成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
大沢木 ナツミ…橙 | |
矢張 政志…紺 | |
星影 宇宙ノ介…黄 | |
ボート小屋のオジさん…灰 | |
サユリさん…黄緑 | |
狩魔 豪…紫 |
留置所 面会室 | |
御: |
‥‥なんだ。 あれだけイヤミを言ったのに、 また来たのか‥‥。 |
成: | 御剣。弁護士はどうなった? |
御: |
‥‥‥‥! キミにはカンケイないことだ。 |
成: |
(どうやら、まだ 見つかってないらしいな) |
成: | 御剣。‥‥事件のことだけど。 |
御: |
成歩堂。 ‥‥たのむから、私のことには かまわないでくれ。 |
成: | ‥‥‥‥。 |
御: |
いいかげん、わかってほしい。 強がりや、キミを見下している ワケではないんだ。 キミには、この事件を調べて ほしくない。 |
成: |
なぜ、ひょうたん湖に 行ったんだ? |
御: | キミに教えるつもりはない。 |
成: |
イトノコ刑事にも 教えないつもりらしいな。 |
御: | ! |
真: |
シンパイしてましたよ、 イトノコさん‥‥。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥。 |
御: |
‥‥‥! ‥‥‥‥‥‥。 |
成: | 御剣? |
御: |
‥‥キミがおとずれてから、 たかだか数時間‥‥。 それなのにもう、そこまで たどりついてしまったのか‥‥。 さすがだよ。 ‥‥成歩堂 龍一。 ムカシからそうだ。 キミは、一度決めたことは かならず、やりとげる男だったな。 |
成: | ”DL6号事件”‥‥。 |
御: |
そうだ‥‥”DL6号事件”。 この事件‥‥キミにだけは、 知られたくなかった。 だから、キミの弁護の申し出を ことわった。 キミをバカにするようなことを 言って、 この事件に近づかないように したつもりだったのに‥‥。 |
成: | ‥‥メイワクだったか‥‥? |
御: |
わからない。 ‥‥だが。 ここまできて、キミにかくしごとを するのは、もう意味がない。 よかろう。 なんでも聞いてくれたまえ。 ‥‥答えさせてもらうよ。 |
御: |
”DL6号事件”‥‥ 父が亡くなった事件だ。 私の目の前で、な‥‥。 父は、私の目の前で撃たれたのだ。 |
真: | ‥‥‥‥! |
御: |
実は、そのときの記憶は、 ハッキリしない。 私のココロの中で、かたく 閉ざされている。 とにかく、容疑者として、 1人の男が逮捕された。 状況から考えて、父を 撃てたのは、そいつだけだった。 父の霊を呼び出した霊媒師も、 犯人はその男だと言っていた。 そいつを弁護して、無罪にした のが、生倉弁護士だ。 |
成: | 今回の事件の、被害者だな? |
御: | そうだ。 |
真: |
あの‥‥。 その霊媒をしたの‥‥、あたしの 母、なんです‥‥。 |
御: |
なんだって! キミが‥‥? ‥‥‥‥ フシギなものだな。 事件が終わろうという 今になって、こんなことに‥‥。 |
成: | 事件が‥‥”終わる”? |
御: |
”DL6号事件”は、15年前に 起こった。 15年前の、12月28日だ。 |
真: | 12月28日‥‥? |
御: | ‥‥あと3日で、時効なんだよ。 |
成: | なんだって! |
真: |
なるほどくん? ‥‥”時効”って? |
成: |
時効が成立すると、もうその 事件は、なかったことになるんだ。 |
御: | ‥‥あと、3日で‥‥。 |
真: |
その、ムザイになった”容疑者” って、どうなったんですか? |
御: |
‥‥わからない。 世間からすがたを消して、 そのあとのことは誰も知らない。 生きていれば、今年で50才 ぐらいだろうな‥‥。 |
成: |
(それだけ大きな事件の 容疑者だったんだ‥‥ きっと、まともな生活は 送れなかったんだろうな) |
真: |
あの、あの、お父さんて、 弁護士さんだったんですよね? |
御: |
‥‥‥‥そうだ。 御剣 信(みつるぎしん)。 当時は有名だったようだ。 |
真: |
御剣検事も、お父さんを めざしていた、とか‥‥。 |
御: |
‥‥‥‥ ムカシの話だ。 |
御: |
‥‥フッ。 こんな写真があったとはな。 |
成: |
御剣‥‥。 お前、撃ったのか? |
御: |
‥‥‥‥。 キミはどう思う? 成歩堂。 |
成: |
お前は、誰かに 銃を向けられる男じゃないよ。 |
真: | ‥‥撃ってませんよね? |
御: |
ああ。 ‥‥私じゃない。 ‥‥‥‥‥‥‥‥ 成歩堂。 |
成: | ? |
御: |
今さらこんなことを たのむのも、あつかましいが、 |
