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Q.サミィたちのされた遺伝子操作
って?
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サミィ、イーザー、メニィの3人は生体兵器である。懐かしい言い方をすれば、改造人間ということ
だ。では、どこがどう普通の人間とは違うのだろう。
彼らの身体能力は、人間を遙かに凌駕している。パワー、スピード、スタミナ、ジャンプ力、
回復力とありとあらゆる『体力』に関することは全てにおいてかなりの常識はずれといってもいい
だろう。鍛えた人間、どころの話ではない。人間離れしている、と言ってもいい。さらには視覚、聴力
などの感覚神経も、人より優れているらしい。
では、その驚異的な運動能力は、どのように彼らに備わったのだろうか?
なんでも、彼らの筋組織と骨組織は、人間のそれとは違うのだそうである(MS02)。もっとも、
後述するがこれはちょっとうさんくさい。ともかく、これが本当だとしても、アンプルを欠かすと
それらは崩壊する、というのだから、事実だとしたらなんとも生物学的に不安定な操作をしたもんだ。
しかしそれは、どんな操作であったのだろう。単純に考えると、筋組織と骨組織を強くする操作だが、
そう簡単にできるものなのだろうか。
ここで、ひとつの注意すべき着目点がある。それはサミィやイーザーの、人間離れした戦法で
ある。
サミィは、自らの口で猛獣のノドを噛み切った。またイーザーは、剣をくわえて四つ足で走り、
口の剣で敵を倒した。これは明らかに人間業とは思えない。この一幕を見て、彼らに獣にも似た
野生を感じた人も多かったのではないだろうか。
人は高等生物なんて言ってるけど、結局頭脳が良くなった分、体力には野生生物に負けっぱなし
なのである。どこまでいっても、人間が動物を凌駕するなんてことは、きっとできないんだから、
あんまし傲りたかぶっちゃいけないのだ。
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Q.イーザーは頭痛持ち?
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寡黙で冷静沈着、いつもクールがイーザーの持ち味だ。レティシアもかなりの無口・無表情タイプ
だが、彼女の場合は決して何も感じずにそうなっているのではないので、冷静というよりMS01
では非情とも言えるほど感情のないイーザーは、まさにシェリフスターズ1の氷人間と呼べる
だろう。(おいおい)
だがそんな彼も、サミィと一般社会で行動するにつれ、少しずつ感情が成長してきた。MS02の
ラストでは、サミィの心情を気遣う、なんてMS01ではとてもできそうにない高等技術を披露して
いる。そして彼は、「敵が来てるのに悠長に遠回しな報告をする」「サミィに突然抱きつかれて
とまどう」(MS02)などと、とても微笑ましい(?)好青年に変化しつつある。
ここで、実は彼が頭痛持ちだった、などという話になったら、ますますイーザーの人間味は増すの
ではないだろうか。誰がそう思わなくても、この話題につなげることにする。
イーザーの目はガチャ目(左右の視力が極端に違うこと)である。片目は暗視能力に長け、もう
片目は優れた視力を誇る。それは目の色が違わなくてはならないほど、つまりすでに同一人物の目
とは思えないほど能力が違うということだ。
ということは、おそらくイーザーの「暗視能力に長けた目」の方の視力は、常人ほど低くないに
しても特に「視力に優れてる」と記されていない、サミィやメニィのレベルぐらいなのではない
だろうか。だとしたら、サミィの目には「町が見える」ぐらいの距離で、イーザーの片目は「町が
破壊されている」まで見てとれた(MS02)のは大変なことだ。もう片目はサミィと同じ、
「町が見える」程度しか見えていないというのに。
これは何でも、とても目の疲れることらしい。また、ガチャ目の人は一様に頭痛と肩こりを
訴える。左右で見えているものが違うから、脳が混乱するのだろう。まして、イーザーぐらい左右の
視力に差があると、もう2.0と0.2ぐらいの違いはあるのではないか。
イーザーほどになると筋肉が尋常ではないから、肩こりはあまり心配することはないのかも
しれないが、おそらく頭痛の方はまぬがれまい。常にクールなイメージのイーザーが頭痛に悩まされ
てるなんて、なんだか情けないのと同時に可愛い気もする。バ○ァリンなんか飲んでたら微笑ましい
と思うのは、もしかして私だけなのだろうか。
ちなみにガチャ目の人は、悪い方の視力へ目が合わせようとするらしい。イーザーにもその可能性
は当然あるだろう。視力が落ちる前に、気をつけた方がいいぞイーザー。
(MS04にて、イージス共々、イーザーの頭痛持ちは証明されてしまった。ガビーーーン。やっぱ
バファ○ン使用か……)
- Q.メニィの豆腐好きはどこから
来た?
