成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
真: |
『はなれの間で修行の用意をして、 中庭を通りかかったときでした。』(証言1) 『いきなり、あの。だれかにアタマを ポカッて殴られたんです‥‥。』(証言2) 『あたし、よろめいてしまって‥‥ 灯ろうにもたれかかりました。』(証言3) 『思わず『助けてください!』って ‥‥叫んだような気がします。』(証言4) 『次の瞬間‥‥あたしの身体に、何か あたたかいものがふりかかって‥‥』(証言5) 『あたし‥‥そのまま、 気を失っちゃいました。』(証言6) 『灯ろうのあかりで見えたんです。 ワルモノの後ろに、男の人が‥‥』(証言7) |
成: |
あの晩‥‥<<奥の院>>側には、 だれがいたの? |
真: |
そ、それは‥‥も、モチロン、 毘忌尼さんだけだよ! ”あとで、あやめさんも来るから” ‥‥って、言ってたけど。 |
成: |
(ビキニさんは、事件の翌日 葉桜院で、御剣に会っている。 したがって‥‥ <<犯人ではあり得ない>>か) それで‥‥真宵ちゃんは、 あやめさんには会ったの? |
真: |
え‥‥ええと‥‥ どうだったっけなあ‥‥ |
成: |
(‥‥コンランしてるみたいだ。 つかれているせいか‥‥) |
真: |
ううん‥‥。 たしか、会ってないなあ。 たぶん、あたしが修行の用意を してるとき、来たんだと思います。 |
成: | いったい‥‥ダレに! |
真: |
あ‥‥あの。それが‥‥ ‥‥見てないの。 殴られたの、後ろからだったし。 |
成: |
み、”見てない”‥‥? でも! その後、襲撃者は 目の前に立ちふさがったはずだ! ”見てない”はずが ないじゃないか! |
真: |
‥‥うッ! ‥‥そ。そう言われてみれば‥‥ ごめんね。なんだか‥‥ よく、思い出せなくて。 |
成: |
(真宵ちゃん、ツラそうだな。 ‥‥どうしよう) |
成: |
(‥‥現場の状況を 冷静に考えると‥‥ 真宵ちゃんが襲撃者の姿を 見ていないのも、ムリはない) |
ゴ: |
クッ‥‥! アンタにも、”情け”は あるらしいな‥‥ |
裁: |
今までの証言から考えると、 その”襲撃者”の正体は‥‥ |
成: |
天流斎 エリスさんが霊媒した、 美柳 ちなみ‥‥です。 |
裁: |
ふむう‥‥。 ‥‥それでは、証言を つづけていただきましょう。 アタマを殴られてから、 どうなったか‥‥? |
成: |
‥‥聞かせてもらえるかな、 真宵ちゃん。 なぜ、襲撃者の姿を ”見ていない”のか‥‥? |
真: |
‥‥ええと、なんでだっけ。 あれは‥‥そのお‥‥。 あ! そうだ! ”暗かったから”だよ! |
裁: | ”暗かった”‥‥? |
真: |
霊行道の修行では、 よけいな光をきらうんです。 |
裁: |
ふむう‥‥そういえば、 そういう証言がありましたな。 ‥‥事件当時‥‥ <<中庭は、暗かった>>。 |
成: |
(だから、襲撃者の姿が ”見えなかった”わけか‥‥ ‥‥何か、ここに<<秘密>>が あると思ったのにな‥‥) |
裁: |
今までの証言から考えると、 その”襲撃者”の正体は‥‥ |
成: |
天流斎 エリスさんが霊媒した、 美柳 ちなみ‥‥です。 |
裁: |
ふむう‥‥。 ‥‥それでは、証言を つづけていただきましょう。 アタマを殴られてから、 どうなったか‥‥? |
成: | それで‥‥どうなったんだ! |
真: |
あたしの前に、ワルモノが 立ちふさがった‥‥んだと思うの。 |
成: | お‥‥”思う”‥‥? |
真: |
思いっきり殴られて、あたし‥‥ もう、パニックになっちゃって。 アタマの中を、おんなじコトバが ぐるぐる回ってたんです。 |
裁: |
ほほほお‥‥! それは、キョーミ深いですな。 |
成: |
ちなみに、どんなコトバが ぐるぐる回っていたのかな? |
真: |
え‥‥‥。 <<あたしの名前は、綾里 真宵。 1たす1は、2>>‥‥って。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
真: |
あたし、記憶をなくさなかったか どうかが、シンパイだったんです。 ‥‥ホント、おかしいですよね。 イノチを狙われてたのに‥‥ |
裁: |
‥‥本当に、 危ないところでしたね。 それで‥‥あなたは、 どうしたのですかな? |
成: |
<<助けてください>>って 叫んだのは、まちがいないのかな? |
真: |
ど‥‥どうかなあ。 よく、おぼえてないけど‥‥ たぶん、そうだと思います。 |
ゴ: |
クッ‥‥! <<助けてくれ>>と叫んだのが、 そんなにヘンなことかい? |
成: |
(でも‥‥ なんとなく、気になる‥‥ 自分のイノチを狙っている 人間に向かって‥‥ わざわざ<<助けてください>> なんて、叫ぶだろうか?) |
裁: |
‥‥それでは、証人。 証言をつづけてください。 |
真: | え。あ‥‥はい。 |
成: |
(‥‥真宵ちゃんは今、 身もココロもつかれきっている。 あまり、問いつめたくない。 とりあえず、ようすを見よう) |
裁: |
‥‥それでは、証人。 証言をつづけてください。 |
真: | え。あ‥‥はい。 |
成: | も、もしかして、それは‥‥? |
真: |
そのときは、よく わからなかったけど‥‥ たぶん‥‥血、だったと 思います。 |
成: |
