第3話『逆転サーカス』第2回法廷(その3)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
マックス…赤
ミリカ…黄
トミー…紺
ベン…灰
リロ…橙
アクロ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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12月30日 午後 2時17分
地方裁判所 被告人第5控え室

マ: まさか‥‥あの、アクロが!
成: やっぱり、ショックですか‥‥?
マ: そりゃそうだあ。アイツ、
いちばんマトモだったのに‥‥
オラ‥‥ここまで
キラわれたんだあ!

あー、おほん。
真: でも! アクロさん、ワザと
罪を着せようとしたワケじゃ‥‥
マ: うう‥‥そうだんべか?

ゴホッゴホン! ‥‥げふっ!
マ: オラ‥‥ただの
キラワレ者なんだあ‥‥。
真: そんなことないですから。
糸: コラァ! アンタたちッ!
ヒトがセッカク、証拠品を
持ってきたのに‥‥ムシッスかッ!
真: あ。イトノコ刑事さん‥‥。
糸: もう、いッス。帰るッス。
有罪でもカッ食らえばいいッス。
成: まま、まあまあ。
ゆっくりしてってくださいよ。
真: おいしい牛乳もありますから。
マ: 楽しいトランプの手品は
どうだい? ミスター。
糸: ‥‥‥‥‥‥
はっはっはっ。
いやー、しかたないッスねー。
真: で? で? ”証拠品”
って‥‥なんですか?
糸: これッス。
真: あれ。‥‥これ、きのう
アクロさんの部屋で‥‥?
糸: 分析結果が出たッス。
‥‥あとで見ておくといいッス。
真: こんなコトしちゃって、
かるま検事に怒られませんか?
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ないしょッス。
成: はあ‥‥。
糸: ベツにワレワレは、アンタに
味方するワケじゃないッス。
ここまでの法廷の流れは、
ワレワレの予想どおりッス。
真: かるま検事、かなりアセってた
みたいだけど‥‥。
糸: ‥‥いずれわかるッス。
ワレワレはきのうのうちに、
最後の手を打っておいたッス。
成: ”最後の手”‥‥?
糸: あー。それから、検事から
伝言があるッス。
”判決のゆくえは、
最後の瞬間に決まる”
‥‥以上ッス。
じゃ。自分は帰るッス。
真: ‥‥どういうこと?
”最後の瞬間”って‥‥。
成: さ、さあ‥‥
糸: あ。そういえば。
真: きゃっ。
糸: 被告に、サーカスの芸人たちから
大量の差し入れが来てるッス。
マ: え。オラに‥‥?
糸: 牛乳ッス。
‥‥受付が、給食センター
みたいになってるッスから、
早く飲むッスよ。
マ: みんなが‥‥オラに‥‥?


同日 午後2時27分
地方裁判所 第2法廷

裁: では、審理を再開しましょう。
狩魔検事。先ほどの
つづきから、おねがいします。
冥: アクロ氏に証言をおねがいする
‥‥被害者との関係について。
その上で、弁護側に
立証してもらうわ。
‥‥この証人に、いったい
どんな動機があるのか‥‥をね。
裁: ‥‥わかりました。
では、証人。
ア: はい。
裁: 証言をおねがいします。
真: ついに”ドーキ”だよ。
だいじょうぶ? なるほどくん。
成: ‥‥ヘンジに困る質問を
しないでほしいな。
真: ‥‥ぐ。

(被害者・立見団長について)
ア: 『小さいころ、オレたち
両親に捨てられたんです。』(証言1)
『それで、立見団長のサーカスに
引き取られることに。』(証言2)
『アクロバットは、
9才のころからやっています。』(証言3)
『‥‥団長に、恩返しがしたかった。
そのために生きていたのに‥‥。』(証言4)
裁: ふむう‥‥
感心なワカモノですなあ。
冥: お聞きのとおり、証人は被害者に
大きな恩を感じている。
こんなアクロ氏が、どうして
団長を殺害できたと言うのかしら?
裁: まったく、そのとおりですね‥‥。
いかがですかな、弁護人。
尋問するまでもないと
思いますが‥‥?
成: (ぼくが今、
求められているのは‥‥
”アクロさんがなぜ、
団長を殺害したか?”‥‥
まだわかってないのなら、
これが最後のチャンス、か)

(「もちろん、尋問しない」を選択)
成: ‥‥尋問はしません。
裁: な‥‥なんですって!
成: ”どうして立見団長が
殺害されることになったのか?”
‥‥そのコタエを知るのに、
アクロさんの尋問は必要ない!
冥: ‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥弁護人。
あなたにお聞きしたい。
成: はい。
裁: どうですか? あなたに
証明できるのですか?
アクロ氏が立見団長を殺害した
‥‥その動機を!

