第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その2)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(ふたりの<<格闘>>)
あ: 『ツエで殴られた真宵さまは、一瞬
おヨロめきになったのですが‥‥』(証言1)
『エリスさまの攻撃をかわして、
凶器を奪いとったのです!』(証言2)
『エリスさまは、逆に追いつめられ、
灯ろうを背にして立たされました。』(証言3)
『真宵さまは、そのまま小刀で
エリスさまを刺したのです!』(証言4)
『エリスさまは、小刀をふり払ったの
ですが‥‥やがて、お倒れに‥‥。』(証言5)
裁: ‥‥いたましい事件です。
あ: 親子のあいだに何があったのかは
存じあげませんが‥‥
舞子さまが姿を消されてから、
17年の月日が流れています。
‥‥おそらく、お互いに
カオもわからなかったのでは‥‥
裁: ふむう‥‥あり得ますな。
それでは、弁護人。
尋問をおねがいします!

(「証言4」に「天流斎エリスの解剖記録」をつきつける)
成: ‥‥今日のあなたは、どうも
ようすがおかしいですね。
あ:え‥‥
成: きのうまでのあなたは、軽はずみな
ことを言うひとではなかった。
しかし! ‥‥今日の証言には、
あまりにムジュンが多い。
あ: そんな! いったい‥‥
どこがおかしいのですかっ!
成: あなたの証言によれば、
綾里 真宵は‥‥
『灯ろうを背にした被害者を、
小刀で刺した』‥‥そうですね?
あ: そ、そうですけど‥‥
成: その場合‥‥被害者は<<腹部>>を
刺されることになります。
裁: ‥‥それは、そうでしょうな。
成: しかし! 解剖記録には、
こう書かれています。
<<背後より刺され、失血死>>
あ: あ‥‥‥!
成: 傷の状態から、被害者は背中から
刺されたことが判明している!
あやめさん!
また1つ、あなたは
ムジュンを重ねたのです!
あ: きゃあああっ!

(ざわめきが起こる)
裁: い‥‥いったい‥‥
これは、どういうことですかッ!
ゴ: クッ‥‥!
カンタンなコトさ。
『人間には<<裏>>と<<表>>がある』
‥‥それだけのコト、だぜ。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
あの。それだけのコト、
なのですか?
ゴ: 『背に腹はかえられない』
‥‥そう言ってもいい。

(成歩堂「異議あり!」)
成: 証人の証言を、コトワザで
かたづけないでください!
とにかく! 証人の証言には
不自然な点が多すぎます!
武器であるツエを捨てたこと。
争ったふたりが親子だったこと。
さらに、被害者が腹部を刺された
という証言も、マチガイでした!
裁: ふむう‥‥たしかに、
あやふやな点が多いですな‥‥
成: あやめさん。
‥‥いかがですかッ!
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
そ、それは、きっと‥‥
ゴ: きっと、アンタがアマすぎるん
だろうぜ。まるほどう‥‥
成: なんですって‥‥?
ゴ: コーヒーの苦味には、253種類
あると言われている。しかし‥‥
それを味わいわけるには、全神経を
集中させなけりゃならねえ。
アンタ‥‥集中してたかい?
この証人の、証言に。
裁: ゴドー検事!
どういうコトですかッ!
ゴ: ‥‥証人は、ことあるごとに
こう証言している。
<<中庭は暗くて、
よく見えなかった>>‥‥と。
成:‥‥‥!
ゴ: 人間が、ものを見るのに必要な
ものは、たった1つ。
それは、<<光>>‥‥だぜ。
裁: ‥‥ひかり‥‥
ゴ: ところで、知ってるかい?
‥‥奥の院で、修験者の
修行がある晩は‥‥
かならず、中庭の灯ろうに
火を入れるキマリがあるそうだ。
成: (たしかに‥‥中庭には、大きな
灯ろうがあったな‥‥)
裁: それが本当ならば‥‥
灯ろうの明かりで、現場は
ハッキリ見えたはずでは‥‥?
ゴ: ‥‥そうなるハズだったのさ。
しかし。住職の証言によると‥‥
事件当夜、灯ろうには
火をともすことはできなかった。
成: ”できなかった”‥‥?
ゴ: 長い間、使ってなかったため、
シンがダメになっていたそうだ。
つまり‥‥あの晩、中庭は、
ほとんど闇に近かった。
修験堂からもれる、わずかな
光があっただけ、なのさ。
裁: ‥‥そうだったのですか‥‥
ゴ: これで、すべてのムジュンは
解決するだろうぜ!
‥‥ツエを闇に落とせば、
見えるはずがなかった。
娘のカオが見えなかったのも、
闇の中だったせい、だ。
闇にひそむ魔物は、見えない。
‥‥それが、人間の限界なのさ。
そうだろう、まるほどうッ!
成: う‥‥‥‥
うおおおおおおおッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛にィッ!
ゴ: 裁判長。‥‥その灯ろうの
データをくれてやるぜ。
アンタのアタマに、真実の
灯をともしてくれるだろうさ。