真: | わかった! ”ベンゴ”ですね! |
御: | ‥‥おねがいできるだろうか。 |
成: | やっとそのコトバが聞けたな。 |
御: |
まさか、こんな日が来るとは 思わなかった。 |
成: |
これでやっと、”借り”を 返せるな‥‥御剣。 |
真: | ”かり”‥‥? |
御: |
‥‥‥‥? なんのことだ? おぼえがないぞ‥‥。 |
成: | いいんだよ、それでも。 |
御: |
‥‥‥‥フッ。 依頼状を書いた。 ‥‥糸鋸刑事にわたしてくれ。 |
ポケットにしまった。 | |
成: |
‥‥じゃあ、そろそろ‥‥。 ‥‥‥‥? な、なんだ‥‥? |
真: |
じ‥‥地震だよ! なるほどくん! お‥‥大きいよ‥‥! わわわわわ‥‥。 ‥‥よ、弱まってきたね‥‥。 ‥‥‥‥‥‥ ううう‥‥ビックリした‥‥。 |
成: |
‥‥‥‥? あれ? 御剣は? |
真: |
‥‥‥‥ いた。 床にうずくまって、 ふるえてるよ。 キライなのかな、地震? |
成: |
(そんな話、 聞いたことないけど‥‥) |
真: |
まあ、いいか。 検事さん、コシがぬけて 立てないみたいだし。 ‥‥行こ、なるほどくん。 |
成: |
ああ‥‥。 御剣からもらった依頼状、 イトノコ刑事にわたさなきゃな。 |
警察署内 刑事課 | |
糸: | どういうことッスか! |
真: | きゃっ! |
成: | ど、どうしたんですか? |
糸: |
さっき、ヘンな女が たずねて来たッス! ”なるほどーさんの しょうかいで来ましてん”とか 言ってたッス! |
成: | (‥‥ナツミさんか‥‥) |
糸: |
目撃者、ふやして どーするッスか! 御剣検事を死刑にする気ッスか! |
成: |
い、いや、でも‥‥。 見ちゃったモノは しょうがないですよ。 かくすワケにもいかないでしょう? |
糸: |
ううううう。 ‥‥それは、キベンッス! |
成: | いやいやいや。 |
成: | それで‥‥ナツミさんは、なんて? |
糸: |
御剣検事がピストルを撃つところを 見ていたそうッス。 |
真: | ええッ! |
糸: | しかも、証拠写真まであったッス。 |
成: |
ああ。 ‥‥それならぼくも見ましたよ。 この写真じゃあ、誰が撃ったか 見えませんけどね‥‥。 |
糸: |
彼女、これからその写真を 拡大するって言ってたッス。 画像はアラくなるけど、もう少し ハッキリするはずや! ‥‥とか。 |
真: | カ、カクダイ‥‥。 |
成: |
(間違いなく、御剣に不利な証拠 として、拡大写真が出てくるぞ。 ‥‥マズいなあ) |
糸: |
とにかく、明日の証人は 彼女ッス。 |
真: |
あれ? もう1人の目撃者は どうしたんですか? |
糸: |
それが‥‥。 とりあえず、キャンセルに なったみたいッス。 |
成: | (”キャンセル”‥‥?) |
糸: |
明日は、御剣検事にとっては、 いきなり絶体絶命ッス。 目撃者は、ハッキリ犯行の シュンカンを見ていると言うし、 発砲したときの写真まで 出てくるッス。 |
成: |
(‥‥どう考えても、 勝てそうもないぞ‥‥ でも‥‥。 千尋さんが教えてくれた。 アイツが無罪なら、どこかに 見落としがあるんだ‥‥) |
糸: |
御剣検事は、国選弁護人を たのむつもりらしいッス。 さっき、手続きをたのまれたッス。 でも、まだ間に合うッス! もう一度、検事に会って ほしいッス! そして‥‥アンタが! アンタが、彼の弁護をするッス! おねがいッス! 彼を助けられるのは、 アンタしかいないッス! |
成: | もらってきましたよ。これ。 |
糸: |
‥‥‥‥ それッス! ‥‥ギリギリまで待った カイがあったッス! じゃあ、さっそく手続きを しておくッス! |
成: |
おねがいします。 ‥‥じゃあ、明日、法廷で。 |
糸: |
よろしく、たのむッス。 おっ! そういえば、さっき地震が あったッスが、 だいじょうぶだったッスか? |
真: |
やだなあ。 地震ぐらい、どうってこと ないですよお。 |
糸: |
アンタたちじゃないッス。 御剣検事は、だいじょうぶ だったッスか? |
成: |
(‥‥そういえば‥‥) なんか、オーバーに こわがっていましたけど‥‥。 |
糸: |
ううん‥‥。さっきの地震は ちょっと大きかったッスからね。 ちょっと、見てくるッス。 アンタたちは、明日にそなえて メシ食って寝るッス。 じゃッ! |
真: |
‥‥‥‥ どういうこと? なるほどくん? 御剣検事、地震がニガテなの? |
成: |
‥‥さあ。 そんなの、聞いたことないぞ。 (ぼくたちがいっしょだったのは、 小学4年生の1年間。 その後、御剣は転校していった。 ‥‥いったい、やつの身に 何があったんだろうか‥‥) |