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トーフ大好きメニィ=マリオン。どんなに機嫌が悪くても、豆腐ひとつで機嫌が直るというのは
なかなか貴重だ。しかし、彼女はいったいいつどこでこんなに豆腐が好きになったのだろう。
普通なら、メニィに最も近しいレティシアが好きだった、というパターンが一番可能性の高い
ところだが、これは完全に違うことがすでに証明されている。レティシアは豆腐が別に好きではない
ようで、「味がない」と言い放っている(SS1巻)。少なくともレティシアは豆腐を食べない。
だとしたらメニィが豆腐を知ったのはどういう経緯があったのか。
地球人が宇宙に進出して国単位ではなく星単位で物事を見るようになると、豆腐などというのは
せいぜい「昔、アジアの一地区にあった食べ物」というレベルになり、世間の人々から忘れ去られた、
遙か昔の食べ物として文献の中にしか残っていないのではないか、食べるにしても地球の、日本で
しか食べられない超マイナーな食物ではないか――などというイメージが強いが、これはどうも誤り
のようである。
確かに豆腐はあまりよく知られた食べ物、とは言えないらしい。かつてメニィが
「とぉぉぉふぅぅぅ」と叫んだ時、それを聞いた海賊は1人を除いて皆その内容を理解し得なかった
(SS1巻)。しかし、それはマイナーなだけであり、入手困難な材料ではないようだ。それはSS
チームへの補給物資の中に、豆腐があったことからもわかる(SS1巻)。クイーンのことだから、
たとえどんな珍しいものでも入手はできるだろうが、メニィたちはあくまで会社の一職員。そうそう
希少価値があるような高価なものは、補給物資で手に入ることはないはずだ。また、豆腐はホテルの
ルームサービスで、「ジャパニーズコース」の中に取り入れられる程度には世間に浸透していること
がわかっている(SS02)。
こうして見てみると、メニィが偶然ある日豆腐を食べて、それが異様にうまかった、という可能性
も十分ある。だが、ここではもうちょっと、大胆な予想に及んでみよう。「メニィの教育係が好き
だった」という説だ。
メニィにはおそらく、実生活のシミュレーションをする上で、教育係がいたであろうことは容易に
想像ができる。いくら生体兵器と言ったって、逆に人と接したことのない、これから接しなければ
ならない生体兵器だからこそ、人間抜きの教育というわけにはいかなかったはずだ。その当時、
メニィに一番よく接していた人間が好物だった食べ物を、メニィもマネして好きになった、という
可能性だって捨てきれない。我々日本人ですら普通は知らない味付け方を知ってたのだって
(SS01)、誰かに教わったのだとすれば納得がいく。
そういえば、「ジャパニーズコース」を置いてあるパラス・ホテルは、クロフト社の系列だった。
仮定の話ではあるが、そう考えるとクロフトもかなり
オチャメな人材を集めた会社に見えてくるではないか。
- Q.レティシアはどう
して親に反抗してる?
