木曽駒ケ岳

2012年7月

 昨年(2011年)9月に山歩きを始めてから、ずっと今年の夏は木曽駒ケ岳!!!と思っていました。そして、ついにそのときが来ました。

菅の台バスセンター

 真夜中に起きて朝食(夜食?)を食べ、明け方というよりもまだ深夜に近い時間に出発。

 菅の台バスセンターの始発のバスが6時12分発なので、菅の台バスセンター5時30分到着目標です。

 5時14分に菅の台バスセンターに到着。先客が50人以上。チケット(バス代+ロープウェイ代往復\3,800)購入時に、窓口のおねえさんから「6時12分のバスです」と言われて、前に並んでいる人がバス1台分以上いるのに何故??と思いつつバスの発車時刻を待ちます。
 すると6時7分に臨時便のバスが来て、前に並んでいる方々を乗せて行きました。なるほど〜、臨時便が1便でるから、私たちは定時のバスの時間を言われたのですね。菅の台バスセンターとロープウェイのしらび平駅間のバスは、カーブがキツイので全員着席しての乗車が決まりだそうです。山道に弱い私は、バスに立って乗車しなくてよくてホッ。
 臨時便のバスと定時便のバスの間に団体客専用の乗り場からも1台バスが出発しました。

 しらび台駅に着いたらすぐにロープウェイ乗り場の列に並びます。ロープウェイの始発便の時間は7時。なのに、乗り場の待ち行列の人数はバス2台分よりもずっと少なめ…ということは、ロープウェイも始発便の前に臨時便が運行されたようです。

千畳敷駅にて

 私たちは始発の7時に運行されたロープウェイに乗車し、千畳敷駅に到着。ロープウェイ1台の定員は60名。途中で下りのロープウェイとすれ違ったときは、一瞬のことで到底写真を撮れるようなスピードではありませんでした。乗っていると判らないけど、早い早い。
 トイレを使って、千畳敷駅を出ると…。

千畳敷カール

 千畳敷カールの絶景が、どど〜ん!と目の前に広がっていました。

 うきゃ〜!!!素敵☆ステキ♪

 蒼い空、緑の植物、そそり立つ中央アルプスの峰々。うっとり。

 一気に舞い上がってしまって、浮かれ気分のままストレッチをして行動食を食べて出発!…そう、私たちここで手痛いミスを犯してしまっていたことに気づいていませんでした。
 先に着いていた方々、一緒に着いた方々、それぞれに準備をして、それぞれの目的の山に向かって出発して行っています。

 私たちが向かっている乗越浄土方向に向かう人の数が最も多かったです。

 舞い上がったまま、山と空を見上げながらカールを歩いていると…雪渓登場です。

千畳敷カール


千畳敷カール

 7月下旬の日本の本州に雪がある場所が残っている場所があるのですね〜。何だかスゴイなぁ〜。

 軽アイゼンとかの用意はないので、普通の登山靴で慎重に滑らないように細心の注意を払って雪渓を渡ります。ちょっとヨチヨチ。夏の雪渓渡り初経験☆いえ、雪渓を歩いているときは、もし滑ったらか〜な〜り滑り落ちるので、とても緊張して歩いていました。
 見る限り、軽アイゼンを使っている方はいらっしゃいませんでした。
 カールの縁歩きはここまでで、この先は乗越浄土に向かって→の岩石ゴロゴロ登山道を登ります。

 岩石ゴロゴロだけど、登山道はきっちり整備されているので、道が判らないとかはありませんでした。でも、岩石の高さが私のコンパスと合わないことが多かったりして…。かなり息をはずませて登り続けます。
 ある程度、登っている人が列をなしているけれど、追い越したり追い越されたりの融通は利きました。

千畳敷カール



 ここが「山登り始めました」で読んだ乗越浄土への登山道なのですね〜。本で読んだ道を実体験。大丈夫、一歩一歩、ゆっくりでいいんだから。

 7月下旬の千畳敷カールから木曽駒ケ岳への登山道には、色とりどりの高山植物が咲き競っています。白と黄色の花が多いかなぁ〜。

 蒼い空、白い岩稜、白や黄色の高山植物。夢のような景色が、今、私の目の前にあります。これで、テンション上がるなって言われても、上がってしまいますよね♪
 足元には↓な花々、振り返ると宝剣岳?絵になる〜☆

乗越浄土


 乗越浄土に着きました〜!!ぷふぁ〜、休憩タ〜イム☆

乗越浄土から宝剣岳方向

乗越浄土から宝剣荘&中岳
 リュックを下ろして、千畳敷駅方向を見ながら、おやつをいただきます。
 いい景色、おやつ、まったり、気持ちい〜い☆
 まだまだ、まだまだ、浮かれています。いいんだも〜ん☆1年間、ずっと夢見ていたところに立っているんだから♪。
 乗越浄土で休憩して、気持ちを引締めて中岳に向かいます。

 向かうと…あれれ?…乗越浄土の休憩でバラケた人、更に中岳に向かう人の数が乗越浄土に向かって登って来た人の数から考えたら、何分の1かに激減しています。

 これって、中岳・木曽駒ケ岳へ向かう人よりも宝剣岳へ行く人が多いってこと?それとも先に宝剣岳へ行ってから中岳・木曽駒ケ岳に向かうとかなのかな?

