床ずれに注意しましょう
ハエに注意しましょう
足とお尻のケガに注意しましょう
発熱に注意しましょう



★床ずれに注意しましょう★


 わんこも同じ姿勢で寝かせっぱなしにすると、床ずれを起こします。
 それを防ぐには、2〜3時間おきに立たせ、下になる身体の面を変えるのが一番です。
 床ずれを防ぐ、ドーナツ型のクッションも市販されていますが、思わぬ場所に床ずれを作る可能性もあります。(少なくともうちのわんこには使ったことがないので、オススメできません)
 やはり適度にひっくり返すのが、一番の予防法です。

 それでもうっかり床ずれを作ってしまった場合、洗浄して治す方法をオススメします。
 細菌の増殖を防ぐため、傷口をまめに洗い、乾燥させることが一番です。頻度は多い方が良いので、できる限りの範囲で行いましょう。(できれば6時間おき)
 手順は以下のとおりです。

1.容器にぬるま湯を入れ(うちはプリンのカップを使用)、化粧用のコットンをひたす
2.コットンをスポンジ代わりにして、床ずれの部分に、ぬるま湯を流す
(コットンで直接、というより、流れるぬるま湯で傷口を洗う感じ。傷口に繁殖している細菌を洗い流します)。流したお湯は受け皿にためる(スーパーの発砲スチロール皿などを使用)。またはタオルで水を吸い取っても良い。
3.傷口の水分をよくふき取り、ドライヤー等の温風
(熱くしすぎない)で乾かす。患部が破れていない(傷までひどくなっていない)ときはマッサージをして血流を良くする。
4.薬で消毒する
(うちでは傷口が開いている場合はテラマイシン、かさぶたになっている場合はホルム酸を使用)。傷口が開いている場合はバンドエイドか、コットンをテープで止めたもので、傷口を保護。

 床ずれを早く治そうと、床ずれのない面を下にして寝かせ続けてはいけません。今度はそちらに床ずれができてしまいます。
 ひっくり返す頻度と時間は、下になる面が身体の右側でも左側でも同時間にして、根気よく治していきましょう。
 床ずれ治療に一番大事なのは、根気です。


 当HPの訪問者であるケイ様(ケイ様、情報提供ありがとうございました。感謝感激でございます)から、ラップを使った治療法を教えていただきました。実践されて、ほぼ治った子がいるという確実な方法です。

1.オキシドールを含ませた脱脂綿で傷口を消毒。膿も拭き取る。痛がるようなら、精製水などで薄めても良い。
2.外用散剤『イサロパン』を傷口に使用。人間用のお薬だそうです。ただし処方薬とのことなので、市販はされてないのかも……?少なくともネット通販では確認できませんでした。
3.ガーゼではなく生理用ナプキンをあてる。ポリマーが入っていないものなら、半分に切れるそうですので、傷が大きくないときは経済的。最近のは性能がいいので、逆戻りせずいつまでもサラサラな清潔感!薄目ので良いようです。
4.その上から食品包装用ラップをあて(ナプキンを包み込む大きさ)、包帯を巻いて止める。

 このラップ療法は最近確立された、体が傷を治そうとする成分を閉じこめることにより自己回復力を高めるという、人間用の床ずれ治療などにも使われている(某医療マンガにも描いてあった)方法を応用しています。安価で非常に効果が高いようです。また長毛種の子はテープで止めようとしてもすぐに剥がれてしまう、という悩みがありました(うちもそうだった……)が、包帯ならばこの悩みは解決できるようです。
 ただしガーゼももちろんそうですが、傷口の膿等のためガーゼやナプキンが傷口に貼り付いてしまっているときは、力まかせに剥がさないよう注意しましょう。ぬるま湯などを使って水分を与えてやると、無理に剥がさなくても取れます。


