成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
華宮 霧緒…藤 | |
矢張 政志…紺 | |
星威岳 哀牙…紫 | |
天杉 優作…灰 | |
天杉 希華…桃 | |
亜内検事…茶 | |
裁判官…黄 |
哀: |
『あの晩‥‥日付が変わって、 1時間ほどのこと‥‥。』(証言1) 『きゃつめ‥‥宿敵たるライヴァル・ 仮面マスクが舞いおりたッ!』(証言2) 『ふり返ろうとした、そのせつな! ホコリ高きアタマに、一撃がッ!』(証言3) 『不覚! 怪人と戦うことすらできず ‥‥我が意識は、ツユと消えたッ!』(証言4) 『30分後‥‥非常電話にて 警察に通報を入れたのです!』(証言5) |
成: |
ということは‥‥12日の 午前1時ごろ、になりますね? |
哀: |
なかなかミゴトな スイリですな、弁護士殿。 |
成: |
あなたは、現場で見張っていた。 ‥‥どこにいたんですか? |
哀: |
さよう‥‥。地下倉庫の コムピュウタのあたり、ですな。 |
成: |
(コンピュータ‥‥パソコンの コトか‥‥) |
裁: |
身をかくしていたワケでは ないようですね。 |
哀: |
今までの事件では、我はつねに、 身をかくして怪人を待っていた‥‥ |
成: |
(たしか、きのうも そんなコトを言ってたな) |
真: |
イトノコさんも『現場でヤツを 見たことない』って言ってたね。 |
哀: |
だからこそ! ゆうべは あえて、かくれなかったのです! あえて我が身をさらすことで、 プレッシャアを与える作戦ですな。 |
成: | (アッサリ殴られたクセに‥‥) |
哀: | とにかく、その時刻‥‥! |
成: |
舞いおりた‥‥って、 どこからですか? |
哀: |
ま。それは、入り口のドアから でしょうな、おそらく。 |
成: |
(”舞い”も”おりる”も カンケイないじゃないか!) あの‥‥。どうして怪人に 気がつかなかったんですか? |
哀: |
我がマナコは怪人のカゲを求め、 我が耳は怪人の足音を探していた。 ‥‥だのに! ヤツはその上を 行ったのです! おそらく‥‥ 怪人め、地味なマントを着て いいクツをはいていたのでしょう。 |
成: |
(アンタ、ホントに 名探偵なのかよ‥‥) |
成: |
そのとき、犯人のカオは 見なかったんですか? |
哀: |
‥‥それこそは、 ”微”にして”妙”ですな。 怪人の仮面のマスクは見た ‥‥そうキオクしております。 |
裁: | ふむう‥‥ややアイマイですな。 |
哀: |
しかし‥‥このとおり、我が 第3のマナコたる防犯キャメラが、 その姿をシカととらえている。 ‥‥じゅうぶんではないですかな? |
裁: |
たしかに‥‥写真がホンモノで あれば、モンダイないでしょうな。 いかがですか? ゴドー検事。 |
裁: |
‥‥それでは、 証言をつづけてください。 |
成: |
襲われて、キゼツ‥‥ 何もできなかったんですか? ‥‥名探偵のくせに。 |
哀: |
あいや、弁護士殿! 貴方‥‥いきなり殴られたことは? |
成: |
え! あ、ありますけど。 ‥‥消火器で。 |
哀: | その結果、どうなりましたかな? |
成: | たしか‥‥そのままキゼツして‥‥ |
真: | キオクもなくしちゃったんだよね! |
哀: |
‥‥さよう。貴方に我を せめる資格はありませぬな。 記憶を保っているぶん、我がアタマ のほうが優秀とも言えましょう。 |
成: |
(コイツのアタマ‥‥”反省する” って回路はないのかよ‥‥) |
哀: |
‥‥さて。このようにして、 我が意識はとぎれた。そして‥‥ |
成: | その”30分”というのは‥‥? |
哀: |
我が意識が黄泉の世界へと旅立ち、 黄昏の彼岸を彷徨いし、玉響‥‥。 |
