成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
成: |
あの、ビキニさん。 ちょっと、これを見て |
毘: |
ぎゃあああああ! ダイジな掛け軸に、 なな、なんてコトするの! |
成: |
いやいや! ぼくじゃありませんよ! (‥‥この家元の掛け軸が、 なぜカレーまみれなのか‥‥ 事件にカンケイ あるのか‥‥?) |
毘: |
‥‥そうだったのかい。 この方が‥‥新しい家元さま‥‥ |
成: | そうです。綾里 真宵。 |
毘: |
‥‥そうと知ってたら‥‥ カレーなんて手を抜かないで、 ゴチソウを出せばよかったねえ。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ 彼女を助けたら、イヤというほど ゴチソウしてあげてください。 |
毘: |
モチロンよ! アンタ! ‥‥よろしくおねがいしますよ。 家元さまを、助けてあげて‥‥ |
毘: |
ああ‥‥この子。 かわいそうにねェ‥‥ |
成: |
(真宵ちゃんにつづいて、 春美ちゃんまで‥‥ どこまでぼくを 苦しめるんだ、この事件は! ‥‥ううううう。 熱で、アタマもいたいし‥‥) |
毘: |
オバサン‥‥どうやって おわびをしたらいいのか‥‥ |
成: | おわび‥‥ですか? |
毘: |
‥‥あんなダイジな方を 死なせてしまうなんて‥‥! |
成: |
(倉院流の家元だった わけだからな、エリス先生‥‥ セキニンを感じるのも ムリはない、か‥‥) |
毘: |
‥‥考えてみれば、 かわいそうな方なんだよ。 霊力の遺伝は、キホン的に 姉のほうが強いのに‥‥ ‥‥キミ子さまの霊力は、 妹の舞子さまにおよばなかった。 きっと‥‥ツラい思いを しただろうねえ‥‥ |
成: |
でも‥‥ 彼女のやったことは、ユルされる ことではありません。 |
毘: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ そう、なんだよねえ‥‥ |
毘: |
あやめには、双子の お姉さんがいた‥‥ オバサンが知ってるのは、 それだけ‥‥だねえ。 宝石商のお父さんに 引き取られたらしいけど‥‥ どこで、何をしているやら。 |
成: |
(それを知ったら‥‥ ビキニさん、 コシを抜かすな‥‥きっと) |
山小屋 極楽庵 | |
成: |
‥‥あれ。春美ちゃんと 矢張、いないぞ。 たき木を集めに 行っちまったのかな。 ‥‥しかたない。 あとでまた、来てみよう。 |
お手伝い‥‥やってみるか?)」 | |
糸: |
さささ、やってみるッス。 楽しいッスよ、捜査は。 |
成: |
いや、あの。ちょっとぼく、 ヤクソクがありますから‥‥ |
糸: |
アレ。そッスか。 ‥‥ザンネンッス。 じゃあ、自分はここで ちょっと休んでいるッスから。 イジでも、アンタに やらせてみせるッス! |
成: |
(捜査が大好きなんじゃ なかったのかよ!) |
成: |
この掛け軸なんですけど‥‥ 何か知ってますか? |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ お。うまそうな ニオイがするッス! いやー、こんな日は やっぱり、カレーッスねえ。 カレーといえば、やっぱり ウインナーカレーッス! カレーとウインナーという、 2大ゴチソウの夢の競演! ‥‥自分の、見果てぬ夢ッス。 |
成: |
あの‥‥カレーはともかく、 この掛け軸ですけど‥‥ |
糸: |
そういうのは自分、ちょっと わからねッス。 |
成: | (やれやれ‥‥) |
糸: | 天流斎 エリスのツエ、ッスね。 |
成: |
水晶がなくなっている以外、 アヤシイところ、ありませんね。 |
糸: |
あ、そうだ! ここだけのハナシがあるッス。 |
成: | な、なんですか? |
糸: |
これを言うのは、アンタが 初めてッス。‥‥ヒミツッスよ。 じつは‥‥自分はムカシ‥‥ 魔法使いになりたかったッス。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
