霧ヶ峰

2012年7月

 念願だった木曽駒ヶ岳登頂から一夜空け、高低差の少ない山歩きを楽しむ予定です。
 朝食付きのプランなのでホテルでゆったり朝食をいただき、霧ヶ峰のスタート地点に到着したのが9時10分。用意をして9時30分にスタート。

 まずは、山頂に気象観測レーダーが輝く車山を目指します。

 と〜ってもいいお天気で、見渡す限りのパノラマ。そして可憐な高山植物。我を忘れて激写。
 激写していたら、車山方向から来たおばさまに、「ここ数年、この時期に霧ヶ峰に来ているけど、今日が一番いいお天気♪」と声をかけられました。このおばさま、あまりの天気の良さに浮かれまくっていらっしゃるようで、道行く人の誰彼となく、同じことを話しかけていらっしゃいました。
 そうですかぁ、そんなに今日の天気は特筆するような晴天ですかぁ。いいときに来られました。


 天気がいい分、気温が上がっているようで、午前中から暑い!ふわ〜。

 南の方向の山々の写真を撮っていると、ふと遥か彼方にぽっかりと浮かぶ単独峰が見えます。
 「わ〜、何だか富士山みたいな形してるけど何て山だろ?」と、思いつつ歩いていると、そこここで

 「今日は富士山が見えるね〜」

との会話が交わされているのが耳に入ってきました。おっと!“富士山みたいな形をした山”ではなく“富士山”そのものでした!!


 長野県のほぼ中央の車山から富士山が見えるとは全然思っていなかったので、意表を突かれました。でも、記憶を手繰ってみると、ヴィーナスラインに“富士見台”なる展望台があるので、富士山が見えるのを失念していたのは、自分のぼんやり頭でした。

車山山頂

 車山まで、周囲の山々や富士山、高山植物に見とれ、ものすっごく時間をかけて歩きました(笑)。

 ここでトラブル発生。同行者さんが首にかけていた汗拭きタオルマフラーをどこかで落としてしまったそうで、引き返して探すので先に車山山頂へ行って待っていてほしいと、数十m離れた場所から言われました。ちょっと心細いけど、車山山頂はリフトで来た家族連れも大勢いるから大丈夫でしょう。
 同行者さんを待ちながら車山山頂でおやつタイム。

 おやつを食べながら、周囲で山に詳しそうなおじさまたちが同行者さんにご説明するのを、漏れ聞いているところによると、槍ヶ岳も見えるそうです!何ですと!槍さまが見えるですか?!

車山山頂


車山山頂

 おじさまたちが立ち去ってから、指差されていたと思しき方向に目をやると、何となくあれが槍さまではないかと思われる山を発見!富士山に続いて槍さまのお姿も拝見させていただきました〜。富士山も槍さまも私には登れないけど、お姿を拝見できると嬉しい山です☆

 車山山頂はハイカー、がっつり整備の登山者、リフトで来た観光客がひしめき合って、それぞれに八ヶ岳や北アルプスの山々、そして富士山を眺めていました。
 どこまで探しに戻っているのか不安になりかけた頃、同行者さんがやっと車山山頂に到着。何と駐車場まで戻っても見つからなくて、リュックを下ろしたら、リュックの下の紐に絡まっていたそうです。数十m離れた場所で会話せずに、すぐ近くの場所で話していたら、その場で気がついて戻らなくて済んだのですが…何と言うか…まあ、笑い話になってよかったです。
 私はたっぷり休憩を取っていたけれど、同行者さんは休憩していないので、ここで同行者さんの休憩タイム。同行者さんに「槍さまも見えるんだよ〜」と自慢げに教えたりしました(爆)。

 2日続きの好天に恵まれ、舞い上がりながら「もう、こんないい天気に出会うことはないかもね〜」と話しながら飽きることなく山を眺めました。
 たっぷり休憩して出発。

 車山から車山乗越を経て蝶々深山へ至る道は、→のような爽快な草原の道です。

 嬉しくて舞い上がってル〜ンルン♪
 この草原にも様々な高山植物が彩りを添えています。
 車山乗越付近で、前方に蝶々深山へ登る林間学校で来ていると思われる学生の一団を発見。賑やかに楽しそうに歩いています。
 急ぐ山行でもないので、ゆっくり行きましょう。

蝶々深山

 蝶々深山に着くと林間学校の学生…高校生と思われる…が昼食のお弁当を食べています。私たちもここでお弁当を食べる計画でしたが、どうしましょう…同行者と話し合ってここでお弁当を食べることにしました。先に行って違うところで食べていて、お弁当を食べ終わった学生の一団に通られるのも…かなと考えまして。

 蝶々深山の山頂は広い広場になっているので、学生さんたちから十分距離を取ってお弁当をたべられました。他にも何組かお弁当を食べている方々もいました。

 私たちがお弁当を食べている途中で、学生の一団は出発して行きました。
 すると、それまで「わ〜!」とか「きゃ〜!」とか、かしましかった声がなくなり、静寂が広がって逆に静か過ぎて何だか変な感じがしました。人間の感覚って不思議なものです(笑)。