乗越浄土から中岳へ



 いやいや、もしかしたら、乗越浄土で引き返す方もいらっしゃるとか?

 などと考えながら歩いていると、岩の割れ目から高山植物が咲いています。過酷な状況でも健気にがんばる高山植物たち。




 ←巻き道と中岳へ直登の分岐。巻き道への道標にこの写真では読めないかな“危険”の文字がありました。巻き道の方が“危険”って…一体、どんな巻き道?

 「山登り始めました」で、巻き道が危ないことは読んでいたので、巻き道には目もくれず、中岳へ直登します。
 だって、まだまだ私たちは初心者ですから〜。

宝剣岳方向

 →の中岳への岩石ゴロゴロを見ると、「ゆっくり、ゆっくり」

 振り返って←の宝剣岳方向を見ると、「わ〜、綺麗☆」

 大丈夫、頑張れます。

中岳

 乗越浄土から約30分で中岳山頂に到着。
中岳

 よ〜し!中岳到着。ずっと中岳に隠れて見えなかった木曽駒ケ岳。ここでようやく木曽駒ケ岳の姿を初めて見られます。

 中岳山頂から木曽駒ケ岳とご対面♪

 感動のその一瞬☆

中岳から木曽駒ケ岳

 中岳から木曽駒ケ岳へは、一旦、中岳から下って、また木曽駒ケ岳に登り返しま〜す。

 「山登り始めました」で読んだとおり、「ここ(中岳山頂)から木曽駒ケ岳山頂へ橋をかけてほし〜い♪」と思ってしまいましたぁ(爆)。

 「山登り始めました」の通りだぁ♪嬉しいな嬉しいな☆

 逸る気持ちに胸躍らせつつ中岳を下り、木曽駒ケ岳に向かいます。

中岳

 するとその途中には、私を落ち着かせようとするかのように、コマクサやキキョウの花が咲いていました。

コマクサ


キキョウ

 岩の隙間から、頑張って顔を覗かせている花々、心が和みます。
木曽駒ケ岳

 木曽駒ケ岳に向かって、一歩一歩着実に、足元の岩石に足を取られないように進みます。

 見上げると木曽駒ケ岳→。
 ↓振り向くと中岳と中央アルプスの山々。

木曽駒ケ岳中腹から中岳

 少し登っては振り返り、少し登っては振り返り…を何度繰り返したことか…(笑)。

 振り返る度に高度が増して、見える山々の角度が変わります。山々に背中を押してもらっているかのようです。

木曽駒ケ岳中腹からの展望

 魚の口のような岩があったりして目を楽しませてくれます→。

 あと少し、あと少しで木曽駒ケ岳の山頂です。

 中岳から約30分、木曽駒ケ岳山頂に到着です♪

 山頂には神社があったので、無事の登頂のお礼と下山の無事をお祈りしました。

木曽駒ケ岳中腹にて


木曽駒ケ岳 山頂

 木曽駒ケ岳2956mに到達。私の登山最高峰。

木曽駒ケ岳 山頂


木曽駒ケ岳 山頂

 1年近く夢見て憧れていた場所に立てました。それも見上げると蒼い空。見下ろすと雲海…なので、雲ひとつないとは言えないけど、それも全然、残念とかカケラも感じませんでした。

 木曽駒ケ岳の山頂に立って、雲海の上に浮かぶ山々を見て、それだけでもう胸がいっぱい♪

 中岳とは反対側は雲が広がっているので中岳を見ながら、大分早いお弁当タイムにしましょう。朝食の時間が早かったので、いつもの1.5倍の量のおにぎり。9時30分で昼食です(笑)。

木曽駒ケ岳山頂付近から中岳


木曽駒ケ岳山頂から

 おにぎりを持つ手をふと見ると、真っ赤になっていました。しまったぁ!千畳敷駅に着いたとき、千畳敷カールの素晴らしさに心を奪われて、日焼け止めを塗るのをすっかり忘れていました!うっわ〜、両手の甲、真っ赤で痛い。ほぼ火傷状態です(涙)。はぁ〜、大失敗。

