第4話『逆転、そしてサヨナラ』第1回法廷(その1)

表セリフ集一覧に戻る

成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
大沢木 ナツミ…橙
矢張 政志…紺
星影 宇宙ノ介…黄
ボート小屋のオジさん…灰
サユリさん…黄緑
狩魔 豪…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


←この前のセリフ



12月26日 午前9時44分
地方裁判所 被告人第2控え室

成: ‥‥カルマ?
御: そう。
狩魔 豪(かるまごう)検事。
‥‥この40年間、まだ一度も
負けたことがない。
まさに、奇跡を生きる男だ。
真: い‥‥一度も‥‥?
御: 彼は、有罪判決のためならば
それこそ、なんでもする。
成: なんか、お前みたいだな、御剣。
御: ‥‥フッ。
わかっていない。
彼はまさに”なんでも”する。
‥‥恐ろしい人なんだ。
成: (証拠をデッチ上げるような男が
ナニを言ってるんだよ‥‥)
御: 私は、彼の下で”検事”というもの
をテッテー的に、たたきこまれた。
成: な、なんだって!
御: 私の10倍タチの悪い男、
と考えてもらいたい。
真: うえー‥‥。
じゃあ、じゃあ、御剣さんの
お師匠さんなんですか? その人。
御: うム、‥‥まあ、そんなものだな。
真: ヒドい人だね。カワイイ弟子を
有罪にしようなんて‥‥
あ、それとも。
ワザと手を抜いて、御剣さんを
ムザイに‥‥
御: ‥‥言ったはずだ。
彼は、この40年間、
負けたことがない。
そして、
私の20倍、タチが悪いんだ。
真: ‥‥サイアクだぁ。
御: 私にとっては、神のような存在だ。
成: (ぼくにとっての千尋さん
みたいなもんか‥‥
千尋さんといえば‥‥)
あのさ。
真: なあに?
成: こんなときこそ、千尋さんの
チカラを借りたいと思うんだけど。
真: ‥‥う。
成:
真: ダメなの。
‥‥がんばってみたんだけど、
お姉ちゃんに、とどかないの。
成: ”とどかない”?
真: 最近、修行の方も
お休みしてるから‥‥
霊力が、また弱く
なっちゃったみたい‥‥。
成: ‥‥こまったな‥‥
このカンジンなときに。
真: ‥‥ゴメンね。
なんとか、がんばってみるから。
成: たのむよ。
御: ‥‥何をコソコソやっている?
成: い、いや‥‥なんでもない。
そろそろ時間だな。
‥‥行こうか。


12月26日 午前10時
地方裁判所 第3法廷

裁: これより、御剣 怜侍の
法廷を開廷します。
成: 弁護側、
準備完了しています。
狩: ‥‥‥‥‥‥。
裁: あの‥‥狩魔検事。
準備の方は‥‥?
狩: ‥‥‥‥
愚か者め‥‥。
準備もなく、このワガハイが
ここに立つわけがなかろう。
裁: は、はい。
‥‥スミマセン。
成: (弱ェ!)
裁: あ、では、
冒頭弁論をおねがいします。
狩: ‥‥‥‥
決定的な証拠。
決定的な証人。
‥‥他に何か、必要なものは?
裁: あ‥‥いえ。それで
じゅうぶんだと思います。
では、さっそく証人を
呼んでいただきましょう。
真: な、なんか”カク”が
違うよ、あのヒト‥‥。
成: ヤダな、あんなのと
やり合うのかよ‥‥。
狩: 捜査にあたった
イトノコギリ刑事を。
成: (‥‥イトノコさんか‥‥)
狩: まず、事件の説明をしたまえ。
糸: は‥‥はッ!
成: (イトノコさん‥‥
キンチョーしてるみたいだな)
糸: では、その、上面図を
見ていただくッス。
事件は、クリスマスイブの
深夜、零時ごろ起こったッス。
湖の中央に、ボートが1つ。
ボートの上には、男が2人。
午前零時10分ごろ、
ここでキャンプをしていた女性が、
2発の銃声を聞いているッス。
ボートは、貸しボート小屋の方へ
逃げて行ったッス。
狩: ウム。

証拠品<<上面図>>を
法廷記録にファイルした。
狩: では、逮捕したときの
状況を<<証言>>したまえ。
裁: あ、ちょ、ちょっと!
狩魔検事。
狩: 何かね。
裁: いちおう、この法廷は
私が進行役ですので‥‥。
狩: キサマのすべきことは、1つ。
その木づちをたたいて
”有罪”と言えばよい。
裁: は、はあ。
‥‥了解しました。
成: (了解するなよ!)

