第4話『さらば、逆転』第1回法廷(その4)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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3月22日 午後 2時14分
地方裁判所 被告人第3控え室

王: まさか‥‥キリオが!
あの、華宮 霧緒が‥‥?
成: 彼女はあなたのマネージャーです。
ワナを張るのはカンタンでしょう。
食事で使ったナイフを手に入れる
ことができるのも‥‥彼女。
王: ‥‥授賞式のあとの、休憩時間‥‥
ボク、そのあいだはずっと、
ヒルネしてましたからね‥‥。
成: 血のついたボタンを、あなたの
ハカマに挟むこともできた。
王: ボクを起こしてくれたの‥‥
彼女だったからな。
‥‥‥‥‥‥
じゃあ、やっぱり‥‥彼女が?
成: 真犯人です。
‥‥藤見野 イサオを殺害した。
王: でも‥‥どうして!
アイツが藤見野を‥‥!
成: 彼女には、動機があるんですよ。
王: ど、動機だって!
いったい‥‥どんな?
成: ‥‥このあとの審理で
アキラカになるでしょう。
だいじょうぶ。‥‥今日中に
無罪判決を勝ちとります。
王: 春風のようにサワヤカな
判決をおねがいしますよ!
千: なるほどくん‥‥
動機‥‥天野 由利恵さんの
”消えた遺書”のことよね‥‥?
成: ‥‥ええ。
霧緒さんは、天野 由利恵さんに
依存するようにして、生きていた。
でも、その由利恵さんが突然、
自殺してしまった。
彼女は遺書を残していたらしい。
それを、かくしてしまったのが‥‥
千: 藤見野 イサオ。
‥‥被害者というわけね‥‥。
成: だから、霧緒さんは
藤見野 イサオに近づいて‥‥
その遺書を、なんとしてでも
取りもどそうと考えたんです!
千: そうね‥‥
ただ‥‥ひとつ、
気になることがあるわ。
成: え‥‥
千: そもそも、霧緒さんと由利恵さんの
”依存”の関係‥‥
それを私たちに
教えてくれたのは‥‥だれ?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
御剣だ‥‥
千: ‥‥まだまだ、審理のゆくえは
わからないわ。
油断しないで。


同日 午後 2時25分
地方裁判所 第3法廷

裁: では、審理を再開します。
御剣検事、おねがいします。
御: 法廷より要請のあった
証人を入廷させていただく。
藤見野 イサオ氏の控え室で
事件を発見した、華宮 霧緒を!

御: 証人の職業は。
霧: この事件の被告、王都楼 真悟の
マネージャーをしています。
裁: わかりました。では‥‥
霧: その前に。
1つ、よろしいでしょうか。
裁: は、はあ。
なな、なんでしょうか。
霧: この場にいるみなさんが
考えていることは、わかります。
被害者と私の関係について、
興味があるのでしょう。
‥‥最近は、週刊誌にも
書かれているようですから。
裁: い、いや知りませんぞ。
<<ゴシップランド>>なんて‥‥
成: (裁判長が証人になったら、
やりやすそうだな‥‥尋問)
御: ‥‥聞かせていただこう。
被害者との関係を。
霧: 私、亡くなった藤見野さんと
おつきあいしていました。
王都楼のライバルであることは
知っていましたけど‥‥、
これは‥‥プライベートな
ことですから。
裁: ふむふむ。そうでしょう。
プライでベートですからな。
霧: でも、私‥‥殺してません。
御: だれも、そんなことは言ってない。
霧: 言いだしそうな人がいますから。
成: ‥‥!
裁: あなたと被害者の関係は
よくわかりました。
御: ‥‥では。そろそろ
証言をしていただこう。
あなたが事件を発見したときの
ことを、おねがいする。

(事件を発見したときのこと)
霧: 『ショーの時間になったので、控え室
の王都楼を呼びに行きました。』(証言1)
『そのついでに、藤見野の控え室にも
行ってみたんです。』(証言2)
『藤見野は、死んでいました。
私、もうショックで‥‥』(証言3)
『そのとき私が見たのはモチロン、
現場写真とまったく同じ光景です。』(証言4)
『気絶しそうになったので、
グラスにジュースをそそぎました。』(証言5)
裁: グラスに、ジュースを‥‥?
霧: はい。殺人現場にあるものに、
さわってはいけない‥‥
そんなコトも忘れるほど
‥‥動揺していたんです。
御: グラスの指紋は、そのとき
ついたということだな。
裁: わかりました。
では、弁護人。
‥‥尋問をおねがいします。
千: なるほどくん。
彼女は、とても冷静で‥‥
アタマのいい女性よ。
成: それは‥‥わかってます。
千: そんな証人を追いつめるには、
まともにぶつかってはダメ。
‥‥ペースを乱すの。
成: ペースを‥‥?
千: 彼女のようなタイプは、思い通りに
コトが進まないと、イラ立つはず。
彼女の予想していないところに
攻撃しなさい。
あなたが攻撃を休んだ瞬間‥‥
審理は終了するわ。

