成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
須々木 マコ…橙 | |
芝九蔵 虎之介…紫 | |
鹿羽 うらみ…灰 | |
本土坊 薫…桃 | |
五十嵐 将兵…紺 | |
小池 けいこ…黄 |
虎: |
『あの日の午後、‥‥レストランで 会うことになっていたんや。』(証言1) 『入り口のドアを開けた瞬間‥‥ イヤなものが見えた。』(証言2) 『あのワカゾウ、机につっぷして ピクとも動かへんやないか!』(証言3) 『こりゃヤバい‥‥ピンと来た。 その場で回れ右、や。』(証言4) 『パトカーのサイレンも聞こえたし。 そのまま事務所に帰ったワケや。』(証言5) |
成: |
<<カリヨーゼ>>の事務所じゃ なかったんですか? |
虎: |
どうしても、事務所に来たくないと ゴネやがったんや、あのワカゾウ。 なんでやろ。返済のハナシになると みんな、ウチに来たがらへんねや。 ゴツいサンドバッグもあるのに。 |
成: |
(サンドバッグがあるから じゃないのか‥‥?) それで‥‥<<吐麗美庵>>で 会うコトにしたワケですか。 |
ゴ: |
クッ‥‥! まるほどう。 そのハナシ、さっきも聞いたぜ。 |
成: | そ、そうでしたっけ。 |
ゴ: |
ヤクソクどおり、ペナルティを オゴるぜ。‥‥飲みほしな。 |
裁: | 飲みほすように、弁護人。 |
成: | (マイったな‥‥) |
成: |
”イヤなもの”というのは、 いったい‥‥ |
ゴ: |
‥‥言ったはずだぜ。イミのない ゆさぶりはユルさねえ、と‥‥。 |
成: | し、しかし‥‥! |
ゴ: |
‥‥オレは、裁判中のコーヒーは 17杯まで、と決めている。 アンタも、裁判中に食らう ペナルティ、回数を決めることだ。 胃が、まっ黒になっちゃうぜ! |
裁: |
まっ黒になっちゃいますよ、 弁護人。 |
成: |
(‥‥今のゆさぶりは 軽はずみだったか‥‥) |
虎: |
どうやら、特急には 乗れそうやなぁ、ニイちゃん‥‥ |
裁: |
それで‥‥、あなたが見た ”イヤなもの”というのは‥‥? |
成: |
‥‥岡 高夫の死体を 見たわけですか? |
虎: |
まあ、それらしい背中しか 見えなかったけどな。 たしか、うすぎたない毛糸の キャップをかぶっていたでェ。 |
成: |
それは、何時ごろの ことでしたか? |
虎: | ‥‥知らん。 |
成: | え‥‥ |
虎: |
ワイがこの世で最もユルせんのが、 丸ぅい時計やッ! そないなモン、 ウデにつけるワケ、あらへん! |
裁: |
あの‥‥ちなみに、2番目に ユルせないのは‥‥? |
虎: |
決まっとるやろがァ! ‥‥四角ぅい時計やッ。 |
成: | (やれやれ‥‥) |
虎: |
とにかく、何かマズいことが 起こったのはマチガイあらへん! |
成: |
じゃあ‥‥店の中には 入らなかったワケですね? |
虎: |
‥‥ワイの時間は高いからのォ。 ムダな事件に巻きこまれとる ヒマはないんや。 |
成: |
じゃあ‥‥このマッチは、 いつもらったんですか? |
ゴ: |
‥‥マッチは、入り口のそばに 置いてあった。 ウチの刑事が5個、持って帰ろうと して、シェフに怒られてたぜ。 |
成: | (イトノコ刑事‥‥泣かせるなあ) |
成: |
何か、やましいコトでも あったんですか! |
虎: |
なんやとコラァッ! やましいコトがないニンゲンが いるかァ、このボケがッ! |
成: | え‥‥ |
ゴ: |
‥‥ヒトはだれでも、いくつもの ツミを抱えているんだぜ。 その暗い闇を、ただ飲みくだして 生きてゆくのさ。 こんなふうにッ! |
成: |
(‥‥裁判所でする会話とは 思えないな‥‥) |
裁: |
どうやら‥‥また やってしまったようですな。 イミのない”ゆさぶり”を。 ‥‥ペナルティを与えます! |
成: |
(あの連中の問題発言に ペナルティはないのかよ!) |
