四阿屋山

2013年2月

 2013年、2回目の山歩きの山は埼玉県の四阿屋山(あずまやさん)。2012年8月に訪れた群馬県と長野県の県境に位置する四阿山(あずまやさん)とは、読み方は一緒で、漢字1字違いの全くの別の山です。
 四阿屋山は福寿草の園地で有名なようなので、福寿草の見頃の時期を見計らったつもりで2月に訪れました。

薬師堂

 出発は、薬師堂。この薬師堂は日本3大薬師の1つだそうで、特に眼病に効用があるらしく、“め”の描かれた絵馬が薬師堂にたくさん掛けられていました。

 私も「目が良くなりますように」と真剣にお参り。

薬師堂

 薬師堂に向かって左手に進んで、程なくすると登山道になります。今回は、行きは薬師堂コースをとります。

 落ち葉を踏みしめながらの陽だまりハイキング。葉の落ちた木立ちの隙間から、秩父の山々が望めます。
 寒いことは寒いですが、山を歩いていると気にならないくらいの温度で気持ち良く歩けました。
 そして、登ることしばし、尾根道に出ました。尾根道は多少のアップダウンがありつつの、基本的に登り基調です。

 樹林のピークを過ぎて尾根道を歩いていると、右手に…猫の耳のような山を枝の隙間に発見!
 思わず、

「猫耳!」

 と声を出してしまいました(笑)。

 それからは、ずっとこの山を“猫耳”と呼んで、木立ちの隙間から見えるかどうかを気にしながら歩きました。ここからの、この角度が最も猫の耳っぽく見えたかな。
 そうこうするうちに、登山道上に残雪が出てきました。この残雪、カチンコチンに固まって、もう“雪”というより“アイスバーン”。ひたすら、滑って転ばないように気を付けて、できるだけ雪を踏まないようにして歩きました。

 ここはまだ数10mで残雪がなくなり、普通の落ち葉の道に戻ったからよかったのですが…。
 分岐を四阿屋山目指して歩くとそこには緩やかな木段が…。

 その先の残雪に覆われた登山道に出くわしたときは、正直、目を見張り、どうしようか考えてしまいました。
 何とか無事に残雪の登山道を渡りきって、両神神社奥社に到着。

 ここで、おやつタイム。私が参考にしたガイドブックによると、ここから先が私のような初級者には、どうも難関らしいので、気合と力を入れる意味合いを兼ねて、しっかり行動食を食べました。

 気合を入れて、でも、アイスバーンで足元がまずいと思ったら、撤退するつもりで出発。

両神神社奥社


両神神社奥社の先の
注意書き

 出発してすぐに、←の注意書き。

 「四阿屋山頂へ登山される方へ
 この先四阿屋山登山道は岩場で危険、次のことを守ってください。
 1.四阿屋山登山には十分な装備をすること
 2.岩場があり足元に十分注意すること
 3.落石飛石に十分注意すること
 注意書きの立て看板の文字に少々ビビリったりしながら進みます。
 それでも出だしの何分かは、まだまだ杉木立ちの普通の山道。
 それが、→の「急坂につき登山禁止」の看板で、直登の登山道ではなく、迂回の登山路を進むころから、岩場と岩の上や隙間でアイスバーンになった残雪に四苦八苦しながら登ることになります。

鎖場

 ←の鎖が斜め上に伸びていく鎖場から、試練の道が始まりました。

 登山道が山の北側の斜面にあるらしく、大分前に降った雪が溶けずに、登山者に踏み固められて、岩の上でガッチガチのアイスバーンになっています。

 とにかく、最新の注意を足元に払って一歩一歩慎重に進みます。
 何とか、つつじ新道との合流地点に到着。このつつじ新道も初級者には難易度の高い登山道のように、→の立て看板には書いてありました。

 福寿草の見頃が残雪時期なので、その時期に山頂を目指すのは…。

つつじ新道との合流地点

 この先、四阿屋山山頂に辿り着くまで写真はありません。滑り易い岩場の連続で、写真を撮る余裕が全くありませんでした。

四阿屋山

 四阿山山頂に到着。山頂には、山頂標示と山座標と三等三角点とお社が静かに鎮座していました。

 山頂からは、秩父の山々の展望が開けていたので、山頂の山座標を見ながら、山の確認。

 両神山は山座標を見なくてもすぐ判ります。

四阿屋山山頂より両神山

 今回のお気に入りの“猫耳”は…山座標の山の形と位置を照らし合わせると、どうやら“猫耳”は二子山らしいです→。
 この二子山、帰宅してから調べたら、かなり難易度の高い(ロッククライミング、もしくはそれに近いものがあるらしいです)山のようです。

四阿屋山山頂より二子山

 四阿屋山山頂は、かなり手狭で長居できそうにない場所でしたので、パノラマを楽しみ、“猫耳”の本名(二子山)を確認できたところで、早速、下山にかかります。
 登りよりも苦手な下り。それが足元がアイスバーン。岩の上に腰を掛けるくらいの勢いで重心を落として下ります。

 再び両神神社奥社まで、無事に下りられたときには、安堵のため息が漏れました。

福寿草園地

 両神神社奥社からは、登って来た道ではなく、福寿草園地へ向かう道を取ります。

 福寿草が見たくて、この時期の四阿屋山にトライした福寿草は…まだ早いのか、もう遅いのか、あまり咲いていません。あっれ〜???

福寿草園地にて


福寿草園地より 武甲山

 福寿草園地の展望広場に東屋があったので、そこから武甲山を眺めながら昼食タイム。

 福寿草を度外視してこの四阿屋山に登る時期を考えるなら、私的には雪のある時期を避けた方が賢明な気がします。今回は、たまたま山頂直下の岩場の上り下りをしているときに、すれ違う人がいなかったのがラッキーでしたが、もし、すれ違いがあったら…と怖くなります。
 福寿草園地から登山口に至る薬師堂コースは、と〜ってもよく整備されていて、木段→がほとんど。個人的にちょっと足にこたえるコースでした。
 下山して、道の駅両神温泉薬師の湯で、2月なのにご褒美の生乳ソフトクリーム。甘くておいしかったぁ〜♪
 同じようにソフトクリームを食べている下山後と思われる男性単独行1人とご夫婦1組がいました。そこにソフトクリームがあれば、下山後は食べるもののようです(笑)。

生乳ソフトクリーム



《参考 四阿屋山コースタイム》
 薬師堂バス停…10分…登山口…50分…山居分岐…20分…両神神社奥社…20分…四阿屋山…15分…両神神社奥社…5分…福寿草園地(展望広場)…20分…上部駐車場…35分…登山口…10分…薬師堂バス停

《自分の四阿屋山の記録》
 薬師堂バス停…9分…登山口…54分…山居分岐…15分…両神神社奥社…24分…四阿屋山…32分…両神神社奥社…9分…福寿草園地(展望広場)…53分…薬師堂バス停

 ※参考コースタイムの1.5倍を目安に計画しました。

 ※持参品
  お弁当(おにぎり)
  水筒(湯) 500ml
  緑茶飲料500mlペットボトル 1本
  スポーツ飲料500mlペットボトル 1本
  あんパン
  塩キャラメル
  のど飴
  バナナ

 アイスバーンの山道を歩くのは精神的にキツかったです。