第5話『華麗なる逆転』探偵パート1日目(その4) −横道−

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
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葉桜院・本堂


(「勾玉」をつきつける)
毘: こ、これ‥‥!
綾里家に代々つたわる
勾玉じゃないのぉ!
それはそれは、ダイジな
宝玉なのよ、それ。
糸: さ‥‥さすが、御剣検事ッス!
とにかく、すげェッス!
毘: それにしても‥‥アンタ、
見かけによらず、マニアねえ。
御: はい‥‥?
毘: そんなよくできた
オモチャ持ち歩いてるんだから。
倉院流の大ファンのコね、きっと!
糸: さ‥‥さすが、御剣検事ッス!
とにかく、すげェッス!
御: (むやみに見せないほうが
よさそうだ‥‥)

(「掛け軸」をつきつける)
毘: あ‥‥あらあらあら。
よく見つけたわねぇ!
倉院流霊媒道の現家元、
綾里 舞子さまよ。
御: アヤサト‥‥‥
毘: 舞子さま、姿を消してから、
もう20年近くたつのよぉ。
どうやら、自分のムスメさんに
家元をゆずろうとしてるみたい。
御: その、ムスメさんというのは?
毘: ま、まあ。オバサンもいちおう
倉院流の分家なんだけどね。
本家のコトなんて、教えて
もらえないのよねぇ‥‥。

(「あやめのずきん」をつきつける)
毘: まあまあまあまあ!
<<退魔のずきん>>じゃない。
修験者さまは、悪霊に
ねらわれやすいから。
オバサンたち、いつも
これをかぶっているワケよぉ。
御: そうなのですか‥‥。
毘: アンタもホラ。
持ってるだけじゃ、イミないから。
ちゃんと、かぶらないと!
御: いや! 私はその。
そういうアレでは‥‥
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
わはは。わははは。わはわははは
糸: ハッハッハッ!
御剣検事、才能があるッス!
御: なんの才能だッ!
毘: こりゃケッサクだわ!
しばらく、かぶっといで!
御: (‥‥何かの罰ゲームか?
これは‥‥)

(「<<お!カルト>>新年号」をつきつける)
御: ‥‥この写真なのだが‥‥
毘: あらあらあら。オバサン、なかなか
よく写ってるじゃなぁい。ねえ?
糸: そそそ、そッスね。
毘: いつもはね。こんな雑誌の
取材なんか断っちゃうんだけど。
今回は、いろいろ事情が
あってねえ‥‥。
御: ”事情”‥‥?
それはいったい、どのような
毘: まあまあまあまあ。とりあえず、
ビジンに写ってよかったワ。

(「あやめ宛てのメモ」をつきつける)
御: この、シワくちゃな手紙に
関して、何か知っていますか?
毘: それ‥‥あやめに
宛てられてるのかい?
糸: ハッキリ<<あやめ殿 御中>>と
書かれているッス!
毘: そんな‥‥あの子にかぎって
<<ヒミツ>>なんて‥‥
御: (オバサンは知らなかった
ようだな‥‥)

(「成歩堂 龍一」をつきつける)
毘: たしかに‥‥この子、
人生につかれたカオ、してたわ。
御: ‥‥‥はあ。
毘: でも、まさか‥‥
川に飛びこんじゃうなんて!
生きてれば、楽しいことも
あっただろうに‥‥。
ナニも、霊行道の修行だけが
人生じゃないのにねえ。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(どうやら、かなりの
ゴカイがあるようだが‥‥
メンドウだ。‥‥セツメイは
刑事にまかせるとしよう)
糸: じじ、自分ッスか!

(「矢張 政志」をつきつける)
毘: 天流斎 エリスさまの
お弟子さんでしょ?
ちょっと、オバサンのコト、
気にしてたみたいね。
糸:え‥‥。
毘: わかっちゃうのよねェ、オバサン。
ワカい男のコのキモチが。
御: ‥‥はあ。
毘: オバサンもアレじゃない。
いちおうホラ、住職だから。
ま。しかたないから
似顔絵、描かせてあげたワ。
御: (描きやすそうなカオだな‥‥)

(「天流斎 エリス」をつきつける)
毘: ‥‥うううううッ!
ま、まさか‥‥こんなコトに
なってしまうなんて‥‥。
この毘忌尼が‥‥毘忌尼のせいで、
とんでもないコトに‥‥ッ!
糸: まあまあ。オバサンがセキニンを
感じる必要はないと思うッスけど
毘: コラ! ‥‥ボウズに
ナニがわかるって言うんだい!
糸: ‥‥ここ、恐ェッス!
毘: ムダにヒゲはやして、
ムダにコート着て‥‥
アンタがかわりに
やられちゃえばよかったのさ!
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥なんでここまで
言われなけりゃならないッス?
御: (たしかに‥‥
すこし、不自然だな‥‥)