証拠品<<灯ろう>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (な、なんだ?
ダマりこんで‥‥)
ゴ: ‥‥どうした? ジイさん。
明かりが強すぎたかい‥‥?
裁: ‥‥こ、この灯ろう‥‥
何か、書いてありますッ!
ゴ:‥‥‥?
裁: これは‥‥
ち、血文字、ですかッ!
成: (しまった‥‥!
‥‥裁判長は、まだ
知らなかったんだっけ‥‥)
ゴ: ‥‥血文字‥‥だと?
あ: ‥‥‥‥‥‥‥
裁: こ、これは‥‥これはッ!
逆さまに<<マヨイ>>と
書いてありますッ!
ゴ: な、なんだと‥‥!
あ: そう‥‥、だったのですね‥‥
‥‥真宵さまに追いつめられた
エリスさまは‥‥
刺されたあと、すぐには
お倒れになりませんでした。
きっと‥‥後ろに回した手で、
その文字をお書きになった‥‥
みずからの身体から
あふれ出す、‥‥血で!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥ふむう‥‥。
どうやら、そのようですな‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ちょ‥‥ちょっと待ってくれ!
アンタたち‥‥いったい、
なんの話をしてるんだ?
裁: な‥‥”なんの話”と
言われましても‥‥
成: 血文字ですよ! 灯ろうに
書かれている‥‥
ゴ: ば‥‥バカなッ!
この灯ろうに‥‥
何か書いてある、ってのか!
成: (‥‥ま、まさか‥‥
”見えない”のか‥‥?
この血文字が‥‥!
‥‥そういえば、きのう‥‥)

ゴ: 『‥‥オレの目は、とっくに
イカれちまっているのさ。
こんなデカいメガネをブラ下げて
いても‥‥完全には見えねえ。』

成: (‥‥”完全には見えない”
こういうことだったのか‥‥)
裁: ‥‥とにかく、これは
重要な手がかりです。
事件当時、現場は暗かった。
そして‥‥
被害者は、このような文字を
書き残していた‥‥!
いかがですか、ゴドー検事!
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ご‥‥ゴドー検事?
ゴ: ‥‥! あ、ああ‥‥
それじゃあ‥‥
次に進むとするぜ。
成: (あのゴドー検事が、
動揺している‥‥)
裁: ‥‥どうやら、とりあえず
犯行は立証されたようです。
<<綾里 真宵>>による、
天流斎 エリス殺害が‥‥
成: (そんな‥‥バカな!)
ゴ: ‥‥そこで、次に登場するのが‥‥
アンタ、ってワケだ。
あ: ‥‥‥はい。
ゴ: 被害者が倒れたあと、アンタは
”あること”をしたらしいな。
その話をしてみな。
‥‥聞いてやるぜ。

