第1話『失われた逆転』第1回法廷(その1)

表セリフ集一覧に戻る

成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
須々木 マコ…橙
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
亜内検事…茶
諸平野 貴雅…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


成: ‥‥はあ‥‥ はあ‥‥
‥‥くそっ!
なんでぼくがこんな目に‥‥

‥‥そこまでだ!‥‥
‥‥もう、逃がしませぬぞ‥‥
成歩堂 龍一ッ!
成: い‥‥いったい、
ぼくが何をしたと言うんですか!

‥‥あなたを生かして
おくわけには行かない‥‥
成: で、でもぼくは、
ただのしがない弁護士ですよ‥‥?

問答無用ッ!
‥あなたを弁護士とは認めません‥


9月 8日 午前 9時 8分
地方裁判所 被告人第1控え室

成: ‥‥ひ、ひどいユメだった‥‥
もしかして、
この着信メロディーのせいか?
開廷前に、イネムリなんて
するもんじゃないな‥‥。
電: ‥‥ピッ‥‥
成: あれ。
‥‥切れちまった‥‥か。
?: ‥‥やれやれ‥‥
やっと見つけたよ‥‥。
‥‥危ないところだったぜ。
悪く思わないでくれたまえよ‥‥
センセイ。


同日 数分後
地方裁判所 被告人第1控え室

成: ‥‥‥‥‥‥
アタマが‥‥ズキズキする‥‥。
それに、なんか‥‥
カスミがかかったような‥‥
?: おはよーございますッ!
成: うわっ!
は、はあ‥‥。
おはようございます‥‥。
?: どうしたんですかッ!
元気ないですよッ!
ニンゲン、朝一番がカンジンです!
ホラ、ファイトファイト!
成: ‥‥うう、すまないけど
ドナらないでくれるかな。
なんか‥‥、アタマいたくて。
?: はッ! 了解しましたッ!
成: ‥‥‥‥
?: ‥‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥あの。何か‥‥?
?: は? 何か、と言いますと?
成: い、いやいや。
きみ、婦警さんでしょう?
何かぼく、悪いコトでも
しちゃったのかな、って‥‥。
?: なな、ナニ言ってるんですかッ!
ごヤッカイになるのは、
アタシの方ですよッ!
成: ‥‥え?
マ: 今日はスズキ マコ、成歩堂さんに
この命を預けますからねッ!
成: い‥‥イノチ‥‥?
マ: ヤクソクしてくれましたよね!
かならず無罪にしてくれるって!
成: む‥‥ムザイ‥‥?
マ: あらゆる弁護士に見捨てられて、
もーダメ、って思ったそのとき!
『ぼくにまかせろ!』のヒトコト。
‥‥あの、成歩堂 龍一がッスよ!
めちゃカンドーしたッス!
ナミダしたッス!
スズキ、一生忘れないッス!
成: (ナニを言ってるんだこの子‥‥)
マ: じつはスズキ、法廷マニアッス。
特に成歩堂さんの大ファンッス。
非番のときは、よく傍聴に‥‥
‥‥‥‥?
どーしたんですか、さっきから?
アタシのカオばっかり見て。
スズキ、ちょっぴりテレるッス。
成: あ、ご‥‥ごめん。
(うーん‥‥これを尋ねると、
エラいコトになりそうだけど)
あの‥‥悪いんだけどさ‥‥。
どなたでしたっけ? きみ。
マ: ええええええッ!!
成歩堂さん! それはないです!
被告席に立とうという女の子に、
そんなジョークかますなんて‥‥
‥‥ヒドいッ!
成: いや、あの。
マ: それが弁護士のするコトですかッ!
スズキ、信じられないッス!
成: いや。だから。
‥‥人ちがいだよ、弁護士なんて。
だってぼくは‥‥
マ: ”ぼくは”‥‥なんですか?
成: ‥‥‥‥‥‥
‥‥ぼくは‥‥‥‥ダレだ?
(な‥‥ナニも思い出せない‥‥)
係: そろそろ開廷時間です。
被告人と弁護人は、
すぐ法廷に入りなさい!
マ: ホラ! もう時間ですよ!
よろしくおねがいしますねッ!
成: (‥‥これってやっぱり
”記憶喪失”ってヤツだよな‥‥
とにかく、これまでの話を
まとめてみよう‥‥
とりあえず‥‥
どうやらぼくは、弁護士らしい。
そして、
この子を無罪にするなんて‥‥
そんなムセキニンな
約束をしてしまっているようだ)
‥‥だれか、教えてくれ!
コレはいったい、
なんの冗談なんだ!
(しかしそれは、あらゆる意味で
なんの冗談でもなかった‥‥)


同日 午前10時
地方裁判所 第2法廷

裁: では、須々木(すずき) マコ
の法廷を開廷します。
亜: 検察側、
準備完了しております。
成: ‥‥‥‥‥‥‥
裁: どうしましたか? 弁護人。
成: え? あ‥‥。
もしかして、ぼくですか‥‥?
裁: 他に弁護人がいますか?
成: (‥‥いないのかなあ、
やっぱり‥‥)
裁: で、どうなんですか?
できていますか、準備の方は?

