アランジアロンゾというのは、アメリカ在住の証券会社勤務アランジさんと、タンバリン演奏者のアロンゾさんが経営する雑貨をつくる会社の名前である。……嘘です。まるっきりでたらめでもないが。
ここで紹介する割にはかなり有名なので、知っている人は多いかもしれない。アランジアロンゾというのは、絵本やフエルトマスコットを作っている人たちだ。
きっかけは『どこへいくカッパくん』という、「カッコマンのカッパくんがふらふらする写真絵本」(帯より)だった。
表紙のカッパくんと目があった。つられてぺらぺらとページをめくってみて、あまりのかわいさに即購入を決定した。いい年をした大人が、絵本を買ってどうするのか? という疑問は、とりあえず無視。
家に帰ってゆっくり読んでみて、かわいいという感想が少し変わった。
なんというか、カッパくんはものすごく人間くさいのだ。カッパだが。
朝起きて顔を洗い、白飯を食って新聞を読む。働くのはあまり好きじゃないカッパくんは、そのまま畳の上で一服(カッパくんには畳がよく似合う)。
そのまま一日が過ぎて、風呂に入りながらふと思い付く。
「明日、ウオくん(魚)を誘って街に出てみよう」翌日、ウオ君と一日遊んだカッパくんは、「なんだか海が見たくなった」と言って次の日の朝一番の電車でぶらりと旅に出る。
海を見て泣きそうになるカッパくんの背中には、哀愁さえただよう。カッパだが。
アランジアロンゾの作るフエルトマスコットたちは、とても表情が豊かなのだ。その一つ一つに物語を感じる。
その後、私はアランジアロンゾの絵本を見つけては購入するようになっていた。今でも一番好きなのは『どこへいくカッパくん』だ。次にわるもの(ワル)とうそつき(嘘をつく)が活躍する『わるい本』
書店で見かけたら、ちらりと覗いてみて欲しい。かわいくて、へんてこで、かっこよくて、ばかばかしくて、ちょっとこわくて、まぬけで、なごめる世界がきっとそこにある。
百聞は一見にしかず。
アランジアロンゾのHP
『アランジネット』
そのかわいさを堪能してください。