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レティシア=マイスター。シェリフスター実働部隊の中で、唯一『マリオン』の姓を持たない者。
その名が示す通り、彼女は人間である。しかもシェリフスター・カンパニーの親会社であるクロフト
社の社長令嬢だ。いわばもんのすごいお嬢さまなのである。
にもかかわらず、彼女は実働部隊として命がけで戦っている。サミィなどはその意味がわからない
と気味悪がっていたようだが、どうもこれは彼女の意志である線が強い。
レティシアは、親に反発してこの仕事をしているフシがあるのだ。
惑星メルキアの事件の時、MSチームにこの仕事が命じられると知ったレティシアは己の意志で
SSチームも仕事に加わると決めたらしい。理由は彼女が自分に反発しているから――と、
レティシアの父親であるランドルフ=マイスターは予想していた(MS02)。だとすれば、
レティシアは父親に反発するため、命をかけたというのだ。なかなか壮絶な反発である。親と口を
きかない程度で反発してるという人なんか、レティシアに鼻で笑われそうな気がしてコワイ。
では、なぜそこまでレティシアは父親に反発するのか。そのヒントは、彼女の反発のしかたに
ありそうに思える。
普通なら、反発するのに命までかける必要はない。家出して、連絡もとらず、二度とうちには帰ら
ない。それで十分なはずだ。なにせ、命を落として自分が得することは何もないのだ。それでも親に
反発して実働部隊で働くということは、『それ』自体が一番効果的な反発だと思っているのだろう。
ここで考えられる、レティシアがシューティング=スター・チームで働くというのが効果的な反発
理由は何か。とりあえずあげるとしたら、それはやたら自分を甘やかす父親への反発か、メニィたち
の存在への反発である。
レティシアの父親・ランドルフは、娘を実戦で死なせたくないらしい。それは親としては当然の
希望である。しかし仮に、ランドルフがものすごい娘を甘やかす父親だとしたら。レティシアは
それを嫌がり、自らの身を危険においてランドルフを心配させる。家を出るより、かなり効果的な
反発方法。ありえそうな話である。
もうひとつ、メニィたちの存在に対する反発とは。『戦うために生まれた命』などというのは、
最も常識人であるサミィがいみじくも漏らしていたように、倫理的にはまったく褒められたことじゃ
ない。しかも、新会社のキャンペーンなどと称して危険な実戦テストをやらせていたとしたら。
心の中では非道なことをとても嫌うレティシアが嫌がったのは想像がつく。そしてそれがどんなに
危険なことか、我が身をもって親に知らしめようとしたら。もしかして父が自分の存在を考慮し彼ら
に無謀な依頼を与えないようにするかもしれないと予想していたとしたら。こんな風に彼らと共に
戦うのは、最も最適な反発方法でありうるだろう。コラードが、レティシアの仕事する理由を
「ほうっておけないからだろう」と指摘した時、レティシアは自分の気持ちがそれに近い、と自覚
していた。(SS03)
とはいえ、ランドルフが自分に反発する娘を勘当できないように、レティシアも反抗していると
言いながら、決して父親を強く憎んでいるわけではないようだ。レティシアの髪は黒だが、その前髪
だけ金色である。そうすると、普通は地色が黒で、前髪だけ染めたのではないか、と思うところだが、
実は逆なのだ。地色が金で、前髪以外を黒く染めているのである(SS02)。ランドルフも
ティモシーも金髪であるところを見ると、金髪は彼女にとって、家族とのしがらみが濃いものという
印象があったと思われる。だから親と反発した時、髪を黒く染めたのだ。しかし、前髪だけ残すのは、
おそらく家族と決別しきれない彼女の心境に違いない。また、レティシアはランドルフのことを、
「父さん」と口にしていた。思い出すのもイヤな父親ならば、「あいつ」「あの男」などと言うはず
だ。レティシアはどちらかと言えば、父親が憎くて反発しているのではなく、考え方を改めさせよう
としているように見える。
レティシアの父親は、決して血も涙もない人間ではないが、倫理の範疇が少しばかりレティシアと
ズレていると思われる。そういえば、ランドルフの妻でありレティシアとティモシーの母親である
人間とはどんな人なのか。どういう環境の中で、レティシアは育ったのか。もしその人が出てきた
ら、もっと多くの判断材料が手に入り、もう少しこの疑問も穿った見方ができると思うのだが。
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Q.サミィとイーザーの間に、子供が生まれる可能性は?