蝶々深山

 お弁当を食べ終わり、八島湿原へ向けて出発。

 蝶々深山から八島湿原へは細かいアップダウンはあるものの、基本的にはなだらかな丘陵地を下るイメージでした。周囲のどこを見渡しても大パノラマが広がっていて、心が開放されます。



 物見石に近づくにつれ、草原の中にじょじょに石や岩が姿を見せ始めました。

 そして、岩石は更にその数を増し、物見石の手前の道は←な感じ。

物見石

 物見石を過ぎてからしばらくして、ふと気づくと周囲に段々と木立ちが現れ始めました。

 鎌ヶ池キャンプ場へ向けて下りの道になると、はっきりと木々が増えて、林の中になり、風が遮られて蒸し暑く感じました。


 鎌ヶ池キャンプ場は、せせらぎの小川と林の世界。

 鎌ヶ池キャンプ場で休憩していると、蝶々深山にいたのとは別の林間学校で来ていると思われる中学生かな?の一団が私たちを抜き去りました。
 林間学校の生徒さんたちが、がんばって歩いてくれているので、霧ヶ峰の登山道も草の勢いに圧倒されずに、その道筋を私たちに示せているのかなぁ…とか思ったりして。
 鎌ヶ池キャンプ場から八島湿原までは、鎌ヶ池に沿っての湿原歩きです。木道を歩いていると、先程、私たちを追い越した中学生の一団の男子生徒数名が湿原に何かを見つけたらしく熱心にそれを見ていました。そして先生に「遅れないで着いて行く!」と何度も注意されていました。
 団体行動を引率している先生的にはそうなのでしょうが、私的には折角林間学校で来て、湿原の動植物に興味を持ったのですから、もう少し…と思ってしまったりもしました。林間学校などの団体行動は難しいです。


八島湿原


八島湿原


八島湿原

 八島湿原の園地に到着。ここには駐車場&トイレがあるので、トイレをお借りしました。

 ちなみに先程の中学生の一団はここで待っていたバスに乗り込んで去って行きました。がんばったね〜。楽しかったか〜い♪

 私たちには、ここは今回のコースの3分の2くらいの地点。もう少しがんばって歩きます。しっかりここでも行動食をいただいてエネルギーを補給。

八島湿原

 もうひとふんばり!がんばって歩きましょう☆

 まだ少しだけ木道歩きが続きます。
 八島湿原を過ぎると周囲の景色も湿原歩きから普通の山歩きに変わります。私が参考にしたガイドブックには、御射山ビジターセンターがコースのチェックポイントにありますけれど、歩いてみると御射山ビジターセンターなるものには、私は行き当たりませんでした。多分このあたりかな〜な感じで広場っぽい場所がありましたので、おそらくこの辺だろうと、コースタイムはチェックしました。
八島湿原


沢渡付近

 沢渡からスタート地点の車山肩へは登り返します。最後の最後、標高差約180mの登りは、暑くてバテている身には、これはかなりキツイです。
 この日の最大の難所がこの沢渡から車山肩への登りでした。
 ここで、同行者は持参した500mlペットボトル4本!を飲みきりました!びっくり。私が手を付けていないペットボトル1本をプレゼント(笑)。
 ←ようやくスタート地点へ戻れました。

 がんばって歩いたご褒美のソフトクリーム→。350円と少々お高めなのは観光地価格?高原のソフトクリーム、濃厚で甘くて冷たくて美味し〜い♪
 木曽駒の後の、軽く山歩きのつもりが、思いのほかガッツリ歩いた気分です。これって最後の登りの印象でしょうか?(笑)

 これ以上はないくらいの好天に恵まれて、とっても幸せな山歩きでした。


《参考 霧ヶ峰コースタイム》
 霧ヶ峰ロイヤルイン前バス停…45分…車山…40分…蝶々深山…50分…鎌ヶ池キャンプ場…25分…八島園地…30分…御射山ビジターセンター…20分…沢渡…40分…霧ヶ峰ロイヤルイン前バス停

《自分の霧ヶ峰の記録》
 霧ヶ峰ロイヤルイン前バス停…67分…車山…40分…蝶々深山…54分…鎌ヶ池キャンプ場…27分…八島園地…25分…御射山ビジターセンター…17分…沢渡…34分…霧ヶ峰ロイヤルイン前バス停

 ※参考コースタイムの1.5倍を目安に計画しました。

 ※持参品
  お弁当(おにぎり)
  水筒(湯) 500ml
  緑茶飲料500mlペットボトル 1本
  ビタミン飲料500mlペットボトル 1本
  スポーツ飲料500mlペットボトル 1本
  クリームパン
  塩キャラメル
  のど飴
  バナナ

 好天に恵まれ、富士山、槍ヶ岳にも会えて、最高にハッピーな山歩きでした。