成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 真宵…青 | |
須々木 マコ…橙 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
亜内検事…茶 | |
諸平野 貴雅…紫 |
成: |
‥‥‥ ‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: | ど‥‥どうかしましたか? |
成: |
‥‥‥‥‥‥ (なんだ、この感じ‥‥ 気がついたら思わず叫んでいた! ‥‥”異議あり”って‥‥ それもハラの底から、大声で。 人さし指までつきつけて! 感じるぞ‥‥体中にチカラが みちていく!) ‥‥証人ッ! |
糸: | なな‥‥な、なんスか? |
成: |
被告人の名前を 言ってみてください! |
亜: |
そんなこと‥‥ なんの意味もありませんぞ! |
成: |
とんでもない! 非常に重要な 意味があります。 じゃあ、検事さんでもいい。 ‥‥被告の名前を。 |
亜: |
なな、なんなんですか その妙なハクリョクは‥‥。 ひ、被告の名前ですか? ‥‥スズキ マコ、でしょう? |
成: |
カタカナではなく、 漢字でおねがいします。 |
亜: |
かか、漢字‥‥? それはもちろん、『須々木 マコ』 いいッ!! |
成: |
‥‥おわかり いただけたようですね。 |
裁: | ど、どういうことですか! |
糸: | ゼンゼンわからねッス! |
成: |
いいですか! 被害者が書き残した名前は、 漢字で”鈴木”と書かれていた。 しかし、被告の名前は ”須々木 マコ”です。 これはあきらかに、 ムジュンしています! |
裁: | ああああっ! |
糸: | ゼンゼン気がつかなかったッス! |
亜: |
し、しかし‥‥! それはたまたま、被害者が 正しい名前を知らなかった‥‥ |
成: |
検事はさきほど、こう言いました。 『被告人は、恋人を殺害した 罪に問われている』‥‥。 コイビトの名前を 知らないはずがない! |
亜: | むぐぐゥッ! |
裁: |
たしかに、そのとおりです。 亜内検事! |
亜: | は‥‥はっ? |
裁: |
そもそも‥‥被告人と 被害者の町尾 守くんは、 本当に恋愛関係にあったのですか? |
亜: |
は、はあ‥‥。そのはずです。 警察署内でも、有名なカップル だったそうで‥‥。 |
裁: |
では、イトノコギリ刑事。 証言してください。 被告人と被害者の関係について。 |
糸: | 了解ッス‥‥。 |
糸: |
『町尾巡査とマコ巡査は、半年ほど つきあっているはずッス。』(証言1) 『”ケッコン”の話も、ボチボチ 出ていたみたいッス‥‥。』(証言2) 『事件があった日は、被害者の 誕生日だったッス。』(証言3) 『マコクン‥‥マコ巡査は、 プレゼントを用意して‥‥。』(証言4) 『そのプレゼントは、2ヶ月も前から ジュンビしていたッス。』(証言5) 『‥‥自分が相談を受けたから 知ってるッス。』(証言6) |
裁: | ほおほお、2人の仲はそんなに‥‥ |
亜: |
だからこそ、 ヒゲキが起こったのですよ。 |
裁: |
ふむう‥‥なるほど。 では弁護人、尋問を。 |
成: | ”2ヶ月も前から”‥‥? |
糸: |
そッス。 ‥‥けなげな女の子ッス。 |
成: |
それで‥‥ 誕生プレゼントには、何を? |
糸: | グローブッス。 |
裁: | ”グローブッス”‥‥ですか? |
亜: |
いやいや。グローブですグローブ。 野球の。 |
裁: |
ああ、はいはい。 グラブね。ベースボールの。 |
糸: |
被害者の町尾巡査は、 野球が大好きだったッス‥‥。 |
成: |
(グローブ‥‥ねえ‥‥。 どうなんだろう?) |
成: |
ところでさっき、 証人はこう言いましたね。 ”プレゼントを、2ヶ月も前から ジュンビしていた”‥‥と。 |
糸: | 言ったッス。 |
成: |
グローブを買うのに、2ヶ月も かかったんですか? |
糸: | そんなワケないッス! |
成: |
じゃあ、 どんなワケだったんですか? |
糸: |
モチロン、作らせたッス。 ‥‥特注で。 |
成: | ‥‥特注? グローブを? |
糸: | そッス。グローブッス。 |
裁: |
ふむう‥‥。 グローブッスをねえ‥‥ |
亜: |
誕生プレゼントなど、 事件とは関係ありませんぞ。 |
裁: |
たしかに、関係なさそうですねえ。 ‥‥どうなんですか、弁護人。 その特注のグローブとやらが、 何か関係あるのですかな? |
成: |
(‥‥そんなの ぼくにもわからないけど‥‥) モチロン関係があります! そのグローブこそが、この事件の カギをにぎっているのです! |
マ: |
出たァッ! なんのコンキョもないハッタリ! やっと成歩堂さんらしく なってきましたね! スズキ、うれしいッス! シビれるッス! カンゲキッス! |
成: |
(<<ゆさぶる>>か‥‥。 そういえば、こうやって ビシバシ人にツッコミまくって いたような気もするなあ‥‥) |
裁: |
わかりました。 そこまで言うなら、もう少し 話を聞いてみましょう! |
糸: |
じつは、持ってきてるッス。 そのグローブ。 |