真: | ど、どうよ。なるほどくん! |
成: |
そろそろ、ゴマかしきれなく なってきているみたいだ。 とにかく、ウソを考える時間を 与えないことだよ。 ムジュンを暴くんだ! ‥‥振り向きざまに! |
真: |
ヘタにゆさぶっちゃうと、 ペナルティを食らうしね! |
いったい、ダレだったのですか!」 | |
成: |
こういう場面では、<<意外な人物>> と相場が決まっています! |
成: |
あの‥‥。 どうしましたか? 裁判長。 |
裁: |
あ! ちょっとボールペンを 落としてしまってですね‥‥ 私にかまわず、みなさんで やってください! |
真: |
ボールペンを探しているあいだに もう一度、考えなおそうよ。 |
成: |
(やっぱり、意外性だけで 選んだのがマズかったか‥‥) |
裁: |
‥‥それでは、ボールペンも 見つかったので、うかがいます。 |
毒殺したあと‥‥」に合流) | |
”ウエイトレス”の正体は‥‥!」 | |
成: |
こういう場面では、<<意外な人物>> と相場が決まっています! |
成: |
あの‥‥。 どうしましたか? 裁判長。 |
裁: |
あ! ちょっとボールペンを 落としてしまってですね‥‥ 私にかまわず、みなさんで やってください! |
真: |
ボールペンを探しているあいだに もう一度、考えなおそうよ。 |
成: |
(やっぱり、意外性だけで 選んだのがマズかったか‥‥) |
裁: |
‥‥それでは、ボールペンも 見つかったので、うかがいます。 |
虎: |
『岡 高夫には、カネを貸してたんや ‥‥1000万円ほどなァ。』(証言1) 『あの日は、融資の話やなかった。 返済の期限日やったんや。』(証言2) 『ところが、あのワカゾウ。 カネがないと言いだしやがった。』(証言3) 『ペチャンコにしたろ思ったとき。 突然、アイツが騒ぎ出したんや。』(証言4) 『”5000万円当たったァ” ‥‥ってな。運のいいやっちゃア。』(証言5) 『‥‥あのウエイトレスが妙なコトを しなければ、丸く収まってたんや。』(証言6) 『ワイの目当ては、1000万円や。 他にヤツを殺す理由、あらへんで!』(証言7) |
成: | ‥‥返せるアテはあったんですか? |
虎: |
まあ‥‥あのワカゾウは なかなかのギャンブラーやった。 ”デカいのをイッパツ当たるまで、 やめられない”なんて言うて。 ‥‥だからワイも、できるかぎり 協力してやったんや。 |
裁: | ‥‥協力? あなたが? |
虎: |
デカいギャンブルのハナシを 次々に持ちかけてやったワケや。 ‥‥ゼンブ負けたみたいやけど。 |
成: |
それは‥‥やっぱり、 岡 高夫さんのためを思って‥‥? |
虎: |
まあ‥‥。ウチのモットーは <<三日坊主>>やからなァ。 |
成: | (‥‥ひでェ!) |
真: |
でも‥‥返せるアテのないヒトに おカネなんか貸すかなあ。 あたし、なるほどくんには 500円までしか貸さないから。 |
成: | (‥‥シツレイな子だな) |
成: |
期限日‥‥というと、いくらぐらい 返すヤクソクだったんですか? |
虎: |
利息をふくめた1000万円、 全額に決まっとるやろ! |
真: | ヘビー級のパンチだね、それは‥‥ |
虎: |
月々の返済が、1回でも おくれたら、全額いただく! ‥‥金融界のジョーシキやで、 ホンマ、コイツだけは。 |
裁: |
あの。何回目の返済で おくれたんですか? 被害者は。 |
虎: | 1回目や。 |
成: |
‥‥月々、いくらずつ 返すハズだったんですか? |
虎: | 5000円や。 |
真: |
‥‥なんか、岡 高夫さんが ワルモノに見えてきたよ。 |
成: |
(まあ、5000円ずつ返しても 借金、へらないんだけどな) |
成: |
あの‥‥ いくら足りなかったんですか? |
虎: |
おおまかに言って‥‥ 1000万円やな。 |