★ハエに注意しましょう★


 排泄物のニオイにつられ、ハエが飛んできます。
 下半身が不自由で感覚の鈍くなっているわんこは、ハエが止まっていても気づけません。
 排泄物をエサにされるくらいならば大きな問題はありませんが、お尻に卵を生み付けられることがあります。
 そうなるとお尻にウジ虫がわき、お尻の皮膚を食い破られてしまいます。
 こうなってしまっては、もう病院で取ってもらうしかありません。
 ちなみに最も一般的なイエバエは、25℃では12〜24時間、30℃では8〜12時間で卵から孵化するそうです。
 まったくもって、油断がなりません。


 予防方法としては、この2つを徹底しましょう。

1.わんこのお尻の排泄物を、キチンと拭き取る
2.お尻にハエを寄せ付けない
(オススメは、お尻にタオルをかけておくこと)

 また、わんこの近くにハエがいたら、すかさずハエタタキでひっぱたくのもいいことです。
 蚊もうっとうしいですが、ハエには一番注意してください。
 お尻だけでなく、床ずれにも気をつけてください。床ずれは傷口であり、膿を持っていることも多いので、ハエの産卵場になりやすいのです。


★足とお尻のケガに注意しましょう★


 わんこの腰を持ち上げたり、足を持って歩かせたり。下半身が動かないわんこの世話は力ワザです。
 だからちょっと手がすべって、尻もちをつかせてしまったり、足を地面に引きずってしまったりすることがあります。
 尻もちをつかせるとお尻にケガをしてしまうことがあり、足を引きずり続けると爪がすり切れてしまいます。
 (足の爪は保護のため、散歩のときにくつ下をはかせるといいでしょう)
 他にも、つまづいて転んでしまったとき、傷をつくってしまうこともあります。
 元気なわんこならば自然治癒力で治るでしょうが、抵抗力の落ちたわんこでは、人間が手伝いをしてあげなくてはいけません。

 オススメは、床ずれのところでも書いた、洗浄方法です。
 雑菌の繁殖をおさえるだけで、傷口が膿まなくなります。
 (逆に膿んでしまうと、傷がひどくなってしまいます)
 上記の床ずれと同じ方法で洗浄してあげましょう。ただし、消毒方法は傷の部位に合わせて変えます。

 うちのわんこは、お尻の傷にはテラマイシンを使いました。足の内股に傷ができたときは消毒液で消毒して、化粧用コットンとサージカルテープで簡易バンソウコウ代わりに(おしっこがかからないようにするため)。足の爪がすりきれた場合はホルム散(あの粉がパフパフ出てくる薬)にお世話になっています。(スプレータイプは、傷口が冷えるので直接使用しない方が良いと思われます)

 もちろん一番いいのは、わんこにケガをさせないことです。
 お尻を落としそうになったり転ばせそうになったら、早めに腰を下に下ろしたり受け身をとらせるようにして、ダメージを最小限に押さえましょう。


★発熱に注意しましょう★


 これまで、ろくに病気ひとつしたことのないようなわんこでも、介護の必要なわんこになることはありえます。そして年をとったら、思わぬ体調の崩れを起こしたりするものです。
 そのうちのひとつが、発熱。これまで外で過ごしていたのだからと、ついつい寒くても放っておいたりすると、カゼを引いて発熱することがあります。くしゃみでもすればカゼだと気づくのですが、発熱から始まるわんこの場合、気づくのが遅れてしまう可能性も。
 食欲が昨日に比べていきなり落ちていたり、身体をさわってみてなんだか熱いとき、いつもと様子が違うときは、熱をはかってみましょう。もちろんそのために、普段の平熱も知っておかなければなりません。
 熱があったときは、これ以上熱が上がらないように保温に務めます。ただし、夏は普段に比べ、熱がこもって平熱より体温が上がり気味になります。あまり熱が高いと解熱剤を使用することになりますが、夏の場合、平熱+1℃までは大丈夫です。
 わんこの体温は、後ろ足の腿の付け根やわきの下の、毛の薄い場所に体温計を押しつけてはかります。お尻につっこむ、という計り方が正式ではありますが、わんこが痛がっていやがるので、少々大変です。
 40℃未満まででしたら、解熱剤をつかう前に、お菓子等についている保冷剤をタオルにくるみ、腿の内側(血管の太いところ)に当てて冷やします。冷えすぎに注意しましょう(取るのを忘れないように)。