成: | え。 |
裁: |
それなら話が早い。 さっそく、提出してください。 |
糸: |
事件とは関係ないと 思ったものッスから‥‥。 これッス。 |
裁: |
‥‥また、ずいぶんハデに 黄色いグラブですねえ‥‥。 |
法廷記録にファイルした。 | |
糸: |
被害者の町尾巡査は、 それは黄色が好きだったッス。 |
成: | ‥‥だから、わざわざ特注で? |
マ: |
ええ、そうなんです! それに、もう1つ‥‥ |
裁: |
‥‥そこまで。 これでハッキリしました。 被害者と被告は、やはり 恋愛関係にあったようですね。 |
亜: | そのとおりです。 |
裁: |
しかし、そうなると、 気になることがあります。 この”鈴木”という文字‥‥。 本当に被害者が書いたものなのか? |
亜: |
かしこまりました。 その文字について、くわしく 証言してもらいましょうか。 |
糸: | ‥‥了解ッス。 |
糸: |
『ワレワレはまず、残された文字の 筆跡を調べてみたッス。』(証言1) 『ザンネンながら、被害者が書いたと 断定はできなかったッス。』(証言2) 『次にワレワレは、 被害者の人さし指を調べたッス。』(証言3) 『ツメの間に、砂のツブがはさまって いるのが発見されたッス。』(証言4) 『人さし指のハラにも、 文字を書いた際のスリ傷が。』(証言5) 『以上のことから、被害者は右手で あの字を書いたと断定できるッス!』(証言6) |
裁: |
ふむう‥‥たしかに、 そう考えるのが自然でしょうね。 では、弁護人。 尋問をおねがいします。 |
成: | ‥‥はい。 |
成: |
‥‥証人。 これを見てください。 |
糸: | それは‥‥グローブ、ッスね。 |
成: |
‥‥コイツの特徴を 言ってもらえますか? |
糸: |
そんなの、 考えるまでもないッス。 ”ミョーに黄色い” ‥‥これに尽きるッス! |
成: |
‥‥そう、たしかに黄色い。 まず、それが1点。 |
糸: | ま、”まず”‥‥? |
成: | じつは、もう1点あるんですよ。 |
裁: | な、なんですか、それは‥‥? |
成: |
カンタンなことです。 左きき用なんですよ。 ‥‥このグローブは。 |
糸: | 左きき‥‥? |
裁: |
ふむう‥‥。たしかに。 これは、右手にはめるように できているグラブですね。 |
成: |
だから、特注だったんですよ。 ここまで黄色い、しかも左きき用の グローブなんて、売ってません。 |
糸: | ま‥‥まあ、たしかに。 |
成: |
ところで、証人。 被害者は、どっちの手で 文字を書いたんでしたっけ‥‥? |
糸: |
そんなの、決まってるッス! 写真を見れば、アキラカ‥‥ ‥‥あ、アレ‥‥? |
成: |
お忘れなく。被害者は、 左ききだったんですよ? |
糸: | あ‥‥ああああッ! |
亜: |
こ‥‥これは、その‥‥。 と、とにかくアレです。異議を‥‥ |
裁: |
却下します。 成歩堂くん。つまり‥‥、 どういうことになるんですか? |
成: |
結論は1つです! 左ききの人間が、右手で メッセージを残すはずがない! つまり! ”鈴木”と書き残したのは、 被害者ではなかったのです! |
裁: |
せ‥‥静粛に! 静粛に! ‥‥た、たしかに、 そういうことになります! この文字は、被害者が 書いたものではなかった‥‥! |
糸: | じゃ、じゃあマコくんは‥‥! |
亜: | そんな‥‥そんなバカなッ! |
裁: | 亜内検事! |
亜: | はは‥‥は‥‥はははっ! |
裁: |
検察側の証拠は、被告の有罪を 立証していません! それどころか、無実を 証明しているではないですか! |
亜: | うぐわァァァッ! |
マ: |
やったァ! 成歩堂さん、サイコー! スズキ、もーホレまくりッス! |
裁: |
‥‥どうやら、 結論は出たようです。 また1つ、お手がらですね、 成歩堂くん。 |
成: |
え‥‥? ぼくですか? はあ。それはどうも‥‥。 |
マ: |
またホメられちゃいましたね! だからヤメられないんですよね! ‥‥弁護士。 |
成: |
(ジョーダンじゃない! もう、コリゴリだよ‥‥) |
裁: |
では、判決を 言いわたしたいと思います。 被告人・須々木 マコに‥‥ |
亜: |
ちょっと待っていただきたいッ! ‥‥お待ちください、裁判長。 |
裁: | な‥‥なんですか、亜内検事? |
亜: |
‥‥検察側の立証は、 まだ終了しておりません! |
成: | な‥‥なんですって! |
亜: |
検察側は、次の証人を 召喚したいと思います! |
成: | えええぇぇぇっ! |
裁: |
‥‥いったい、その証人は 何を目撃したのですか? |
亜: |
被害者が突き落とされた瞬間を。 さらに、突き落とした犯人のカオも ハッキリ見ておるのです! |
成: | な、なんですって! |
裁: |
静粛に! 静粛に! では、ここで一度、 休憩をとりたいと思います。 その後、その証人の 証言を聞くとしましょう。 |
成: |
(‥‥このまま終わろうなんて、 やっぱりアマかったか‥‥ この休憩時間で、集めるんだ! 少しでも多く、情報を‥‥ 本当の勝負は、これからだ!) |
裁: | では、これより休憩に入ります! |