成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
堀田(自称)…黄 | |
荷星 三郎…紺 | |
オバチャン…灰 | |
大沢木 ナツミ…橙 | |
王都楼 真悟…紫 | |
華宮 霧緒…藤 | |
虎狼死家 左々右エ門…桃 |
オ: |
『そこのオートロったらサ、 ひでェオトコなんだョ!』(証言1) 『イサオちゃんを、スキャンダルで ダメにしよう、なんて考えてサ!』(証言2) 『そのために、自分のマネージャーを イサオちゃんにくっつけたんだョ!』(証言3) 『ここはひとつ、オバチャンが 立ち上がるしかないでショ!』(証言4) 『‥‥あ。この話、ゴクヒだョ。 まだ、だれも知らないんだからネ。』(証言5) |
裁: |
被告人が、マネージャーを‥‥? なんか、シラジラしい話ですねえ。 |
オ: |
なんだい! エラいヒトも言ってるだろ! ”真実とは、ややシラジラしい モノである”ってサ! |
成: | (聞いたことないぞ‥‥) |
裁: |
御剣検事。 華宮 霧緒さんのことは‥‥? |
御: |
いちおう調査はしているが‥‥ この記事がジジツであるという 確証は、存在しない。 |
裁: |
ふむう‥‥しかし、もしこれが 本当ならば‥‥ 被告人の、被害者に対する 悪意を立証する証拠になりますな。 |
成: |
(‥‥あのウワサを ぶちコワす必要があるわけか) |
裁: |
‥‥では、成歩堂くん。 尋問をおねがいします。 |
千: |
気をつけて。おばさまは今、 かなりエキサイトしてるわ。 |
オ: |
‥‥そうだョ! クソヤローなんだ あのオートロってヤツァ! |
成: |
(あのオバチャンに 対抗するためには‥‥ こっちもエキサイトして ぶつかるしかない‥‥!) |
成: | ちょっと待ってください。 |
オ: |
なんだい! オバチャン、いそがしいんだョ! |
成: |
だれも知らない、ゴクヒ情報‥‥ どうしてオバチャンが 知ってるんですか! |
オ: |
え! そ、そりゃアンタ‥‥ オバチャン、プロだし‥‥ |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
オ: |
ひ、ヒミツだョ! そんな目で 見たって、教えるもんかいッ! |
成: |
(オバチャンが、あの情報を どこから入手したのか‥‥?) |
成: |
‥‥だれも知らない ”ゴクヒ情報”‥‥ それを、なぜ証人が 知っていたか‥‥? |
オ: |
ななな、なんだいその、ヒトを あわれむような目はッ! |
成: |
証人! ‥‥あなたは、コイツで 情報を知ったのです! |
成: |
自称ジャーナリストの 大沢木 ナツミさん‥‥ |
裁: |
‥‥ああ。あの、やんちゃな ムスメさんですか。 |
成: |
彼女のメモが、事件当夜‥‥ 紛失しているんです。 |
裁: | 紛失‥‥? |
成: |
そのメモには、彼女の妄‥‥ 想像が記されていました。 ‥‥被害者と、華宮 霧緒の 関係について。 |
オ: |
な‥‥ナニィィッ! 妄想だってェェェッ! |
成: | いやいや。想像です。 |
オ: |
じゃあ‥‥じゃあ‥‥! この紙ッきれ、なんのイミも なかったってのかいッ! |
成: | あっ! そのメモ! |
オ: |
あ‥‥‥‥‥‥ あややややややややややややや、 こ、これはその、ちがうんだョ! これ、オバチャンの、ゴクヒの お買い物メモなんだョォォォォッ! |
裁: |
‥‥では、やはりあなたは、 ナツミさんのメモを真に受けて? |
オ: |
オバチャン、イサオちゃんの 大ファンだったんだ! あのモジャモジャアタマの ハレンチなムスメが‥‥ ”オートロのインボーやッ!” って‥‥ それはそれはウレシそうに ハシャいでやがったからサ。 ちょっと、ナニを書いてるのか チェックしてやったワケ。 |
成: | ‥‥‥‥ |
裁: | ‥‥‥‥‥‥ |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
オ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 信じておくれよォォ! ミッちゃああん! |
御: | うぐ。 |
オ: |
ちょっとした、オトメの おちゃめなデキゴコロなんだョゥ! ヒトサマのモノに手を出したの、 この紙ッきれだけなんだョゥゥゥ! |
御: |
その、茶色い猫ナデ声は やめていただきたい。 |
裁: |
‥‥まあ、メモの1枚ぐらいなら、 大目に見てあげましょうか。 |
成: |
(オバチャン、かなり ハンセイしてるみたいだし‥‥ このへんで カンベンしておくか?) |
成: |
(ここで、つけ上がらせては ダメだ‥‥ 決定的なダメージを 与えてやらないとな!) ‥‥証人! ”ヒトのものを盗んだのは、 そのメモだけ”‥‥ そう言いましたね? |
