第5話『華麗なる逆転』第1回法廷(その1) −横道−

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
表セリフ集「華麗なる逆転」第1回法廷(その1)を見る (別ウィンドウで出ます)



(事件当夜のこと)
毘: 『あの晩、オバサンは<<奥の院>>で
修験者さまの修行を手伝ってたの。』(証言1)
『でも‥‥こう見えて、オバサン。
コシが悪いのよ。暴力的なまでに。』(証言2)
『だからね。あやめにアトを任せて、
葉桜院に帰ってきたワケ。』(証言3)
『奥の院って、おフロがないから。
オバサン、ゆっくりあったまって。』(証言4)
『さて、戻ろうか‥‥ってときに!
みみ、見ちゃったのよ!』(証言5)
『あの子、ちゃんと奥の院に来たわ。
夕食のときと同じカッコウでね。』(証言6)

(「証言1」をゆさぶる)
御: <<奥の院>>というのは‥‥?
毘: オバサンたちはホラ。”霊行密道”
の修行をするワケじゃない?
裁: ワレワレにカクニンを
求められても困ります!
毘: ‥‥そのためにはね。霊気の集う
修行場が必要なワケ。
おぼろ橋をわたった先に、
<<奥の院>>という庵があって。
修験者さまは、そこで一晩中、
霊行をつむのよォ。
御: ‥‥それで、あなたの
<<手伝い>>というのは‥‥?
毘: 霊行は、かなりの荒行だから。
住職がつきそうキマリなのね。
冥: デキの悪い小学生を見張る
家庭教師のようなモノね。
御: (‥‥その家庭教師は、きっと
ムチを持っているのだろうな)
‥‥しかし。
それならば、なぜ‥‥
事件が起こった葉桜院へと
戻って来たのだろうか?

(「証言2」をゆさぶる)
御: 暴力的‥‥
毘: も。ホント、シャレにならないわ。
スゴいんだから。特に冬は。
オバサン、冬はハシより重いもの、
持ったコトないもん。
生きてるだけで、これはもう
修行みたいなモンだわ。
わはは。わは。わははははわは
御: ‥‥あの晩も、その
ジマンのコシが‥‥?
毘: そ。ガクガク暴れだしたワケ。
オバサン、失神しかけて。
これはもう、あったまらないと
コシに殺される、って思ったの。

(「証言3」をゆさぶる)
御: ”アトを任せた”‥‥というのは?
毘: 修験者さまの修行に
決まってるでしょ。
10時をすぎて、ちょうど
<<本行>>に入るところだったから。
裁: それは‥‥、
あなたの役目だったのでは?
毘: ま。要は修験者さまが
死なないように見守る係だから。
御: ‥‥もう一度、カクニンする。
あなたは、あの晩‥‥
奥の院で、あやめさんに
会ったのですね?
毘: ええ。ええ。だって、あの子は
スナオでいい子ですからね。
言いつけを守らなかったコト
なんて、ないんですよォ。

(「証言4」をゆさぶる)
御: ‥‥入浴するために
葉桜院に戻った、と‥‥?
毘: ぜぇんぶ、オバサンのコシが
悪いのよねェ。
もお、”やるかやられるか”
の世界だから。こればっかりは。
御: それで‥‥入浴には、どれぐらいの
時間がかかったのだろうか?
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あらあらあら。いやだョこの子は!
ヘンな想像しちゃって!
御: ‥‥‥?
毘: 次に”どこから洗うのだろうか?”
とか、聞くつもりなんでしょ!
‥‥まったく、ワカい男の子は
コレだからねェ‥‥
御: なな、何を言う! 私は‥‥
ぐはァッ!
冥: ‥‥フケツよ、御剣 怜侍。
裁: ‥‥最低ですな。
御: (な、なんだ、ここは!
いじめられっ子の席か‥‥?)
毘: ま。オバサンも、あまり長いこと
席をはずしちゃマズいから‥‥

(「証言5」をゆさぶる)
御: ‥‥事件は、境内で起こった
わけだが‥‥?
毘: オバサンの部屋から本堂に
行こうとすると‥‥、
かならず、境内を見わたす
わたりろうかを通るのよねェ。
冥: そう! つまり‥‥
証人が事件を目撃したのは、
グーゼンだった‥‥
この事件に、いっさいの
作為は存在しなかったの。
裁: ぬうう‥‥
どうやら、そのようですな。

