成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
山小屋 極楽庵 | |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (だれもいない‥‥) 矢張ぃっ! ‥‥‥‥‥‥ マシスぅっ! ‥‥‥‥‥‥ (行き場がなくなって、ここに ひそんでいると思ったのに‥‥ また、あとで来てみるか) |
成: |
あの。これ、なんだけど いてててッ! |
冥: |
いっさい、協力はしないわ。 ‥‥成歩堂 龍一。 |
成: |
(やれやれ‥‥) |
成: |
ビキニさん。 天流斎 エリス先生は、 どういう方だったんですか? 霊行道の修行をするワケでもなく、 あなたは”エリスさま”と呼ぶ。 |
毘: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
この葉桜院にとって‥‥、何か 特別なイミのある人なんですか? |
毘: |
悪いけど‥‥ アナタには、お話しできないわ。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (じつは‥‥ 少し、イヤな予感がしている。 エリス先生のコト‥‥ ‥‥サイコ・ロックを 解除するしかない、な‥‥) |
成: | あの‥‥。この写真ですけど‥‥ |
毘: |
ああ、これねえ‥‥。 いつもなら、断っちゃうのよ。 取材なんて。 今回は、あやめが”どうしても” って言うモンだから。 |
成: | あやめさんが‥‥? |
毘: |
ホラ。あの子、意外に 目立ちたがり屋さんだから。 |
成: |
(それは、あまりに 意外すぎるぞ‥‥) |
毘: |
あ‥‥あらあらあら。 よく見つけたわねぇ! 倉院流霊媒道の現家元、 綾里 舞子さまよ。 |
成: |
(これが‥‥真宵ちゃんの おかあさん、か‥‥) |
毘: |
舞子さま、姿を消してから、 もう20年近くたつのよぉ。 どうやら、自分のムスメさんに 家元をゆずろうとしてるみたい。 |
成: |
”ムスメさん”‥‥って、 ビキニさん、知らないんですか? |
毘: |
ま、まあ。オバサンもいちおう 倉院流の分家なんだけどね。 本家のコトなんて、教えて もらえないのよねぇ‥‥。 |
成: |
(ビキニさん‥‥真宵ちゃんを 知らないのか‥‥) |
毘: |
まあまあまあまあ! <<退魔のずきん>>じゃない。 修験者さまは、悪霊に ねらわれやすいから。 オバサンたち、いつも これをかぶっているワケよぉ。 |
成: |
事件当夜、あやめさんに もらったんです。 ‥‥あれから、川に落ちて‥‥ ずっと、これをかぶってたら、 早く熱が下がった気がしました! |
毘: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 気のせいでしょ。 カゼと霊力は、カンケイないし。 |
成: | (ユメがないなあ‥‥) |
毘: |
オバサンの、目のサッカク だったのかねえ。 あやめが、あんなオソロシイ ことをするなんて‥‥ |
成: |
今日の法廷で、 立証されたんですよね。 このカタナが凶器ではない、って。 |
毘: | そうみたいだねえ‥‥。 |
成: |
(でも‥‥このカタナは、 ぼくも目撃している‥‥ たしかに‥‥エリスさんは、 このカタナに刺されたはずだ) |
毘: |
エリスさまのツエ、だね。 たしかに‥‥水晶が なくなってるよ。 |
成: |
水晶は、おぼろ橋の 近くで見つかったんですよね。 |
毘: |
‥‥エリスさま、あの晩は 葉桜院にいたはずなのにねえ。 |
成: | この写真ですけど‥‥。 |
毘: |
‥‥まちがいなく、ウチの スノーモービルの跡だね。 |
成: |
(1本しか跡がないんだから‥‥ 雪が降っているあいだに 出かけて、やんでから戻った。 そう考えるしか、ないよなあ) |
毘: | ‥‥ホント、世も末だねえ。 |
成: | まったくですね。 |
