成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
神乃木 荘龍…薄橙 | |
御剣 怜侍…茶 | |
裁判官…黄 | |
無久井 里子…紫 | |
尾並田 美散…緑 |
里: |
『お背中を刺された被害者を、 犯人はすばやく抱え上げました。』(証言1) 『そしてそのまま犯人は、 彼女をお運びになったのです。』(証言2) 『運び去るほかに、死体をかくす 方法など、ありませんものね。』(証言3) 『死体を橋の上に残しておくわけには いかなかったのでしょう。』(証言4) 『わたし‥‥今度こそ、見たコトしか お話ししていませんわ。』(証言5) 『犯人は、盗んだクルマのトランクを コジ開けて、死体をかくしました。』(証言6) |
千: |
被害者は、橋の上に 倒れなかった、ということですか? |
里: |
え‥‥あ。そ、そうですね。 もしかしたら、お倒れになったか |
御: |
もちろん、倒れなかったのだ。 ‥‥そうでなければ、 この写真の説明がつかない。 もし、被害者が倒れていれば‥‥ コートが汚れているはずだ。 |
千: | 私は、証人に聞いているのです! |
御: |
‥‥フッ。 これはシツレイ。 |
裁: |
それで‥‥いかがでしたかな? おじょうさん。 |
里: |
‥‥‥‥‥‥ モチロン、お倒れには なりませんでしたわ。 その前に、囚人服のかたが 抱きとめましたから。 |
千: | ‥‥‥‥‥‥ |
神: |
クッ‥‥! 一足おそかったようだな‥‥ |
御: |
それで‥‥そのあと、 被告人は、どうしたか‥‥? |
千: |
あなたは、それを 目撃していたのですか? |
里: | ええ‥‥そうですわ。 |
千: |
そのとき、何か変わったことは ありませんでしたか? |
里: |
変わったことかどうか わかりませんけど‥‥ 被害者の女のかたの おマフラーが落ちましたわ。 |
裁: |
ぬうううううう‥‥ この、おマフラーがッ! |
御: |
現場の状況とも一致する。 問題あるまい‥‥ |
千: |
犯人は、たった1人で 死体を運んだんですか? |
里: | え、ええ‥‥ |
御: |
被告人の体格ならば、 ムズカシイことではあるまい。 |
千: |
でも‥‥現場は、細く コワれかけた吊り橋です! そんな場所で、死体を運ぶなんて ‥‥可能だったのでしょうか。 |
御: |
しかし、ジッサイ、死体は 運び去られていたのだ。 ‥‥そのギロンには、 イミがない! |
千: |
(何かしら‥‥? 急に感情的になって‥‥) |
裁: |
他に方法があったと言うのならば、 あなたが示すべき、でしょうね。 |
千: |
‥‥なぜですか? 山奥の吊り橋の上ですよ? わざわざ死体を持ち去る 必要など、なかったのでは‥‥? |
里: |
吾童山は、ハイキングコースが 有名ですの。 意外に、人が集まりますのよ。 |
千: |
でも、今は2月で、事件当日には 雨もふっていたんですよ? |
里: |
小さなお寺や霊場もありますの。 修行者のかたは、サムいところが お好みのようですから‥‥。 |
御: |
つまり、死体はいつ発見されても おかしくない状況だった‥‥ ジッサイ、この証人が 目撃していたわけだからな。 |
里: | ‥‥‥‥‥‥ |
千: |
それで‥‥死体を運んだのは、 まちがいなく被告人でしたか? |
里: |
‥‥‥‥‥‥ 犯人は、囚人さんの服を着ていたの ですけど‥‥おカオまでは‥‥ |
裁: |
ハッキリ見えたワケでは ないのですね? |
里: |
キョリもあったし、 お雨も降っておりましたから。 わたし‥‥見たコトしか 言わないほうがいいと思って‥‥ |
裁: |
ぬううううううう! リッパなココロがけです! |
千: |
そのあと、犯人は どうしましたか? |
里: |
もちろん‥‥クルマに お乗りになって、お逃げに。 そこでわたし、やっと ワレに返ったんです。 『おまわりさんに知らせないと!』 そう思って‥‥ |
御: |
‥‥それで、 警察に通報したわけ、だ。 |
千: |
あなたは、それを 目撃したわけですね? |
里: | ‥‥ええ、まちがいありません。 |
千: |
(気になる点が1つ、あるわ。 でも、それがいったい‥‥) |
神: |
アンタ‥‥コーヒーに シオを入れたことは? |
千: | あ、あるワケないでしょう! |
神: | なぜだ? |
