第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その2) −横道−

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
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(ふたりの<<格闘>>)
あ: 『ツエで殴られた真宵さまは、一瞬
おヨロめきになったのですが‥‥』(証言1)
『エリスさまの攻撃をかわして、
凶器を奪いとったのです!』(証言2)
『エリスさまは、逆に追いつめられ、
灯ろうを背にして立たされました。』(証言3)
『真宵さまは、そのまま小刀で
エリスさまを刺したのです!』(証言4)
『エリスさまは、小刀をふり払ったの
ですが‥‥やがて、お倒れに‥‥。』(証言5)

(「証言1」をゆさぶる)
成: あなたは、それを
どこから目撃したんですか?
あ: あの‥‥どういうことですか?
成: もし、被害者たちが
あなたに気づいていれば‥‥
そんなハデな争いは
起こらなかったかもしれません。
あ: そ‥‥そうだったの
でしょうか‥‥。
おふたりは‥‥中庭の、灯ろうの
あたりにいらっしゃいました。
私‥‥それを、後ろから
目撃したのです。
おふたりがいたところは
暗かったから‥‥
それで、私のことが
見えなかったのだと思います。
裁: ふむう‥‥事件当時、
中庭は、暗かった‥‥
それで‥‥殴られた真宵さんは
どうしたのですかな?

(「証言2」をゆさぶる)
成: そのとき、被害者の
ツエはどうなったのですか?
あ: わ、わかりません。
あたりは、とても暗かったので
‥‥私には、見えませんでした。
お争いになるうちに、どこかへ
飛んでしまったのだと思います。
裁: ‥‥なるほど‥‥
それならば、小刀を取り出した
セツメイもつきますな。
あ: エリスさまは、真宵さまに
凶器の小刀を振り上げました。
真宵さまは、とっさに
それをかわしたのです。
刃先が灯ろうに当たって、
小刀は地面に落ちました。
そして‥‥いつのまにか、
真宵さまが、その小刀を‥‥!
成: (今のところ、不自然な点は
見あたらないな‥‥)
裁: 凶器を奪われた被害者は、
どうなったのですかな?

(「証言3」をゆさぶる)
成: 綾里 真宵が‥‥被害者を
”追いつめた”‥‥?
あ: ‥‥ええ‥‥
‥‥真宵さまは、きっと
我を忘れていたのだと思います。
だって‥‥お命を
狙われたのですから‥‥
成: (‥‥考えられない‥‥
彼女が、刃物を持って
だれかを追いつめるなんて!)
ゴ: ”追いつめられたネズミは、
ネコを噛む”‥‥そう言うぜ。
成: でも、そのネズミは
ネコを追いつめたりはしません!
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
たとえ話なんか、
なんのイミもねえぜ。
成: (そっちが始めたんじゃないか!)
裁: それで‥‥
被害者を追いつめた、綾里 真宵
さんは‥‥どうしたのですかな?

(「証言4」をゆさぶる)
成: あなたは‥‥本当に、それを
ハッキリ見たのですか!
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
たぶん‥‥そうだと思います。
成: ”たぶん”‥‥?
あ: あのとき、中庭は
暗かったものですから‥‥
それが”だれ”なのかは、
ほとんど見えなかったのです。
成: (なんだって‥‥?)
そ‥‥それならば!
あるいは、別人だったかも‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥あの晩、綾里 真宵が
奥の院にいたのは、まちがいない。
‥‥そして、死んだのは
天流斎 エリスだ。
‥‥だれとだれが争ったか‥‥
”見る”までもねえんじゃねえか?
成: うううう‥‥
(反論できない。今は、まだ‥‥)
裁: ‥‥それでは、証人。
証言をつづけてください。
あ: ‥‥ええ。わかりました。
おふたりは、しばらく
向かい合ったあと‥‥
<<犯人>>が、<<被害者>>に
体当たりしたのです!
<<被害者>>は‥‥身体を
”く”の字に折って、倒れました。
裁: ふむう‥‥。
腹部を刺されたわけですな。
あ: ええ‥‥。

