第5話『華麗なる逆転』探偵パート2日目(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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2月9日 午前3時43分
堀田クリニック 集中治療室

成: ‥‥ぼくは今、ある裁判の記録を
目の前にしている。
ぼくの師匠、千尋さんが
初めて法廷に立ったときの記録だ。
そこには‥‥信じたくない
<<真実>>が、ぼくを待っていた。
‥‥美柳 ちなみ‥‥
どうしても、信じられなかった。
記録の中に書かれているのは‥‥
ぼくの知っている
彼女ではなかった。
‥‥吾童川に飲みこまれたぼくは、
奇跡的に救出されたらしいけど‥‥
考えられるかぎり、この世で最も
タチの悪いカゼをひいてしまった。
‥‥目はくらみ、耳鳴りがして
ノドは焼け、アタマは煮えたぎる。
しかし、かならず回復する!
‥‥今日の午後までに‥‥
考えられるかぎり、この世で最も
タチの悪い証人を相手に‥‥
アイツなら! きっと
なんとかしてくれるはずだから‥‥


2月9日 午後2時43分
おぼろ橋

御: だ‥‥大丈夫なのか、成歩堂。
カオが、なんというか‥‥
ミドリ色、だが。
糸: 専門的にはビリジアン、ッスね。
成: ‥‥これでも、ずいぶん
熱は下がったんだけどな。
糸: 何度ッス?
成: 微熱ていどですよ。
‥‥38度9分だから。
げほ。げほげほがほげほ。
とにかく‥‥裁判の記録は
さっき読ませてもらったよ。
‥‥さすが御剣だな。
あの状況で、持ちこたえるなんて。
御: まだ、キケンな状況で
あることはまちがいないが、な。
とにかく、ポイントは凶器だ。
成: ”きょうき”‥‥
御: 七支刀は、凶器ではなかった。
我々の知らないカタナが‥‥
どこかに眠っているはずだ。
成: (もう1本のカタナ、か‥‥)
糸: シンパイいらねッス!
この自分がッ! かならず
見つけだしてみせるッス!
成: ‥‥ありがとう、御剣。
あとは‥‥ぼくに、まかせてくれ。
御: ‥‥フッ‥‥
それもよかろう。
じつは‥‥私は一度、
署に戻ろうと思っているのだ。
どうしても、
調べてみたいことがある。
成: なんのことだ‥‥?
御: もちろん‥‥我々の
依頼人のことだよ。
糸: あやめ‥‥さん、ッスか?
御: 私は‥‥どこかで、彼女に
会ったような気がするのだ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
御: それを、たしかめたい。
どうやら‥‥
キミの口からは、
聞けそうもないからな。
成: ‥‥すまないな、御剣。
御: それでは‥‥また、
後ほど会おう、成歩堂。
糸: ‥‥さて。
じゃ、自分も行くッス。
成: ? どこか、行くんですか?
糸: この、橋ッスよ。
向こう側へわたるために
応急処置の準備をしてるッス。
成: (そうだ‥‥! 奥の院には、
真宵ちゃんが‥‥)
糸: シンパイいらねッス!
わたれるようになったら、
アンタにも知らせてあげるッス。
成: あ、ありがとうございます!
イトノコ刑事! げほげほ!
げほ。げほげほがほげほ。
糸: ま。ま。なんでもいいから、
カゼをうつさないでほしいッス。
じゃッ! 後ほど会うッス!
成: (待っていてくれ、真宵ちゃん。
かならず、助けに行くから。
それまでに‥‥手がかりを
集めるんだ!)

(「葉桜院・山門」に移動する)


同日 某時刻
葉桜院 山門

?: だからさー、たのむよお。
オレのゲージュツのためにさあ。
成: (‥‥あれ。この、果てしなく
だらしない声は‥‥)
矢: ヒロインよ、ヒロイン。
オレの絵本の。メイヨなコトだぜ?
ぎゃははァッ!
冥: ‥‥クドいッ!
バカをバカゆえにユルすバカは、
そのバカにもおとるバカ‥‥
そう思わないかしら?
‥‥成歩堂 龍一。
成: え‥‥‥
た、たしか、キミは‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ええと。
いてててッ!
冥: ‥‥思い出すのが、おそい。
成: (まだ、熱でアタマが
はたらかないんだよ!)
矢: ま、マズいだろ、メイちゃん!
コイツ、生死の境をさまよってる、
ってウワサだぜ。‥‥今もなお。
冥: ‥‥<<死者にムチ打て!>>
この国では、そう言うそうね。
成: 言わないよ!
‥‥それに、死んでないし。
矢: なああ、成歩堂ォ。オマエからも
言ってやってくれよぉ。
<<メイちゃんのムチムチ大冒険>>の
モデルになってくれ、ってさあ。
ぎゃははァッ!
冥: ‥‥私にモデルをたのむ前に、
マトモな証言をすることね。
成: ‥‥その前に、マトモに
生きることだな、矢張。
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ダレがなんて言ったって、
オレ! ホントに見たんだ!
あのコはあの晩、ピョーン、って
飛んだんだ! ピョーン、って!
あとであやまったって、
ユルしてやらねェからな!
成: (‥‥やれやれ。
行っちまったな‥‥)
冥: ‥‥1年ぶりね、成歩堂 龍一。