(「毘忌尼」をつきつける)
毘: オバサンのせいなのよねぇ‥‥
おもに、オバサンのコシのせい。
エリスさまが亡くなって、
修験者さまも閉じこめられて‥‥
小さな女の子も愛想をつかして、
どこか行っちゃって。
糸: 愛想をつかしたワケじゃ
ないと思うッスけど‥‥
毘: ‥‥まだまだ。オバサン、
修行が足りないのねえ‥‥。

(「綾里 真宵」をつきつける)
毘: ダイジなお客さまね、この子は。
エラい修験者さま。
御: ”エラい”‥‥というのは?
毘: <<綾里>>といえば、倉院本流の
家元の名字だからねぇ。
きっと、チカラのある
霊媒師さんになるハズよぉ。
糸: そういえば、1年前‥‥
倉院流霊媒道の<<家元>>を
めぐって、事件が起こったッス!
御: ‥‥‥刑事。
私は、そういう非現実的な話は
好きではないのだよ。
糸: ハッハッ。コワがりッスねー、
御剣検事は。
御: (‥‥そういうコトでは
ないのだが‥‥)

(「綾里 春美」をつきつける)
毘: ああ‥‥この子。
どこへ行ったのかしらねェ‥‥
糸: 調べたところ、おうちにも
帰ってないッス。
毘: この葉桜院の近くにも
いないのよぉ‥‥。
御: (そうなると‥‥
この子がいる場所は、
かぎられてくるな‥‥)
糸: あ! 吊り橋から落っこちて、
下の川に流された、とか‥‥!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
だからキサマは、なぜ
よくない方向にばかり考えるかッ!
糸: うううう‥‥いつもの御剣検事の
やり方をマネてみたのに‥‥。
御: (キサマとシゴトをすると、
自然とそうなってしまうのだ!)

(「その他の証拠品」をつきつける)
糸: あの。これなんスけど‥‥
毘: ‥‥そおねえ。
どうかしらねえ‥‥
ホラ。オバサン、アレだから。
おじょーさまだからねェ。
世間知らずのモノ知らず、
恥知らずで親知らずなワケでしょ。
”ハコ入りムスメ”って言うの?
糸: たしかに、ハコに入りそうな
オバサンッスね。御剣検事。



葉桜院・境内


(「七支刀」をつきつける)
糸: このカタナは、エダわかれ
した、人生をあらわしているッス。
御: ほお‥‥
それは、初耳だな。
糸: ‥‥ときどき、自分は思うッス。
殺人課の刑事にならなかったら、
どんな人生があっただろう、と‥‥
御: ‥‥キミでも、そんなコトを
思うことがあるのか‥‥
糸: モチロンッス。
いろいろ、想像するッス。
交通課の自分。警視総監の自分。
窃盗課の自分。タイホくんの自分。
御: (‥‥警察からはなれる気は
ないようだな‥‥)

(「被害者のツエ」をつきつける)
糸: あ、そうそう! ‥‥たぶん、まだ
話したコトがないと思うッスが‥‥
じつは‥‥自分はムカシ‥‥
御: 魔法使いになりたかったのだろう?
糸: えげえええッ!
なんで知ってるッスか!
すげェッス! 魔法使いッス!
ある種、スペシャルッス!
御: さっき、聞いたばかりではないか!

(「綾里 真宵」をつきつける)
御: 真宵くんは、ブジなんだろうな。
もしものコトがあったら、
成歩堂に合わせるカオがない。
糸: あー、だいじょぶッス。
そのときは、自分がナルホドーに
カオを合わせとくッスから。
‥‥‥なーんて。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
糸: いやいやいや!
シャレのめして冗談めかした、
イキでユカイなジョークッス!
御: なんとか、向こう岸に
わたれないものだろうか?
‥‥おぼろ橋のワイヤーは、
焼け残っているのだろう?
糸: 橋は全長20メートル近く
あるッスからねえ‥‥。
自分は、見た目ほどの
スーパーヒーローではないッス。
御: (‥‥とにかく、
ブジならばいいが‥‥)

(「綾里 春美」をつきつける)
御: 春美くん、か‥‥。
彼女も姿が見えない、とか。
糸: そうらしいッスねー。
とりあえず、倉院の里には
帰ってないみたいッス。
御: 事件当夜、天流斎 エリスと
いっしょにいた、というのは‥‥?
糸: まちがいないみたいッス。
あ‥‥!
ま。まさか‥‥
絵本作家を殺害したハンニンに‥‥
御: ば、バカなコトを言うなッ!
糸: ぐぎゃああああ‥‥ッス!
‥‥さ、さすが、御剣検事ィィ‥‥
いいパンチを放るッス‥‥!