千: | え‥‥? |
神: |
サトウなんか入れるより、 よっぽどイケるかもしれねえぜ? |
千: | ‥‥‥‥‥‥ |
神: |
いいか。迷うぐらいなら、 たっぷりシオを入れて飲みほせ。 せっかくの証拠が‥‥ サビついちゃうぜ。 |
千: |
(そうよ、千尋‥‥。 とにかく、つきつけてみるの!) |
神: |
ちなみに、コーヒーにシオは、 やっぱり合わねえが‥‥な。 |
ムジュンはなかったかしら‥‥)」 | |
千: |
(なんか‥‥引っかかる 気もするんだけどな‥‥) そ、そうですね。 問題ない‥‥と思います。 |
御: |
‥‥どうやら、これでギモンは なくなったようだな‥‥ |
裁: | わかりました。 |
神: |
おいおい、コネコちゃん‥‥。 ジャレてる場合じゃねえぜ。 |
千: | え‥‥ |
神: |
こんなでっかいムジュンを 見逃すなんて‥‥どうかしてるぜ。 |
千: |
(ムジュン‥‥! じゃあ、やっぱり”アレ”は 気のせいじゃなかったのね!) |
裁: | それでは、次の |
千: | お‥‥お待ちください! |
裁: | なな、なんですか! |
千: |
ただ今の証人の発言‥‥ 重大な問題があります! |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ たった5秒で主張を 変えないようにッ! |
千: | (うう‥‥イタくないわ、千尋!) |
見たことがあった! なぜなら‥‥」 | |
千: |
きっと証人は、現場付近を たまたま通りかかったのです! |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ いかがかな? 御剣検事くん。 |
御: |
‥‥ここまでヒドいコタエを 聞かされると‥‥ 弁護人の、ニンゲンとしての 存在価値に関わってくると言える。 |
裁: |
‥‥考えなおしてもらいましょう。 あなたがなぜ、生まれてきたのか。 |
千: |
(なんでそこまで 言われなきゃならないのよ‥‥) |
千: |
(あと少し! もう1歩、 前に出るの‥‥千尋!) |
コタエは1つしかありません!」に合流) | |
千: |
‥‥盗まれたクルマは、 証人のものだったのです! 自分の車だからこそ、 キズのコトを知っていた! |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ いかがかな? 御剣検事くん。 |
御: |
‥‥ここまでヒドいコタエを 聞かされると‥‥ 弁護人の、ニンゲンとしての 存在価値に関わってくると言える。 |
裁: |
‥‥考えなおしてもらいましょう。 あなたがなぜ、生まれてきたのか。 |
千: |
(なんでそこまで 言われなきゃならないのよ‥‥) |
千: |
(あと少し! もう1歩、 前に出るの‥‥千尋!) |
コタエは1つしかありません!」に合流) | |
のは、彼女とはかぎらないのです!」 |
|
千: | いかがですかっ、裁判長! |
裁: |
‥‥正直に言って‥‥ もう少し、むずかしく 考えてほしかったですな。 |
千: | え。 |
神: |
おいおい‥‥こんなところで モタつかないでくれよ。 アイツは、あそこにいなかった。 でも、写真は撮影された。 ‥‥いったい、どうやって‥‥? カンタンな話だろ。 |
千: | (私もそう思ったんだけど‥‥) |
裁: |
もう一度、考えなおして もらいましょうか。 |
ありません。」に合流) | |
無久井 里子さんがどこにいたか?」 | |
千: |
もちろん証人は、ここに 立っていたんです! |
裁: |
ぬおおおおおおお‥‥ いかがかな? 御剣検事くん。 |
御: |
フッ‥‥。 ヒトが立っている場所を示す前に するべきコトがあるようだ。 すなわち、弁護人! キミ自身が、 どこに立っているのか‥‥? |
千: | (”キミ”と来たか‥‥) |
裁: |
弁護士としての自覚を持って、 これからもがんばるように。 |
千: | ‥‥はあ、どうも‥‥。 |
示していただきましょう。」に合流) | |
美柳 勇希のカオを忘れていた!」 | |
神: | 待ちな! |
千: | か‥‥神乃木さん‥‥ |
神: |
まずは落ちつけ。もう一度、 じっくり急いで考えるんだ! |
千: |
(そ、そうよ! じっくり 急いで考えるの、千尋!) |
カオを忘れていたのです!」に合流) |