁していると、ネコさんの細い目がますます細くなった。
「あ。もしかして彼女のこと? やー、聞いたよ。エミヤんもやるねー。子供の頃からカタブツだったから、藤村と二人で心配してたもんだけど」
「うえ、な、えええっっ!?」
 思わずヘンな声がもれる。
 ついで反射的に、脳裏にセイバーの姿を思い描き、頬が赤くなった。
 しまった、これじゃ認めているようなもの――――!
「お? どうやらホントみたいだね。いやめでたい、今度赤飯でお祝いせにゃ」
「やめてくださいおねがいします」
 彼女ができたって理由でバイト先に祝福されるなど聞いたこともない。
 いつもと表情がほとんど変わらない、けれどニマニマと笑んでいるのが気配でわかる顔で、ネコさんはさらに追及を続けてきた。
「なんでもすっごく可愛いんだって? 誰が見てもお似合いのカップルだって聞いてるよ」
「あ、いや、その……」
「んー? まあ、まだ自分の口からはノロけられんか。
 でもそのうち連れてきて欲しいと思うよ。アタシもエミヤんの彼女見たい」
「……………………」
 どう答えれば良いものか。ネコさんの発言は好意とからかいが五分五分で混ざり合ったものなので、こちらも反応に困ってしまうのだ。
「んじゃ、一言だけ教えてよ。やっぱり彼女は可愛い?」
「…………はい」
 熱くなる顔を自覚しながら返答した。
 この一言だけで解放してもらえるなら安いものだ。解放してもらえるなら、だが。
「くあー、いいね、青春だね。
 果報者じゃない、優しくて可愛くて家事も上手な彼女なんて」
 ………………………………はい?
「か、家事が上手……?」
 俺の知るかぎり、セイバーの家事はどれもまだ、誉められるようなレベルにはなってなかったと思うが。
「そうだよ? なんでも長いストレートの髪がチャームポイントで、胸がおっきくて、エミヤんが昔ケガした時から献身的に通い妻してくれてる後輩がエミヤんの彼女だって。大人しくて控えめで家事が上手で、大和撫子みたいな子って聞いて――――」
「だ、誰がそんなこと!?」
「ライダーさんが」
「ライダー!!?」
 バッ、と振り向く。しかしそこにはすでにライダーの姿はない。
 自動ドアの音に目をやると、ライダーは閉まりゆく自動ドアの向こうで走り出していた。
 ――――――――逃げたな。
「ん? 違うん?」
「……………………違います」



 ――――その後、俺は三十分かけて、桜が彼女であるというネコさんの誤解を解くため、本当の彼女であるセイバーの特徴をしゃべらされた。もちろん俺の口から。
 恥ずかしくて死にそうな三十分だったのは言うまでもない。
 くそ。後で覚えてろよ、ライダー。



 時間が遅くなるにつれ、寒さはますます厳しくなってきた。店内の暖房もフル稼働してるのが、暖房から出てくる風の音でわかる。
 帰りには身を切る寒さになってそうだな。遠坂の中華でも桜のシチューでもいいから、ともかくあったかいものが食べたい。
 時計の針も進み、あと少しで俺も上がりの時間になる。自分の仕事でやり残したものはないか、改めて店内をぐるりと見渡していると。
「おーい、エミヤん。ご指名だよー」
 自動ドアを開け、店の外からネコさんが声をかけてきた。
「は?」
 いつからここはキャバレーに?
 確かに酒場もあるけど、ここの飲み屋は純然たる居酒屋である。
 ネコさんは、ふっふっふ、と笑い、
「いやあ、こんなに早く見られるとは思わなかった。エミヤん、やっぱ果報者だね」
 後ろにいた人影を、ぐい、と押し出した。
 店内の明かりに照らされた、その小柄な影は。
「セイバー……!?」
「お邪魔いたします、シロウ」
 最近外出する時の定番、白いコートと青いマフラーを着たセイバーが、寒さに頬を赤らめてちょこんと立っていた。
「どうしてこんなとこに……」
「大河に使いを頼まれたのです。今夜は冷えるから、身体をあたためる日本酒を買ってきてほしい、と。
 私では通常の店は売ってくれないので、この店に行けという指定もありました」
 わざわざ俺の上がり時間を狙って、か。
 ついでに迎えに行ってやれという意味か、それとも単純に酒が飲みたかっただけなのか。藤ねえなら前者二割、後者八割ってところかな。
「わかった。藤ねえの好きそうなのは、と」
 ここのところ藤ねえが気に入ってる酒を取り出し、会計を済ませる。
 もうそろそろ上がりだから一緒に帰ろう、と俺が口にするより先に。
「じゃ、エミヤんおつかれさま。もう上がりの時間でしょ? ちゃんと彼女と一緒に帰らないと」
「はい。ありがとうございます」
 ネコさんに頭を下げ、奥の控え室へと向かう。
 背を向けぎわ、やたら笑顔のネコさんが、セイバーに何やら話しかけているのが見えた。
 ……早く戻って来よう。何話されてるかわかったもんじゃない。



