キッチンにはすでに秋子さんと真琴がいた。
名雪がいないこともふくめて、いつもと変わらない朝だ。
俺と真琴が黙々と朝食をとっていると、寝ぼけ眼の名雪がふわふわとキッチンに入ってきた。
「おはようございまふぁ〜」
「遅いぞなゆ……」
そこまで言って、言葉につまった。
「名雪」
「にゅ?」
「だれだその女の子は」中学生くらいの、眼鏡をかけた女の子を抱いている名雪。
どこからさらって来た。「みずぴー」
「あの、藍原瑞穂です」
「ゲームっていうかそもそも会社が違う!」
失礼、彼女は高校生だ。
「みずぴーは、ここ」
自分の隣の席に藍原さんを座らせると安心したのか、自分の席についた名雪はそのまま眠ってしまった。
「名雪さん、起きないと遅刻しちゃいますよ」
慌てて名雪を起こそうとする藍原さん。「家族が増えて嬉しいわ」