オ: |
ぬぬぬ、”盗んだ”だってェ! ヒトのハナシ、ナニ聞いてんのサ! この紙クズ、捨てにいく手間を はぶいてやっただけでショ! |
成: |
‥‥オバチャン! あなたはウソをついている! |
オ: |
まま、またそうやって、 オバチャンの社会的信用を‥‥ |
成: |
‥‥証人ッ! あなたが盗んだのは、 メモだけではないはずです! |
成: |
‥‥オバチャン! そのメモ‥‥カメラのケースに 入っていたはずです! |
裁: | カメラ‥‥ |
成: |
きのう、ナツミさんが 大さわぎしていました。 ”定価16万円のカメラが 消えた”‥‥と! |
裁: | ま、まさか‥‥まさか、証人! |
オ: | なんだい。 |
成: |
メモがあるということは、当然! カメラも持っているはずです! |
オ: |
クッ‥‥ バレちゃアしょうがないねェ‥‥ アンタの探してるカメラ‥‥ コレのことかい。 |
成: | あ。 |
オ: |
なにサ! こんなカッコしてるけど オバチャンだって人間なんだョ! ゴハンも食べるしコイもするし、 ヒトのモノに手だって出すサ! |
裁: |
い‥‥いや、 それはちがうでしょう。 |
オ: |
オバチャン、あの女の名刺を 見たワケョ。そしたら‥‥ ”いやらしい芸能カメラマン” って書いてあるじゃないか! どんな写真を撮ってるか、 わかったモンじゃないからね! プロの警備員として、没収して やったんだョ! ‥‥ゴクヒで。 |
裁: |
法廷係官! すぐに‥‥すぐに、そのカメラを チェックしなさい! |
裁: | 御剣検事‥‥いかがでしたか? |
御: |
事件に関係ありそうな写真が ‥‥1枚だけ、あった。 |
裁: |
提出してください! こ‥‥これは‥‥トノサマン! |
オ: |
言ったとおりだろ! オバチャンが見たの、ソイツだョ! |
裁: |
‥‥これで、証人がウソをついて いないことがハッキリしました。 |
法廷記録にファイルした。 | |
裁: | い‥‥いかがですか、御剣検事! |
御: |
写真の人物が被告であるという 証拠はない。‥‥しかし! 王都楼氏は、調書で ハッキリと証言している。 ”事件が起こるまで、 着ぐるみは脱がなかった”と! |
裁: |
それならば‥‥やはり、 このトノサマンは‥‥ |
御: | 被告人、ということになる。 |
裁: |
‥‥どうやら‥‥ これで、証拠は完全に そろったものと考えます。 ‥‥いかがですか、弁護人。 最後に、あなたの意見を聞きます。 この写真を、決定的な証拠と 認めますが、よろしいですかな。 |
成: |
(あの写真がホンモノなら‥‥ もう、逃げ道がない! でも、ヘタに異議を申し立てれば ‥‥それはそれでイノチとりだ。 まちがえるわけにはいかない。 コタエは‥‥たった1つ!) ‥‥ナツミさんが撮った、 この写真には‥‥ |
成: |
‥‥この写真には‥‥ ムジュンする点があります! |
御: | ‥‥そう来ると思ったぞ、弁護士。 |
裁: | どういうことですか? |
御: |
この写真を認めてしまえば、 もう反論の余地はない。 弁護側としては、ムリヤリにでも、 否定せざるを得ないわけだ。 |
裁: |
”ムリヤリ”‥‥! そうなのですか、弁護人! |
成: |
‥‥‥‥‥‥ と、とにかく、もう一度 写真を見てみましょう! |
裁: |
あなたの立証が”ムリヤリ” でないとすれば‥‥ 反証のチャンスは、 1回でじゅうぶんでしょうな‥‥? |
成: |
そ、それは‥‥ (まちがえるわけにはいかない! 決定的なムジュンを示すんだ! ‥‥ナツミさんの撮った 写真は、いつだってそうだ‥‥ 決定的に、ピントがズレている! ‥‥今回だって、きっと‥‥) |
裁: |
では、示していただきましょう。 この写真がはらんでいる、 決定的なムジュン点とは‥‥! |
成: |
‥‥注目すべきは、 ここしかありません! |
裁: |
‥‥な、なんですか? そんな、足もとなど‥‥ |
成: |
足もとを見れば、 ハッキリわかることがあります。 |
裁: | そ、それは‥‥いったい‥‥? |
成: |
この写真のトノサマンは‥‥ 王都楼 真悟ではあり得ない! |
裁: | な‥‥なんですって! |
御: |
‥‥そのコンキョを 聞かせてもらおうか。 |
成: |
トノサマンのポスターを 見ていただきましょう。 ‥‥ハカマのスソに 注目してください。 |
裁: | 足袋‥‥が見えていますね‥‥ |
成: |
そのとおり! しかし、写真のトノサマンは‥‥ アキラカに、ハカマを 引きずって歩いています! |
御: | ‥‥‥‥‥‥ |
成: |
このムジュンが示す コタエは‥‥ひとつ! このトノサマンには、被告より 背が低い人物が入っていたのです! |
成: |
(よし‥‥今度こそ、 ひっくりかえしてやったぞ!) |
千: | 気になるわね‥‥ |
成: | え? |
千: |