 コペンハーゲンを出ると、やはり寒さは一層厳しくなっていた。
 自動ドアから入ってきていた冷気など問題にならない。風がないのが唯一の救いといったところか。
「セイバー、寒くないか?」
「大丈夫です。頑丈にできていますから」
 本人はそう言うものの、こんなに華奢なセイバーに言われてもいまいち実感できない。
 なんて口に出したら、またセイバーに『貴方は騎士を外見で判断するのですか』と怒られそうだが。
「それよりシロウ。やはり私が荷物を持ちます。私が頼まれた仕事なのですから――」
「いや、頼むから俺に持たせてくれ」
 俺の手には藤ねえの為に買った日本酒の入ったビニール袋がぶら下がっている。
 セイバーはしきりに、自分の受けた仕事だから自分が持つと主張したが、俺にも体裁というものがある。重そうな日本酒を抱えた女の子の隣を手ぶらの男が歩いてるなんていう図はみっともなくてできない。だいたいセイバーだって魔力で増幅ブーストでもかけなきゃ、これは重いだろう。だったら俺が持つのは至極当然だ。
 二人でいつもの橋を渡る。ここはいつも風が吹いている。
 冷たい風に頬を切られ、それでようやく気が付いた。
「しまった。こっちに来ちゃったな」
 いつもセイバーと新都から帰る時は歩きだったから、つい習慣でこっちに来てしまった。
 でも今日はこんなに寒いし、なにより家では夕飯が待っている。バスで帰ってきた方が早くて暖かかったというのに。
「そういえばそうでした。仕方ありませんね、戻りますか?」
「いや、ここまで来たら戻ってもしょうがない」
 おそらくバス停まで戻ってバスに乗っても、ここから歩いて帰るのとほとんど変わらないだろう。
「ではこのまま行きましょう」
 セイバーも特にこだわらず、歩みを進めた。
 橋を渡りきり、公園に下りる。
 ただでさえ夜は人気のない公園だが、こんな寒さの中で風通しのいい公園に来ようなどという物好きは俺たちぐらいのものなのだろう。見渡すかぎり、あたりには誰もいなかった。
 あちこちに灯る街灯が人間の役に立たず、けれど忠実に役割を果たしている姿は、なんだか寂しい。
「やっぱり寒いな……」
 ぽつり、とこぼした呟きに、セイバーが言葉を返してきた。
「ええ。大河もこたつから出ない、と駄々をこねていました。トイレも代わりに行ってほしいと言って、イリヤスフィールに呆れられていましたよ」
「……それはたしかにしょうがないな」
 大人としてというより人として。
 けどそんなに寒いと知っていながら、セイバーをお使いにやったのか、あの虎。
「セイバー。酒が飲みたいっていうのは藤ねえのワガママなんだから、なにもこんな寒い中にあんな遠くまで行くお使いなんて引き受けなくていいんだぞ」
 衛宮邸からコペンハーゲンまで、バスを使っても30分じゃきかない。深山町の商店街にお使いに行くのとは違うのだ。
 そう言うと、セイバーはおかしそうに小さく笑った。
「構いません。本当は私も、ずっとシロウの勤務先を見てみたかったのです。だから大河の頼みはちょうど良い機会だと思っただけのことです」
「え? そうなのか?」
「はい。以前学校を見せてもらった時に、私の知らないシロウの世界が思ったより広いことを知って、驚きと感銘を受けたのです。
 学校を知ってしまうと、今度はシロウが放課後に良く行くという、勤務先を知りたくなってしまった。
 ……我ながら欲深ですね。一つの欲求が満たされたくらいで満足できないとは」
 最後は自嘲するような声で、セイバーは苦笑する。
 ――そんなの気にすることはないのに。それくらいのワガママ、ワガママのうちにも入らない。
 セイバーはそのまま何かを考えていたが、わずかな沈黙の後に口を開いた。
「シロウ。お願いがあります」
「ん? なんだよ改まって」
「私もライダーのように、あの店で働くことは可能でしょうか」
「へ!? そりゃネコさんに頼めばできると思うけど……なんでさ?」
