第5話『華麗なる逆転』探偵パート2日目(その2)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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?: うおおおおおおおおおおおおおッ!
毘: なな、ナニ! この、まわりの
メイワクを考えないオタケビは‥‥
糸: アンタ! こんなところで
くつろいでいたッスかッ!
成: イトノコ刑事!
も、もしかして、おぼろ
糸: 橋ッス! 橋ッス!
とりあえず、わたったッス!
毘: あらあらあらあらあら。
じゃあ、オバサンもひとつ。
糸: いやいやいやいやいや!
関係者以外、立入禁止ッス。
毘: ナニ言ってるんだい!
オバサン、どこから見ても、
どっぷり関係者じゃないか!
糸: いや、まあ‥‥
ある種、そうなんスけど‥‥
ぎゃはああッ!
冥: ひさしぶりね。
‥‥ヒゲ。
糸: あ‥‥‥‥アナタはァッ!
か、か、か、か、か、か、か、か、
かははあああああッ!
冥: ジューショクさま。
調査は、私にまかせなさい!
毘: おやおや。まあまあ。
なんか、たのもしいわ、アナタ。
冥: 私は、あなたのミカタ。
‥‥悪いようにはしないわ。
成: (あやめさんを有罪に
しようとしているクセに‥‥)
冥: ナニをぼやぼやしているの、
成歩堂 龍一ッ!
成: い、イタいな! ナニするんだ
冥: おダマりッ!
この狩魔が、キサマの調査の
指導をしてあげるわ。
さっさと、ついて来なさいッ!
成: (や‥‥やれやれ‥‥
ついてくる気か‥‥このムスメ)

(「葉桜院・山門」に移動する)

(「吊り橋」に移動する)

(「奥の院・修験堂入口」に移動する)


同日 某時刻
奥の院・修験堂前

成: ‥‥この前とちがって、
なんか騒がしいな‥‥
冥: どうやら‥‥捜査が
始まったようね。
?: あっ‥‥なるほどくん!
成: (こ、この声は‥‥)
春美ちゃん!
春: ‥‥なるほどくん‥‥
なるほどくううううん!

成: じゃあ‥‥やっぱり、あの夜は‥‥
ここにいたんだ。
春: わたくし‥‥もう、さみしくて
死んでしまうかと思いました。
朝、起きてみると、
おぼろ橋はなくなっていて‥‥
わたくし‥‥ひとりぼっちで。
成: (”ひとりぼっち”‥‥?)
冥: それは大変だったわね、
おじょうちゃん。
春: あ‥‥!
あなたは‥‥
冥: 狩魔 冥。‥‥天才検事よ。
私が来たからには、もう安心‥‥
春: ‥‥1年前、真宵さまを
いじめた、検事さまですね。
冥:え‥‥。
春: わたくし‥‥キライですっ。
冥: ‥‥‥‥ッ!
春: 真宵さまは悪くなかったのに‥‥
わたくし、ユルしませんっ!
冥: ‥‥ぐ‥‥‥‥ッ!
成: (‥‥そうとう
効いてるみたいだな‥‥)
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: いててててッ!
モノも言わずに、たたくなよ!
冥: うれしそうなカオ、するなッ!
成: そ‥‥それより、春美ちゃん。
真宵ちゃんは‥‥
いっしょじゃないの?
春: あ‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
申しわけありません!
ゼンブ‥‥わたくしのせいですっ!
成: は‥‥春美ちゃん‥‥?
春: わたくし‥‥
わたくし‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あああああああああああああん!
まよいさまああああああああっ!
成: あ! ‥‥春美ちゃん!
(走って行っちまった‥‥)
いててててッ!
冥: ‥‥女の子を泣かせるなんて‥‥
サイテイね、成歩堂 龍一!
成: (ど‥‥どういうこと、だ?
イヤな胸騒ぎがする‥‥
とにかく‥‥もう一度!
よく調べなおしてみよう!
‥‥どことなく、2日前と
フンイキが変わった気がするし)

