ここ16階は、バイクの産地として有名だそうだ。
「どうだ?おれとバイクで勝負しないか?」
ショウが提案をしてくる。
「ああ、いいよ。何か賭ける?」
「そうだな‥‥これなんかどうだ?この前拾ったものだ」
ショウが手にもっているものは‥秘宝だ!
ちからのマギ。シンプルな効果だが使いどころは結構ある。
「じゃあオレは神の左足を賭けるよ」
賭けは成立した。審判はデューンにやってもらおう。
「ヒャッホーウゥ!」
オレはバイクを乗り回した。
すごく楽しい。
ショウとは互角の勝負になっていた。
「やるなあ‥なら、これでどうだ?」
ショウは体当たりをかましてきた。
オレのバイクが大きくフラつく。
「ちょっと待って!ずるいぞ!」
「勝負にずるいもくそもあるか!おらおら!そこをどけ!」
なんかゾクみたいだ。
何度も体当たりされたり蹴りを入れられるうちにオレもいい加減腹がたってきた。
「受け取れっ!」
いきなりショウの鼻先に神の左足を放り投げてやる。
「おわっ!?」
ショウは思わず両手でそれをしっかりとつかむ。
完全にバランスを崩したところでショウのバイクに突撃する。
バキッ!ドガガガガッ!
ショウとバイクは大きく回転しながら吹っ飛び、そして動かなくなった。
やった、オレの勝ちだ。
ドォン!
ん?今、何かをはね飛ばしたような‥‥?
「うわわわわっ!」
よく見たらデューンが頭から血を流して倒れているじゃないか。
‥‥どう考えてもオレのせいかな‥‥?
オレは逃げ出した。
「ちょっと待て!仲間をひき殺して逃げる主人公がどこにいるっ!」
デューンはフラフラになりながら叫んだ。
無事だったか。
「死んでないじゃないか」
「当たり所が良かったんだよ」
一応オレのせいだし、仕方が無いのでショウとデューンの手当てをしておいた。
賞品の秘宝を奪い取ることも忘れない。
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