(御剣を逮捕するまでのこと)
糸: 『あれは零時30分すぎだったッス。
署に、男から通報が入ったッス。』(証言1)
『ワレワレはパトカーで
現場に急行したッス。』(証言2)
『そこでワレワレは、
御剣検事と会ったッス。』(証言3)
『まさか、御剣検事が
アヤシイとは思わなかったッス。』(証言4)
『しかし‥‥翌朝、湖から
男の死体が見つかって‥‥、』(証言5)
『‥‥ケッキョク、御剣検事を
逮捕することになったッス‥‥。』(証言6)
裁: ふむう‥‥。では、
狩: <<尋問>>をしてくれたまえ。
‥‥弁護士。
裁: ‥‥‥‥‥‥。

(「証言5」をゆさぶる)
成: 死体には、何か
手がかりがありましたか?
糸: 死体から、弾丸が1発
見つかったッス。
心臓を撃ち抜いていたッス。
‥‥それが致命傷ッス。
狩: 裁判長。
その”弾丸”を提出しよう。
うまくホネをはずれていたので、
しっかり原型をとどめている。
裁: わかりました。‥‥受理します。

証拠品<<ピストルの弾丸>>の
データを法廷記録にファイルした。

(「証言6」をゆさぶる)
成: ど、どうしてですか?
糸: ボートから、凶器が
発見されたッス。
成: 凶器‥‥?
糸: ピストル‥‥ッス。
裁: 証人。
それは重要なことです。
証言しなおしてください。
糸: わ‥‥わかったッス。
『ボートから見つかった凶器が
決定的な証拠になったッス。』(証言・補足)

(「証言・補足」をゆさぶる)
成: なぜ、それが”決定的”
なんですか?
狩: クックックッ‥‥。
成: (‥‥うわあ‥‥御剣ソックリな、
イヤな笑い‥‥)
糸: ボートから見つかったピストルには
指紋があったッス‥‥。
御剣検事の右手の指紋が、
ハッキリと‥‥。
成: な‥‥なんですって!

(ざわめきが起こる)
裁: せ、静粛に! 静粛に!
凶器に、御剣検事の指紋が
ついていたんですか!
糸: は‥‥はッ。
狩: 裁判長。
‥‥これが問題の凶器だ。
裁: じゅ‥‥受理します。

証拠品<<ピストル>>のデータを
法廷記録にファイルした。
狩: よろしいか。
‥‥これで、凶器の<<ピストル>>と
<<弾丸>>がそろったわけだ。
刑事。
糸: はは、は、はッ!
狩: 死体から発見された弾丸は、
そのピストルから撃たれたものか?
糸: はッ。弾丸の線条痕が、その
ピストルと一致したッス。
裁: ‥‥ふむう‥‥。
真: ね、ね。なるほどくん。
なあに?
”せんじょうこん”って。
狩: おどろいたな‥‥
この場に、線条痕も知らない
ドシロウトがいようとは‥‥。
真: うわぁ‥‥。こっち、ニラんでるよ
なるほどくん‥‥。
成: (やれやれ‥‥)
狩: ふぅ‥‥いたしかたない。
説明してやろう。
‥‥裁判長。おねがいする。
裁: えッ! わ、私が‥‥?
‥‥‥‥
あー、オホン。
線条痕というのは、ピストルの
”指紋”みたいなものです。
ピストルで撃たれた弾丸には
必ず、銃身によるキズがつきます。
そのキズを調べれば、弾丸が
どのピストルから撃たれたかが、
ハッキリ特定できるのです。
狩: そう。
そして、この被害者の心臓から
見つかった弾丸は、
間違いなく、このピストルから
発射されているのだ。
この、被告人の指紋がベッタリ
ついているピストルから、な。