真: |
‥‥あいかわらず読めないし、 イミもゼンゼンわかんないよ。 |
成: |
<<キゼツしてノビていた>> ‥‥たぶん、そういうコトだな。 |
裁: |
では‥‥ その30分間のコトは‥‥? |
哀: |
ダレにも知ることのできない‥‥ 空白の時間、というワケですな! |
成: | (おまえが言うなよ!) |
真: |
なんか、アヤしいよねー。 ‥‥アイガ探偵。 犯人が入ってきたのに 気がつかないなんて。 |
成: |
”戦う前に、キゼツした‥‥” 哀牙探偵はそう言ってるけど‥‥、 ‥‥そんなはずはないんだ。 あの証拠品とムジュンしている。 |
真: | ”あの証拠品”‥‥? |
成: |
(モンダイは‥‥どうして、そんな あからさまなウソをつくのか?) |
哀: |
『さよう。たしかに、この哀牙が 扉から目をはなしたのは、ジジツ。』(証言1) 『しかし‥‥、そんなコトで この名探偵をたばかるのは不可能!』(証言2) 『怪人は、かたわらの武器を手に取り ‥‥我らは、イノチのやりとりを!』(証言3) 『ゼントルメンの武器は、コブシのみ ‥‥それが、アダとなりました。』(証言4) 『ヤツめの一撃がコツンと! ‥‥それで、すべてですな。』(証言5) 『背にカベをつけて応戦をしましたが ‥‥我がマユアイに怪人の一撃が!』(証言6) |
成: |
そもそも、どうして 扉から目をはなしたんですか? |
哀: |
地下倉庫には、防犯キャメラ以外に 多くのセンサアがしかけてあった。 その1つが、ピピと反応した! すわ、デエタをカクニンせねばッ! ‥‥我は、コムピュウタのところへ 行ったのです。‥‥そう、華麗に! |
成: |
パソコンをいじっていて、 スキができた、ってワケですか‥‥ (どうする? もう少し、 聞いてみるか‥‥?) |
成: |
(とにかく、哀牙探偵が扉から 目をはなしたのはジジツらしい。 もっと、他のコトを聞いたほうが よさそうだな‥‥) わかりました。あなたは、扉から 目をはなした。‥‥そして? |
成: | その‥‥”センサア”というのは? |
哀: |
地下倉庫には、ドア以外にも 出入りできる場所がありました。 エアア・コンディショナアのダクト に排水口、ネコ用のドアなどなど。 すべてに熱感知・赤外線・紫外線・ その他モロモロのセンサアをッ! |
成: |
それは‥‥ご自分で用意された のですか? |
哀: |
機材はすべて、高菱屋百貨店に 用意していただきました。 もちろん‥‥この写真を 撮影した防犯キャメラも、ね。 |
成: |
(‥‥つまり、それらの機材に 細工はできなかったワケか‥‥) |
哀: |
クックックッ‥‥ウタガイは 晴れましたかな? 弁護士殿。 |
成: |
そのコムピュウタも、高菱屋の モノだったんですか? |
哀: |
さよう。‥‥まあ、デエタを 管理するプログラムは、 この哀牙が、ホオムメエドの 味わいで作りあげたモノですがね! |
成: |
(それなら‥‥哀牙探偵は データを自由にイジれたワケだ) |
哀: |
クックックッ‥‥ どうかしましたかな? 弁護士殿。 |
成: |
あの‥‥なんですか? ”たばかる”って。 |
裁: |
はあ‥‥最近のワカいヒトは これだからコマります。 うつくしく古いコトバは、 こうして失われていくのですね‥‥ |
成: |
スミマセン‥‥。で、 どういうイミなんですか? |
裁: |
‥‥‥‥ド忘れしました。 なんでしたっけ? |
成: |
(最近のおジイさんも 似たようなもんじゃないか!) |
ゴ: |
‥‥どうやら、結論が出たようだ。 証言をつづけて、かまわねえぜ。 |
成: | ”かたわらの武器”というのは? |
哀: |
にっくき怪人も、まさかこの哀牙が 現場にいようとは思わなかった! 倉庫へ通じる扉の近くに立っていた 女人像から、カタナをうばったッ! |
