アンコール遺跡旅行記
2024年12月

シェムリアップ(アンコール・トム(3)(パプーオン、象のテラス、ピミアナカス、ライ王のテラス))


アンコール・トム
パプーオン

 9時57分から10時02分、パプーオン見学。

 パプーオンは12世紀中ごろ創建されたヒンドゥー教の寺院。シャム王とアンコール王朝の王が兄弟であったとき、シャムの王から預かった王子を殺してしまったためシャムに侵攻され、アンコール王朝の王妃が我が子を守ろうとこの寺院に自らの王子を隠したので、“隠し子”=“パプーオン”と呼ばれるようになったそうです。
 円柱列に支えられた長さ約200mの参道である「空中参道」を渡ると3層のピラミッド式寺院に行けますが、残念ながら私たちは空中参道の手前から望むだけ。この橋を渡って間近で寺院を仰ぎ見たかったなぁ。せめて途中まででもいいから空中参道を歩きたかったです。

 空中参道は地上と天界を繋ぐ架け橋の意味もあるそうです。

アンコール・トム
パプーオン


アンコール・トム
パプーオン

 パプーオンから道なりのお隣りともいえる象のテラスへ。

アンコール・トム
象のテラス


アンコール・トム
象のテラス

 10時02分、象のテラス見学スタート。

 12世紀末に造られた王宮の前にある王族たちが閲兵を行ったテラス。

 テラス前に広がる王宮広場は、思っていた以上に広大でした。
 象のテラスの側面にも分かりずらいですが、象を横から見た姿が見られます。

 王宮の塔門前のテラス(象のテラスから続いている)は王のテラスで、右の写真の向かって右の3分の1は王のテラスになります。

 王のテラスの側面彫刻はガルーダが刻まれていて、象とはまた異なる雰囲気。

アンコール・トム
象のテラス


アンコール・トム
象のテラス


アンコール・トム
王のテラス

 ガルーダとは人間の胴体と鳥の頭を持つ霊獣で、ヴィシュヌ神の乗り物だそうです。
 顔が鳥でも身体が人間なので、力持ちの重量挙げの力比べのようにも見えたりします。

 ←左のガルーダの顔は鳥なのがよく分かります。

アンコール・トム
王のテラス

 王のテラスの階段から、王のテラスに上ります。

 王のテラスの上にはナーガと狛獅子がいます。
 今まで狛獅子さんと呼んでいましたが、シンハ(獅子)像→が正式のようです。

 王のテラスに立ち、王宮広場を眺めます。王のテラスから見える緑の木々の縁に並ぶ12の塔は、アンコール王朝周辺の12の国を表しているそうです。

アンコール・トム
王のテラス


アンコール・トム
王のテラス

 王のテラスから見える王宮広場。ここで戦いから凱旋した将兵たちや、周辺諸国の王たちを出迎えたそうです。真正面には勝利の門へ真っすぐに続く道が。

 王のテラスの背後には、王宮へ通じる王宮の塔門が控えています。

 10時20分、象のテラスの見学終了。

アンコール・トム
王のテラスから王宮の塔門


アンコール・トム

 アンコール・トムの建造物には、その建物の由来や関連する事物が刻まれています。

 続いた戦乱・内戦などで、文化の伝承が途切れてしまったため、これらの古い建造物に刻まれた文字を解読し、伝統文化、芸能を復活するのに活用しているとのことです。

 ガイドさんからピミアナカスまでまで、そんな話しを伺いながら歩きます。
 10時24分から、ピミアナカス見学。

 ピミアナカスは11世紀初頭に王宮城壁内に創建された一部の王族のための寺院。

 ピミアナカスには、ピミアナカスの塔にナーギー神(9つの頭を持った蛇の精)が宿っており、その蛇は毎夜美しい女性の姿で現れ、王は妻と寝る前にまずその美女と交わらなければならず、一夜でもこの行為を怠れば王は早死にすると信じられていたという伝説があります。

アンコール・トム
ピミアナカス


アンコール・トム
ピミアナカス

 パプーオンといい、ピミアナカスといい、そんな伝承、曰く付きの建物がたくさん。

 ピミアナカスの背後にかつては王宮がありましたが、王宮は木造であったために長い時の流れの中で失われてしまい、今はもう目にすることはできません。

アンコール・トム
ピミアナカス

 ピミアナカスの遺跡内部は立入禁止。

 このピミアナカスは「黄金に覆われていた」そうです。

 中央の塔の黄色いカサのようなモノは?ガイドさんに聞くのをウッカリしてしまいました。

アンコール・トム
ピミアナカス


アンコール・トム
ピミアナカス

 ピミアナカスの3壇の基壇の四隅にはあるのは象の像←だそうですが、損傷が激しくて何の動物かアップにしても???状態。
 ピミアナカスに最大近づいてここまででした→。

 ここで方向を変え、男池、女池を見ながら、王宮を取り囲む城壁からライ王のテラスへ通じる門を目指します。

 ピミアナカスに隣接して、男池・女池の2つの池があります。

アンコール・トム
ピミアナカス


アンコール・トム
男池・女池

 ガイドさんは大きな池の方を「男池で王の沐浴場」、小さな池の方を「女池で女性の沐浴場」と案内していました。
アンコール・トム
男池・女池

 どうも、この男池・女池に関しては所説あって、どちらがどちらか確定していないようです。

 10時35分、ピミアナカス見学終了。

アンコール・トム

 ピミアナカスからライ王のテラスへ向かう道には、石材が番号を振られて修復のときがくるのを静かにを待っています。いつ、そのときが巡ってくるのか…。
アンコール・トム


アンコール・トム
ライ王のテラス

 10時39分、ライ王のテラス見学スタート。

 ライ王のテラスは12世紀末の建造。三島由紀夫の戯曲「癩王のテラス」により有名です。

アンコール・トム
ライ王のテラス

 真横から見るライ王のテラスの壁面一面に施された壁画→。ただただスゴイ!
 テラス最下部のナーガさんは9個の頭を持っていて、おそらく私がアンコール遺跡群で見たナーガさんでは最多の頭の数だと思われます。

 ライ王のテラスの上からの眺めは「象のテラスからの眺めと同じです」(byガイドさん)ということで、希望者のみライ王のテラスまで上りました。

 高いところに上る機会があれば上る!をモットーにしている私たちは、もちろん!上ったのは言うまでもありません。

アンコール・トム
ライ王のテラス


アンコール・トム
ライ王のテラス

 ライ王のテラスのライ王象はレプリカで、オリジナルはプノンペンの国立博物館にいらっしゃるそうです。
 ライ王のテラスに上り、ライ王像の写真を撮影してライ王のテラスに来た認証を。

 ライ王のテラスには内壁と外壁の間に通路があって→、内壁の壁画が見られるようになっているとのことす。

アンコール・トム
ライ王のテラス

 ただし、残念ながら私たちはそこまで行く時間がなく、10時45分、ライ王のテラスの見学終了。

 同時に、8時42分の南大門からスタートしたアンコール・トムの見学も終了です。

 10時47分、小型バス乗車・出発。
 バス車中で、クーラー・バッグに入れて置いた冷たいスポーツドリンクで水分補給。

アンコール・トム
ライ王のテラスより象のテラスを望む