(「証言5」をゆさぶる)
成: その、小刀は‥‥どこへ?
あ: ‥‥わかりません。
暗くて、見えませんでした。
ゴ: コイツを見つけた刑事の
話によると‥‥
‥‥小刀は、中庭の
松の木に刺さっていた。
‥‥おそらく、そこへ
飛ばされたんだろうぜ。
裁: そう考えるのが
自然でしょうな。
成: 腹部を刺された被害者は‥‥
すぐに倒れたんですか?
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
そういえば‥‥
しばらく、真宵さまのほうを
見つめていたような気がします。
真宵さまも、まったく
動かなくて‥‥
そのまま、時が止まったような
気がしました。
裁: ‥‥ふむう‥‥
あ: やがて‥‥魔法が解けたように
エリスさまは、お倒れに‥‥。

(証言後の一言)
成: (‥‥一見、どこにも
ムリのない証言に思える。
しかし‥‥1つだけ。ゼッタイに
あり得ないことがある。
‥‥真宵ちゃんが、
だれかを刺すなんて‥‥
それだけは、あり得ない!
だからこそ‥‥
この証言には、かならず
ムジュンがあるはずだ‥‥)



(あやめの<<後始末>>)
あ: 『エリスさまが亡くなって‥‥
私、真宵さまに声をかけました。』(証言1)
『倉院流の家元をつぐお方を、お守り
しなければ‥‥そう思ったのです。』(証言2)
『だから‥‥私がひとりで、死体を
奥の院から運びだすことに‥‥。』(証言3)
『おぼろ橋の上を、死体を
引きずって、わたりました。』(証言4)
『そして、スノーモービルで
死体を葉桜院に運びこんで‥‥』(証言5)
『死体の傷をかくすため‥‥
七支刀で、細工をしたんです。』(証言6)
『‥‥事件が起こったとき、雪はもう
すっかりやんでいました。』(証言7)

(「証言1」をゆさぶる)
成: ‥‥すべてが終わるまで
待っていたわけですか?
あ: そ、そういうワケでは‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ‥‥目の前で、イノチの
やりとりがあったんだ‥‥
声を出せなくても、
ムリはねえだろうぜ‥‥
裁: ‥‥それは、
そうかもしれませんな。
私も、みなさんのイキオイに
のまれてしまって‥‥
ムダなやりとりでも、ダマって
見ていることがありますからな。
成: (‥‥止めてくれよ!)
あ: ‥‥私に気づいた真宵さまは、
そのとき、初めて‥‥
ご自分のなさったことに
気がついたようでした。

(「証言2」をゆさぶる)
成: じゃあ‥‥あなたは
知っていたのですか‥‥?
”綾里 真宵”という名前が
持っている、イミを‥‥
あ: ‥‥え、ええ‥‥。
もちろん、ですわ。
成: (ちょっと、おかしいな‥‥
ビキニさんは、真宵ちゃんの
ことを知らなかったのに‥‥)
あ: とにかく‥‥あの方は
私どもにとって、特別な方でした。

(「証言3」をゆさぶる)
成: なぜ、そんなコトを‥‥?
あ: 真宵さまに、疑いがかかっては
いけない‥‥そう思いましたの。
それならば、死体を現場から
遠ざければよい、と‥‥。
裁: ‥‥あなたが、たったひとりで
死体を運んだ‥‥
あ: ‥‥はい。そうです。
雪がなかったら、ムリだった
かもしれませんけど‥‥
成: (‥‥雪、か‥‥)

(「証言4」をゆさぶる)
成: よく、わたれましたね。
‥‥あの、おんぼろ橋を‥‥
あ: 見た目はダメですけど、
意外と丈夫なのですよ。あの橋は。
ゴ: 『バカはカゼをひかない』
‥‥それだけのコト、だぜ。
成: ‥‥それと、もう1つ‥‥
気になることがあります。
なぜ、死体を吾童川に
捨てなかったのですか?
あ: ‥‥‥‥‥‥
成: 葉桜院に運ぶより、ラクに
死体を始末できたはずです。
あ: それだけでは‥‥真宵さまに
お疑いがかかると思ったのです。
死体は、なるべく遠いところに
始末したほうがよい、と‥‥
ゴ: クッ‥‥! ニクいほど
スジが通っているぜ。
‥‥今のところは、な。
それで? 橋をわたった
アンタは、どうしたんだ?