 これまでセイバーが稼ぎに出たいと言い出したコトは一度もないし、その素振りも見せなかったはずだ。
 小遣いが足りない時は、稼ぐのではなく我慢するのがセイバーのスタイルである。
 それとも小遣いでは手の届かない物でも欲しくなったのか?
「―――私はシロウを守る剣です。
 そして今日、思い知りました。学校だけでなく、他の場所にも私の知らないシロウがいると」
「………………」
「新都はあまりにも家から遠すぎる。もし新都で何かあっても、私はすぐに駆けつけられない。
 だからもしもの時のため、できるだけシロウの近くに身を置いておきたいのです」
「それってつまり、俺の護衛としてバイトに潜り込みたいってことか?」
 コクリ、と頷くセイバー。
 いつの間にか二人の足は止まっていた。俺たちは風の吹きぬける公園の中で、互いに正面から見つめ合う。
 セイバーの顔は真剣だった。本気で俺の身を案じる瞳。
 何度、聖杯戦争は終わったから、と言っても彼女は俺の身を案じることをやめはしない。それは彼女の騎士としての気質とか、俺の自分を勘定に入れられない性分とか、そういった色々な理由があるのだろう。
 とはいえ、セイバーが言うほど神経質に俺の護衛に目を光らせていることはないと思う。そんなんじゃ彼女はこの時代で楽しみを見つけることすらできやしない。
 俺の事を心配してくれるのは嬉しいけど、ここは。
「でもな、セイバー。ちゃんと働きたいと思う人が働いてくれないと、店側だって困るぞ」
「っ……!」
 声に詰まるセイバー。言うまでもなく、今のはウソだ。
 憧れの人が働いてるとか、制服が可愛いとかいう理由でバイトする人も圧倒的な昨今、ちゃんと真面目に働いてくれるなら動機がどうであれアルバイトでは気にされない。そしてセイバーなら、間違いなく俺の身辺に気を配りながら真面目に仕事をするだろう。
 純真な彼女を騙すのは気が引けるが、もう一押し。
「それに、シフトはどうするんだ? セイバーがバイトしてる時、必ず俺が近くにいるわけじゃない。
 セイバーが新都にいて俺が家や学校にいる時何かあったらどうする?
 だったらバイトは関係ない。リスクは一緒だぞ」
「あ――――」
 今気付いた、という顔でセイバーは固まった。これは半分ホントで半分ウソ。
 ネコさんに頼めば、シフトの多少の都合はつけてくれるだろう。
 だが、絶対的に俺とセイバーのシフトを合わせるのはさすがに無茶な注文である。
 どこにあるかわからない危機に警戒するなら、俺が新都にいてセイバーが衛宮邸にいる時でも、セイバーが新都にいて俺が深山町にいる時でも確率は同じなのだ。
「むぅ……………………」
 セイバーはしばらく黙って考え込んでいたが。
「……………………わかりました。しばらくは現状で妥協するしかないようです」
 はああ、とためいきを吐いて。
 仕方なさげに提案を取り下げてくれた。
 わかってくれたか、と内心ほっとしたのもつかの間。
「けれどあの場所が安心できるのだと納得できるまで、今少し時間が欲しい。
 これからしばらく、シロウを迎えに行くという名目で視察がしたいのですが」
「いっっ!?」
 思いもしない新たなセイバーの提案に息を飲む。
「だ、だめだ、それはダメ!」
「む、なぜです? 店に迷惑はかけません。それならば構わないでしょう」
「なぜってそりゃ…………!」
 今日の出来事で、ネコさんにはセイバーが俺の彼女だとバレてしまった。
 そして次のバイトから毎回セイバーが迎えになんて来ようものなら。
 ……コペンハーゲンは、穂群原のOB・OGの溜まり場でもある。つまり藤ねえの知り合いも、俺がバイトを始めたガキの頃からの常連もたくさんいる。
 ネコさんから話を聞いた常連客たちが、格好の酒のサカナに俺とセイバーをいたぶるのは容易に予想できた。
 藤ねえのような危険物ではないにしろ、一筋縄ではいかない人々も多いのだ、あそこは。
「シロウ!」
「ううっ……」
 なんと言って説得すれば良いか迷っていると。