(「はい」を選択)
成: (とりあえず『はい』って
言っておくか‥‥)
裁: できていますね?
成: はい!
(‥‥って、待てよ‥‥
彼女、”イノチを預ける”とか
言ってたよな‥‥
イイカゲンなことは
言えないぞ‥‥)
すみませんけど、
じつはぼく、キオクがですね‥‥
裁: 弁護人のつごうは聞きません。
被告が婦人警官ということで、
この事件は注目されています。
したがって、ジンソクに
解決しなければならない。
前もって、そう言ったでしょう。
忘れたとは言わせませんよ!
成: (忘れたと言わせてくれぇ‥‥)
裁: では、亜内検事。
冒頭弁論をおねがいします。
亜: はっ。
ごぞんじのように、被告人は
恋人を殺害した罪に問われている。
しかもその恋人とは、あろうことか
自分と同じ警察官だったのです!
成: け、警官を‥‥。
き、きみ、そんなヒドいコトを!
マ: アタシじゃないですよッ!
それに、その。
ベツに町尾さんとは‥‥
コイビトとか、そんなんじゃ
なかったッス。
亜: ‥‥とにかく。
検察側は、被告の犯行を
カンペキに立証するでしょう!
裁: わかりました。
ではさっそく、最初の証人を
呼んでもらいましょう。
亜: ふっふっふっ‥‥。
ひさしぶりですね、成歩堂くん。
どれだけ成長したか、
私が見てあげましょう。
ムネを借りるつもりで
かかってきなさい!
成: ‥‥はあ。
(ダレなんだよアンタも!)
亜: では、イトノコギリ刑事を
入廷させてください。
マ: さあ、おねがいしますねッ、
成歩堂さん!
成: (逃げ場なし。
カクゴを決めるか‥‥!)

亜: 証人。名前と職業を。
糸: 自分は、糸鋸 圭介
(いとのこぎりけいすけ)ッス。
所轄署の、殺人事件捜査担当の
刑事ッス。
裁: 元気がありませんね、証人。
糸: その‥‥。被告のマコ巡査は、
自分の部下だったッスから‥‥。
成: ブカだったの?
‥‥あの刑事さんの。
マ: はッ! 研修時代に、
めんどうを見てもらったッス!
スズキ、一生忘れないッス!
スバラシイ刑事(デカ)ッス!
成: (‥‥どうやら、しゃべりかたに
教育の成果が見られるな)
亜: では、刑事。
まず、かるく事件の
説明からおねがいしましょうか。
糸: 了解ッス。
事件は、ワレワレの署の近くの
<<わんぱく公園>>で起こったッス。
被害者は、派出所の警察官、
町尾 守(まちおまもる)。
おそらく、上のベンチのあたりから
突き落とされたッス。
全身を強く打って、
クビのホネが折れていたッス。
亜: くわしいことは、きのう
みなさんに提出した報告書に‥‥。
裁: ‥‥ああ、そうですね。
この解剖記録ですか。
成: (‥‥もらったおぼえ、
ないんだけど‥‥)
裁: この報告書によると、
死亡推定時刻が、イヤに
ハッキリわかっていますね。
糸: 被害者の腕時計が、転落の際に
止まっていたッス。
解剖の結果とも一致したので
ビシッと時間がわかったッス。
亜: では、裁判長。
本日は、この現場写真を
提出いたします。
裁: わかりました。
受理しましょう。