(「証言5」をゆさぶる)

(「やめておく」を選択)
成: (‥‥いや。今は他に、
気になることがある。
スノーモービルのキーは
あやめさんが持っていたんだ。
不自然な点は、ない‥‥)
裁: ‥‥よろしい。
証言をつづけてもらいましょう。
あなたは、スノーモービルで
死体を運んだわけですね?
‥‥葉桜院の、境内に。
あ: そのとおりです。そこなら、
真宵さまは疑われない‥‥
‥‥そう思いました。
そして、私‥‥

(「証言5」をゆさぶる)

(「スノーモービルのこと」を選択)
成: スノーモービルのこと‥‥
詳しく聞かせてください。
あ: ‥‥あの晩は、とても
冷えこんでいたので‥‥
あれを使って、橋のたもとまで
行ったのです。

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ザンネンだが、証人‥‥
そうなると、1つ‥‥
おかしなことがあるぜ。
あ:え‥‥‥
成: (‥‥ゴドー検事‥‥
どういうことだ‥‥?)
ゴ: あの晩‥‥住職は、
アンタに修行をまかせたあと‥‥
歩いて、奥の院から
葉桜院に帰っている。
裁: たしかに‥‥記録には、
そう書いてありますな。
ゴ: ‥‥そのときのことを、
彼女はこう言っている。

毘: 『それにねぇ。オバサンが
歩いて帰ってみると‥‥
門のトコロに、ちゃんとあったの。
‥‥あのスノーモービル。』

ゴ: ‥‥スノーモービルは、
山門の前にあった‥‥
コイツは‥‥”ムジュン”って
ヤツじゃねえのかなあ‥‥?
あ:‥‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: せ、静粛に!
‥‥ゴドー検事!
な、なぜ‥‥あなたが、
証言のムジュンをッ!
ゴ: ‥‥ハッキリしねえことは
スキじゃねえ。‥‥それだけさ。
あ: あ‥‥あの‥‥
たぶん、それは‥‥
び‥‥毘忌尼さまが‥‥
見落としたんだと思います。
成: み、”見落とした”‥‥?
(そんな、ツゴウのいい話が‥‥)
ゴ: クッ‥‥! まあ、いいさ。
オレも、これが決定的な
ムジュンとは思わねえからな。
ただ‥‥
証言には、注意したほうがいい。
‥‥それが言いたかったのさ。
なァ、わかるだろ?
‥‥カワイコちゃんよォ‥‥
あ: ‥‥は‥‥はい‥‥
成: (どういうことだ‥‥
ゴドー検事が‥‥ヒントを
くれる、なんて!)
裁: ‥‥よろしい。
証言をつづけてもらいましょう。
あなたは、スノーモービルで
死体を運んだわけですね?
‥‥葉桜院の、境内に。
あ: そのとおりです。そこなら、
真宵さまは疑われない‥‥
‥‥そう思いました。
そして、私‥‥

(「証言5」をゆさぶる)

(「シュプールのこと」を選択)

(「重要ではない」を選択)
成: (証言を聞くかぎり、
おかしい部分はなさそうだ。
ムダなところに
こだわらないほうがいい‥‥)
‥‥けっこうです。
証言に、モンダイはありません。
裁: ‥‥よろしい。
証言をつづけてもらいましょう。
あなたは、スノーモービルで
死体を運んだわけですね?
‥‥葉桜院の、境内に。
あ: そのとおりです。そこなら、
真宵さまは疑われない‥‥
‥‥そう思いました。
そして、私‥‥

(「証言6」をゆさぶる)
成: その現場を‥‥ビキニさんに
見られたわけですか?
あ: は‥‥はい。おそらく‥‥
そう、だと思います。
成: (”おそらく”‥‥?)
裁: なるほど‥‥。
だからビキニさんは、あなたが
犯人だと思ったワケですね‥‥
あ: ‥‥申しわけありませんでした。
私のせいで、事件をコンラン
させてしまって。
裁: ‥‥ふむう‥‥