(あやめの<<後始末>>)
あ: 『エリスさまが亡くなって‥‥
私、真宵さまに声をかけました。』(証言1)
『倉院流の家元をつぐお方を、お守り
しなければ‥‥そう思ったのです。』(証言2)
『だから‥‥私がひとりで、死体を
奥の院から運びだすことに‥‥。』(証言3)
『おぼろ橋の上を、死体を
引きずって、わたりました。』(証言4)
『そして、スノーモービルで
死体を葉桜院に運びこんで‥‥』(証言5)
『死体の傷をかくすため‥‥
七支刀で、細工をしたんです。』(証言6)
裁: ‥‥あなたが、死体を運んだ‥‥
あ: ええ‥‥。私、葉桜院で
育てられましたので‥‥
綾里家のみなさまに、
恩がえしをしたかったのです。
‥‥それなのに、まさか‥‥
あのエリスさまが
綾里 舞子さまだった、なんて‥‥
私‥‥なんということを‥‥!
裁: ふむう‥‥
<<運命のイタズラ>>ですなあ。
成: (<<イタズラ>>で済む
ハナシじゃないけど‥‥)
あ: 私、死体を始末してから
奥の院に戻るつもりでした。
でも‥‥
ゴ: あの住職に目撃された、
ってワケかい‥‥
あ: ええ。‥‥それで、戻れなく
なってしまったのです。
裁: ‥‥どうやら、スジは
通っているようですな。
それでは、弁護人。
‥‥尋問を。
成: ‥‥わかりました。

(「証言5」をゆさぶる)
成: す‥‥スノーモービル?
(ついに、出てきたか‥‥)
あ: ‥‥ええ。キーは
私が持っていましたから。
葉桜院から吊り橋まで、
それを使って来ていたのです。
成: (‥‥このへんは、前回の
審理でも問題になったらしい。
‥‥もっと、詳しく
聞いてみるか‥‥?)

(「シュプールのこと」を聞く)
成: ‥‥死体をスノーモービルで
運んだのなら‥‥
雪の上には、その<<跡>>が
残るはずですね?
裁: そ、それはそうでしょうな。
成: 前回の法廷で提出された、
この写真‥‥
‥‥これが、そのときの
<<跡>>なのでしょうか?
あ: え‥‥ええ。そう、だと思います。
成: でも‥‥‥シュプールは、
1本しか残っていませんね。
あ: ‥‥それは、おかしく
ないと思います。
葉桜院を出たときは‥‥
雪が降っていたはず、ですから。
裁: なるほど‥‥
雪が‥‥降っていた。
あ: そして、事件が起こったとき‥‥
雪はもう、やんでいたんです。
だから‥‥こんなにクッキリ、
跡が残っているのですわ。
裁: ‥‥ふむう‥‥
いかがですか、弁護人。
今の証言は‥‥

(「重要である」を選択)
成: (‥‥事件が起こったとき、
<<雪がやんでいた>>‥‥
これは、もしかすると‥‥)
‥‥裁判長!
ただ今の発言を、
証言に加えてください!
裁: し、しかし‥‥
事件との関連は、あるのですか?
成: ‥‥それを立証するためにも、
証言に加えることを要請します。
ゴ: クッ‥‥! おもしれえ。
アンタ。<<雪>>のこと‥‥
ハッキリさせようぜ!
あ: は‥‥はい‥‥
『‥‥事件が起こったとき、雪はもう
すっかりやんでいました。』(証言7)

