ストーリー
新しい冒険は、いきなり危機を迎えていた。なんと、出港の騒ぎで、食料が全て流されてしまって
いたのだ。すでにピクリとも動けない、リナ、ガウリイ、アメリア。ガウリイなど干からびて、鳥に
つつかれる始末。しかし、ゼルガディスがここで、「鳥がいるということは、陸地が近い」という
ことに気づく。
飢えた不満を力に変えて、全速力で町へと向かう一行。だが、その町はグラボス一味に
襲われていた。町を救おうと、リナ達は戦う。その野獣のような食欲を満たすために……。
爆弾や大砲という、彼らには馴染みのない武器を持っていたグラボス達だったが、所詮リナたちの
敵ではない。簡単に追っ払い、彼らはこころゆくまで食事を堪能した。
腹の具合も一段落つき、老人からお礼の言葉をもらっているところで、リナが一匹の黄金竜
(ゴールド・ドラゴン)が飛んでいるのを発見する。それは、なんと出港の日に彼らを襲ってきた黄金竜
だった。急いで後を追うと、竜は人気のないところで、人間形態へと変身する。そこに立っていたのは、
リナに仕事の依頼を持ってきた、謎の女性・フィリアだった。
フィリアの説明によると、彼女は火竜王に仕える巫女で、事の起こりは数週間前、神託が下ったことに
よる。それを解釈すると、世界に危機が迫っており、その危機を解決するカギが人間らしいので、力の
ある人を探していたという。人間代表とは悪い気がしない、といい気分になっているリナへ、フィリアは
無情な真実を告げた。リナは補欠で、本来の候補には断られたため、代わりにリナにこの話が来たと
いう。
当然のことながら怒り、話を断ろうとするリナ。しかしそれも、フィリアの持ってきた、元の候補から
の手紙を見るまでだった。見る間に青くなり、怯えるリナ。なんとその元の候補=手紙の差出人とは、
リナの姉だったのだ。リナに、受ける以外の選択肢はなかった。
その頃。リナにさんざんやられて逃げ帰ったグラボスたちは、自分たちの主・ヴァルガーブに事の次第
を報告していた。それを聞いて、ヴァルガーブは不敵に笑う。リナを倒すことを己に誓いながら……。
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