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に! 静粛に!
成: (まずいな‥‥
これじゃあ、御剣が撃ったとしか
考えられないぞ‥‥!)
狩: いかがか? 裁判長。
裁: ほぼ、決定的といって
いいでしょう。
正直なところ、この時点で、
判決を下すことも可能です。
しかし。
狩: 目撃証人の証言も気になる、と。
‥‥了解した。
では。
ワガハイ、少しつかれたので、
ここで休憩をとろう。
証人を呼ぶのは、それからで
よかろう。
休憩は10分でいいかな。
‥‥裁判長!
裁: は、はい?
狩: 何をしている。
10分間、休憩だ。
裁: い、いや、それは‥‥。
狩: 早く、そのウスぎたない
木づちを鳴らさんかッ!
裁: はいィッ!
では、ここで10分間の休憩を
とります。
成: (‥‥イイのか? コレで!)


12月26日 午前11時9分
地方裁判所 被告人第2控え室

成: 御剣! どういうことだよ!
凶器のピストルには、
お前の指紋がついてたんだぞ!
御: う‥‥ううむ‥‥。
成: しかも、この写真を見れば
わかるとおり、
被害者を撃つことができたのは
この写真の男しかいない!
御: ‥‥たしかに‥‥。
成: このボートに乗っているのは、
お前なのか?
御: ‥‥‥‥
そうだ。‥‥それは、私だ。
成: なんてこった‥‥。
御: しかし‥‥信じてくれ。
私は撃っていない。
成: じゃあ、いったい誰が!
御: それが‥‥よくわからない。
成: ‥‥わからない?
目の前で見ていたんだろう!
御: ‥‥‥‥
いきなり、至近距離で
銃声が聞こえたんだ。
そして、あの男はボートから
落ちた。
‥‥なぜかは知らんが‥‥、
あの男は、自分で自分を
撃ったのではないだろうか‥‥。
成: じ‥‥自殺だ、っていうのか?
御: ‥‥‥‥
それしか考えられない。
成: ‥‥ううん。
(そんなことが、あるのか?)
‥‥ところで、真宵ちゃん?
真: え‥‥な、なに?
成: 千尋さんは?
真: ううう‥‥。
ごめんなさい。
‥‥ダメ、みたい‥‥。
成: ‥‥ううん。
真: なるほどくん。
‥‥やっぱり、あたしじゃ
なんにもできないのかな?
お姉ちゃんのいない
あたしなんて、意味ないのかな?

(「そんなことはない」を選択)
成: そ、そんなことはないよ。
一生けんめい助けようと
してくれているのはわかるから、
そのキモチだけでも‥‥
真: ムリしなくていいよ、
なるほどくん。
あたし、弁護のことなんて
なんにも知らないもんね。
霊媒師なのに、霊も呼び出せ
ないんだもん‥‥。
成: ‥‥誰だって、調子がワルい
ときはあるよ。
ぼくだって、今はたまたま
うまいコトやってるけど、
こんなの、いつまでつづくか
わからないんだからさ!
真: ‥‥ホント?
御: ななな、成歩堂!
フキツなコトを言うな!
‥‥心臓にワルい。
成: ははは。
(マイったな‥‥)

裁: では、審理を再開しましょう。
狩魔検事。
‥‥証人をおねがいします。
狩: ウム。
では、大沢木 ナツミを
入廷させてほしい。

狩: 大沢木 ナツミ。
大学の研究生をしている?
ナ: はい。
狩: さっそくだが、事件の夜、
目撃したことを話してもらおう。
よけいなことは、いっさい
ハブいてもらいたい。
いいな。
ナ: ‥‥‥‥
なんやアンタ、そのタイドは‥‥
狩: ‥‥いいな。
ナ: ‥‥え、ええわ。わかったワ。
裁: えー、では。
‥‥<<証言>>をおねがいします。


次へ→