★寝床での介護★


 寝床での介護で一番重要なのは、床ずれを作らないこと。
 床ずれは、一度できると治すのに大変な時間と労力と注意を必要とします。
 そのためには、2〜3時間おきに人間の手で寝返りをうたせ、下になっている面を逆にするのが最も効果的です。
 共働き等で、昼間家に人のいないご家庭ではかなり厳しい条件かと思いますが、ともかくこまめにひっくり返すしかありません。
 長時間留守にする場合は、床ずれ防止に役立つドーナツ型クッションも市販されていますが、うちでは夜間のみ使用しています(新生児用の薄い枕を使用)。
 人間の介助があれば立てるわんこの場合、寝返りをうたせるときは必ず立たせましょう。
 ずっと寝ているより血行の流れが良くなって、健康を保つことができます。
 また立たせたついでに、水も飲ませてあげるといいです。
 人間は気づかないけれど、わんこは案外水を飲んでいます。自分で飲めない分、人間がまめに飲ませてあげましょう。
 寝たきりで、前足も後ろ足も動かないわんこに寝返りをうたせる場合、シーツを使う方法があります。
 シーツの端を持ち、それをめくって上にいるわんこをひっくり返します。
 あるいは、四つ足を全部持って、背中を軸に転がしてもいいでしょう。
 ただしどちらの方法も、ひっくり返した足が地面に激突したり、足を持った場合は上に上げすぎて脱臼しないよう、1回ごと十二分に注意してください。
 また、背中を軸に回転させる方法のため、ベッドサイズがわんこの大きさと同じ場合、わんこがベッドから大きくはみ出してしまいます。
 力のある方はわんこの位置を戻してもいいし、力に自信のない方は、新しいマットを買い足して倍の広さを確保するのがいいかと思われます。
 食後すぐにひっくり返すのは、絶対に避けてください。
 食べたものを吐き出す可能性もありますし、何より胃がねじれて、胃捻転になる恐れがあります。
 胃捻転は一刻も早く手術しないと命にかかわる、大変恐ろしい病気です。大型犬は特に起こりやすいそうなので注意しましょう。
 できれば食前にひっくり返すのが好ましく、食後はしばらく置いてからひっくり返しましょう。
 食後すぐに寝返りをうたせるときは、必ず立たせてからゆっくり逆方向に寝かせます。

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