成: | (全額じゃないか!) |
ゴ: |
‥‥死亡当時、被害者のサイフには 58円しか入っていなかったぜ。 |
虎: |
なんや! アイツ、コーヒー代 払うつもり、なかったんかい! |
裁: | ものスゴい度胸ですな‥‥。 |
虎: |
ミョーに落ちついとったんや、 あのオトコ‥‥。 ”あと5分以内に、カネは返す” ‥‥なんて言うて。 ”ホトケのゼニトラ”と言われた ワイも、それはゴキゲンナナメや。 |
成: | もしかして、それが‥‥? |
虎: |
‥‥宝クジや。 ヤツの最後の大勝負やった。 |
裁: |
そのクジは‥‥ もちろん、これですね? |
虎: | ‥‥せや。 |
裁: |
<<長者ラジオ>>の番組は、 午後1時半から10分間‥‥。 どうやら、2人が会っていた 時間が、ハッキリしましたな。 |
成: |
(このときのシーンが、30分後に くり返されたワケだな。 ‥‥五十嵐 将兵に 見せるために‥‥!) |
虎: |
あのときのワカゾウのカオ‥‥ 今でも忘れんのォ。 |
成: |
そのとき、店には他に だれかいましたか? |
虎: |
‥‥さあなあ‥‥ おぼえてへんワ。 |
成: |
(ジッサイには、 このとき、店内には‥‥ 本土坊さんに、マコちゃん‥‥ そして、うらみさんがいたはず) |
裁: |
では‥‥被害者は、最初から 宝クジで借金を返そうと‥‥? |
虎: | そのツモリやったみたいやで。 |
裁: |
当たるワケないでしょう、 フツウは‥‥! |
ゴ: |
クッ‥‥! 絶対的なピンチにいても、 自分の勝ちしかイメージしない。 それがギャンブラー‥‥だぜ。 |
成: | (カッコイイな、なんか) |
真: |
ダメだよ、ナットクしちゃ。 なるほどくん、弱いんだから! |
虎: |
とにかく‥‥最後の大勝負で、 アイツはついに、勝ったんや。 |
成: |
被告人が‥‥ナニをしたと 言うんですか? |
虎: |
あのメガネ、聞いとったんや! 5000万円のクジのコトをなァ! それが、どうしても ほしくなった。だから‥‥ コーヒーに毒を入れたワケや! |
成: |
そ‥‥それは、証人の 勝手な言いぶんです! |
ゴ: |
‥‥そうは行かねえさ。 この証人は、現場にいたんだ。 |
虎: |
ワイは、闇金融なんて商売を しとるからのお。 現場にいるワケにはいかん。 急いで立ち去るしかなかったんや。 |
裁: | そ、そうだったのですか‥‥。 |
ゴ: |
裁判長! 今の目撃証言‥‥ コーヒー2杯ぶんの価値があるぜ。 |
裁: |
た‥‥たしかに! 証人、証言を修正してください! |
虎: |
クックックッ‥‥そういうコトや。 成歩堂 龍一ィィ‥‥ 『被告人が毒を入れてくれたおかげで ワイの取り引きはパアや!』(証言8) |
成: |
”他に、動機はない” ‥‥そういうことですか? |
虎: | モチロンや。 |
ゴ: |
それなら‥‥その当たりクジ、 なぜ持って帰らなかったんだ? |
虎: |
あの、メガネのウエイトレスの せいに、決まっとるやろがァ! |
成: | (マコちゃん、か‥‥) |
虎: |
あのメガネ、聞いとったんや! 5000万円のクジのコトをなァ! それが、どうしても ほしくなった。だから‥‥ コーヒーに毒を入れたワケや! |
成: |
そ‥‥それは、証人の 勝手な言いぶんです! |
ゴ: |
‥‥そうは行かねえさ。 この証人は、現場にいたんだ。 |
虎: |
ワイは、闇金融なんて商売を しとるからのお。 現場にいるワケにはいかん。 急いで立ち去るしかなかったんや。 |
裁: | そ、そうだったのですか‥‥。 |
ゴ: |
裁判長! 今の目撃証言‥‥ コーヒー2杯ぶんの価値があるぜ。 |
裁: |
いかがですか? 弁護人。 証言を修正してもらいますかな? |
成: |
(このままの証言で、 もう少し考えてみよう‥‥) ‥‥けっこうです、裁判長。 |
裁: |
わかりました。 ‥‥では、尋問をつづけましょう。 |