(「証言6」をゆさぶる)
御: 記憶ちがい、ということは
ないだろうか?
毘: ‥‥アンタねえ。あんまり
オバサンをナメるんじゃないよ!
御: うム‥‥ッ!
毘: あやめはいつも、
同じ装束を着ているんだよ。
少しでもちがったら、
逆に印象に残るじゃないの!
<<記憶ちがい>>ィ‥‥?
アンタのほうが、オカドちがいさ!
裁: ‥‥うまくまとめましたな、証人。
御: (はたして、そうだろうか‥‥)

(証言後の一言)
御: (この証言で、問題になるのは
‥‥たしかに、ただ1点のみ。
それをハッキリさせることで、
たしかめることができる。
‥‥あの証人の
記憶力と、観察力を‥‥)

(「間違った証拠品」をつきつける)
御: この証拠品は、今の証言の
ムジュンをハッキリ示してるッ!
裁: ザンネンですが‥‥
認めるわけにはいきませんな。
御: ‥‥ミゴトだ、裁判長‥‥
裁: は、はい‥‥?
御: 今のは、あなたを少し、
試してみただけのこと、だ。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
それならば、ペナルティの味も
試させてあげましょう!

(ペナルティ)
御: (‥‥い、いらぬコトを
言ってしまったな‥‥)

(「間違った証拠品」をつきつける・2)
御: 今の発言は、この証拠品のデータと
ムジュンしているッ!
裁: どこが、ですかな?
特におかしいところはないが‥‥。
御: それがすでにオカシイと
言っているのだッ!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
私にギロンをふっかけないように!

(ペナルティ)
御: (‥‥いかん。どうも
この席はまだ、慣れないようだ)

(「間違った証拠品」をつきつける・3)
御: 裁判長! 今の証人の発言を
どう思われるかッ!
裁: 問題なし、と考えますな。
御: フッ‥‥
そこまで言うのであれば、
いたしかたあるまい‥‥。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ミョーなところで
カッコつけないように!

(ペナルティ)
御: (どうやら‥‥私もたまには
まちがうようだな)



(入浴後、目撃したこと)
毘: 『おフロから出て、11時ごろ‥‥
奥の院に戻ろうと思ったワケ。』(証言1)
『そのとき‥‥境内のほうから
物音が聞こえて。ふと見ると‥‥』(証言2)
『あ‥‥あやめが! え、エリスさま
を‥‥あろうことか、カタナでッ!』(証言3)
『エリスさまは、境内に面した
カド部屋にいらっしゃいました。』(証言4)
『そこからつき落とされたあと、
カタナで刺されたんでしょうねえ。』(証言5)

(「証言1」をゆさぶる)
御: ‥‥奥の院までは、どれぐらいの
キョリがあるのだろうか?
毘: そうねえ‥‥。
オバサンの足だと、歩いて
20分ぐらい、かしらねぇ。
葉桜院からおぼろ橋まで、
15分ぐらいかかるのよォ。
橋から奥の院までは、
すぐなんだけど。
冥: まあ‥‥ケッキョク、あの晩は
そこへ帰ることはなかったわけね。
毘: そ、そうよねェ‥‥。
あれは、ろうかから本堂に
向かう途中だったんだけど‥‥

(「証言2」をゆさぶる)
御: ”物音”‥‥というと?
毘: ”ドサッ”‥‥みたいな。
冥: ‥‥被害者が倒れた音としか
考えられないわ。
毘: なんといっても
静かだからねェ、ウチは。
木の枝から雪が落ちる音も
ハッキリ聞こえますよォ。
”ドサッ”‥‥て。
裁: では‥‥その音も、雪が
落ちたときのものだったのでは?
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それは思いつかなかったわ。
わはは。わは。わはははは‥‥
裁: ほほっ。ほほ。ほほほほほ‥‥
うはははははははッ!
冥: 出るクイは打たれる。
‥‥ムチで。
毘: ま。キッカケはどうあれ、
境内を見ると‥‥