今日の御剣検事‥‥ いやにおとなしいわ。 |
成: | そ、そういえば‥‥ |
千: |
彼は今、流れに 身をまかせているわ。 |
成: |
流れに身を‥‥ それって、どういうことですか? |
千: |
ダメージを受けていない ‥‥そう考えるべきね。 |
成: | (ダメージを‥‥受けていない!) |
裁: |
御剣検事! いったい‥‥ これは、どういうことですか! |
御: | ‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
この写真の人物が 王都楼 真悟でないとしたら‥‥ 検察側の主張は、完全に イミを失ってしまいます! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ やはり‥‥こうなったか。 |
成: | なんだと‥‥! |
御: |
‥‥成歩堂。 ひとつ、聞きたいことがある。 どうやら、この写真の人物は 王都楼 真悟ではないようだ。 ‥‥とすれば。 いったい、だれなのか‥‥? |
成: |
(この、トノサマンの中に 入っている人物は‥‥) |
千: |
考えるまでもないわ。 ‥‥カンタンなコト。 気になるのは‥‥やはり、 あの検事さんのタイドね。 |
成: |
(なぜあそこまで、 落ちついていられるのか‥‥?) |
裁: |
‥‥弁護人。 あなたの考えを聞きましょう。 この写真に写っているのは、 いったい‥‥だれなのですか? |
裁: | か、華宮 霧緒‥‥ |
成: |
‥‥トノサマンがだれであるか? その可能性が、最も高い人物です! |
御: |
いったい、どんな可能性が あると言うのか‥‥? |
成: |
まず彼女は、背が小さい。 そして、オートロさんの控え室に 自由に出入りできた。 さらに‥‥彼女は、オートロさんと 食事をとっています。 |
裁: | そ、それがどうかしましたか? |
成: |
彼女なら、カンタンに 手に入れることができたわけです。 ‥‥オートロさんの指紋がついた ナイフを、ね。 |
裁: | 凶器の‥‥ナイフ‥‥! |
御: | 何が言いたい‥‥弁護人? |
成: |
(今しかない‥‥これが最後、 逆転のチャンスだ!) 弁護側は、 華宮 霧緒を告発します! 彼女は、被告人に 殺人の罪を着せようとしたのです! |
裁: |
静粛に! 静粛に! 静粛に! 審理はまたしても、 予想外の展開を見せました! ‥‥御剣検事! |
御: | なんだろうか。 |
裁: |
本法廷は、華宮 霧緒さんの 召喚を要求します! 彼女の証言を聞かないかぎり、 判決を下すことはできません! |
御: | ‥‥‥‥‥‥ |
成: | (よし! これで‥‥) |
千: | ちょっと‥‥まずい感じね。 |
成: | え‥‥? |
千: |
これから華宮 霧緒を 証人として喚問するのなら‥‥ 手配や手つづきで、 1日はかかってしまうわ。 |
成: |
‥‥1日かかる‥‥? あッ! (今日中に判決をもぎとらないと、 真宵ちゃんが‥‥!) |
裁: |
‥‥では、華宮 霧緒の証言は、 明日の審理で聞くことに‥‥ |
成: |
(ど‥‥どうする! 審理が終わっちまうぞ‥‥!) |
裁: | それでは、これで‥‥ |
成: |
審理をつづけてください! 今日中に‥‥決着を! |
裁: |
それはできません。 華宮 霧緒さんが この法廷にいない以上、これ |
御: |
‥‥時間をムダにするのは シュミではない‥‥ |
成: | み‥‥御剣‥‥? |
御: |
裁判長。‥‥審理をつづけるよう、 おねがいしたい。 |
裁: |
し、しかし‥‥ こうして、法廷が予想外の 展開を見せた以上は‥‥ |
御: |
‥‥やれやれ‥‥ ”予想外の展開”‥‥? ‥‥この私も、ずいぶん アマく見られたものだ‥‥ |
裁: | ど、どういうコトですか‥‥? |
御: |
成歩堂 龍一が苦しまぎれに 華宮 霧緒を告発する‥‥ まさに、私のシナリオどおりだ。 ‥‥20分ほど、おくれたが。 |
成: |
な、な、な‥‥ なんだってええェェェェッ! |
裁: |
み、御剣検事! 今の発言は、どういう‥‥ |
御: |
華宮 霧緒ならば、今、 検察側の控え室にいる。 ‥‥次の証人として‥‥。 |
成: |
‥‥! (すべて‥‥ヤツの 計算どおりだったのか‥‥?) |
千: |
あの御剣検事が、華宮 霧緒を 見落とすはずがない‥‥ ‥‥どうやら。 戦いは終わらないようね。 |
御: | ‥‥そのとおり‥‥。 |
裁: |
‥‥わかりました。 次の証人として、 華宮 霧緒を入廷させましょう。 ‥‥ただし。 その前に、10分間の休憩を とりたいと思います。 御剣検事、準備のほうを よろしくおねがいします。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
では、これより10分間の 休憩にはいります! |