第3話『逆転のトノサマン』第1回法廷(後編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
荷星 三郎…紺
オバチャン(大場 カオル)…灰
スタッフの子…黄
大滝 九太…黄緑
カントク(宇在 拓也)…橙
姫神 サクラ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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10月18日 午前11時8分
地方裁判所 被告人第3控え室

成: ニボサブさん。
荷: は、はい。
成: 本当に、楽屋にいたんですね?
スタジオには行ってませんね?
荷: あの、行ってません。
その、寝てました。
真: じゃあ、写真に写っていた
トノサマンは、誰なのかなあ?
荷: 知りませんよ、そんなの‥‥。
トノサマンの着ぐるみは楽屋の
すみに置いておいたので、
誰でも持っていこうと思えば
できたと思いますけど‥‥。
真: えー。
なんか、不用心ですねー。
荷: まさか、着ぐるみなんか
盗む人もいないと思いまして‥‥。
‥‥あの。
ボク、どうなんでしょう?
成: かなりヤバいと思いますよ。
荷: え。
成: 今のところ、犯人は
あなたしか考えられませんから。
真: そんなぁ‥‥!
どど、どうするの?
なるほどくん。
成: とにかく、時間をかせごう。
荷星さんの他に、犯行が可能だった
人物を、ムリヤリ指摘するんだ!
真: そうか!
それでゴネて、明日まで
判決をのばすんだね。
成: そう。‥‥指摘を間違えると、
たぶんアウトだ。
荷: な、なんか
苦しまぎれに聞こえますね。
成: いや。ジッサイ、
まぎれもなく苦しいんですよ!
真: あ。なるほどくん、
‥‥時間だよ。
成: じゃ、行こうか。
‥‥ふう。
荷: た、ため息をつかないで
くださいよ‥‥。

裁: では、審理を再開します。
御剣検事。‥‥意見をどうぞ。
御: 検察側の意見は、
カンタンだ。
状況は、何も変わっていない。
スタジオに行った2人目の人物は、
10才ぐらいの少年だった。
たしかに、写真は決定的な
証拠にはならないが、
他に犯行が可能だった人物は
いない。
荷星 三郎に<<有罪判決>>を!
裁: ふむう‥‥。
では、成歩堂弁護士。
‥‥意見をどうぞ。
成: 弁護側の意見は、検察側の
意見とは違います。
犯行が可能だった人物は、
被告の他にもいました!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に。
‥‥それはおもしろい。
さっそく聞かせていただきます。
‥‥ただし。
カンケイない人物を犯人呼ばわり
した場合は、
それなりのペナルティを与えるので
そのつもりで‥‥。
成: (しっかりクギをさされて
しまった‥‥)
裁: 被告人・荷星さん以外に、犯行が
可能だった人物とは‥‥?

(「オバチャン」を選択)
成: 警備をしていた
オバチャンですよ、モチロン!
オ: な、なんだって!
成: この写真のトノサマンは、
足を引きずっている。
つまり、午前中の打ち合わせで、
荷星さんがケガをしたことを、
この人物は
知っていたことになる!
被害者と荷星さん以外に、
そのケガを知っていたのは、1人!
オバチャンしかいません!
オ: な、なァにィィ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
そ、そうなんですか
オバチャン!
オ: き、気やすくオバチャンて
呼ぶんじゃないョ!
成: オバチャンは、正門の前で、
1人で警備をしていた。
逆に言えば、それは
アリバイがないということです。
少しのあいだ、持ち場を離れ、
トノサマンの着ぐるみを盗んで、
殺人現場の第1スタジオに
行くことができたはずです!
裁: な、なぜ、わざわざ
着ぐるみを着たんですか?
成: カンタンなことですよ。
ゲートのカメラに写真を
撮られないようにするためです。
着ぐるみを着れば、荷星さんに
ツミをかぶせることができる!
裁: な、なるほど!
‥‥見事なスイリです‥‥。
成: (よしよし。
ダイセイコウだな‥‥)
‥‥‥‥‥‥‥‥?
(おかしいな。
いつもなら、このへんで
御剣のヤツ‥‥
シャキーンと”異議”を
申し立てるはずなのに‥‥?)
裁: どうですか?
‥‥御剣検事‥‥?
御: ‥‥‥‥‥‥。
今のところ、気のきいた
異議が思いつかない。
オ: ちょ、ちょ、ちょっと!
どういうことョ!
みんな、オバチャンがハンニン
だって言うの!
ミッちゃん!
ダマってないで、助けなさいよ!
成: (さて。どうする?
追い打ちをかけておくか?)