(「狩魔冥のこと」を聞く)
成: あいかわらず、アメリカで?
冥: ええ。‥‥モチロン、
カンペキに勝ちつづけているわ。
成: (‥‥やれやれ。
変わってないみたいだな。
あれから、1年‥‥か)

冥: 『私の名は狩魔 冥(かるまめい)。
‥‥天才検事よ。』
成: 『はあ‥‥。』
冥: 『私がアメリカの検事局を捨てて
この国へ来た理由は、ただ1つ。
‥‥復讐よ。』

成: (彼女はアメリカに生まれ育ち、
13才で検事になったという。
‥‥彼女の父親は、
伝説の検事・狩魔 豪。
40年間、無敗をほこり‥‥
今はもう、いない)
もしかして、きみは‥‥
まだ、お父さんのことで、
このぼくを‥‥?
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成歩堂 龍一。
私は、あなたを倒す‥‥かならず。
でも‥‥それは、私自身のため。
父は、関係ないわ。‥‥もう。
成: ‥‥そう、か。

(「今日の法廷」を聞く)
冥: 正直なところ、おどろいたわ。
私は、キサマと闘うつもりで
この国に戻ってきた。
まさか‥‥弁護席に
あのオトコが立とうとは、ね。
成: (御剣 怜侍。
考えてみれば、アイツも‥‥
あの狩魔 豪に<<検事>>を
たたきこまれた、天才なんだ)
冥: 御剣 怜侍は‥‥
私に、こう言ったわ。
『この事件は、成歩堂にとって
特別なイミを持つ』‥‥って。
成: ‥‥ああ。
そのとおりだね。
冥: だからこそ、私は来たのよ。
特別なイミを持つ事件で、
キサマをたたきツブすために!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(ここまでスナオに
敵意をむき出しにされると‥‥
なんか、ほほえましいな)
いててててッ!
冥: ニコニコするなッ!
成: その前に、病人をたたくなッ!
冥: あのオトコも、こんなバカのために
あんなバカなコトをするなんてね。
成: (‥‥御剣‥‥)
冥: いいかしら、成歩堂 龍一。
私にはキタイしないコトね。
あくまでも、あなたを
ブチのめしに来たわけだから。
成: きみに<<カゼゴロシ・Z>>を買いに
行ってもらおうとは思わないよ。

(「事件について」を聞く)
冥: ‥‥事件の資料は、飛行機の中で
ざっと目を通したわ。
成: ”ざっと”‥‥?
冥: ええ。カンペキにね。
あなたのバカげた行動には
笑わせてもらったわ。
燃えつきた橋がわたれるかどうか
‥‥考えなかったのかしら?
成: 考えなかったよ。
あのときは、<<わたる>>
しかなかったからね。
冥: ‥‥‥!
か、考えないバカは、
考えるバカよりタチが悪いようね。
成: (橋がわたれるようになったら、
イトノコ刑事が教えてくれる。
真宵ちゃん‥‥ブジだよな!
早く、ぼくに聞かせてほしい。
事件当夜、そっちでは
何があったのか‥‥?)

(「葉桜院・本堂」に移動する)


同日 某時刻
葉桜院 本堂

?: はあああああああああああああああ
成: (‥‥深ぁいタメ息が聞こえる)
‥‥あの。ビキニさん?
毘: あらあらあら、いたのかい!
元気? わは。わはははははは!
はあああああああああああああああ
成: ‥‥あの。ムリしないほうが。
毘: もしかして‥‥
オバサン、トンでもない
まちがいをしてたのかねえ‥‥。
エリスさまを死なせてしまって、
その上、あやめまで‥‥
成: (”エリスさま”、ねえ‥‥)
毘: それに、修験者さまも
奥の院に閉じこめられているし‥‥
あの、小さな女の子まで、
どこか行っちゃって。
成: 小さな‥‥?
ま、まさか‥‥春美ちゃんが?
毘: そ、そうなのよォォォ!
事件があった翌朝から、
姿が見えないの‥‥
成: は‥‥春美ちゃんが‥‥
(それは、聞いてないぞ!)