(「証言4」に「気象データ」をつきつける)
成: ‥‥事件が起こったとき、
<<すでに雪がやんでいた>>‥‥
ザンネンですが、あやめさん。
それは、あり得ません。
あ:え‥‥‥
成: こいつは、事件当夜の
気象データです。
雪がやんだのは、記録によると
午後10時50分ごろ‥‥
この時間、あなたが
おぼろ橋をわたれたハズがない。
あ: ど‥‥‥どうしてですか!
成: 雪がやむ、5分ほど前‥‥
おぼろ橋は落雷を受けて、
炎上していたからです。
あ: なんですって!
あ、あの吊り橋が‥‥
燃えていた‥‥?
裁: まさか‥‥知らないわけでは
ないでしょうな?
その落雷によって‥‥あの橋は
燃え落ちてしまったのですから。
あ: ええええええッ! そんな‥‥
ま‥‥まさか!
成: どうやら‥‥まだ、あなたには
わかってないようですね。
どんなに上手にウソを
ついたつもりでも‥‥
弁護士の目を逃れることは
できないんですよ!
あ: ‥‥いやああああァァァッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
成: 事件が起こったとき、
すでに橋は燃えていた!
そう! すでに奥の院は、
世界から切りはなされていた!
橋をわたって、死体を運び出す
ことは、不可能だったのです!
あ: ぐ‥‥ぐううううッ!
裁: 証人! ‥‥<<私のカオも
三度まで>>ですぞッ!
いつわりの証言には、
法廷侮辱罪が適用されます。
何か言うことはありますかッ!
あ: ‥‥ううう‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: 法廷を侮辱しているのは
むしろ、アンタのほうだぜ‥‥
なあ‥‥、ジイさんよォ!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
え! わ、私‥‥ですか!
ゴ: この証人の証言が、ウソかホントか
‥‥ちっぽけなモンダイさ。
成: ちちち、ちっぽけ‥‥!
ゴ: それより、重要なコトは‥‥
<<真実>>だぜ。‥‥そうだろう?
裁: そ‥‥それはそうですが‥‥
ゴ: 雪が降ろうが、雷が落ちようが、
橋が燃えようが‥‥
ゼッタイに動かせない
ジジツが2つ、ある。
天流斎 エリスの死体が、葉桜院の
境内で発見されていること。
そして、もう1つ。
あの住職は、目撃しているのさ。
この証人が、死体に
細工しているところをなァ!
成: ‥‥‥!
(た、たしかに‥‥)
あ: そ‥‥、そうですわ! 私‥‥
ウソなんて、ついていません!
裁: なんですって!
あ: あの晩の私は‥‥
フツウではありませんでした。
‥‥記憶が少し、
コンランしているんです!

(成歩堂「異議あり!」)
成: あなたは<<証人>>として
そこに立っているのです!
今さら、”コンラン”なんて‥‥

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: ウソをつくのも人間なら‥‥
カンちがいするのも、人間だ。
‥‥それなら、まるほどう。
アンタには、説明できるのかい?
成: な、何をですか‥‥!
ゴ: 事件が起こったとき、すでに
おぼろ橋は燃えていた。
しかし‥‥死体は橋をわたり、
葉桜院の境内で発見された。
その<<カラクリ>>を‥‥
カンペキに立証できるのかい!
成: ぐっ‥‥!
そ、それは‥‥‥
(たしかに‥‥証言はどうあれ
死体は、炎上した橋をわたった。
その方法が立証できなければ
‥‥真相は、見えない!)
裁: どうやら‥‥弁護人には
説明できないようですね‥‥
ゴ: そういうことだ。
‥‥つまり‥‥
アンタは、この証人をウソつき
呼ばわりする資格はないのさ!
成: ぐおおおおォォッ!