(「焼却炉」を調べる)
成: (あの焼却炉‥‥あやしいニオイが
ただよっているな。
これ見よがしに、フタも
開きっぱなしになってるし‥‥)
‥‥どれどれ。
いったい、どんな手がかりが‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
信じられない。カラッポだ。
冥: アマいわね、成歩堂 龍一。
成: でも‥‥ちょっと、
気になるんだよ。‥‥狩魔 冥。
(ぼくが最初に見たときは、
たしか‥‥
あの焼却炉には、
雪がつもっていた。
やっぱり! だれかが、
何かを燃やしたんだ‥‥)
冥: ‥‥ひとつ、いいかしら?
成歩堂 龍一。
ヒトをフルネームで呼ばないで!
なんか、気にさわるわ。
成: ‥‥きみのマネをしただけだぞ。

(「奥の院・修験堂内」に移動する)


同日 某時刻
奥の院・修験堂内

成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: どうしたのかしら?
ダマりこんで。
成: ここで修行していた
はずなんだよ。‥‥真宵ちゃん。
冥: ‥‥どうやら、
姿は見えないわね。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(‥‥なんだ?
あの妙な<<錠>>は‥‥?
あんなの、2日前にはなかった。
それに‥‥
この部屋‥‥どうも、妙な
フンイキがただよっている‥‥)

(「掛け軸」を調べる)
冥: 成歩堂 龍一。
この黄色いポスターは何かしら?
成: ああ。それは<<掛け軸>>だよ。
描かれている女のヒトは‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: ‥‥”女のヒト”と言われても‥‥
私には、何も見えないわ。
成: (この部屋に来たときから、どうも
妙なムードがただよっていた。
ただよっていたのは、ムード
じゃない! ‥‥ニオイだ!)
‥‥カレー‥‥
冥: ? どうしたの、成歩堂 龍一。
成: この掛け軸‥‥。カレーが
ぶちまけられているんだよ。
冥: たしかに‥‥この部屋は、食欲を
そそるニオイがたちこめているわ。
でも‥‥なぜ?
カレーはインドの食文化よ。
この国では、インドのカレーを
画材として使用するのかしら?
成: どの国でも、使用しないと思うよ。
‥‥まず、ニオうし。
(事件があった夜‥‥みんなで
食べたカレー‥‥だよな、これ。
いったい‥‥だれが、なぜ?
掛け軸に、こんなコトを‥‥)

<<掛け軸>>のデータを修正した。
Rボタンで切り替えられる。

(「鉄の扉」を調べる)
成: このトビラ‥‥
2日前に来たときは、こんな
妙な<<錠>>は、かかってなかった。
冥: まるで、ほら穴を守っているかの
ようね。‥‥この、クサリ。
こんなフシギな<<錠>>‥‥
見たことがないわ。
成: (‥‥ぼくには、見おぼえがある。
この<<クサリ>>と<<錠>>‥‥
ココロの暗闇を守る
<<サイコ・ロック>>‥‥で。
この<<錠>>も、何かを
かくしているのだろうか?
<<ほら穴>>という
暗闇の向こうに‥‥)
?: ずいぶん、おそかったじゃねえか。
待ちくたびれちまったぜ。
‥‥まるほどう‥‥
成: ご‥‥ゴドー検事!
来てたんですか‥‥
冥: ”検事”‥‥ですって?
成: ゴドー検事! 今日の法廷‥‥
どうして行かなかったんですか!
ゴ: クッ‥‥! それは
アンタも同じだって聞いたぜ。
成: え! ぼ、ぼくは‥‥その。
カゼをひいちゃったから‥‥
ゴ: ‥‥オレには、もう少し
大事な用があったのさ。
アンタには、一生
リカイできないだろうが、な。
冥: ‥‥どうやら、読めたわ。
キサマね。神聖なる法廷を
すっぽかした、最低の検事!
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ダレだい? この、
じゃじゃ馬ムスメは。
成: 今日の法廷で、あなたの
かわりをつとめた、狩魔検事です。
ゴ: クッ‥‥! そいつは
ゴクロウだったなァ。
おじょうちゃんは、もういいぜ。
‥‥これからは、オトナの時間だ。
冥: な、何を勝手なコトを!
この事件は、私の‥‥
ゴ: おしゃべりなオンナは
好きじゃねえ‥‥。
もう一度だけ、言う。
‥‥アンタ、帰っていいぜ。
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なるほどおおおッ!
成: だから、なんでぼくを
たたくんだよ!
ゴ: クッ‥‥! ムチじゃァ
まだ、足りねえぜ。まるほどう‥‥
成: な‥‥なんだと‥‥!
ゴ: まだ、アンタはわかっていねえ。
自分が、取り返しのつかないコトを
したかもしれない、ってなァ‥‥
成: (ご、ゴドー検事‥‥
なんか、いつもとちがうぞ。
マスクの裏から‥‥
強烈なチカラを感じる!
これは‥‥<<怒り>>と‥‥
そして‥‥
<<哀しみ>>‥‥?)