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MS03にて、ようやくイーザーを、ただの異性ではなく一人の男性として見始めたフシのある
サミィ(希望ビジョン)。実年齢三歳では、幼稚園児の恋となるかもしれないが、ともあれサミィと
イーザーがくっつく可能性は、これで十分出てきたわけだ。もっとも、それが原作で書かれることは
まずないだろうけど。
そうなるとふと気になるのが、この二人、子供を作れるのかってことである。別にこの二人でなくと
も、メニィと普通の人、という組み合わせだっていい。要は繁殖能力があるのか、ということだ。
レティシアもSS02で、「メニィに『そういう事』ができるのか」と悩んでいたようだった。少なく
ともレティシアは、この問いに対する答えを持っていないらしい。
憶測からすると、おそらく『そういう事』を行うこと自体は可能だろう。外見は人間そっくり、と
いうのが彼らの謳い文句(ホントか?)なのだから。もしも何かの都合で、服を脱ぐだの脱がされる
だのの話になった時、某アラレちゃんみたく股間がツンツルリンでは、普通の人間ではありませんと
まさに体現しているようなものである。外見だけでもそういう器官がついていれば、男同士ですら
できる性行為が、男女の間でどうしてできないわけがあろうか。(念のため注釈。某アラレちゃん
では、その「ツンツルリン」とはおへそのことだったが、作成者である某センベイさんがそーゆー意味
の誤解をしていたことから、そっちも同じ状態であると思われる)
とはいえ、それと繁殖能力があるか、というのは話が別である。結論を先に言わせてもらうと、
十分子供が生まれる可能性はある、と思っていいのではないだろうか。
サミィたちは、人間をベースに作られている。とはいえ、自らの力のみでは生命活動を維持し続ける
ことができない。サミィはその理由を、「投薬なしでは骨組織と筋組織が崩壊し、死に至る」と説明
されているようだが、コラードはSS03にてメニィのことを、「遺伝的に、体内で合成されるはずの
酵素が、いくつか合成できないようになっている」と言った。この、自力で生命維持ができない状態
が、彼らがクロフトへ反逆する可能性に対する保険であるとしたら、いくら彼らが実験タイプとは
いえ、わざわざそこまで違うように作るとは思えない。おそらくサミィやイーザーも、同じような理由
で生命維持ができないはずだ。
体内で必要な物質が作れず、自力では生きられない人々など、今の世の中にもいる。そしてその人
たちは、体力の問題などで子供ができない人も多いが、普通繁殖能力までは失われていない。体力の
問題などないに等しいサミィたちなら、十分子供が期待できるではないか。ただし、子供も同じように
必要な酵素が作れない体で生まれつくかもしんないけど。
そして、たったひとつ心配な要素もある。サミィたちに動物の遺伝子が入っているのではないか、
という予想は前述の通りだが、そうなると彼らは合成生物(キメラ)、ということになる。某
ゼルガディスのように遺伝子はヒト、というのではなく、彼らが遺伝子単位でいじられているのは
間違いがない。そして、現在人の手で作られているキメラのほとんどは、第三世代(つまりキメラの
子供たち)ができないらしいのだ。
人類が光の速度を超えて百年。それまでに生物学もきちんと進歩していれば、この問題は解決して
いるかもしれない。とりあえず、みんなでそれを祈ろうではないか。
- Q.ティモシーは、どこまで色々な秘密を知って
いる?