証拠品<<現場写真・1>>のデータを
法廷記録にファイルした。
裁: それから‥‥きのうの
予備審問の際に、
かなり重要な証拠品について、
お話がありましたね。
亜: はい。
糸: そッス。
成: そうでしたっけ。
裁: なんですかッ!
あんな重要なコト、忘れたと?
死体の下から、重要な
証拠品が見つかったでしょう!
成: そうなの?
マ: な、ナニ言ってるんですかッ、
成歩堂さん!
成: それがその‥‥。
キ、キンチョーしてるせいか、
ちょっと忘れちゃって。
マ: ええええッ!
そんな、シロートさん
みたいなコト、言っちゃダメッス!
‥‥‥‥‥‥
了解ッス!
このスズキ、ひとハダ脱ぐッス!
そういうときは、法廷記録を
見るといいと思いますよ!
成: ‥‥ほうていきろく?
マ: そッス! 証拠品や関係者の
データが、ゼンブそろってるッス!
Rボタンで、いつでも
見られますからね!
成: ‥‥Rボタン。
くわしいね、きみ。
マ: これでも、婦警さんッス!
そしてさらに法廷マニアッスから。
裁: 弁護人。
成: は、はい!
裁: 審理中です。
おしゃべりしない!
成: す、すみません‥‥。
(とにかく、法廷記録はチェック
しておいたほうがいいな‥‥
Rボタン‥‥だっけ?)
裁: 念のため、弁護人に
聞いておきましょう。
被害者の死体の下から発見された
証拠とは、なんですかな?

(「メガネ」を選択)
成: それはもちろん‥‥
こわれたメガネ、ですね。
裁: ‥‥そのとおりです。
糸: つき落とされた瞬間、被害者は
犯人のメガネをむしり取ったッス。
そして、それを握りしめたまま
転落したッス。
成: ‥‥‥‥‥‥。
マ: なな、なんですか
その冷たい視線はッ!
成: きみが今かけてる、
そのメガネは‥‥?
マ: うううう。
こ、これはたしかに
スペアのメガネッス。
でも! 現場にあったメガネは
アタシのじゃないッス!
成: え。
きみのじゃない‥‥?
マ: あたしのは、事件のあった日、
グーゼン踏みつぶしちゃって‥‥。
成: (グ、グーゼン‥‥)
亜: うふふふふふふふふふふふふふふふ
‥‥裁判長。
証拠は、メガネだけじゃ
ありませんぞ。
裁: ほお。‥‥それはすごい。
亜: さらに決定的な
証拠があるのですよ。
裁: よろしい!
では、その”証拠”について、
証言してもらいましょう。

(決定的な証拠)
糸: 『死体の下から見つかったメガネより
さらに強力な証拠があるッス。』(証言1)
『被害者はデート中、ベンチのあたり
から突き落とされたッスが‥‥、』(証言2)
『その際、犯人の名前を地面に
書き残していたッス。』(証言3)
『ハッキリと被告の名前が
”鈴木”と書かれていたッス。』(証言4)
『この証拠とメガネをあわせて、
彼女を容疑者として逮捕したッス。』(証言5)
亜: 裁判長。これがその写真です。
裁: これは‥‥!
たしかに”スズキ”と
書いてありますね‥‥。
亜: この写真を、証拠として
提出したいと思います。
裁: わかりました。受理します。

証拠品<<現場写真・2>>のデータを
法廷記録にファイルした。
成: メガネだけでもじゅうぶん
アヤシイのに、
名前まで書き残されてる
じゃないか! 被害者に!
マ: だだ、だから、あのメガネは
アタシのじゃないんです!
成: ‥‥じゃあ、
”スズキ”のほうは?
マ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ワナッス!
これはもう、インボーッス!
裁: ‥‥では、弁護人。
尋問をおねがいします。
成: ‥‥じ、じんもん‥‥?
マ: いよいよホンバンッスね!
スズキ、キタイしてるッス!
成: ‥‥と言われても‥‥
何をすればいいのかな。
マ: ええええええええええっ!
らしくないッス!
いつもの成歩堂さんなら、
今ごろもう、ガンガン証人を
しめ上げているはずッス!
成: しめ上げる‥‥って、
どうやって!
マ: しかたないッス!
成歩堂さんのピンチ! ここは
スズキ、ひとハダ脱ぐッス!
検察側の証人たちはみんな、
何かをかくしていたり、
ときにはウソをついていたり
するんです!
成: ウソ‥‥?
でも‥‥あの刑事さん、
上司なんだろ? きみの。
マ: 本人にウソをつく気がなくても、
”思いちがい”ということが。
成: ‥‥ああ、なるほどね。
あの刑事、そそっかしそうだし。
マ: ウソでも思いちがいでも、
こっちには同じコトッス!
とにかく尋問では、
証言のウソを暴くッス!
裁: 弁護人。早く尋問を。
‥‥おねがいします。
成: は‥‥はい!
(‥‥いきなり絶体絶命かよ!
とにかく”ウソを暴け!”が
キーワードだな‥‥!)


次へ→