成: |
カタナ‥‥って、くねくねと エダわかれしたヤツですか? |
哀: |
さよう。‥‥さいわい、刃は 立っていなかったようでしたが。 |
成: | (やはり‥‥七支刀のコトだな) |
裁: |
怪人は、カタナを取った。 それで、証人のほうは‥‥? |
成: |
ウデっぷしには 自信があったんですか? |
哀: |
さよう。我が中学生時代は、 拳闘倶楽部の副主将代理補佐ゆえ。 |
裁: |
‥‥いまひとつ、スゴさが 伝わってきません。 |
哀: |
しかしヒキョウなるは、我が怪人 にしてライヴァルたる仮面マスク! |
成: | (もうメチャクチャだな‥‥) |
成: |
(とにかく、哀牙探偵がポカリと やられたのはジジツみたいだ。 もっと、他のコトを聞いたほうが よさそうだな‥‥) |
成: |
その、目がくらんだ ”ヒカリ”というのは‥‥? |
哀: |
‥‥いわばアレは、ゴオルデン。 女人の像から発したモノでしょう。 |
成: | (綾里 供子の像、か‥‥) |
真: | あんまり参考にならなかったね。 |
成: |
(とにかく、哀牙探偵がポカリと やられたのはジジツみたいだ。 もっと、他のコトを聞いたほうが よさそうだな‥‥) |
成: |
‥‥あの。 マユアイ‥‥というのは? |
哀: |
さよう‥‥右のマユと左のマユの ちょうど中央、ちょっと上あたり。 ‥‥ある種、ヒタイと言いかえても モンダイないでしょう。 |
成: |
(じゃあ、 最初からそっちで言えよ!) |
哀: |
やあれ、弁護士殿! マユアイに シワがよっておりますぞ! |
真: |
‥‥あの探偵さん、ヒタイを 殴られたの? |
成: | そう言ってるね。 |
真: | ううん‥‥なんか気になるなあ。 |
成: | (‥‥じつは、ぼくもだ) |
真: | どうかな? なるほどくん。 |
成: |
‥‥1つだけ、 ハッキリしているコトがあるよ。 |
真: | え! なに、なに? |
成: |
アイツは‥‥哀牙探偵は、 まだ、何かをかくそうとしている! |
真: |
そ、それって‥‥ どういうコトかな? |
成: |
なんとなく‥‥この事件の真相が 見えてきたような気がするよ。 (‥‥あの探偵の”正体”が‥‥) |
弁護側の主張は‥‥!」 | |
成: |
この証人は、じつは‥‥ 名探偵などではないのです! |
哀: |
‥‥では‥‥いったい、 この哀牙は、なんだと? |
成: |
ええと‥‥そうですね。 並の探偵、というか。 |
裁: | たいして、変わりませんな。 |
真: |
な、何やってんの、なるほどくん! アイツを追いつめるんでしょ? |
成: |
そのつもりだったけど‥‥ ぼくのほうが追いつめられてるな。 |
裁: | もっとマジメに考えるように! |
主張を聞かせてください。」に合流) | |
成: |
この証人は‥‥星威岳 哀牙の ニセモノなのですッ! |
哀: |
‥‥仮面マスクにつづいて、 この哀牙まで、ニセモノだと‥‥? |
成: |
名探偵と言われる星威岳 哀牙が、 こんなトボけているはずがない! |
ゴ: |
アンタ自身がニセモノだから‥‥ そう見えるんだろうぜ。 |
裁: |
やれやれ。次は、この私が ニセモノ呼ばわりされそうですな。 |
主張を聞かせてください。」に合流) |
|
という、決定的な証拠は‥‥!」 | |
成: |
‥‥もちろん、弁護側には 決定的な証拠があります! |
裁: |
わかりました。‥‥それでは、 提示していただきましょう。 この証人・星威岳 哀牙が、 仮面マスクであるという証拠を! |
成: | これが‥‥その証拠ですッ! |
裁: | ‥‥いかがですか、ゴドー検事。 |
ゴ: |