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レティシアの兄、ティモシー=マイスターは、作者の説明文にまで「頼りなさげ」「どこかおどおど
としている」などと書かれる、いわば小人の代名詞のような印象がある。人の上に立ったり、目立った
りなど夢のまた夢。とにかく小心者、というイメージが先行してしまう。しかし、彼は一応クロフト
社社長の長男。クロフトはどうやら、世襲制ではないようだから、ティモシーの能力がクロフトに
それほど大きな影響を与えることはなさそうだが、現在でもすでにシェリフスター・カンパニーの
社長を務めている。あまり大きな会社ではなくとも、仮にも立派な会社なのだ。もしも彼が見た目通り
の人物ならば、シェリフスター・カンパニーの未来は真っ暗といわざるをえない。
とはいえ、どうやら幸か不幸か、彼は見た目通りの人物ではないようだ。それは父親である
ランドルフが、最近気づき始めている。「何も考えていないわけではないようだが、何を考えている
かはさっぱりわからない」という、なんともあやふやな感じだが、少なくとも唯々諾々と、父親の言う
ことだけを聞いているような人間ではないようだ。
さて、そんなティモシーだが、いったいどこまでサミィたちマリオンズ(勝手命名)関係のことを
知らされているのだろうか?
レティシアは、どうやら彼らのことを半分くらいしか知らないようである。メニィが痛覚を除去
されているということも知らなかった。バイオウェポンであることはもちろん、体内で化学物質や酵素
ができないため投薬を必要としていることも知っていたようだが、それは恐らくメニィと一緒に仕事を
する上で、隠しきれないから教えられたのだろう。仕事の合間合間に、しょっちゅう火星に帰還して、
そのたびに医療カプセルに入っていれば、どうしたってレティシアは訝しむ。すぐにバレてしまう
なら、最初から知っていた方がいいから教えたと思われる。だが、痛覚が除去されていることは、
うまくいけば隠しきれると思ったから、教えられなかったに違いない。また、MS03にてサミィたち
の会話はクロフトに筒抜けになっていることが明らかになったが、レティシアはおそらくこれも
知らないものと思われる。彼女はたびたび、会社に報告するか否か悩んだり、会社に無断で勝手な行動
を取ったりしている。この傍受機能はおそらくメニィにもつけられているのだろうから、もしも
レティシアがこのことを知っているなら、こんな事で悩む必要はないのだ。また、彼女はやはり、
イージスのことも知らなかった。
一方、ティモシーの方はどうか。彼はシェリフスター・カンパニー社長という立場上、レティシア
より多くの情報を当然持っている。イージスの事は知っているどころか、自分から積極的に話題に
出したりしている。しかもどうやら、彼はマリオンズの会話傍受機能も、知っているフシがあるのだ。
MS02にて、ティモシーはクイーンに実働部隊の面々が今どこにいるか、という質問をした。
クイーンは、最初渋るものの、結局それに正しい答えを返している。もしかするとこの情報は、くだん
の会話傍受機能を使用したものではないのだろうか。だとすると、クイーンもこの会話傍受機能のこと
を知っている可能性が出てくる。まあこれはあくまで仮定だが、少なくともティモシーが、クイーン
ならば実働部隊の行動をつかめる『何か』を持っていた、と知っていることは確かなようだ。
こんな重要機密を知っているのだから、メニィの痛覚の件も知らないわけがない。ティモシーは、
全てを知っているのだ。おそらく、まだ読者すら知らない、もっと多くのことも。
それを知った上で、彼はあんなにおどおどとして見える人間でいるのである。それがわざとか天然
か、確かめる術はまだないが、どちらにしても相当腹にいろいろため込んでいるのに違いはない。
というか、彼は妹をも欺いている。レティシアにイージスのことを追求されて、「僕も正式名称は
知らなかった」と言っている。しかし、MS03のランドルフとの会話で、『イージス』という単語を
使用しているではないか。もしかすると、当時は『イージス』というのは”正式名称”じゃなかった
から、仮の呼び名としては知ってたけど、正式名称としては知らなかった、という言い訳をするのかも
しれないが、それならそれで、ますます某おかっぱ頭のスットコ神官にそっくりである。
父親で、他人を見る目はある程度持っているはずのランドルフにすら見抜けないのだから、我々が
ティモシーの考えを見抜くのは難しいかもしれないが、彼の考えと行動が、今後の展開のカギを握る
のは必至である、とは言えないだろうか。
- Q.メニィズやサミィズって作られないの?