(「証言3」をゆさぶる)
御: ‥‥先ほども、証人は
”被告人を見た”と証言した。
しかし‥‥その発言には、
ギモンの余地が残されている。
毘: な‥‥なんだい、
その言いかたはッ!
ちょっとイイ男だからって、
チョーシに乗ってると‥‥
御: 被害者をカタナで刺した、
<<ハンニン>>のこと‥‥
もう一度、よく思い出して
いただきたい!
毘: ううう‥‥まあ。ちょっと
イイ男だから、ユルしちゃうけど。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あ! そういえば‥‥
よく考えてみると、ひとつだけ‥‥
おかしなコトがあったわ。
そおよ! なんか、ずうっと
ココロに引っかかってたんだけど!
御: ‥‥話していただこう。
毘: ずきんなのよ、ずきん!
冥: ‥‥ずきん‥‥?
毘: そおなのよ!
‥‥思い出してきたわ‥‥
あのときのあやめは‥‥
ずきんをかぶってなかったのよ!
‥‥なんだか不自然だと
思ってたんですけどねェ。
でも。今となっては、
アタリマエだったわ、こりゃ。
だって‥‥そのずきん、あやめは
ヒトにあげちゃってたんでしょ?
御: ‥‥‥ぐッ!
冥: ‥‥フッ‥‥
墓穴をほったようね、
御剣 怜侍‥‥
裁: いかがですかな? 弁護人。
今の証言は‥‥

(「重要ではない」を選択)
御: (‥‥どうも、この方向は
キズを広げるだけ、のようだ)
ただ今の証人の発言は、
ある刑事の捜査ほどにイミなし。
‥‥記録の必要はあるまい。
裁: ぬううううむ‥‥。
わかりました。‥‥それでは、
証言をつづけていただきましょう。
冥: ‥‥フン‥‥

(「証言3」をゆさぶる)

(「重要である」を選択)
御: (一見、こちらに不利な
証言だが‥‥
今の私には、他に
手がかりが見えていない‥‥)
‥‥裁判長。ただ今の発言を、
証言に加えていただきたい。
冥: ‥‥フッ‥‥御剣 怜侍。
自分のクビをしめるつもりなら、
このムチをお貸しするわ。
裁: それでは、証人。証言に
追加をおねがいしましょう。
毘: ‥‥はいはい。
『そういえば‥‥あのときのあやめ、
ずきんをかぶってなかったわ‥‥』(証言6)

(「証言4」をゆさぶる)
御: 境内から見上げたところに
ある部屋‥‥ですね?
裁: ということは‥‥被害者の部屋は
2階にあったワケですかな?
毘: いえいえ。葉桜院は、1階だて。
いわゆる、平屋よォ。
ただねぇ。山の急斜面に
あるモンだから。
山門側と逆にある
客間のあたりは、どうしてもね。
‥‥2階ぐらいの
高さになっちゃうワケ。
裁: なるほど‥‥。被害者は、
その部屋にいたのですな?
毘: ええ‥‥あの方のニモツを
運んだの、オバサンですから‥‥

(「証言5」をゆさぶる)
御: ‥‥なぜ、そんなことが
あなたにわかるのだろうか?
毘: だってホラ。さっき、オバサン
言ったでしょうが。
”境内のほうで物音が聞こえた”
‥‥って。
”ドサッ”‥‥みたいな。
冥: さすが、ジューショクさま。
なかなか、スルドいわね。
解剖記録にも書かれている
とおり‥‥
被害者の全身には、打ち身の
アトが残っていたわ。
‥‥3メートルほどの高さから
落下したていどの、ね。

(ざわめきが起こる)
裁: ぬううううう‥‥どうやら、
まちがいないようですな。
毘: ね。ね。オバサン。
意外とヤルのよ。‥‥特に冬は。
なんてったってホラ。住職だから。
エラいから。葉桜院じゃイチバン。
御: (あやめさんと2人しか
いないではないか‥‥)
冥: いかがかしら? 御剣 怜侍。
さすがに、コトバもないようね‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥

(「証言6」をゆさぶる)
御: それは‥‥まちがいないだろうか?
毘: そうねぇ。オバサンたちってホラ。
いつも同じカッコ、してるから。
あ。お金がないワケじゃないのよ!
スタイルだから。そういう。
御: ‥‥ベツに、あたふたと説明して
もらわなくてもケッコウ、だ。
毘: とにかく! いつもとちがうと、
スゴく目立つのよねェ。
冥: 私が、ムチのかわりに
モチを持っているようなものね‥‥
御: (そちらのほうが
圧倒的に平和だが‥‥)
毘: あやめは、ずきんを
つけてなかった。まちがいないね!
裁: ‥‥わかりました。
それでは、被害者のことを
聞かせていただきましょうか。

(証言後の一言)
御: (‥‥ウソをついている
ようすは感じられない。
その証人が、ハッキリ
証言している‥‥
”被告人が、被害者をカタナで
刺す瞬間を見た”‥‥と。
‥‥今の私が信じられるのは、
2つだけ‥‥
依頼人・あやめさんと‥‥
私自身の、弁護士としての能力)