(「追い打ちをかける」を選択)
成: 荷星さんを犯人とする
コンキョは、
そのままこのオバチャンにも
当てはまります!
オ: ど、どうしてオバチャンが
イブクロちゃんを‥‥!
成: 動機が不明という点では、
荷星さんも同じでしょう?
裁: ふむう‥‥。
そのとおりですね‥‥。
成: (これで、オバチャンも
容疑者の仲間入り、だな。
ちょっとキノドクだけど、
荷星さんのためだ‥‥)
オ: 待ちなよ!
あの、スタジオに行った
もう1人はどうなるんだい!
オバチャンが写真のデータを
消しちゃった子供さ!
裁: でも、小学校2、3年生の
少年なんでしょう?
オ: カンケイないね!
オバチャン、そのころにはもう、
お父ちゃんには負けなかったよ!
裁: ふむう‥‥。
どうですか? 弁護人。
成: その少年は犯人ではありません。
オ: 何、言ってんだョ!
コドモだからって、サベツは
よくないと思うねオバチャンは!
成: ‥‥証拠もあります。
オ: な、なんだって!
裁: ほほう。‥‥では、
見せていただきましょう。
少年が犯人ではないという
証拠を。

(「トノサマン・スピアー」を選択)
成: いいですか。
凶器は、トノサマン・スピアー
です。
そして、その凶器は、こうして
写真に写っています。
‥‥少年に、スピアーを
入手することは不可能です!
裁: なるほど‥‥。
どうですか? 証人?
オ: ‥‥‥‥むむむ。
成: (さすがに、返すコトバも
ないみたいだな‥‥)
裁: わかりました!
本日の審理は、ここで
中断したいと思います。
検察側は、この証人‥‥
ええと、名前、なんでしたかな?
御: ”大場なんとか”、だったと
キオクしている。
裁: 検察側は、大場さんの取り調べを
行うように!
‥‥では、
本日はこれにて閉廷!
オ:
ちょっと、待っとくれよ!
そこまで言われちゃ、
ダマってらんないわネ!
オバチャン、しゃべっちゃうよ!
真: あのオバチャン、
まだしゃべる気なの‥‥?
裁: 証人!
‥‥どういうことですか?
何か、証言していないことが
あるんですか!
オ: 実はオバチャンね。
口止めされてたことがあんのョ!
成: く、口止めですって!
御: い、いったい、誰に!
成: (あれ? 御剣じゃないのか‥‥)
裁: と、とにかく、<<証言>>を
しなさい!

(口止めされていたこと)
オ: 『オバチャン、英都撮影所から
口止めされていたことがあるのョ。』(証言1)
『事件があった日、実はあの撮影所
には、他にも人がいたのよねェ。』(証言2)
『その人たち、”ワレワレは事件に
関係ないから”だってサ。』(証言3)
『”撮影所にはいなかったことに
してくれタマエ”なんて言って。』(証言4)
『オバチャンがうたがわれるんなら、
アイツらも巻き込んじゃおうかね!』(証言5)
裁: しょ、証人!
なんでそんなダイジなこと、
今まで言わなかったんですか!
オ: だーかーらー。
口止めされてたんだから、
しょうがないでショ!
裁: ‥‥‥‥‥‥。
成: (トホホ‥‥と思っているに
違いないな‥‥)
裁: 成歩堂くん‥‥<<尋問>>。

(「証言2」をゆさぶる)
成: それは、ダレですかッ!
オ: まず、カントクとプロデューサー。
成: カントク‥‥?
御: オカシイと思うべきだった‥‥。
監督なしで、アクションの
打ち合わせなど‥‥
するはずがない!
オ: そりゃそうよねェ。
成: 彼らは、どこにいたんですか?
オ: カントクは、午前中は
スタッフエリアで打ち合わせ。
お昼からは、プロデューサーと
合流して、会議してたみたい。
御: どこで!
オ: 第2スタジオの、コテージでね。
成: だ、第2スタジオ‥‥?
(初耳だぞ‥‥)
オ: 上面図でいうと‥‥、
ここだね。
ゲートを通って、左に
ずっと行ったところ。
成: (‥‥あの、サルのクビが
落ちていた方面か‥‥)
裁: どうです、成歩堂くん。
‥‥まだ尋問しますか?
成: (聞くべきコトは聞いたと思うけど
どうしよう‥‥)

(「やめる」を選択)
成: 裁判長。
英都撮影所には、事件当日、
他にも人がいました。
カントクに、プロデューサー。
そして、えーと、おエラいさん。
彼らは、取り調べも
受けていない!
この時点で、被告人・荷星さんに
判決を下すことは不可能です!
裁: ふむう‥‥。
弁護人の主張を認めます!
検察側は、まずこの証人、
大場さん。
そして、証言に出てきた
人たちを取り調べるように!
御: ‥‥‥‥
了解した。
裁: 本日の荷星 三郎の審理は、
ここまでとします。
‥‥では、
本日はこれにて閉廷!


10月18日 午後1時4分
地方裁判所 被告人第3控え室

荷: 本当に、
ありがとうございました。
あなた方に依頼したのは
大正解でした。
真: いやいや‥‥、恐縮です。
なーんて。
成: ぼくたちは、これから
また撮影所の方へ調査に行きます。
例の、カントクやらプロデューサー
やらを、調べなくちゃ。
きっと彼らは、次の法廷で
証人として出てきます。
尋問の材料を集めないと、ね。
真: でもさあ、なるほどくん。
結局、トノサマンの中に入っていた
のは、誰だったんだろ?
あのオバチャンだったのかな?
成: どう思います? 荷星さん。
荷: 違うと思いますよ。
真: あたしも違うと思うな‥‥。
成: だ、だから、あれは時間を
かせぐために、
オバチャンに悪役になって
もらっただけだからさ‥‥。
真: ちょっと、カワイソウ‥‥。
成: ま。いいだろ。
じゃ、ぼくたちはすぐ、
英都撮影所に行きますから。
真: またあとで、おじゃましますね!
‥‥留置所に。
荷: は、はッ。
‥‥恐縮です。


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