四月の雪・あとがき


後書きという名の言い訳



 鏡花にしては、早いシリーズ終了となりました。珍しいです。フラストレーションの産物は、さすがに勢いが違います。

 この話は、「魔法のプリンセス ミンキーモモ ドラマCD『雪がやんだら…』」が基となっております。ちなみに、1話の最初と7話の最後それぞれ2行は、同CD収録「四月の雪」(歌:岡崎律子)の歌詞から。いい曲です。CDドラマの雰囲気とよく合います。ドラマを聞いてから歌を聞くと、泣けること請け合い。

 実際、この話はとても切ない終わり方をしています。このHPの区切り方でいえば、5話までで終了。これはあまりにあまりだろう、と、こんなパロディ作ってしまったわけです。ミンキーモモという世界観と、キャラクターを考えると、ここで終わるのが一番綺麗な終わり方なんだけどね。しかし、キャスティングのためか、このまま切ない失恋で終わらせたくなかった。(6話、7話はつまんねえ、と いうご意見、甘んじてお受けします。前の時もそう言われたし。てゆーか、ガウリイが女々しすぎて、 あああああああ/苦悩)
 そう。主人公・モモ(林原めぐみ)と、盲目の画家・ミシェル(松本保典)は、声だけならばリナとガウリイなのです。同声のよしみで、彼女らに幸せになってもらうことで、ココロのスキマお埋めしましょう。人類補完計画。てゆーか、もしかして、このキャスティングじゃなきゃ、ガウリナ変換する気起きなかったりして?

 今回、視点がリナとガウリイ、1話ごとに交互視点でやってます。……それというのも、元ネタCDでは、内容のほとんどがモノローグのためなんです。なにせ会話が少ない少ない。やっとしゃべったと思ったら、ちゃんと会話してるのはほとんど1シーン。てゆーかこの変換小説の中では、その1シーンもしゃべっちゃいねえですね。スミマセン。
 ガウリイさんのモノローグって、なかなか想像できなくて、かなり独自性入ったものになってしまいましたが。しかも、地文ばかりズラズラ書き連ねるのは良くないという主義から、いらねえこともぺちゃくちゃしゃべってる、おしゃべりガウリイさん。気に障ったら、許してください(滝汗)
 ガウリイがリナを一発でわかんないなんて、と思われる方もいらっしゃるかもですが、ガウリイだって顔も名前も知らない、しかも声は出ないと誤解してる、たった一週間しか一緒にいなかった人間を、いくらリナでも瞬時にわかるぐらい人間離れしてるとは限らないってコトで。
 リナに物語の前半、声を失ってもらったのは、この効果を狙ったのがひとつと、いつもの調子でぽんぽんしゃべられると、基CDの雰囲気を損ねてしまうのがひとつ(笑)あ、あと、ガウリイさんにリナの別の面を感じやすくしてもらうってのもあった。

 作中で使用されてる、「Au revoir」(オー ル・ヴォワール)は、フランス語です。ジブンは、第二外国語フランス語じゃなかったんで、確かではないんですが、たぶん、直訳は「また会いましょう」でいい……ハズ……なんだけどなあ(滝汗)信用できない人は、堂々と人前で披露しないようにしましょう。
 仏日辞典をひくと、「re」…英語のre。繰り返す。「voir」…英語のview。会う。みたいなので、大丈夫だと思って使いました。「恐山ル・ヴォワール」を読まなけりゃ、フランス語などかじったこともないジブンは、こんなこと気づきもしませんでしたよ。(恐山には、ホントにお地蔵様に赤い風車がお供えしてあるのですね。テレビで見てビックリ)

 今回の主題は、「鏡花の中で感じる、リナの優しさ」。リナは、いつもあの強さと破天荒な性格に隠されて、仲間への優しさというのはなかなか目立たないのですが。でも間違いなく、とてもキレイな優しさを持ってる子だと思うのですよ。もしかすると、強気な本人では、否定するどころか自覚すらしていない優しさを。
 それを、ガウリイなら知ってるぞ〜、とやりたかったわけです。自覚してないけど、他人から見ればわかることって、けっこうありますよね。
 ラストシーン、ホントは「ここから恋が始まる」みたいな雰囲気にしたかったのですが、……な、なんかちょっとシッパイぎみ?(あせあせ)雰囲気はすっかり、昔どうしようもない都合で別れた恋人再会の図、と化してますが。まーいっか、ガウリナだし(いいのかーー!?)

 元CD知ってらっしゃる方には、どうでしたでしょうか。逆に、知らない方にはどうでしたでしょうか。かなり変換をかけた(というか、あのCDを聞いて、描かれていないトコまで深読みした)ので、ずいぶん変わってしまったかと思いますが。お気が向かれたら、一言でもなんでもいーんで、感じたことを教えていただけると嬉しいです♪♪
 ではまた、次のシリーズをお楽しみに〜〜。





ミンキーモモ 簡単説明

 地球のどこかにあるという、夢の国。しかし近頃、地球の人々から夢と希望が消えつつあり、このままでは夢の国は地球上のどこにもいられなくなってしまう。人々にもう一度、夢と希望を与えるため、夢の国のお姫さま・モモが、魔法で夢と希望をふりまく話。
 82年〜83年のフェナリナーサ編と、91年〜92年のマリンナーサ編の2シリーズがあり、どちらも同じくモモと呼ばれる。それぞれ郷里の夢の国が空と海にあることから、前者を空モモ、後者を海モモとマニアは呼ぶ。ちなみに、今回の話に使わせていただいたCDは、海モモの話。

 空モモ(声:小山茉美)は、それまで魔女っこモノといえば小学生以下の女の子の見る番組だったものを、青年・成人男性まで虜にした、有名な作品。放映時期が近く、同じように男性のハートをわし掴みにした「クリーミィマミ」と人気を二分、モモ派マミ派という言葉まで作りだした。ちなみに、映画館ではこの二大作品が激突までした。
 海モモ(声:林原めぐみ)は、空モモより少し後のお話。ちなみに海モモと空モモは、遠い親戚にあたる。空モモも、夢を扱うアニメにしては少々暗めなところがあったが、海モモはそれに輪をかけて陰が濃い(気がする)。空モモの最終話で、夢の国のお姫さま(妖精)から人間の子供に生まれ変わり、0歳児となった空モモが、なぜか放映終了から9年しか経ってないのに12歳(人間年齢)の海モモと同じ姿で何度か登場した、ミラクルな作品。




 小説置き場に戻る