成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
マックス…赤 | |
ミリカ…黄 | |
トミー…紺 | |
ベン…灰 | ← |
リロ…橙 | → |
アクロ…紫 |
冥: |
現場は暗かった! 見落としただけにすぎない! |
成: |
しかし、証人は人影の リンカクまで見わけている! しかも、バラは白かった! 見落とすはずがない! |
冥: |
ムネのバラなど、被害者と争って いるうちに、落ちてしまったのよ! |
成: |
それならば、現場付近で 白いバラが発見されるはずです! |
裁: |
弁護人! ムネの白いバラが、 そんなに重要なのですか? |
冥: |
とんでもない! ただのワルあがきよ! |
成: |
‥‥‥‥‥‥ (たしかに、ササイなことだ‥‥ でも、いつも、真実はササイな ほころびからカオを出してきた) ‥‥いつだって、そうだった! 裁判長! リロくんの証言を 思い出してください。 |
リ: |
『キザなシンボル3点セットを、 オレはまちがいなく見たしな!』 『イヤミな3点セットをぶら下げて、 鼻先を通りすぎやがったんだ!』 『あのキザったらしい3点セット、 見まちがえようがねえよ!』 |
成: |
リロくんは目撃している! マックスの、3つめのシンボルを! しかしこの証人は、 バラはなかったと言う! これはあきらかに、 ムジュンしています! |
裁: |
‥‥ふむう‥‥これは どう考えるべきなのでしょう? たしかに、取るに足らない、 ササイなコトに思えます。 |
冥: |
裁判長! 白いバラは忘れて 他の証言を思い出しなさい! 証人が見たのは、アキラカに マックス・ギャラクティカよ! これ以上の審理はムダ! ‥‥終わりにするの。 |
成: |
裁判長! どんなに小さくても、 ギモンは残すべきじゃない! |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 正直なところ、私は この証人自身にギモンを感じます。 トシの割に、落ちつきがない。 |
ト: | うう‥‥トシのコトは‥‥ |
裁: |
‥‥私の考えは決まりました。 この証人が目撃したのは、 99パーセント、被告です。 しかし! 1パーセントの ギモンの余地がある! ‥‥そこで。証人にもう一度だけ、 証言してもらいます。 |
冥: | な‥‥なんですって! |
裁: |
その証言にムジュンがなければ ‥‥判決をくだしましょう。 |
成: | (‥‥判決を‥‥!) |
真: |
なるほどくん! さ、最後のチャンスだよ‥‥! |
ト: |
『まちがいない! ヤッパリ、 白いバラはつけてませんでした!』(証言1) 『でも、他のシンボルに関しては まちがいないと思います。』(証言2) 『特にシルクハットのかざりには、 見おぼえがありました!』(証言3) 『現場から立ち去るまで、 ちゃんとかぶってましたよ!』(証言4) |
裁: |
‥‥弁護人。あなたに、一度だけ チャンスを与えます。 |
成: | 一度だけ‥‥ですか? |
裁: |
証人をゆさぶることは 許可しません。 ”この証人の見たことに、 ムジュンはあるのか?” ‥‥たった1つの証拠品で、 それを証明するのです。 |
成: |
(チャンスは一度‥‥ ゆさぶることはできない‥‥) わかりました。 ‥‥それでじゅうぶんです! |
成: |
そのシルクハットって ‥‥これですか? |
ト: |
そう! そいつだよ! あいつがかぶっていたのは! |
成: | まちがいありませんか? |
ト: |
ソイツを見まちがうほうが どうかしてるでしょう! |
成: | そうですか‥‥。 |
裁: | な、何か問題でも? |
成: |
狩魔検事。 このシルクハットは、 どこで見つかったんでしたっけ? |
冥: |
聞くまでもない! 殺人現場よ。 ‥‥‥‥‥‥ げ、現場‥‥ですって‥‥? |
成: |
シルクハットは 殺人現場に落ちていた! しかし、証人! あなたはハッキリ証言した! ”犯人は、立ち去るときも シルクハットをかぶっていた” |
ト: | う‥‥ウソおおおおおおおおおッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! ‥‥コラ、証人! |
