成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
毘: |
こ、これ‥‥! 綾里家に代々つたわる 勾玉じゃないのぉ! それはそれは、ダイジな 宝玉なのよ、それ。 |
糸: |
さ‥‥さすが、御剣検事ッス! とにかく、すげェッス! |
毘: |
それにしても‥‥アンタ、 見かけによらず、マニアねえ。 |
御: | はい‥‥? |
毘: |
そんなよくできた オモチャ持ち歩いてるんだから。 倉院流の大ファンのコね、きっと! |
糸: |
さ‥‥さすが、御剣検事ッス! とにかく、すげェッス! |
御: |
(むやみに見せないほうが よさそうだ‥‥) |
毘: |
あ‥‥あらあらあら。 よく見つけたわねぇ! 倉院流霊媒道の現家元、 綾里 舞子さまよ。 |
御: | アヤサト‥‥‥ |
毘: |
舞子さま、姿を消してから、 もう20年近くたつのよぉ。 どうやら、自分のムスメさんに 家元をゆずろうとしてるみたい。 |
御: | その、ムスメさんというのは? |
毘: |
ま、まあ。オバサンもいちおう 倉院流の分家なんだけどね。 本家のコトなんて、教えて もらえないのよねぇ‥‥。 |
毘: |
まあまあまあまあ! <<退魔のずきん>>じゃない。 修験者さまは、悪霊に ねらわれやすいから。 オバサンたち、いつも これをかぶっているワケよぉ。 |
御: | そうなのですか‥‥。 |
毘: |
アンタもホラ。 持ってるだけじゃ、イミないから。 ちゃんと、かぶらないと! |
御: |
いや! 私はその。 そういうアレでは‥‥ |
毘: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ わはは。わははは。わはわははは |
糸: |
ハッハッハッ! 御剣検事、才能があるッス! |
御: | なんの才能だッ! |
毘: |
こりゃケッサクだわ! しばらく、かぶっといで! |
御: |
(‥‥何かの罰ゲームか? これは‥‥) |
御: | ‥‥この写真なのだが‥‥ |
毘: |
あらあらあら。オバサン、なかなか よく写ってるじゃなぁい。ねえ? |
糸: | そそそ、そッスね。 |
毘: |
いつもはね。こんな雑誌の 取材なんか断っちゃうんだけど。 今回は、いろいろ事情が あってねえ‥‥。 |
御: |
”事情”‥‥? それはいったい、どのような |
毘: |
まあまあまあまあ。とりあえず、 ビジンに写ってよかったワ。 |
御: |
この、シワくちゃな手紙に 関して、何か知っていますか? |
毘: |
それ‥‥あやめに 宛てられてるのかい? |
糸: |
ハッキリ<<あやめ殿 御中>>と 書かれているッス! |
毘: |
そんな‥‥あの子にかぎって <<ヒミツ>>なんて‥‥ |
御: |
(オバサンは知らなかった ようだな‥‥) |
毘: |
たしかに‥‥この子、 人生につかれたカオ、してたわ。 |
御: | ‥‥‥はあ。 |
毘: |
でも、まさか‥‥ 川に飛びこんじゃうなんて! 生きてれば、楽しいことも あっただろうに‥‥。 ナニも、霊行道の修行だけが 人生じゃないのにねえ。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (どうやら、かなりの ゴカイがあるようだが‥‥ メンドウだ。‥‥セツメイは 刑事にまかせるとしよう) |
糸: | じじ、自分ッスか! |
毘: |
天流斎 エリスさまの お弟子さんでしょ? ちょっと、オバサンのコト、 気にしてたみたいね。 |
糸: | え‥‥。 |
毘: |
わかっちゃうのよねェ、オバサン。 ワカい男のコのキモチが。 |
御: | ‥‥はあ。 |
毘: |
オバサンもアレじゃない。 いちおうホラ、住職だから。 ま。しかたないから 似顔絵、描かせてあげたワ。 |
御: | (描きやすそうなカオだな‥‥) |
毘: |
‥‥うううううッ! ま、まさか‥‥こんなコトに なってしまうなんて‥‥。 この毘忌尼が‥‥毘忌尼のせいで、 とんでもないコトに‥‥ッ! |
糸: |
まあまあ。オバサンがセキニンを 感じる必要はないと思うッスけど |
毘: |
コラ! ‥‥ボウズに ナニがわかるって言うんだい! |
糸: | ‥‥ここ、恐ェッス! |
毘: |
ムダにヒゲはやして、 ムダにコート着て‥‥ アンタがかわりに やられちゃえばよかったのさ! |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥なんでここまで 言われなけりゃならないッス? |
