成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 真宵…青 | |
須々木 マコ…橙 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
亜内検事…茶 | |
諸平野 貴雅…紫 |
表セリフ集「失われた逆転」第1回法廷(その3)を見る
(別ウィンドウで出ます)
諸: |
『午後はずっと、公園で 思索にふけっていましたね。』(証言1) 『時間はよくおぼえてないけど‥‥ 夕方の6時すぎのコトでしたか。』(証言2) 『いきなり目の前に 警官が転げ落ちてきたんですよ。』(証言3) 『思わず見上げると、真っ青なカオを した女と目が合いましたね。』(証言4) 『もちろんおぼえています。 被告席の彼女でしたねあれは。』(証言5) 『他に現場で変わったことといえば、 バナナが落ちていましたね。』(証言6) |
成: |
ずっと公園に? ‥‥ずいぶんヒマですね。 |
諸: |
これはこれは シッケイな男だなキミは。 どうせ、名もないゴミのような 大学を出たんだろうね。 |
成: | ゴ、ゴミ‥‥ |
諸: |
アタマがギザギザのサルくんには ムズカシイかもしれないが、 この国の未来について 思案をめぐらせていたのさ。 |
成: |
さっきは、どの大学に入るか 考えていた、とか‥‥ |
諸: |
ナーンセンス! ボクがどの大学に入るか‥‥? それがこの国の未来を決めるのさ。 |
成: | (ううう‥‥ムカつく) |
成: |
どうして時間がわかったんですか? 腕時計はしていないみたいですが。 |
諸: |
‥‥ふう。それでボクを ヤリこめたツモリかい? 三流のヒガミというヤツだ。 イカガなものかと思うけどね。 |
成: | (ムカつく男だなあ‥‥) |
成: |
どうして時間がわかったか、 聞いてるんです! |
諸: |
‥‥ヤレヤレ。 ホントに困ったことだよ。 中身がないヤツにかぎって 机を叩いたりゴミ箱をけったり。 ‥‥しかたないな。 三流大学出のキミにも わかるレベルで説明してあげよう。 ‥‥わんぱく公園にはね。 時計台というものがあるんだよ。 わかるかな‥‥時計台。 台がついた時計のことさ。 |
亜: |
‥‥現場の写真にも 写っていますね。 |
成: | (ううう‥‥たしかに‥‥) |
諸: |
ま。その時計を見たワケだけど。 ‥‥ボクに言わせれば、 時計などというモノで 時間を切り刻むなんて、 ナンセンスきわまりないね。 一流のニンゲンは、 時計のために生きたりはしない。 腕時計? ハッ! 愚劣だね! もっと自由に生きるコトを おすすめするよ! |
成: |
(‥‥ヘタなツッコミを 入れたばっかりに‥‥ 壮大に時間をムダに しちまったな‥‥) |
諸: | ‥‥まあ、とにかく‥‥。 |
成: |
(まあ‥‥、これをゆさぶっても しかたないな。 だって現場には、時計台が あったんだから‥‥) |
成: | どうして警官だとわかりました? |
諸: |
オヤオヤ。このボクの推理力を 知らないのかい。 ひとめ見れば、職業ぐらいピタリ! ‥‥当ててしまうよ。 あのヘアスタイルに、手のカタチ。 典型的な警察官タイプだった。 ネクタイのゆがみ具合もポイント。 それに安物のクツ。 ついでに、警官の制服を 着ていたからね。 |
成: | (‥‥それを先に言えよ!) |
真: |
へえ。すごいなあ。 ね。ね。あたしのコトも わかっちゃうのかな? |
成: |
(‥‥その前に ぼくが聞きたいぞ‥‥) |
成: |
その女性のことが、ハッキリ 見えたんですか? |
諸: |
ニンゲンには、”目”というものが ついてるからねえ。 ‥‥それも、2つ。 |
成: |
だから、ハッキリ見えたかって 聞いてるんです! |
亜: |
‥‥それはこれから 証言します。 大声を出さないで いただきたいね。 |
裁: | 大声を出さないように。 |
成: | (大声を出させないでくれえ) |
諸: |
そろそろいいかな? つづけても。 |
成: | まちがいありませんか! |
諸: |
キミのまちがいだらけの人生と ボクを、いっしょにしないでくれ。 ボクはね。いわゆるブランド品だ。 ニンゲンとして、ね。 まちがいなんて、あり得ないよ。 |
亜: | あり得ないそうです。 |
成: | (とほほ‥‥) |
裁: |
他に何か、気づいたことは ありませんでしたかな? |
成: | ‥‥バナナ? |
諸: |
しかも1本じゃない。 フサごとまるまるだったね。 |
成: | なんで、そんなものが‥‥? |
諸: |
‥‥ふう、ヤレヤレ。 知るわけないだろ、ボクが。 |
真: |
ヘンだね。 バナナのコトなんて、 マコちゃんヒトコトも‥‥。 なるほどくん! きっと、ウソだよバナナなんて! |