どうやら‥‥弁護士さんはまだ、 目がさめてないらしいぜ。 ゴドー・ブレンドをもうイッパイ、 いっとくかい? ‥‥弁護士さん。 |
成: | い、いえいえ。ケッコウです! |
成: |
(どうする‥‥? ここで判断を まちがうと、おしまいだ! 決定的な証拠がないかぎり、 深追いはイノチ取りだけど‥‥) |
あったことを立証するには‥‥)」 | |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
ゴ: |
どうした? しゃべるのが シゴトじゃなかったのか‥‥? |
真: |
なるほどくん! 立証なんて、カンタンじゃない! だって‥‥あたしたち、 調べたんだよ。あのバッグ! |
成: |
‥‥ああ。 たしかに、おぼえてるよ。 中に入っていたのは‥‥カタくて、 丸くて‥‥つるつるしていた。 |
真: |
さわった感じ、どう考えても ツボじゃないの、それ! |
成: |
でも‥‥ぼくは それを、見ていないんだ。 |
真: | え‥‥ |
成: |
見ようとしたところで、 哀牙が帰ってきた。だから‥‥ 中身が本当にツボだったか‥‥ ぼくたちには証言できない。 |
真: | そんなああッ! |
ゴ: |
クッ‥‥! 見なおしたぜ、まるほどう。 ウソにあふれた街で‥‥今、 小さな真実の灯がともりやがった。 |
希: | ‥‥リューイチくん‥‥! |
成: |
(たしかにぼくは、あのツボを 見てはいない‥‥ だけど‥‥他の方向から、 立証できるはずだ‥‥!) |
裁: |
‥‥いかがですかな、弁護人。 あきらめますか‥‥? |
方法があるに、ちがいない!)」に合流) | |
成: |
‥‥今は‥‥ まだ、立証はできません。 |
真: | なるほどくん! |
裁: |
‥‥どうやら‥‥ ここまでのようですな。 |
ゴ: |
そう‥‥このツボこそ、 決定的な証拠だからな‥‥。 |
成: | 決定的な‥‥証拠? |
ゴ: |
まだ、わからねえみたいだな。 ‥‥いいか、まるほどう。 このツボは、怪人☆仮面マスクが 盗んだモノだ。 それを今、被告人のカミさんが 持って、ノコノコ出てきたんだ。 さあて‥‥怪人は、ダレだ? |
成: | あ‥‥っ! |
希: |
ダメ! アタシ、 そんなつもりじゃあ‥‥ |
真: |
な‥‥なるほどくん! ダメだよ! コレじゃあ‥‥ |
成: |
(たしかに‥‥ここはもう、 1つしか方法はない!) 裁判長! もう一度だけ‥‥ 考えさせてくださいッ! |
裁: |
‥‥弁護人。あなたもそろそろ おぼえてもいいころです。 いいかげんな発言は、 イノチ取りになるということを! |
成: |
(今度こそ‥‥シッパイは ユルされないぞ‥‥) |
方法があるに、ちがいない!)」に合流) | |
残っているはずです!」 | |
ゴ: |
‥‥いいコトを教えてやるよ。 ゲームってのは‥‥最後まで 冷静だったほうが勝つんだぜ。 |
裁: |
もっといいコトを教えて あげましょう、成歩堂くん。 ‥‥少なくとも、そのコタエでは 勝てませんぜ。 |
真: |
なな、なんか裁判長まで カッコよくなってきたよ‥‥ |
成: |
(‥‥ぼくが まちがっていたのか‥‥? ツボは‥‥きのう、あのバッグに 入れられて、事務所に置かれた。 だから、ぼくが 探すべきなのは‥‥ きのう、あの事務所で ツボに指紋をつけた人物‥‥!) |
真: |
そんなヒト‥‥ホントに いるのかなあ‥‥? |
裁: |
‥‥さて。 どうしますかな? 弁護人。 |
成: |
裁判長! もう一度だけ、 おねがいします。 |
残っているはずです!」に合流) | |
裁: |
‥‥さて。 どうしますかな? 弁護人。 |
成: |
すみません‥‥もう一度、 最初から考えなおしてみます。 |
方法があるに、ちがいない!)」に合流) |