(「法廷を休んだ理由」を聞く)
成: <<大事な用>>があったんですよね?
だから、法廷に行かなかった。
その<<大事な用>>って‥‥
なんだったんですか?
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
前に一度だけ、言ったことがある。
おぼえているかい‥‥?

ゴ: 『オレは、アンタと
戦わなけりゃならねえ。
そのために‥‥
地獄から戻ってきたのさ。』

ゴ: ‥‥オレはなァ。
一度、死んだオトコ、なんだよ。
成: <<死んだ>>‥‥?
ゴ: 死人が地獄からよみがえるには‥‥
くだらねえ手つづきが必要なのさ。
定期的な身体機能の精密検査、
体内物質の補給・調整‥‥
めんどくせえ現代医学にすがって、
みっともなく生きながらえる‥‥
それが‥‥今の、このオレだ。
成: そ、それじゃあ‥‥
その、マスクも‥‥?
ゴ: この、みにくいシロモノかい?
シャレでつけてるワケじゃねえぜ。
コイツがなきゃ、オレはアンタの
マヌケヅラを見るコトもできねえ。
成: そ‥‥そんな‥‥
ゴ: ‥‥オレの目は、とっくに
イカれちまっているのさ。
こんなデカいメガネをブラ下げて
いても‥‥完全には見えねえ。
まあ‥‥、このポンコツな
身体を点検していたワケだ。
冥: いったい‥‥
何があったというの?
<<一度、死んだ>>‥‥などと‥‥
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それは、コイツに聞いてくれよ。
成: え‥‥!
ぼ‥‥ぼく‥‥ですか!
ゴ: ‥‥そうさ、まるほどう。
アンタは、知っているハズだ。
このオレが‥‥いつ。
そして、だれに”殺されたのか”?
冥: な、成歩堂 龍一ッ!
‥‥そうなの‥‥?
成: そ、そんなこと言われても‥‥
(‥‥アタマの中に、
何かが引っかかっていた‥‥
ゴドー検事が
”殺された”事件‥‥
ぼくは‥‥
それを、”知っている”‥‥)
ゴ: いずれ‥‥
ハッキリするだろうさ。
‥‥何もかも、な。
そうだろう? まるほどう‥‥