成: |
(‥‥ううん。 そうは言っても‥‥ ”現場でバナナを見た” なんてウソ、意味がないぞ‥‥) ‥‥もし、 ウソじゃなかったとしたら? |
真: |
カンちがい‥‥かな。 何かと見まちがえた、とか。 |
成: |
(‥‥カンちがい。それって やっぱり、ムジュンだよな‥‥ とにかく‥‥) |
成: |
(‥‥ぼくの依頼人が無実なら、 アイツが目撃できるハズはない) |
真: |
つまり、今の証言がウソだ、 って証明できればいいんだ! |
成: |
そういうことだね。 (って、すっかりなじんじゃってる けど、だれなんだ、この子‥‥) |
真: |
‥‥どうしたの? |
つまり、この証人は‥‥」 | |
成: |
モロヘイヤさんは、 大のバナナ好きなのです! |
裁: | ‥‥‥ |
亜: | ‥‥‥‥‥ |
諸: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ | |
真: |
な‥‥なるほどくん。 こおりついちゃったじゃない! ‥‥空気が! |
裁: |
そ‥‥それがいったい、 どうだと言うんですか? |
諸: |
ちなみに、ボクはバナナより イチゴの方が好きだけど。 |
成: | ううう‥‥ |
裁: |
もう一度。 考えなおしてください。 |
成: |
モロヘイヤさんは、 野球をやったことがないのです! だから、グローブというものを 知らなかった! |
裁: | ‥‥‥ |
亜: | ‥‥‥‥‥ |
諸: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ | |
真: |
な‥‥なるほどくん。 こおりついちゃったじゃない! ‥‥空気が! |
裁: |
そ‥‥それがいったい、 どうだと言うんですか? |
諸: |
中学時代、ボクはピッチャーで 4番だったけどね。 |
成: | ううう‥‥ |
裁: |
もう一度。 考えなおしてください。 |
諸: |
『遊歩道の女は、ボクに気づくと サッと逃げていきましたね。』(証言1) 『そのあと、ボクはすぐに警察に 通報しました。』(証言2) 『警察に電話が入ったのは、 6時45分だったみたいですね。』(証言3) 『きっとヒマだったのでしょう。 10分もしないで駆けつけてきた。』(証言4) |
成: | すぐに逃げていったんですか? |
諸: |
そう。まさに”たつ鳥、 あとをにごさず”‥‥みたいな。 ‥‥おっと! 三流大学出身の キミには、ムズかしい表現かな。 |
成: |
(たしかに‥‥ぼくには リカイできない表現だな) ところで、すぐに逃げたのに それが被告とわかったんですか? |
諸: | ‥‥えっ‥‥ |
亜: |
証人は、すでにその質問に 答えています! ”その女は被告だった”と! |
裁: |
ふむう‥‥。 弁護人の質問を却下します。 |
成: | (どうも引っかかるな‥‥) |
成: | ”すぐ”‥‥というのは? |
諸: |
だから”すぐ”だよ。 1分もたたなかったと思うね! それが市民のギム、ってヤツさ。 ‥‥三流大学で習わなかったかい? |
成: |
(そんなの、 大学で教わることかよ!) |
真: |
ね、ね、なるほどくん。 法廷記録、ちょっと見てみて。 |
成: | (‥‥‥‥?) |
成: | どうしてその時間を‥‥? |
諸: |
あの刑事が教えてくれたんだよ。 ホラ。あの、いかにも三流中学出身 っぽいコートを着た‥‥ |
糸: |
自分はちゃんと二流‥‥ イヤ一流大学を出てるッス! |
成: | (‥‥やれやれ‥‥) |
諸: |
とにかく、時間はまちがいないと 思うよ。 ちがってるとしたら、あの刑事が 時計の読み方を知らなかったのさ。 |
糸: |
なんスとお‥‥! 自分は‥‥ 自分は二流、イヤ一流の‥‥ |
亜: |
なるほど。‥‥それで、 通報を受けた警察は‥‥? |
成: |
ということは、7時にはもう 警察が到着していた‥‥? |
諸: |
もっと早かったと思うよ。 あのあたりは、あまりヒトが 通らないんだけどね。 アッという間にヤジウマで イッパイさ。 ‥‥この国のモラルの低さには 絶望するよ‥‥。 |
成: |
(今の証言‥‥。おかしいところ、 あるかなあ‥‥) |
真: |
もう一度、見てみようよ。 ‥‥法廷記録。 |
成: |
そうだね。 |
‥‥どうする?」 | |
成: |
(‥‥まさかな。この電話が あいつのものだなんて そんなグーゼン、あるわけ‥‥) |
真: |
ダ、ダメだよなるほどくん! これはちゃんと たしかめておかなきゃ! |
裁: | どうしましたか? 弁護人。 |
成: |
は、はい! (もう一度、考えなおすか‥‥) |