「彼女は僕の為に作った死体を数えています」救われない話だ。
家族を皆殺しにされ、その死体の隣で一晩中乱暴を受け、身も心壊れてしまった少女はヘンリエッタという新しい名前と、炭素フレームと人工筋肉で作られた新しい体を与えられて殺し屋として生きる事になる。
死ぬか殺すか。
他人に決定されたその選択は、はたして少女にとって幸せであったのか。
友人と笑いあい、恋をして、そして人を殺し。
薬物によって生かされている体はもう味覚も麻痺してきて、大切な人の言った言葉も思い出せない。幸せとは、何なのだろうか。
偽善や独善や、その他のいろいろな想いの中で翻弄されるその身体は、素手で人を殺せる強靭さとは裏腹に、とても脆い。「義体の私がジョゼさんの役に立つには…… 普通の女の子じゃ駄目なんですよ……」
救われない話だ。
そして、その姿は手の平に舞い落ちる初雪のように儚くも可憐である。
「GUNSLINGER GIRL」はコミック電撃大王で好評連載中。
コミックスはメディアワークスから第一巻が発売されている。作者の相田裕さんのサイト『JEWEL BOX』はこちら(休止中)