成: |
(このままの証言じゃ、 ラチがあかないな‥‥) ‥‥おねがいします、裁判長。 |
裁: |
わかりました。 証人! 今の発言をふまえて、 証言を修正してください! |
虎: |
『被告人が毒を入れてくれたおかげで ワイの取り引きはパアや!』(証言8) |
成: |
(ゼニトラは、マコちゃんに ツミを着せようとしている。 目撃したことについて聞くのは、 こちらに不利なだけだな‥‥) その‥‥”パアになった取り引き” というのは? |
虎: |
アホか、アンタ。 借金に決まっとるやろうが! ワイは‥‥その。1000万円さえ 返してもらえれば、よかったんや。 それを、あのウエイトレスが ジャマしよってからにィィ‥‥ |
裁: |
ふむう‥‥‥。 証言を聞いているかぎり、 証人にとっての<<動機>>は、 その借金以外、なさそうです。 いかがですか? 弁護人。 証言を修正してもらいますかな? |
成: |
(このままの証言で、 もう少し考えてみよう‥‥) ‥‥けっこうです、裁判長。 |
裁: |
わかりました。 ‥‥では、尋問をつづけましょう。 |
成: |
(このままの証言じゃ、 ラチがあかないな‥‥) ‥‥おねがいします、裁判長。 |
裁: |
わかりました。 証人! 今の発言をふまえて、 証言を修正してください! |
虎: |
『ワイの目当ては、1000万円や。 他にヤツを殺す理由、あらへんで!』(証言7) |
真: |
ゼニトラ、おカネを返して もらうつもりだったんだよね? それなら、たしかに‥‥ クジをもらえば済むハナシだよ! |
成: |
でも、それじゃあ 殺人の動機にはならないよ。 (‥‥ここが、 最大の勝負どころだ! この証言をくずさなければ ‥‥勝てない‥‥!) なぜ、岡 高夫に毒を 盛らなければならなかったのか? そして、そもそも‥‥なぜ、返せる アテもない男に、カネを貸したか? |
成: |
岡 高夫さんから、1000万円を 返してもらうつもりだった、と? |
虎: |
そうや。ワイには、 そのケンリがあるからのォ。 |
成: |
‥‥ザンネンながら‥‥ あなたの狙いは、1000万円 なんかではなかったハズです。 |
ゴ: |
どういうことだ‥‥まるほどう。 金貸しに、カネ以外 なんの狙いがあるというんだ! |
成: |
カネはカネでも‥‥ ケタがちがったんですよ。 この、たった1枚のディスクに、 その価値があるのです! |
虎: | ‥‥‥! |
裁: | そ、それは‥‥? |
成: |
コンピュータ・ウイルスです。 <<クリーニング・ボンバー>>! |
裁: |
こんぴゅーた・ういるす‥‥ いったい、それはッ! |
成: |
コンピュータの内部を 破壊するプログラムです。 |
裁: |
その”こんぴゅーた”というのは、 いったい‥‥? |
成: |
(そこから わからないのかよ!) あとで、ゆっくり説明します。 とにかく、重要なポイントは‥‥ このプログラムに、数億円の 価値がある、ということです! |
裁: | す‥‥すうおくえん‥‥! |
成: |
返せるアテのない人間にカネを 貸すなど、本来はあり得ない。 この場合‥‥”返すアテがない” ことこそが、重要だったのです。 |
裁: | な‥‥なんですって! |
成: |
岡 高夫さんは、 優秀なプログラマーでした。 この証人は、そのウデを 担保に、カネを貸したのです。 |
虎: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
ゴ: |
そのプログラムを手に入れる‥‥ それが<<動機>>だと言うつもりか? |
成: | ‥‥そのとおりです。 |
ゴ: |
そこの証人は、バカじゃねえ。 殺人なんかしなくても 1億ぐらい、かせげただろうぜ。 |
成: |
あるいは、そうかもしれません。 ‥‥時間さえあれば。 しかし‥‥どうしても、 その金が、”今”必要だとしたら? 緊急事態で‥‥手段を選ぶ ヨユウがなかったとしたら‥‥? |