(ざわめきが起こる)
裁: それでは‥‥証人。
もう一度だけ、証言してください。
あ: はい。
‥‥なんでしょうか?
裁: あなたは、死体を移動させた罪を
告白なさいました。
ただ、先ほどの証言がムジュン
していたのは、ジジツです。
‥‥最後に、その説明を
おねがいしましょうか。
あ: ええ。わかりましたわ。
成: (‥‥これが‥‥
最後の証言、か‥‥!)
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥

(死体を運んだこと)
あ: 『橋をわたる以外に、死体を運ぶ
方法は、あり得ません。』(証言1)
『だから‥‥きっと、私‥‥
カンちがいしていたのですね。』(証言2)
『雪が降っていたか、どうか‥‥?
そんなの、ささいなコトです。』(証言3)
『それとも‥‥燃え上がった橋を
わたる方法が、あるとでも‥‥?』(証言4)
裁: ‥‥ふむう‥‥。やはり
カンちがい、だったのですかな。
ゴ: ここに、落雷によって燃えた
おぼろ橋の写真があるぜ。
事件の翌朝、撮影されたものだ。
裁: これは‥‥ミゴトに
燃えつきていますね‥‥。
支柱がわりのワイヤーも切れて‥‥
よく、橋が落ちなかったものです。
たしかに‥‥これでは、死体を
運ぶのは不可能でしょうな。

証拠品<<おぼろ橋の写真>>の
データを法廷記録にファイルした。
成: (この証言をくつがえすことが
できなければ‥‥
証言は”正しい”ことに
なってしまう‥‥
真宵ちゃんが、<<殺人者>>に
されてしまうんだ‥‥!)
ゴ: いいか、まるほどう‥‥
もう一度、言っておくぜ。
成:‥‥‥!
ゴ: カンちがいするのも人間なら‥‥
ウソをつくのも、人間だ。
そして‥‥
そのウソを見破るのも‥‥
やっぱり、人間なのさ。
成: (‥‥わかったような、
わからないような‥‥)
裁: それでは、弁護人!
最後の尋問をおねがいします!

(「証言4」に「矢張のスケッチ」をつきつける)
成: <<燃え上がる橋の上を
死者が飛び越えた>>‥‥
その可能性は‥‥
ゼロではありません。
裁: な‥‥なんですって!
ゴ: クッ‥‥!
可能性は、ゼロじゃねえ‥‥か。
しかし。‥‥そのコンキョはゼロ、
だろうぜ。
成: それは、どうでしょうか。
なにしろ‥‥
目撃者がいましたからね。
ゴ: ‥‥なんだとほォォォッ!

(ざわめきが起こる)
裁: い、いったい‥‥その
<<目撃者>>とは、ダレですか!
成: (ここから先は‥‥もう、
イキオイで攻めるしかない!)
‥‥天流斎 マシス。
天才絵本作家のタマゴですッ!
裁: てんさい‥‥?
ゴ: えほんさっか‥‥?
あ: おたまご‥‥?
成: ‥‥彼の証言を
思い出してください。
彼は、あの晩‥‥現場付近の
山小屋にいました。
そして‥‥その”瞬間”を
目撃したのです!
みなさんも、このスケッチは
ご存じでしょう!
‥‥彼が目撃した光景を、
そのまま描いたものです!
あ: ‥‥‥‥‥‥
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥あなた‥‥ホンキで
主張するつもりですか?
被害者が‥‥
<<空を飛んだ>>などとッ!
この、メルヘンティックな
ラクガキをコンキョにッ!
成: (ううう‥‥裁判長、クチビルが
ぶるぶるフルえているぞ‥‥)
ゴ: クッ‥‥
ここまで来て、引っ込めるのは
ナシ、だぜ‥‥
‥‥このラクガキを使って
立証してもらおうじゃねえか。
成: わ‥‥わかっています!
ゴ: アンタ‥‥発想を逆転させるのが
トクイなんだってなァ‥‥
成:‥‥‥!
ゴ: いっそ‥‥逆転させてみるかい?
このラクガキも‥‥
成: (<<逆転>>‥‥なぜ、
ゴドー検事がそれを‥‥‥)
裁: ‥‥それでは、弁護人の
結論をうかがいましょう!
このスケッチに描かれた光景は
‥‥どうなのですかッ!
成: (まちがいは、ユルされない!
よく見ろ! そして、
考えるんだ‥‥!)
‥‥この、天流斎 マシスの
スケッチは‥‥!


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