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だんだんと表舞台へ顔を出し、シェリフスター実働部員たちの心を掻き乱し始めたイージスたち。
言うまでもなく、彼らはイーザーを元に作られた、大量生産用の生体兵器である。その遺伝子は
イーザーと同じで、いわば大量生産型イーザーだ。
と、ここでふと疑問が湧いた人も、少なくないだろう。メニィズ(仮名)やサミィズ(仮名)、
つまりメニィやサミィの大量生産型って作られないの?と。
確かに、イージスがいれば大体のことはできるだろう。同じ数の生体兵器を揃えるなら、違う型を
三種類揃えるより、同じ型のものを揃えた方が当然効率はいい。装備品や接し方など、ありとあらゆる
面において、三種類より一種類の方が簡単で経済的なのは言うまでもないことだ。
だが、同じく当然のこととして、イージスのみしか動かせない場合、イージスにできないこと、と
いうのが存在する。その『イージスにできないこと』というのが致命的な欠陥を生じる原因となる、と
判明してから作られても決して遅くはないが、とにもかくにも、そういう意味ではメニィズやサミィズ
が作られる可能性は、あると言えるのではないだろうか。
実は、メニィズとも言える存在は、すでに作られている。例のコラードが作った、<<彼女>>の存在
だ。大量生産型ではない。しかし、メニィのクローン、という点では、イージスと同じ作成方法で
作られた存在である。実は、この<<彼女>>の存在が示唆していることがひとつある。
それは、メニィズにしろサミィズにしろ、そしてもちろんイージスにしろ、「同じ遺伝子でも教育の
方法によって、性格は変化する」ということだ。これは誰でも知っていることだろう。一卵性双生児
だって、それぞれ性格が違うのだから、クローンだって同じことだ。つまり、イージスの場合は、故意
にああいう性格にした、という可能性が高いと思われる。
思い出してみてほしい。イージスたちの思考回路を。邪魔なものは排除する。命令は遂行する。それ
以外のことには無関心。これでもか、というほどかつてのイーザーとそっくりである。つまり、
クロフトはどういうわけか、以前イーザーにした教育と同じ教育を、イージスたちに施しているのだ。
そしてそれは、全く思わぬ形で、前述の『イージスの致命的な欠陥』として現れた。すなわち、行動
パターンがイーザーと同じため、サミィのように容易にイージスの行動を先読みできる(MS04)
者が存在しうるということである。これは明らかに、計画上の落とし穴。本来ならば改善されている
べきポイントだ。
この理由は不明であるが、もしかするとクロフトには、違う教育を施すという発想がない、もしくは
不可能なのかもしれない。だとすれば、メニィズやサミィズを作成する可能性は、グッと低くなる。
レティシアのおもりが必要な天真爛漫娘や、常にクロフトへ反感を抱いている生体兵器を、量産する
わけにはいかないからだ。性格が違うサミィズやメニィズが作れるのなら、量産計画はありえるかも
しれないけれど。
メニィズやサミィズが存在すれば、またサミィやレティシアの神経を逆撫ですることは火を見るより
明らかだが、もし性格が同じ、たくさんのメニィやサミィがいれば、ちょっと見てみたい気もする
……?(SS03の、光吉先生のマンガみたいになりそうかも)
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