松下透子さんと親しかった方と分かちあいたい、悲しい話

 埼玉在住の鏡花と、新潟在住の松下さんは、普段のイベントでは接点がなく、5月の スーパーコミックシティに彼女が参加するのが、唯一お会いできる場面でした。
 お互いに、スレイヤーズ大好きでありながら「炎のミラージュ」にもハマった、という珍しい共通点 から、すっかり意気投合して、とても楽しくおしゃべりさせていただきました。
 彼女の本にゲストさせていただいた時も、本当に嬉しく思い、また誇らしく思ったことを覚えています。
 しかし、いつの間にやら彼女のHPが消え、また今年の年賀状もいただけなかった(鏡花が喪中だった ので、年賀状をいただいた方のみにお返しするつもりでいたら、ついつい2月に…)ことから、立春の お便りとして、こちらから葉書を出してみました。
 本日、彼女のお父様からお返事の手紙をいただき、彼女が昨年の年末に、永眠したことをお伝えいただき ました。

 昨年の年賀状にも、彼女からお返事いただき、「今年の5月は、病気療養中で会えないだろう」という ことをお知らせいただいてたので、おそらくその関係ではなかったのかなと思います。
 遠い新潟までは、お焼香に行けず、またご家族ともご縁がないので、せいぜい一度だけお花を贈る ぐらいしかできない自分がとても悔やまれます……。
 彼女の描く作品は、本当に大好きで、今でも「好きな同人作家は?」と聞かれたら、必ず彼女の名前を あげるくらいに大好きです。上手い方は、スレイヤーズ同人界に何人もいらっしゃいますが、ここまで 感性が合った方はついぞお会いできませんでした。
 その好き具合は、「100の質問」鏡花の回答例を見ていただいたことのある方なら、きっとわかって いただけると思います。お世辞は100%抜きで、一番と言えるぐらい好きでした。最近の本では表情も うまくなってきて、これからもっと本を出して欲しいという気持ちは、彼女が本を出さなくなって2年ほど たった今でも、褪せることはなかったのですが。お人柄も良く、ご本人に会えるのは、もはや言う までもありません。

 今は、たくさんの悲しい気持ちと、最期に一言伝えてほしかったちょっぴり恨めしい気持ちで、胸が いっぱいです。今からでも、タチの悪い冗談だった、と笑いながら言って欲しいと、心から思うほど、 とても切ない。ガウリナのこと、ミラージュのこと、まだまだ話したいことは、いくらでもあったと いうのに。遠い空の下から遠い空の上へ、ご冥福をお祈りいたします。



 2004年2月27日に書き記した追悼文です。
 松下透子さんこと岡田奈美子さんの存在を遺す碑文の意味で、ここにあげさせていただきます。