(「証言7」をゆさぶる)
成: ‥‥これまでの証言には、
多くのムジュンがありました。
今度こそ‥‥
まちがいありませんね?
あ: ‥‥え、ええ。
成: 事件が起こったとき、
雪はやんでいた。
だから、ハッキリと
スノーモービルの跡が残った‥‥
あ: そ、そうです!
まちがいありません。
成: (‥‥ついに‥‥
捕まえたみたいだな)
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
なるほど。<<雪>>か。
裁: ど‥‥どういうことですか?
成: (もし、事件が起こったとき、
雪がやんでいたと言うなら‥‥
あの証言には、致命的な
ムジュンが生まれるんだ!)
ゴ: クッ‥‥! 見せてもらおうか、
まるほどう。
アンタの<<ウデ>>‥‥いや。
<<人差し指>>‥‥かな?
あ: ‥‥‥‥?

(証言後の一言)
成: (信じたくないけど‥‥
どうやら、まちがいない。
彼女は‥‥真宵ちゃんに、
罪を着せようとしている!
なぜ、彼女がそんなことを
するのか‥‥?
答えは‥‥1つしか
考えられない、か‥‥)



(死体を運んだこと)
あ: 『橋をわたる以外に、死体を運ぶ
方法は、あり得ません。』(証言1)
『だから‥‥きっと、私‥‥
カンちがいしていたのですね。』(証言2)
『雪が降っていたか、どうか‥‥?
そんなの、ささいなコトです。』(証言3)
『それとも‥‥燃え上がった橋を
わたる方法が、あるとでも‥‥?』(証言4)

(「証言1」をゆさぶる)
成: しかし! 事件が起こったとき、
雪がやんでいたのなら‥‥
あ: 橋をわたることは、できなかった。
‥‥当然ですよね。
成:‥‥‥!
あ: 私‥‥、検事さまのおっしゃる
とおりだと思います。
死体はジッサイ、
橋をわたっているのですから‥‥

(「証言2」をゆさぶる)
成: しかし‥‥さっきの証言で、
あなたは断言したはずです!
『たしかに、雪はやんでいた』
‥‥と‥‥
あ: ‥‥申しわけありませんでした。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (‥‥そのヒトコトで
済ませるつもりらしいな)

(「証言3」をゆさぶる)
成: 冗談じゃありません!
それが、事件のポイントなのです!
あ: それなら‥‥成歩堂さま。
あなたは、おぼえていますか?
1週間前のお天気を
‥‥ハッキリと?
成: え‥‥! それは、モチロン‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あ: ね。‥‥そんなものですわ。
ヒトの記憶、などというものは‥‥
成: ‥‥で、でも! それが特別な日
なら、キチンとおぼえています!
たとえば! ぼくの小学校の
入学式は、ドシャ降りでした!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: アンタのドシャ降り人生のコト
なんざ、ダレも聞いてねえ。
成:え‥‥!
ゴ: <<事件があったとき、すでに
雪がやんでいた>>
その証言にこだわるなら‥‥
提示することだ。
炎上した橋を死体がわたった‥‥
そのジジツを示す<<証拠品>>を!

(「証言4」をゆさぶる)
成: ‥‥ゼッタイにないとは
言い切れません!
成: 成歩堂さま‥‥
これは、子どものケンカじゃ
ありませんのよ。
成:‥‥‥!
あ: ‥‥燃え上がっている橋を、
死者がわたった‥‥
そんな光景を目撃したヒトでも
いるというのかしら‥‥?
ゴ: クッ‥‥!
そいつはきっと、
<<目撃者>>とは呼べねえだろうぜ。
”夢”は、目で見るものじゃ
ねえからなァ‥‥

(証言後の一言)
成: (‥‥ここまで来たら、なんと
しても立証しなければならない。
炎上した橋の上を、どうやって
死体は運ばれたか‥‥?
ハッキリしたコタエが、まだ
わからなくても、かまわない。
とにかく‥‥すべては
<<証拠品>>から始まる‥‥
立ち止まったら、負けだ。
‥‥走りながら、考えよう!)