(「あやめのこと」を聞く)
毘: ‥‥オバサンも、トシかねえ。
なんだか、自分に自信が
持てなくなってきたのよ。
成: 今日の法廷、ですか‥‥?
毘: オバサン、アレよ?
ウソなんて、ついてないんだから!
あの晩、あの子が‥‥エリスさまの
身体から、ぬーっとカタナを‥‥
オバサン、ホントに見たんだから!
‥‥今朝までは、そう思ってたわ。
成: (サイコ・ロックが現れない‥‥
たしかに、ウソはついていない)
あの。‥‥どうして、急に自信を
なくしちゃったんですか?
毘: オバサンのあとに証言した、
あのゲージュツカがいたでしょ。

矢: 『あやめちゃんが、飛んだんだよ!
白いずきんをハタめかせて!
なんだか、オレも
飛べそうな気がしてさァ。』

毘: ‥‥あり得ないコトを必死で
しゃべってる、あの子を見て‥‥
ああ、オバサンもしょせん
あのテイドなのかな、って。
成: ‥‥まあ、あいつのコトは
気にしないほうがいいですよ。
ゲージュツカと言っても、
トラブル関係の芸術ですから。
(ビキニさんも、矢張も‥‥
ウソはついていない。
考えられるのは‥‥
<<見まちがい>>‥‥かな)

(「奥の院」を聞く)
成: 事件当夜‥‥奥の院で、
あやめさんと会ったんですよね?
毘: そうだよ。あれはたしかに
あやめだったワ。
成: (でも‥‥あやめさんは、葉桜院の
部屋にいた、と言っている‥‥)
毘: やっぱり‥‥あの晩、こっちに
戻ったのは、マチガイだったねえ。
成: おかげで真宵ちゃん、ひとりで
閉じこめられているんですよね。
毘: うううう‥‥申しワケないねえ。
あそこ、スキマ風がシャレに
ならないのよ。‥‥特に、冬は。
成: (たしかに‥‥あの修験堂、
今にもくずれそうだったな)
毘: 吾童山はね。ムカシから
大きな地震が多いのよ。
成: 地震‥‥ですか‥‥
毘: 大きいのが来たら、今度は
つぶれちまうかもしれないねェ。
成: (‥‥一刻も早く
助け出さないとな‥‥)
毘: まあ、でも。とりあえず
シンパイいらないと思うわよ。
あそこは、いわば
陸の孤島だから。
成: <<陸の孤島>>‥‥?
毘: そう。おぼろ橋の向こうには、
奥の院しかないのよォ。
川とガケと森に囲まれててね。
人は住んでないんだわ。
成: そ、そうなんですか。
毘: だから、もし怪しいヤツが
向こう側に逃げこんだとしても‥‥
おぼろ橋がないかぎり、どこにも
逃げられないから、アンシンよ。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それって、真宵ちゃんも逃げ場が
ない、ってコトじゃないですか!
毘: わわ! そりゃそうだわ!
成: (うううう‥‥早く
わたれるようにならないかな)

(「天流斎エリス」を聞く)
成: ‥‥ちょっと、気になる
コトがあるんですけど。
毘: え、なんだろ?
オバサンのスリーサイズかしら?
成: いやいや。
被害者の天流斎 エリス
先生のコトです。
毘: ‥‥‥‥‥‥‥
さすがに、オバサンも知らないよ。
エリスさまのスリーサイズは。
成: 彼女は‥‥なぜ、こんなところに
泊まりに来たんでしょう。
‥‥修行をするワケでもないのに。
毘: あ‥‥あらあら。”こんなところ”
とは、ごアイサツねえ。
え、エリスさまは、吾童山のキツい
自然を取材なさっていたのよぉ。
成: ‥‥それに、ビキニさん‥‥
彼女のこと、”エリスさま”って
呼びますよね。
毘: ‥‥‥えッ!
成: どうしてですか?
彼女は、修験者でもないのに。
毘: そそ、そんな!
た、ただのお客さんだよ!
だ、だって‥‥ホラ!
年上だから。オバサンより。
成: ‥‥どうして知ってるんですか?
彼女が”年上”だって。
毘: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

(サイコ・ロック 錠5つ)
成: (どうやら‥‥
天流斎 エリス先生は、
ただのお客じゃなかったようだ。
それに‥‥
事件当夜、彼女といっしょにいた
はずの春美ちゃんが、消えた。
‥‥何か、関係が
あるはずだよな‥‥)

(「春美のこと」を聞く)
成: ま、まさか‥‥
春美ちゃんまで!
毘: おねがいよォ! そんな悲しそうな
目をしないでちょうだい!
成: (まいったな‥‥
アタマがガンガンしてきた!)
春美ちゃん‥‥事件当夜は、
エリス先生といっしょ、でしたね?
毘: さあ‥‥。オバサンたちは
修行のしたくがあったから‥‥
夕食後、あの子は
見てないんだけど。
成: (あの事件‥‥。まさか、
春美ちゃんの目の前で‥‥?)
毘: 刑事さんの話では、
おうちにも帰ってないんだって。
成: (お、落ちつくんだ!
1カ所だけ‥‥残っている!
1カ所だけ‥‥あの子が
いるかもしれない場所が!
‥‥イトノコ刑事‥‥
たのむから、早く来てくれ!)

(「葉桜院・境内」に移動する)


同日 某時刻
葉桜院 境内

成: (‥‥ビキニさんは、
ここで事件を目撃した。
ウソをついているとは
思えないけど‥‥
まだ、他に手がかりが
眠っているんだろうか‥‥?)

(「葉桜院・本堂」に移動する)


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