ゼルダは私の事どう思ってるんだろう…。いままで考えてもみなかった。
私の信じてきたものは自分だけ。これまでもそうだったし、そしてこれからもそのはず…。赤い手袋がそう物語っている。
ほんとどうかしてる…。わたしなんでこんなトコに居るんだろ?
もしかしたら…、もしここにいればゼルダに会えるから?
なにをバカな! あいつは敵なのよ! わたしは彼を殺す!
ああ、どうかしてる。バカバカしい。
あ…店の角から見たことのある少女が来る。
間違いない。あれは、庶民の服を着ているがあれはプリシラ王女だ。
「はやくはやく」
なぜこんな所に一国の王女が?
その答えはすぐ分かった。いっぱい買い物袋を持った男…東洋人がそのすぐ後に出てきた。
「いや、もうこんなに買ったし…」
聞きなれた声。
「えー!せっかく王女さまがお忍びでショッピングしてるんだからもうちょっと、ね」
プリシラ王女とゼルダはデートしてたんだ。
ズクン
東洋人は私に気づく
「あ、ライズ。いやそのこれは…」
「休息は大切よ。楽しい休暇を」
思っても無い事を言って立ち去る。人ごみの中に消えていく彼を横目で追いながら…。
プリシラ王女か…