(「取り返しのつかない」を聞く)
成: ぼくが‥‥”取り返しの
つかないこと”をした‥‥
さっき、そう言いましたね。
‥‥どういうことですか?
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
オンボロ橋の、こちら側‥‥
奥の院は、<<陸の孤島>>だ。
成: (それは、ビキニさんも
言ってたな‥‥)
ゴ: なあ、アンタ。知ってるかい?
今日、こっちにわたってきた
警官たちが、何をしているか‥‥
成: な‥‥なんですか?
ゴ: 連中、必死で探しているのさ。
消えちまった修験者の
痕跡を‥‥、な。
成: き‥‥”消えた”‥‥?
ゴ: ‥‥捜索隊を代表して、
これだけは断言してやろう。
綾里 真宵は、オンボロ橋の
こちら側には、存在しねえ。
成: え‥‥‥
そ‥‥そんな、バカな!
だって‥‥あの晩、彼女は‥‥
ゴ: 同じコトを、二度は言わねえ。
可能性は、ゼロ‥‥だ。
ただ‥‥1カ所をのぞいて、な。
成: (1カ所‥‥?)
ゴ: 目の前にある、
この<<修験洞>>の中さ。
捜索隊が調べていないのは、
あとは、この中だけだ。
成: (‥‥この、ほら穴か‥‥)
ゴ: ただ‥‥修験洞内の温度は、
氷点下にいたることもある。
もし‥‥この中に
綾里 真宵がいたとしても‥‥
‥‥正直、生存の可能性は
高いとは言えないだろうぜ。
成: そ‥‥そんな‥‥!
ゴ: アンタは、綾里 真宵を
見殺しにしたことになるのさ。
冥: バカなッ!
それならば‥‥なぜ!
さっさと捜査をしないの!
ゴ: アンタにも、見えるだろう?
そこにブラ下がっている<<錠>>が。
<<からくり錠>>だ。
今、解除の手配をしている。
‥‥どうだ? まるほどう。
アンタのせいで‥‥またしても
女がひとり、死ぬ。
成: ま‥‥”またしても”‥‥?
な、何を言い出すんだ!
ゴ: 忘れたとは言わせねえ。
‥‥まるほどう‥‥
今から、3年前だ。
‥‥アンタのせいで、
死んだ女がいただろう?
成: (ぼ‥‥ぼくのせいで‥‥?)
ゴ: 綾里 真宵の、姉‥‥
そう。綾里 千尋さ!
成: ち‥‥千尋‥‥さん‥‥?
ゴ: 彼女は、アンタが殺したんだ!
成: ち‥‥ちがうッ!

(「綾里千尋」を聞く)
ゴ: ‥‥3年前‥‥
綾里 千尋は、ある男を
追いかけていた。
彼女は、あまりに巨大な相手を
敵に回しちまったのさ。
成: (‥‥その事件なら、
ぼくも知っている‥‥)
でも‥‥そいつには、
ぼく自身が決着をつけたはずだ!
ゴ: たしかに‥‥綾里 千尋を
殺害した犯人は、捕らえられたさ。
しかし! ‥‥彼女はもう、
帰っては来ねえ。
成: ‥‥そ、それはそうだけど‥‥
ゴ: あのとき、彼女のそばにいたのは、
アンタだけだ。
アンタが‥‥彼女を
守ってやるべきだったのさ!
成: ‥‥‥ぐ‥‥ッ!
ゴ: 綾里 千尋が<<師匠>>だと‥‥?
笑わせるな、まるほどう!
アンタは、彼女のイノチを奪った。
そして、今‥‥
彼女の妹のイノチすら、
見殺しにしようとしているのさ!
成: (ぼ‥‥ぼくが‥‥
真宵ちゃんを‥‥!)