ト: | は、ハイッ! |
裁: |
アナタ、なんですかさっきから! いいトシして、イイカゲンなコト ばっかり! |
ト: |
い‥‥いえ、その‥‥。 おっかしいなあ。 |
裁: |
オカシイのはアナタの目、 記憶力、その他モロモロです! |
ト: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ な‥‥なんでぇ! なんでぇッ! みんなでオレっちをイジメてさあ! そりゃまあ、オレっちのギャグは チョイつまらねえかもしれねえよ? でもなあ! オレっちの記憶力と 目は、タカよりもすげぇっつうの! なんなんだよ! 高いトコ座って 人をジイさんみたいに言うなよな! 少なくともオレっち、アンタより ずううっと若いんだあああああっ! |
裁: |
‥‥‥‥‥‥ コラアァッ! 証人! なな、なんてコトを‥‥! |
ト: |
だって! オレっち、見たモン! あれはマックスだったモン! ムネにバラなんかつけてなかったし シルクハットもかぶってたモン! ホントだモン! |
真: |
‥‥だだっ子みたいに なっちゃった。 |
成: | つくづくブキミな光景だなあ。 |
ト: |
シルクハットをかぶったまま ‥‥現場を立ち去ったんだモン! |
成: | (現場を‥‥立ち去った?) |
真: | どうしたの? なるほどくん。 |
成: |
‥‥なんかさっきから、 気になることがあるんだ。 ‥‥証人? |
ト: | なんだよ! |
成: |
さっきも”現場を立ち去った”と 証言しましたけど‥‥ 犯人は、どうやって 立ち去ったんですか? |
ト: |
えええッ! い、いや‥‥そりゃ‥‥その。 ど、”どうやって”と 言われてもさあ。‥‥なあ? |
冥: |
今は、証人の見た人物について ギロンをしてるのよ! |
成: |
しかし、証言はムジュンだらけで お話になりません! |
冥: | むむうぅ‥‥ |
裁: |
‥‥そうですね。この際、 証人のハナシを聞きましょう。 ‥‥ハイ、いいでちゅか ピエロさん? |
ト: |
コ‥‥子供あつかい すんなよな! た‥‥立ち去るのに、 ”どうやって”もないだろ! もちろん、その。フツーに 歩いて帰っていったんだよ! |
成: |
‥‥果たして そうだったのでしょうか? |
ト: | ‥‥へっぷ! |
裁: |
? ‥‥どうも、 リカイに苦しむのですが‥‥。 弁護人は、さっきからミョーな トコロにコダワリますね。 ”犯人が現場を立ち去らなかった” という証拠でも、あるのですか? |
成: |
この写真を見てください。 ‥‥問題は、雪の上に残された 足跡です。 |
裁: | あしあと‥‥? |
成: |
写真には、たしかに 被害者の足跡は写っています! ‥‥ところが 犯人の足跡がないッ! |
ト: | ヤバババババッ! |
成: |
‥‥さあ、トミーさん。犯人は どうやって立ち去ったんですか? |
ト: | ぎゅ‥‥ぎゅむむう‥‥ |
成: |
裁判長! もはや、この証人の証言は、 カンゼンにアテになりません! この証人ごと、すべての証言を 記録から消してしまうべきです! |
裁: |
‥‥そうですねえ。 たしかにこのピエロは、さっきから テキトーなコトばっかり‥‥ |
ト: |
チョット、待てえええッ! どいつもこいつも オレをムシしやがって! ああ、いいさ! 話してやるさ! ホントのコトを‥‥ |
冥: |
待ちなさい! ‥‥よけいな発言は 私がユルさない! |
ト: |
イタくないッ! ‥‥もう、アンタの言うことなんか 聞かないモン! オレっち、ブチまけちゃうんだあ! ホントのコトをッ! |
真: |
な‥‥なんか、また タイヘンなコトになってきたよ‥。 |
裁: | トミーさん。 |
ト: | お‥‥おうッ! |
裁: |
あなたは‥‥今まで、 ウソの証言をしていたのですか? |
ト: |
なな、なんでだよ! そうじゃねえって。ただ‥‥ |
裁: | ”ただ”‥‥? |
ト: |
”犯人が立ち去った”ってのは‥‥ チョットちがうんだ。 そこのムチの検事さんが ”証言するな”って! |
裁: |
静粛に! 静粛に! ‥‥静まりなさいッ! かかか、狩魔検事! あああ、あなたはッ! |