(「もちろん、できない」を選択)
成: ‥‥‥‥
真: なるほどくん‥‥?
成: (‥‥そう、考えるまでもない。
最初から、明白なことだった!)
裁判長。
団長を殺害した動機‥‥
それを立証するのは不可能です。
裁: な、なんですと!
成: だって、アクロさんが被害者を
殺害する理由はありませんからね。
あいて!
冥: バ‥‥バカのバカさカゲンは
バカにできないものね‥‥
忘れたの! あなたは、
この証人を告発したのよ?
”立見 七百人殺害の真犯人”
‥‥としてね!
成: 結果的には‥‥
そういうことになります。
裁: け、結果的‥‥?
成: アクロさん。
もちろん、あなたは団長を
殺害するつもりなどなかった。
あなたの本当のねらいは、
団長ではなかったのですからね。
冥: な‥‥何を言いだすの‥‥!
成: アクロさんがこの犯行で
亡きものにしたかった人物は、
立見 七百人ではなかったのです!
冥: ええええッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
係官、かまいませんから、
うるさい人はつまみ出しなさい!
弁護人!
‥‥あ、あなたはいったい‥‥
あひゃは!
冥: 成歩堂 龍一!
‥‥あ、あなたはいったい‥‥
いったい、だれだったと言うのッ!
アクロ氏が殺害しようとしたのは!

(「ミリカ」を選択)
冥: ‥‥立見 里香‥‥。
裁: 団長のムスメにあたる少女
‥‥ですね?
成: アクロさん。
あなたの本当のねらいは
彼女だった‥‥そうですね?
ア: ‥‥‥‥‥‥

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: 答える必要はないわ!
‥‥これは、悪質な誘導尋問よ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: この質問には、カンタンに
答えられる!
ちがうのならば”ちがう”
‥‥それだけのことです!
冥: それならば!
‥‥そう、成歩堂 龍一!
裁: ‥‥そこまで!
いいですか、成歩堂くん‥‥
わはほッ!
冥: ‥‥私の発言を止めるなんて、
100年早い。
裁: は。
冥: あなたも弁護士なら
‥‥成歩堂 龍一!
証拠を見せなさい!
この証人の、立見 里香に対する
殺意を証明する証拠を!
成: ‥‥‥‥!
裁: そ、そう、それです!
この私に提示してください!
アクロ氏が、その少女に殺意を
抱いていたという証拠を!

(「張り紙」を選択)
成: ‥‥アクロさん。
コイツに見おぼえがありますね?
ア: ‥‥それは‥‥
成: 立見団長の衣装のポケットから
発見されたメモです。
裁: 被害者のポケット‥‥?
成: アクロ氏が書いたものです。
”殺人者に告ぐ”‥‥
事件の夜10時、広場へ呼び出す
ための手紙でした。

(ざわめきが起こる)
裁: 立見 七百人は、その手紙で
呼び出されたわけですか‥‥!
成: ‥‥ただ、
ここで1つ、問題があります。
裁: モンダイ‥‥?
成: アクロ氏は、これをある人物の
ポケットに入れた。
しかし、それは立見団長では
なかった!
冥: ま‥‥まさか、それが‥‥?
成: ‥‥そう。
その人物こそ、
‥‥立見 里香さんだったのです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
な、成歩堂くん! 今の話は‥‥
成: 本当のことです。
ただ、ミリカさんは、その手紙が
自分あてのものだと思わなかった。
‥‥だから、それを事件の朝、
食堂に張っておいたのです。
冥: それを‥‥父親の団長が
読んでしまったわけ‥‥?
成: そのとおり。
団長は、ミリカさんのかわりに
現場に行ったのです!
そして、殺害された。
‥‥ミリカさんのかわりに!
裁: ‥‥そ、そんなことが‥‥
成: さきほどの、アクロさんの
証言を思い出してください!
ア: 『‥‥胸像を持って、窓から
身を乗り出すのはムリですね。
オレの下半身は、今はチカラを
入れることができないんです。
そんなことしたら、
オレのほうが落っこちますよ。』
成: アクロさんは、窓の下に来たのが
”だれ”だったのか‥‥
見ることができなかったんです。
裁: じゃ、じゃあ‥‥! アクロ氏は、
ミリカさんがいると思って‥‥
成: 胸像を落としたのです。

(ざわめきが起こる)
真: ‥‥ね。なるほどくん。
ミリカちゃん、これを今、
傍聴席で聞いてるんだよね?
成: うん。‥‥これからもっと、
キビしいハナシになるはずだよ。
真: ‥‥ミリカちゃん‥‥、
しんぼうできるのかな‥‥
裁: アクロさんが、ミリカさんに
このメモを書いた‥‥!

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ‥‥バカはバカなりのバカバカしい
バカがバカにバカなバカのバカはバ
‥‥‥‥自分で言ってて
よくわからなくなってきた。
とにかく、成歩堂 龍一!
このメモには、こう書いてあるわ!
”事件の決定的な証拠を
あずかっている”‥‥
成: そうですね。
冥: つまり‥‥
立見 里香を”殺人者”
として告発していることになる!
成: ‥‥よくわかってるじゃないか。
冥: な‥‥なにッ!
成: 団長は、その事件を知っていた!
だからあの夜現場に行ったんです。
‥‥かわいいムスメさんの
かわりに、ね!