 ふわり……

 押し問答している俺たちを諫めるように、白くて小さなものが舞い落ちる。
 気付いてあたりを見渡すと、それはひとつだけでなく、空から無数に降ってきていた。
「雪ですね……」
「とうとう降り出したな」
 今日の天気予報で雨、または雪と言っていただろうか? よく思い出せない。
 粉雪は地面に落ちては溶けていく。けれど溶けた先から新しい雪が次から次へと落ちてくる。この勢いだと積もるかもしれない。
「いけない、これではシロウが風邪を引いてしまいますね。シロウ、今のお話は後ほどゆっくりと」
「……やっぱり後でやるのか?」
「無論です。でなければ私が安心できるぐらい実力を上げてもらわなければ」
「うげ」
 それってつまり、鍛錬を今以上のスパルタにするってことじゃないか、鬼教官。
 つい本音が漏れた嫌そうな俺の声を聞いて、セイバーは本当におかしそうに笑った。


「さあ、まずは家に帰りましょう」
 そう言って、左手を差し出す。

 ……その姿に、一瞬、時間を忘れた。
 風が雪を舞わせ、セイバーのマフラーとスカートを踊らせる。
 どこからどう見ても、寒そうな景色の中。
 彼女の笑顔が、とんでもなくあたたかそうで――――


「シロウ?」
 返事のない俺を不審に思ったのだろう。訝しげなセイバーの声で我に返った。
「あ、ああ。ごめん、行こうか」
 差し出された手を取って歩き出す。傘を持ってこなかったのは失敗だった。商店街まで行けば、コンビニで傘が手に入るだろうか。
 隣を歩くセイバーを横目で見ながら、改めて思う。
「……うん。やっぱり俺、セイバーには家にいてほしいな」
「は?」
 独り言が聞こえたのか、セイバーが聞き返す。
 それに無言で頷く事で答えとした。
 ――こんな笑顔で毎日迎えてほしいなんて、俺もワガママかな、と思いながら。






 お題その40、「粉雪」。ライダーコペンハーゲンでバイトするの巻、は第二回人気投票より。
 例の冬コミテレカ&紙袋の、雪の中で手を広げる白コート&青マフラーのセイバー(現在はクリアファイルでゲットできます)イラストをうちでも使おうかと思ったのですが、「雪にはしゃぐセイバー」というのは他人様とネタかぶりまくり&うちのセイバーのキャラと少し違う&なんとなくイリヤの専売特許という諸々の理由から避けました。そんなわけでちょっと構図を変えまして、雪には脇役に回ってもらうことに。……あれ?これってもしかしてお題に則してない?
 うちの二人はずっとこんな押し問答を繰り広げてそーです。周りが砂を吐いてることにも気付かずに。




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