毘: |
‥‥こんなヘタな絵で、 ゲージュツカ、なんて。 |
成: | え。 |
毘: |
こんなんでいいなら、オバサンも 今日から歌姫だよ! |
成: |
‥‥あの。描いてある 内容のほうは‥‥? |
毘: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥やっぱり、世も末だねえ。 |
毘: |
この水晶‥‥ <<退魔のずきん>>のものじゃない。 ちょっと、似てるけど。 |
成: |
やっぱり‥‥エリス先生のツエに ついていたもの、ですか。 |
毘: |
血ィがついてるのよねえ。 かわいそうなエリスさま‥‥ |
毘: |
ダイジなお客さまね、この子は。 エラい修験者さま。 |
成: |
知ってるんですか? 真宵ちゃんのこと。 |
毘: |
<<綾里>>といえば、倉院本流の 家元の名字だからねぇ。 きっと、チカラのある 霊媒師さんになるハズよぉ。 |
成: |
(どうやら、ビキニさん‥‥ 知らないみたいだな。 真宵ちゃんが、家元の ムスメだってコト‥‥) |
毘: |
ああ‥‥この子。 どこへ行ったのかしらねェ‥‥ この葉桜院の近くにも いないのよぉ‥‥。 |
成: |
(真宵ちゃんにつづいて、 春美ちゃんまで‥‥ どこまでぼくを 苦しめるんだ、この事件は! ‥‥ううううう。 熱で、アタマもいたいし‥‥) |
毘: |
オバサンのせいなのよねぇ‥‥ おもに、オバサンのコシのせい。 エリスさまが亡くなって、 修験者さまも閉じこめられて‥‥ 小さな女の子も愛想をつかして、 どこか行っちゃって。 |
成: |
(”どこか”ですむ モンダイじゃないけど‥‥) |
毘: |
‥‥まだまだ。オバサン、 修行が足りないのねえ‥‥。 |
毘: |
オバサン‥‥どうやって おわびをしたらいいのか‥‥ |
成: | おわび‥‥ですか? |
毘: |
‥‥あんなダイジな方を 死なせてしまうなんて‥‥! |
成: |
(やっぱり‥‥ ただの泊まり客じゃ なかったんだな‥‥エリス先生) |
毘: |
ね。ね。アンタ! どーなのよ、あやめは! ユーザイにしたら、もお‥‥ ショウチしないからねッ! |
成: |
それは‥‥ビキニさんの 証言しだい、だったのでは‥‥ |
毘: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ しょうがないでしょ! 見ちゃったんだから! それをなんとかするのが、 プロってモンでしょうが! |
毘: |
まさか、あんな どうしようもない子だとはね! |
成: |
‥‥やっと わかってもらえましたか。 |
毘: |
あんな、ウソの絵まで描いて! ”目立とう精神”ってヤツかねェ! まあ、オバサンの似顔絵は なかなか上手だったケド。 |
成: |
(‥‥でも‥‥ アイツは、女の子をヒドい目に あわせるウソはつかない。 ‥‥きっと、このスケッチには イミがあると思うんだけど‥‥) |
毘: |
まったく、アンタの友だちは ヘンなのばっかりだね! |
成: | と、ともだち‥‥ |
毘: |
あのニヤけた絵描きはともかく、 裁判長をたたくのはマズいでしょ。 |
成: |
‥‥あの、それ‥‥ 本人に、よおく 言って聞かせてもらえませんか。 |
毘: |
いやー、いいセンパイを持って シアワセねぇ、アンタ。 |
成: |
‥‥センパイ? コイツ、友だちですけど‥‥ |
毘: |
あらあら。アンタったら。 またまた。ジョーダンばっかり。 どう見ても、たよりになりそう だったよ、こっちのほうが。 |
成: |
そそ、そうですか‥‥ (うう‥‥ちょっとだけ、悲しい) |
成: | あの。いかがでしょうか‥‥ |
毘: |
‥‥そおねえ。 どうかしらねえ‥‥ ホラ。オバサン、アレだから。 おじょーさまだからねェ。 世間知らずのモノ知らず、 恥知らずで親知らずなワケでしょ。 ”ハコ入りムスメ”って言うの? |
成: |
(きっと、小さなハコにギュウと 詰めこまれてたんだろうな) |