ストーリー
領主(ロード)が魔族に狙われ、病に倒れ命が危ない。そんな事件の解決を依頼されたリナは、
マディック親衛隊長に案内され、魔族とおぼしき声の聞こえる夜の森へ行く。しかし、そこに現れた声は
リナにはイヤというほど馴染みの深い――単なる(?)ナーガの高笑いだった。魔族の仕業ではないと
知って脱力する兵士たち。だが、リナはそこに、ロード暗殺のにおいを嗅ぎ取る。
改めて、ロード呪殺を目論む犯人の発見と阻止を依頼され、それを受けるリナ。ロードの肉親は、今は
弟が一人いるだけだと聞くと、リナはすぐにその弟が黒幕だと断じた。そしてそれは、大正解だったので
ある。
根性のないロードの弟は、問いつめると簡単にすべてを白状した。気晴らしにお忍びで町の酒場に行って
いたこと。そこで一人の呪術士を知り合ったこと。軽い気持ちで、兄を呪い殺すためのハンカチを渡した
こと。ロードを救うには、ソリスと名乗った呪術士を見つけ出し、術を中止させなければならない。
さっそく、リナたちはソリスの捜索を開始した。そう大きくないベルミックの町で、ソリスの足取りは
わりとすぐに見つかる。なんとか森の奥にある、ソリスの家に行くことはできたが、しかしソリスはそこ
にはいなかった。おそらく他の場所で呪術を行っているのだろう。リナの見立てでは、そう遠くへ行っては
いないはずなのだが、場所までは特定できない。悩む一同に、それまでろくに役に立っていなかった
ナーガが、当たり前のように言い放つ。「地下墓所(カタコンベ)は捜したでしょうね?」と。なぜそんな
ところを捜すのか、一同が首をかしげると、ナーガはやはり常識という口調で、こんなのは呪術の基礎知識
だと言った。ナーガは子供の頃、母親から呪術の基礎知識を習っていたのだ。ナーガの持っていた基礎知識
を聞き、リナはソリスが城の脱出用地下通路にいる可能性を思いつく。
ロードの部屋を調べると、やはり先代によってふさがれてはいたものの、先代がこの城に来る前に作られ
ていた隠し通路が発見された。地下通路を、ハムを焼くにおい頼りに駆けてゆくと、やがて現れたのは儀式
の魔法陣と呪術士ソリス。リナはソリスが逃げ出す前にさっさと吹っ飛ばして縛り上げる。するとソリスは
観念して、この事件の裏を語りはじめた。
実はソリスは、今のロードの父親が、この地方のロードに任命される以前のロードと、遠い遠い縁続き
だったらしい。だから世が世なら、自分がロードのはずだった、と。しかし、現ロードの父親が国王に、
前のロードの悪事を告発、その権力と手を組んでいたソリスの父親も商売に失敗して夜逃げ、そして彼は
働かないで遊んで暮らすという将来展望が破られたため、その復讐のつもりだったのだと言う。そんな
身勝手な動機は軽く聞き流し、リナたちは魔法陣を破壊して術を解き、ソリスはマディック親衛隊長に
引き渡して、事件は解決したのだった。
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