御: |
(たしかに‥‥ すこし、不自然だな‥‥) |
毘: |
オバサンのせいなのよねぇ‥‥ おもに、オバサンのコシのせい。 エリスさまが亡くなって、 修験者さまも閉じこめられて‥‥ 小さな女の子も愛想をつかして、 どこか行っちゃって。 |
糸: |
愛想をつかしたワケじゃ ないと思うッスけど‥‥ |
毘: |
‥‥まだまだ。オバサン、 修行が足りないのねえ‥‥。 |
毘: |
ダイジなお客さまね、この子は。 エラい修験者さま。 |
御: | ”エラい”‥‥というのは? |
毘: |
<<綾里>>といえば、倉院本流の 家元の名字だからねぇ。 きっと、チカラのある 霊媒師さんになるハズよぉ。 |
糸: |
そういえば、1年前‥‥ 倉院流霊媒道の<<家元>>を めぐって、事件が起こったッス! |
御: |
‥‥‥刑事。 私は、そういう非現実的な話は 好きではないのだよ。 |
糸: |
ハッハッ。コワがりッスねー、 御剣検事は。 |
御: |
(‥‥そういうコトでは ないのだが‥‥) |
毘: |
ああ‥‥この子。 どこへ行ったのかしらねェ‥‥ |
糸: |
調べたところ、おうちにも 帰ってないッス。 |
毘: |
この葉桜院の近くにも いないのよぉ‥‥。 |
御: |
(そうなると‥‥ この子がいる場所は、 かぎられてくるな‥‥) |
糸: |
あ! 吊り橋から落っこちて、 下の川に流された、とか‥‥! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ だからキサマは、なぜ よくない方向にばかり考えるかッ! |
糸: |
うううう‥‥いつもの御剣検事の やり方をマネてみたのに‥‥。 |
御: |
(キサマとシゴトをすると、 自然とそうなってしまうのだ!) |
糸: | あの。これなんスけど‥‥ |
毘: |
‥‥そおねえ。 どうかしらねえ‥‥ ホラ。オバサン、アレだから。 おじょーさまだからねェ。 世間知らずのモノ知らず、 恥知らずで親知らずなワケでしょ。 ”ハコ入りムスメ”って言うの? |
糸: |
たしかに、ハコに入りそうな オバサンッスね。御剣検事。 |
糸: |
このカタナは、エダわかれ した、人生をあらわしているッス。 |
御: |
ほお‥‥ それは、初耳だな。 |
糸: |
‥‥ときどき、自分は思うッス。 殺人課の刑事にならなかったら、 どんな人生があっただろう、と‥‥ |
御: |
‥‥キミでも、そんなコトを 思うことがあるのか‥‥ |
糸: |
モチロンッス。 いろいろ、想像するッス。 交通課の自分。警視総監の自分。 窃盗課の自分。タイホくんの自分。 |
御: |
(‥‥警察からはなれる気は ないようだな‥‥) |
糸: |
あ、そうそう! ‥‥たぶん、まだ 話したコトがないと思うッスが‥‥ じつは‥‥自分はムカシ‥‥ |
御: | 魔法使いになりたかったのだろう? |
糸: |
えげえええッ! なんで知ってるッスか! すげェッス! 魔法使いッス! ある種、スペシャルッス! |
御: | さっき、聞いたばかりではないか! |
御: |
真宵くんは、ブジなんだろうな。 もしものコトがあったら、 成歩堂に合わせるカオがない。 |
糸: |
あー、だいじょぶッス。 そのときは、自分がナルホドーに カオを合わせとくッスから。 ‥‥‥なーんて。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
糸: |
いやいやいや! シャレのめして冗談めかした、 イキでユカイなジョークッス! |
御: |
なんとか、向こう岸に わたれないものだろうか? ‥‥おぼろ橋のワイヤーは、 焼け残っているのだろう? |
糸: |
橋は全長20メートル近く あるッスからねえ‥‥。 自分は、見た目ほどの スーパーヒーローではないッス。 |
御: |
(‥‥とにかく、 ブジならばいいが‥‥) |
御: |
春美くん、か‥‥。 彼女も姿が見えない、とか。 |
糸: |
そうらしいッスねー。 とりあえず、倉院の里には 帰ってないみたいッス。 |
御: |
事件当夜、天流斎 エリスと いっしょにいた、というのは‥‥? |
糸: |
まちがいないみたいッス。 あ‥‥! ま。まさか‥‥ 絵本作家を殺害したハンニンに‥‥ |
御: | ば、バカなコトを言うなッ! |
糸: |
ぐぎゃああああ‥‥ッス! ‥‥さ、さすが、御剣検事ィィ‥‥ いいパンチを放るッス‥‥! |