 木曽駒ケ岳からの眺めを堪能しながら、ふと中岳に目をやると、下からガスというか雲が湧き上がってきて、アッと言う間に、それまで目の前にあった中岳が雲の中に隠れてしまいました。ええ〜!!この距離で中岳が見えなくなるのですかぁ!ビックリ。
 木曽駒ケ岳山頂で1時間近く過ごして、もっといたい気持ちに区切りをつけて下山開始。

 鞍部には、こちら側からも中岳の巻き道“危険”の道標がありました。“危険”の道標があるのにも関わらず、巻き道を行くチャレンジャーな登山者さんもいらっしゃいました。もちろん!初心者の私たちは、帰り道も巻かずに中岳に登って下ります。
 帰りも中岳、乗越浄土で休憩タイム。

 乗越浄土から千畳敷へ下山を開始すると、ときおりガスが吹き上げてきて、千畳敷駅の姿を隠してしまいます。それが数回繰り返します。山は午前中が天候が良いとよく言いますが、それを実際に経験しました。

 やはり山は午前中ですね。
 千畳敷カールまで下りると、そこは登山者だけではなく、一般の団体ツアー客も散策する世界。雪渓を街歩き用のウォーキングシューズにショルダーバックで歩いているツアー客さん。ある意味チャレンジャー。

 千畳敷駅に着くと、ロープウェイの長い待ち行列。慌てて並ぶと、すぐに後方に列が伸びて行きます。このときの待ち時間表示は20分。

 同行者が先にトイレへ行っている間にググッと列が進んでしまい、携帯も繋がらずに超慌てているところへ悠然と戻ってきてホッ。
 「トイレ近くの壁に鈴木ともこさんの「山登り始めました」の原画が展示されていたよ〜」と教えてくれたので、早速、原画見学にGO!わ〜い!「山登り始めました」の原画を見られました〜!やったね♪

 時刻表では20分間隔で運行のはずのロープウェイは、このときは10分間隔でピストン輸送していました。それでも、この行列。千畳敷カール、すごい人気です。

 しらび平駅に着くと、真っ先に目に飛び込んできた長蛇の列に、一瞬、帰りの菅の台バスセンター行きのバスの待ち行列かと思って目の前真っ暗でクラクラしてしまいました。それも、すぐにその列はこれから千畳敷へ行くためのロープウェイの待ち行列と判りホッとしましたけど…。

 千畳敷駅では「山登り始めました」の原画見学を優先してトイレに行かなかったので、しらび平駅でトイレタイム。その時間+αの待ち時間でバスが来て菅の台バスセンター行きのバスに乗れました。

明治亭

 菅の台バスセンターに帰りついて、しらび平駅でのロープウェイの待ち時間の立て看板に目をやると1時間待ちの表示。うっわ〜!すごい。

 このとき、13時30分。本当に本当の昼食はどうしましょう。木曽駒ケ岳山頂でのお弁当タイムのおにぎりをいつもの1.5倍の量を食べていて、お腹が空いていません。同行者と相談すると、同行者も満腹とのこと…。相談して、菅の台バスセンター付近のお店でソースかつ丼を食べるのを諦めて、ソースかつ丼のお弁当を販売している別のお店でテイクアウトして後で食べることにしました。
 木曽駒ヶ岳は日帰りしようと思えばできましたけれど、早朝というより深夜と言った方がよい時間に出発し、自己最高峰(2956m)に登ってどのくらい疲労があるかも未知数の状況で、日帰りするつもりでクルマを運転して事故ったら、それこそ大変なので、木曽駒ヶ岳山麓からほど近いビジネスホテルに宿泊しました。

 ホテルでお風呂を使って汗を流して、お部屋で夕食タイム。

ソースかつ丼


ソースかつ丼

 夕食にテイクアウトしたソースかつ丼をいただきます。少し冷めてしまったけど、美味しい〜♪

 憧れの木曽駒ケ岳の登頂にも成功したしソースかつ丼も食べられたし、満足&満腹な山行でした♪


《参考 木曽駒ヶ岳コースタイム》
 千畳敷駅…50分…乗越浄土…20分…中岳…40分…木曽駒ヶ岳…35分…中岳…15分…乗越浄土…30分…千畳敷駅

《自分の木曽駒ヶ岳の記録》
 千畳敷駅…46分…乗越浄土…30分…中岳…30分…木曽駒ヶ岳…29分…中岳…16分…乗越浄土…42分…千畳敷駅

 ※参考コースタイムの1.5倍を目安に計画しました。

 ※持参品
  お弁当(おにぎり)
  水筒(湯) 500ml
  緑茶飲料500mlペットボトル 1本
  ビタミン飲料500mlペットボトル 1本
  あんパン
  塩キャラメル
  のど飴
  バナナ

 菅の台バスセンターにしらび平行きのバスの始発時間前に着くように計画をたてました。