(「からくり錠」を聞く)
冥: ‥‥なんなの? この<<錠>>は。
こんなもの、さっさと
コワしてしまえば‥‥
ゴ: そうは行かねえのさ。
このあたりは、ムカシから
地震の多い土地がらでな‥‥
たび重なる振動で、<<修験洞>>の
地盤は、もうガタガタなんだ。
カギを破壊するために
よけいなショックを与えたら‥‥
<<奥の院>>自体が、ほら穴ごと、
崩れちまうだろうぜ。
冥: じゃあ! さっさと
<<錠>>を開けたらどうなの!
ゴ: ‥‥クッ!
コイツは、カギ穴のない
<<からくり錠>>なのさ。
成: カギ穴が‥‥ない?
ゴ: 一種のパズルだな。
こいつを開けられるのは‥‥
ここに<<錠>>をセットした
人間だけ、なんだよ。
成: それは‥‥いったい、
だれなんですか!
ゴ: 被告人さ。
成: ‥‥あやめ‥‥さん?
ゴ: 修験者の修行は、
この<<修験洞>>の奥で行われる。
立ち会う尼僧は、<<からくり錠>>で
修験洞の入り口を閉ざすんだ。
事件当夜も、そうだったはずだ。
綾里 真宵は、ここに入った。
成: (ビキニさんが言っていた‥‥
修行の開始は、あやめさんに
まかせた、って‥‥!)
ゴ: だから‥‥<<錠>>をはずせるのは、
被告人・あやめだけだ。
今、彼女はこっちへ向かっている。
‥‥オレが手配した。
成: (あやめさんにしか
開けられない<<錠>>か‥‥
たのむ! 真宵ちゃん‥‥
ブジでいてくれよ!)
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
さてと。
そろそろシゴトに
戻るとするぜ。
成: ご‥‥ゴドー検事!
まちがいないんですか?
‥‥真宵ちゃんのこと。
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
オレに、まちがいはねえ。
この<<修験洞>>の中にいる‥‥
それしか考えようがねえのさ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: まあ、せいぜい
祈っておくことだ。
アンタの親友が、さっさと
被告人を連れてくるコトを。
成: (御剣‥‥か)
ゴ: ‥‥いいか、まるほどう。
これだけは言っておく。
オレは決して、
アンタを認めねえぜ。
成: ‥‥‥!

冥: ‥‥トモダチは選んだほうが
いいわね。成歩堂 龍一。
成: みんな、そう言うよ。
(とにかく‥‥
ぼくは、ぼくにできるコトを
するしかない、か)

(「奥の院・修験堂入口」に移動する)
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥自分は、どうすれば
いいッスかねえ‥‥
成: (‥‥風に乗って、どこからか
ヒトリゴトが聞こえてくる)
糸: ‥‥やっぱり、アレは
水洗いしておいたほうが‥‥
‥‥イヤ。でも、刑事として
さすがにそれは‥‥
‥‥ああ。悩むッス。
小さなムネが張り裂けそうッス‥‥
ぎゃはああッ!
冥: どうしたの? ヒゲ。
糸: い。いきなりピシリと
やらないでほしいッス!
冥: アイサツがわりに、肩をポンと
たたいただけよ。‥‥ムチで。
成: どうしたんですか?
悩んでいるそうですね。
糸: どどどど、どーして
知ってるッスかッ!
冥: ”アレ”を水洗いするとか
しないとか。
糸: どどどど、どーして
知ってるッスかッ!
‥‥あッ! そッス!
アンタ、あの小さなトビラは
入っちゃダメッスよ!
成: あ‥‥ああ。あの<<立入禁止>>の
立て札があるトビラですか?
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
じ、自分はちゃんと、
しゃがんで入ったッスから!
成: (‥‥そんなトコで、とんちを
きかせてどうするんだよ‥‥)
冥: あのトビラの向こうには
何があるの? ヒゲ。
糸: な、な、な、な、中庭ふうの、
‥‥いわゆる、中庭ッス。
成: なかにわ‥‥?
糸: と、とにかく、捜査中ッスから。
ゼーッタイ、来ちゃダメッスよ!
これは、<<命令>>‥‥というより、
むしろ<<おねがい>>ッス!
成: (逆じゃないか? ふつう‥‥?)
糸: じゃッ!
冥: ‥‥それじゃ、中庭に行くわ。
成歩堂 龍一。
成: (そりゃ、そうだよなあ。
イトノコ刑事が、何を
水洗いするのか、知りたいし)

(「奥の院・中庭」に移動する)


同日 某時刻
奥の院・中庭

成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: 何か、不自然な空気を
感じるわ‥‥なぜかしら。
成: (そ、それより‥‥
なんだ? あの灯ろうに
書いてある‥‥)
糸: ぎゃあああ‥‥ッス!
なんで来ちゃったッスか!
ダメって言ったはずッス!
冥: ‥‥手がかりのあるところ、
狩魔の影、あり。
ここには、
おもしろいコトがありそうね‥‥
糸: うううう‥‥


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