冥: |
裁判長‥‥。 もし、この証人の言う ”ホントのコト”を聞いたら‥‥、 きっとアナタも、 私と同じ意見を持つはず。 |
裁: | な‥‥なんですか? |
冥: | ”笑えない”‥‥と。 |
裁: |
もうよろしい! とにかく、話を聞くのです。 ‥‥さあ! あなたの見た ”ホントのコト”を証言しなさい! |
ト: |
ヘッ! 聞いておどろけよな! |
冥: | しかし、笑わないように。 |
ト: |
さあ、”トミーさんは見た!” のコーナーでぇす! 今までの証言は、みーんな ホントのことだったんだ! オレっちが見たとき、団長が 倒れていて、マックスが立ってた! 白いバラはつけてなかったし、 シルクハットをかぶってたんだ! それで‥‥オレっちが見ていたら ‥‥あ、アイツは‥‥ ‥‥これが真相なんだあ! アイツは‥‥飛んだんだ! 空に向かって、ふわああ‥‥って! ‥‥そのまま、ヤミの中へ 消えッちまったんだあ! 足跡なんて、残るわけねえさ! ‥‥だって、飛んだんだもん! |
冥: | ‥‥以上。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥ |
裁: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
あ‥‥その。 な、なんと言いますか‥‥ |
冥: |
‥‥マックス・ギャラクティカは 世界的な大魔術師。 しかし。現場から飛び去った‥‥ そんなことは、あり得ない。 |
裁: | そ‥‥そうですな‥‥。 |
ト: |
なんでだよ! 他の証言は 信じてくれるのに! なんで、一番オイシイ部分は 信じてくれないんだよおお! |
裁: |
‥‥ふ、ふむう‥‥私も さすがに、こんなの初めてです。 この証人の目撃‥‥。 どう思いますか? 弁護人。 |
成: |
‥‥ここまでムチャなコトを、 冗談で言うとは思えません。 |
裁: |
ということは‥‥証人は、 真実を述べているのだ、と? |
成: | そ‥‥そうですねえ‥‥ |
真: |
ま、待ってよなるほどくん! それじゃあ、マックスが魔術を 使ったってコトになっちゃう! |
成: |
しまった! そうなるな‥‥。 あいたッ! |
冥: |
バカが見るバカなユメに バカなユメを見るバカ‥‥。 魔術はゲンジツではない。 ‥‥まやかしなのよ! |
裁: |
‥‥それでは、私の 考えを述べたいと思います。 ”犯人が空に消えた” たしかに、信じがたいハナシです。 しかし、これをアタマから ムシすることはできません。 |
冥: | バ、バカな‥‥! |
裁: |
この証言を証拠と考えない 狩魔検事のタイドは、リッパです。 ‥‥ですが‥‥。 どうやら、この件は、もう少し 調査が必要なようですな。 |
冥: | ‥‥‥‥! |
裁: |
本日の審理は、 ここまでとします! 現場に犯人の足跡がないのは、 まちがいのないジジツです。 ‥‥明日までに、このナゾの 答えを探してくるように。 |
成: | は、はあ‥‥。 |
冥: | ‥‥うむむ‥‥ |
裁: |
それでは、 本日は、これにて閉廷! |
地方裁判所 被告人第5控え室 | |
マ: |
お、おい‥‥ハニイたち! いったい、どーなっているんだい! |
成: | こっちが聞きたいですよ! |
真: |
ハンニンが、 空を飛んで消えた‥‥なんて。 |
成: |
マックスさん。 ホントに、 飛んでないんでしょうね‥‥? |
マ: |
ババ、バ、バカ言わないで くれたまえよ! そんなカンタンに 飛べるワケないだろう! |
真: |
でも、ステージでは、 ずいぶんキモチよさそうに‥‥ |
マ: |
カンベンしてけれェェッ! オラにそんな、できるワケねえだ! 見えないヒモさ使って つるしてるだけなんだあああ! |
真: |
‥‥ショ‥‥ショーゲキの コクハク‥‥なのかな‥‥ |
マ: |
魔術なんて‥‥魔術なんて‥‥ オラは‥‥ |
成: |
‥‥す、すみません。 あまりのことに、 ついカッとなっちゃって‥‥。 |
真: | なるほどくん‥‥。 |
成: |
‥‥探すしかないな、明日までに。 空に消えたハンニンを。 |
真: |
そうだね! うまくつかまるといいケド。 |