(<<襲撃者>>‥‥エリスさんが 霊媒した、美柳 ちなみは‥‥ その瞬間、背中から<<犯人>>に 刺されたわけ、か) |
真: |
そのとき、あたしは コシが抜けちゃっていて‥‥ 雪の上に、座りこんでいたんです。 血は‥‥きっと地面にも、 パッと飛び散ったと思います。 |
成: | じゃあ、そのあとのことは‥‥? |
真: | ‥‥おぼえてません。 |
ゴ: |
どうやって助かったのか‥‥ そいつも、おぼえてないのかい? |
真: |
え‥‥‥‥ めめ、めっそうもないッ! あの‥‥そんなの、 もう‥‥、見当もつきませんっ! |
ゴ: |
‥‥そいつは、 ザンネンだったな。 |
成: |
その<<男の人>>‥‥ いったい、だれだったの? |
真: |
そ、それは‥‥その。 さすがに、見えなかったな。 |
成: |
見えなかった‥‥? (また、か‥‥) |
真: |
だって、灯ろうのあかりなんて、 そんなに明るいわけじゃないから。 |
裁: | <<灯ろう>>‥‥ですか。 |
真: |
奥の院の中庭には、 大きな灯ろうがあるんです! 修験者の修行があるときは、 小さな灯をともすんですよ。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
真: |
ほ、ホラ! よく言うでしょ。 『灯ろう、もと暗し』って! 近くのワルモノは見えずに、 遠くのヒトは見えたわけです! あのとき、中庭には、他に 明かりはなかったから‥‥ |
裁: | ふむう‥‥。 |
成: |
(‥‥真宵ちゃんとは、 もう3年もいっしょにいる。 何かをかくしていれば‥‥ ぼくには、タイドでわかる。 そして、今‥‥ 彼女は、まちがいなく 何かをかくしている!) |
<<犯人>>の正体を‥‥!」 | |
裁: |
‥‥どうやら‥‥ これで、立証されたようです。 やはり、闇の中では 犯人など見えない、ということが! |
成: | え‥‥‥ |
ゴ: |
‥‥アンタ。オレの 思ったとおりだったようだぜ。 一生、アマいカフェ・オ・レを 飲むがいいさッ! |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
(闇の中で<<犯人>>を”見た”‥‥ これは、ジジツだ! ‥‥闇に浮かび上がるもの‥‥ 考えるまでもないだろう!) |
提示していただきましょう。」に合流) | |
真: |
『‥‥気がついたら、あたし‥‥ 奥の院に、寝かされていました。』(証言1) 『中庭に戻ってみると‥‥なぜか 現場はすっかり、変わっていた‥‥』(証言2) 『かがり火が燃えていて‥‥ 死体が、消えていました。』(証言3) 『灯ろうのまわりの雪も、 キレイになくなっていたんです。』(証言4) 『それを、ひとりでやったんだから ‥‥<<男の人>>だって思いました。』(証言5) 『あたしのために‥‥証拠をゼンブ、 かたづけてくれたんだと思います。』(証言6) |
成: |
気を失ったのは、奥の院の <<中庭>>‥‥だったよね? |
真: |
うん。あの‥‥ひ、被害者が 刺された瞬間、だと思う。 |
成: |
じゃあ‥‥真宵ちゃんを 奥の院の中へ運んだのは‥‥? |
裁: |
被害者を背中から刺した<<犯人>> ということになります‥‥! |
ゴ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
真: | あたしも、そう思います。 |
成: |
(犯人が‥‥真宵ちゃんを、 奥の院の中へ運んだ‥‥) |
成: |
もちろん‥‥<<犯人>>が やったことだろうね。 |
真: | ‥‥うん。そうだと思う。 |
成: |
どうして‥‥犯人は、 現場に細工をしたんだろう? 犯人自身にとって、何か 致命的な証拠でもあったのかな。 |
真: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ あたし‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ わかりません。 |
成: |
(‥‥今はまだ、 自信がないみたいだ。 もう少し、情報を集めてから 聞いてみるか‥‥) |
成: |
じゃあ‥‥それまでは、 <<犯人>>を見ていない、と‥‥? |
真: | う‥‥うん。 |
成: |
でも‥‥さっきは、ハッキリ こう言ってたのに。 『襲撃者の後ろに、男の人を見た』 ‥‥って。 |
真: |
‥‥‥‥‥‥ ごめんね‥‥なるほどくん。 |
成: | ま、真宵ちゃんのために‥‥? |
真: |
だって、死体や血のあとが 残っていたら‥‥ 疑われるのは‥‥ あたし、だよね? |
裁: | おそらく‥‥そうでしょうな。 |
成: |
(そして、そうなっていたら‥‥ 被害者の<<正体>>が問題だ。 身元がわかったら‥‥ たいへんなことになっていた。 倉院流霊媒道・家元が、 ひとり娘によって、殺害! きっと、真宵ちゃんは 耐えられなかっただろうな‥‥) |
裁: |
しかし‥‥犯人の行動は ある種、リカイに苦しみます。 そこまでして、あなたを守ろうと した<<理由>>は、なんなのか‥‥? |
真: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
(‥‥たしかに、犯人はかなり、 大がかりなことをしている。 死体を<<振り子>>でわたし、 現場にも、手を加えた‥‥ いったい、なんのために、 そんなことを‥‥? 真宵ちゃんは、気がついて いるのかもしれないな‥‥) |