(ざわめきが起こる)
裁: ま‥‥待ちなさい、成歩堂くん!
あなたは、メモに書かれている
”事件”を知っているのですか!
成: (半年前の”事件”‥‥)

(「もちろん知っている」を選択)
成: ”半年前の事件”‥‥
弁護側にはもちろん、
立証の用意があります!
冥: ‥‥‥バカな!
裁: しかし! それは、今回の
事件にカンケイあるのですか?
成: も、もちろんです!
”半年前の事件”‥‥すべては
そこから始まっていたのです!

(ざわめきが起こる)
真: そ‥‥そうだったの?
なるほどくん!
成: た、たぶん。
冥: ‥‥それならば、さっそく
聞かせてもらうわ。
このメモに書かれている
”事件の決定的な証拠”‥‥
これはいったい、
なんのことなの!
成: (これに答えられなければ、
ハッタリが見抜かれる!)
裁: 半年前の”事件”。メモに書かれた
”決定的な証拠”とは‥‥

(「調味料の小ビン」を選択)
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
むむむむ‥‥‥
はっくしょ! はっくしょ!
はっくしょはがッ!
冥: これは‥‥なんの冗談かしら?
成歩堂 龍一!
成: 冗談なんかじゃありませんよ。
裁: どど‥‥どういうことですか?
成: 被害者は、木箱を持ち去ろうと
していました‥‥。
その箱の中に”決定的な証拠”が
入っていたからです!
裁: まま、またトンでもないコトを!
じゃあ弁護人!
あなたはこう言うワケですか!
”立見 里香さんは、この小ビンで
だれかを殺害した”‥‥と!
成: そうとしか考えられません!

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ‥‥バカのバカげた
バカさわぎというヤツね‥‥
それならば、聞かせて
‥‥成歩堂 龍一!
立見 里香の手によって
ギセイになったのは、だれ?

(「バット」を選択)
裁: そのかたは‥‥?
成: アクロさんの弟です。

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ナニを言ってるの!
彼はまだ、死んでないわ!
成: たしかに、
そのとおりです。
しかし、バットさんは
半年前から意識不明‥‥
アクロさんが、”殺された”と
感じたのも、ムリはありません!
裁: ミリカさんが、彼を‥‥?
冥: バカバカしい。
証人の弟、木下 一平のことは
当然、検察側も調べている。
彼は半年前、ライオンに襲われて
人事不省におちいったのよ!
裁: ラ‥‥ライオン‥‥ですか。
冥: ミリカ‥‥立見 里香は
たしかに猛獣使いよ。
でも、ライオンは、人を
おそう調教など受けていない!
つまり、ミリカ嬢には‥‥
ライオンに人間をおそわせる
ことなど、できるわけがない!

(ざわめきが起こる)
裁: ふむう‥‥では、
その弟さんのことは‥‥?
冥: ”殺人事件”ではなく、
ただの”事故”だった。
裁: ‥‥なるほど‥‥
真: ど、どうする? ‥‥だれも
ナットクしてくれないよ!
ねえ! ホントに事故だったの?
‥‥バットさんのこと‥‥!

(「ただの事故ではなかった」を選択)
成: ライオンがバットさんにかみついた
のは、ただの事故ではなかった!
裁: な‥‥なんですって!
冥: コリない男ね‥‥成歩堂 龍一!
ミリカ嬢がライオンを
けしかけるのはムリだったのよ!
成: ザンネンながら‥‥
ライオンがかみついた原因は、
ミリカさんが作ったのです!

(「スカーフ」を選択)
裁: それは‥‥スカーフ‥‥ですか。
成: アクロさん。
ア: ‥‥‥‥
成: これは、バットさんが巻いていた
ものですね?
ア: ‥‥そうです。
成: このスカーフを、バットさんに
プレゼントしたのは?
ア: ‥‥ミ、ミリカ‥‥です。
裁: ミリカさん‥‥
成: このスカーフには、血の他に、
別のものが付着しています。
裁: ‥‥いったい、なんですか?
成: コショウです。
裁: コショウ‥‥?
成: そのとおり!
ミリカさんは、事故の前に、
バットさんにこれをわたした!
コショウを
タップリふりかけて!
冥: ‥‥‥‥
ア: ‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (なな‥‥
なんだ? このチンモクは‥‥)
裁: あ、あの‥‥弁護人。
ずいぶんイキオイよく
指をつきつけられましたが‥‥
いったい、それが
なんだと言うのですか?
成: え‥‥
裁: コショウをふりかけた
スカーフをプレゼントした。
‥‥それが、罪になるのですか?
成: (どうやら、裁判長はまだ、
わかってないみたいだな‥‥)
冥: ‥‥‥‥‥‥
成歩堂 龍一‥‥。
ライオンは‥‥笑ったそうね?
ア:
裁: わ、笑った?
ライオンが、ですか‥‥?
冥: バット氏が、かみつかれる
直前のこと‥‥
ライオンは一瞬、カオをゆがめて
‥‥”笑った”ように見えた。


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