裁: |
‥‥弁護人には、何か 考えがあるようですね。 ここで、提示して いただきましょう。 この証人が、なぜ‥‥ 億単位のカネを必要としたのか? |
裁: |
な‥‥なんですか、 この証拠品は。 |
ゴ: |
弁護人が、裁判所に行ったことが ないことを示す証拠品だろうぜ。 |
成: |
な、何を言ってるんですか! ぼくは、ここにこうして‥‥ |
ゴ: |
それだけ、マトはずれな 証拠だと言ってるんだ! |
成: |
(なんでコイツに ペナルティを食らうんだよ‥‥) |
真: |
だ、だいじょうぶなの、 なるほどくん! |
成: |
芝九蔵は‥‥1000万円じゃ 足りなかったんだよ。 どうしても、もっとカネが 必要だった! 緊急に‥‥。 |
裁: |
‥‥弁護人には、何か 考えがあるようですね。 ここで、提示して いただきましょう。 この証人が、なぜ‥‥ 億単位のカネを必要としたのか? |
成: |
去年の12月。あなたは多額の カネが、どうしても必要だった! |
虎: | ‥‥‥! |
成: |
今から半年ほど前‥‥ あなたは、交通事故を起こした。 スクーターとクルマの接触事故。 ひとりの女性が、ケガを負った‥‥ 女性は病院に運びこまれて、 手術を受けたそうです。 |
虎: |
‥‥あ、アンタ‥‥ どこまで知っとるんやァ‥‥ |
成: |
これが、そのときケガを負わせた 女性の診断書です。 手術代として‥‥1億円が 請求されています。 支払い期限は、去年の12月中‥‥ どうやら、払えたようですね。 |
裁: |
い‥‥イチオクエン‥‥! な、なんとバカげた‥‥ |
ゴ: |
クッ‥‥! そんな請求、 マジメに払うヤツはいねえぜ。 医師会に持ちこめば、 その病院はアウト‥‥だ。 |
成: |
その金額がいくらであろうと、 彼は支払うしかなかった! なにしろ、自分の命が かかっているのですからね! |
虎: | ぐわおおおおおおおおおおおおッ! |
裁: |
せ‥‥静粛に! 静粛に! い‥‥”命”というのは‥‥! |
成: |
<<ケガをさせた女性>>‥‥それが、 鹿羽 うらみさんだったのです。 |
ゴ: |
‥‥‥! ”シカバネ”‥‥だと? |
成: |
この街の闇金融のボス、 <<鹿羽組>>組長・鹿羽 権太。 鹿羽 うらみさんは、 そのマゴ娘です。 |
ゴ: | ぐふおおおおおおッ! |
成: |
”オトシマエ”をつけなければ、 命があぶない。‥‥だからこそ! あなたは、なんとしても 1億円を用意するしかなかった! そのために、岡 高夫さんの 命をギセイにしたのです! |
CDを手に入れるつもりでした!」に合流) | |
とは、なんだったのか!」 | |
裁: |
な‥‥なんですか、 この証拠品は。 |
ゴ: |
弁護人が、裁判所に行ったことが ないことを示す証拠品だろうぜ。 |
成: |
な、何を言ってるんですか! ぼくは、ここにこうして‥‥ |
ゴ: |
それだけ、マトはずれな 証拠だと言ってるんだ! |
成: |
(なんでコイツに ペナルティを食らうんだよ‥‥) |
真: |
だ、だいじょうぶなの、 なるほどくん! |
成: |
芝九蔵が必要だったのは、 あくまでも1億円だ。 1000万円を返してもらうだけ じゃ、ダメだったんだ! (岡 高夫には、その大金を 生み出すウデがあった‥‥) |
考えがあるようですね。」に合流) | |
もう1つのワナ、ってヤツを!」 | |
ゴ: |
‥‥で? 今のコレは、なんだ。 まるほどう‥‥? |
成: |
え! あの‥‥ ちょっとした、アイサツです。 |
ゴ: |
‥‥まったく、 とんだごアイサツ、だぜ。 |
裁: |
どうやら‥‥すべては、この 弁護人のワナだったようですな。 |
成: |
ま、待ってください! 芝九蔵 虎ノ助のワナは、 たしかに存在したのです! |
見せてもらおうじゃねえか‥‥」に合流) |