糸: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
もしかして‥‥ それで終わりですか? |
糸: | 終わりッス。 |
成: |
(ツエからはずれた水晶‥‥か。 なんで、おぼろ橋なんかに 落ちていたんだろう‥‥) |
糸: |
まさか‥‥このツエの中に カタナが仕込まれていたなんて。 ‥‥たしかに、血痕は 残っていないッスけど‥‥ おそらく、コイツが凶器ッス! 刑事のカンがドンチャン騒ぎッス! |
成: |
でも‥‥これ、エリスさんの ツエですよ? 自分の武器でやられたコトに なりますけど‥‥ |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ま。そうなるッスね。 |
成: |
それに‥‥もうひとつ、 気になるコトがあります。 |
糸: |
なんスか? 聞くだけ、聞いてあげるッス。 |
成: |
絵本作家のエリス先生が、 なぜ‥‥ こんなカタナを、かくし持って いたんでしょう? |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ アンタ、いいところに 気がついたッスね。 あとは、いいコタエを 見つけるだけッス。 アンタ自身の手でッ! |
成: |
(‥‥ホント、役に立たない 刑事さんだな‥‥) |
糸: |
今日の法廷は、もう お祭り騒ぎだったッス。 ‥‥このラクガキのせいで。 ムシしちゃったほうが いいッスよ。アンタも。 |
成: |
‥‥たしかに、矢張は あんなオトコだけど‥‥ イミもなく、こんなものを 描くようなヤツじゃないんですよ。 |
糸: |
じゃあ、明日の裁判を 楽しみにしておくッス。 |
成: | え。 |
糸: |
この絵に、アンタがどんな セツメイをつけるのか‥‥ コイツは、見逃せないッス! |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (‥‥やっぱり、ムシするか。 こんなラクガキ‥‥) |
成: |
‥‥おぼろ橋の近くで 見つかったんですよね? |
糸: |
あの絵描きは、 そう言っているッス。 被告人が、燃えるおぼろ橋を ピョーイと飛びこえたあと、 着地したときに落とした、とか。 |
成: |
(でも‥‥この水晶は、 あやめさんのものじゃない) |
糸: |
しかも、水晶には 血痕が付着しているッス。 |
成: |
(そんなものが‥‥なぜ! おぼろ橋のたもとに‥‥) |
糸: |
事件の夜から、奥の院側に 閉じこめられていたらしいッス。 |
成: |
真宵ちゃんのこと‥‥ 何か言ってませんでしたか? ‥‥ぼくには、 話してくれなかったんです‥‥ |
糸: |
アンタに話さないことを、自分に 教えてくれるワケ、ないッス。 泣いているばっかりで、 見ていてツラかったッス。 |
糸: |
ナゾのミステリーに 包まれているッス。 |
成: | それはもう聞きましたよ。 |
糸: |
まったく‥‥今日も 法廷を無断ですっぽかして。 これがフツウの会社なら、 クビッスよ! |
成: |
それで、ゴドー検事は今、 どこにいるんですか? |
糸: |
知らねッス。コーヒー片手に、 その辺をほっつき歩いているッス。 |
成: |
(やっぱり‥‥イトノコ刑事は 知らないみたいだな。 ゴドー検事の身体のこと‥‥) |
ゴ: |
死人が地獄からよみがえるには‥‥ くだらねえ手つづきが必要なのさ。 定期的な身体機能の精密検査、 体内物質の補給・調整‥‥ めんどくせえ現代医学にすがって、 みっともなく生きながらえる‥‥ ‥‥それが、今の、このオレだ。 |
成: |
(法廷を休んだ理由は キチンとしているのに‥‥ ‥‥どうして、それを かくしているんだろう) |
糸: |
おッ! そうだ。 聞いてくれるッスか! 今度、マコクンが自分に、コートを プレゼントしてくれるッス! |
成: | へえ! よかったですね。 |
糸: |
こないだの事件の お礼だそうッス! 自分のエキスがしみこんだ、 このカツオ風味のコート‥‥ これでやっと、 ヤッカイ払いできるッス! |
糸: |
やさしくて、いい おばちゃんッス。 とても、ウソをつくような ヒトには見えないッス。 |
成: |
でも‥‥ビキニさんの証言には 問題があったみたいですね。 |
糸: |
あれはきっと、おばちゃんの せいじゃないッス。 ‥‥自分は正しいコトを言ってる つもりが、そうでもなかった‥‥ 自分には、わかるッス! よくあるコトッス! |
糸: |
どうにも、ヒミツの多い 被害者ッス。 本名はおろか、今までの 経歴も、完全に不明ッス。 |
成: |
(エリス先生が、真宵ちゃんの おかあさんであること‥‥ まだ、知らないみたいだな) |
糸: |
あいかわらず、 ナゾはミステリーッス。 |
糸: |
‥‥自分には、自信が なくなってきたッス。 今日、発見された手がかりで 事件はガラッと変わったッス。 正直、彼女が犯人だとは、 考えにくい状況ッス。 |
成: | その<<手がかり>>というのは‥‥? |
糸: |
‥‥アンタには言いにくいッス。 でも、あえて言っちまうッス。 現場が、奥の院の中庭だったことと ‥‥あの、血文字ッス。 なにしろ、事件当夜‥‥奥の院には 修行中の綾里 真宵しか‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ その、御剣検事ばりのスルドい目で ニラむの、やめてほしいッス。 |
成: |
‥‥真宵ちゃんのハズ、 ないじゃないですか! |
糸: |
やっぱり、言わなきゃ よかったッス。 |
糸: |
‥‥そういえば、狩魔検事は どうしたッスか? |
成: |
奥の院のあやめさんに ついていてもらっています。 |
糸: |
お。ホントッスか! ふうう、やれやれ。これで やっと、のんびりできるッス。 |
成: |
イトノコ刑事、いつも たたかれてますからね。ムチで。 |
糸: |
‥‥最近、ちょっと慣れてきたのが 自分でもコワいッス。 そういえば一度だけ、ムチを 忘れてきたことがあったッスね。 |
成: |
へえ。そのときは、 たたかれずにすんだワケですね? |
糸: |
かわりに、ビンタを食らったッス。 ムチの方がまだ、やられていて カッコがつくッス。 |
成: |
(たいして変わらないと 思うけどな) |
糸: |
もお、ひさしぶりッス。 1年ぶりぐらいッスかねー。 |
成: |
アイツ、わざわざ外国で 何やってるんですか? |
糸: |
さあ。カッコつけてるんじゃ ないッスか。やっぱり。 |
成: | え。 |
糸: |
ハクがつくッスからねー。 海外で研究なんて。 自分も、パリで修行してきたら、 ムッシュ・イトノコギリッスよ。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ (御剣のヤツ、ブカに完全に リカイされていないな‥‥) |
糸: |
‥‥どこかで見たことがあるッス。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥大福をゴチソウに‥‥ ああ! 春美ちゃんの おかあさんッスね! |
成: | ええ、そうです。 |
糸: |
たしか去年、倉院の里の 事件で‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥! ハンニンだったヒト、ッス。 |
成: |
(最後まで思い出してから しゃべればいいのに) |
糸: |
‥‥あれは、ホントに イヤな事件だったッス。 |
成: |
(”イヤな事件だった”‥‥か。 もしかしたら‥‥ その事件は、まだ終わっていない のかもしれない‥‥) |
糸: |
ま。今はキチンと 刑務所にいるはずッスから、 今回の事件とはマッタク、 無関係ッスけどね! |
成: |
イトノコ刑事。 ‥‥これなんですけど。 |
糸: |
うーん‥‥そッスねー‥‥。 ちょっと今日はサムいッスから、 アタマがはたらかないッス。 |
成: | (夏まで待て、ということか?) |
糸: |
あ。自分、アツくても アタマがはたらかないッス。 なにぶん、ナイーブッスから。 |
成: |
(自分で言うなよ‥‥) |