(「証言3」をゆさぶる)
成: ”ショックを受けた”‥‥?
霧: いけませんか?
成: (霧緒さん、すごく冷静なヒト
だからな。‥‥それに
イサオさんに近づいたのも、
恋愛感情があったからではない)
御: ‥‥いきなり死体を目にすれば、
どんな人間でもショックを受ける。
まして、証人は若くてウツクシイ。
‥‥ムリもないだろう。
成: (若さとウツクシサはこの際、
関係ないと思うけど‥‥)
裁: ふむう‥‥そうですねえ‥‥。

(「証言4」をゆさぶる)
成: この写真‥‥ですよね?
霧: ‥‥ええ。ムネにナイフが
刺さっていて‥‥
成: この、ギターケースも?
霧: はい。もちろん、
開いていて‥‥カラッポでした。
御: ‥‥それで‥‥
証人はどうされたか?

(「証言5」をゆさぶる)
成: ‥‥ジュース‥‥?
霧: ええ。テーブルの上にあった
トマトジュースのボトルから。
成: でも‥‥飲まなかったんですね。
霧: え‥‥?
成: このグラスに、口べにのアトが
ありません。
霧: 私‥‥気が動転してました。
飲まずに置いたんです‥‥グラス。
成: ‥‥証人。もう一度、
カクニンさせてください。
あなたは‥‥死体を発見して、
大きなショックを受けた。
それで‥‥グラスにジュースを
そそいだんですね?
霧: それが何か‥‥?
あのときの私は、本当に
アタマの中が真っ白だったんです。
成: あなたでも、そんなことが
あるんですか。
‥‥とても、取り乱すようには
見えません。
霧: シツレイですね。
私だって、あわてれば
ミスもします。その証拠に‥‥
成: ”その証拠に”‥‥なんですか?
霧: あ。いえ‥‥その。
なんでもありません。
成: (何を言いかけたんだ‥‥?)

(「もっとゆさぶる」を選択)
成: ‥‥証人!
どうやらあなたは、現場で
あわてて、何か”ミス”をした。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: いったい、その”ミス”とは
なんだったんですか?
御: それは‥‥私も
聞いていないな‥‥
霧: す、すみません‥‥
言いにくくて‥‥。
私‥‥ドレッサーに
グラスを置くとき‥‥
割ってしまったんです
‥‥その、花ビンを‥‥

(ざわめきが起こる)
裁: か‥‥花ビンというと、
現場写真の床に写っている‥‥
この破片‥‥ですか!
霧: ドレッサーの上に
置いてあったんですけど‥‥
ヒジに引っかけてしまって‥‥
ギターケースの上に。
御: な‥‥
なぜ、そんな重要なことを!
霧: すみません‥‥
現場はもう、荒らされていたから、
花ビンのひとつぐらい‥‥
いいか、と思ってしまって‥‥
裁: どうやら‥‥
新事実が発見されたようです。
‥‥証言につけくわえて
いただきましょう。
霧: すみません‥‥でも。
その他のものは‥‥私、
さわっていませんから。
御: ‥‥‥‥‥‥
霧: 『花ビンを割ったのは、私です。
ギターケースの上に落として‥‥』(証言・補足)

(「証言・補足」に「ギターケース」をつきつける)
成: 花ビンを落とした‥‥
そう証言しましたね?
霧: ええ。
成: 落としたのは、ギターケースの上
‥‥まちがいありませんか?
霧: な、何か問題でも‥‥?
成: ”何か”どころじゃない。
重大な問題があります。
このケースは、フタの部分が
水でぬれていました。
‥‥しかし、それはおかしい!
霧緒さん!
あなたは”ギターケースの上に”
花ビンを落としたと証言した!
‥‥それならば!
フタではなく、ケースの中が
ぬれているはずです!

(ざわめきが起こる)
裁: た‥‥たしかに、そのとおりです!
成: さらに‥‥このギターケースには
もう1つ、奇妙な点があります。
裁: ‥‥な、なんですか‥‥?
成: ‥‥現場写真を
見ていただきましょう。
床に、花ビンの破片が
ちらばっています。
裁: それが‥‥どうかしましたか?
成: 花ビンを落としたとき、
ケースが開いていたのならば‥‥
花ビンの破片は、ギターケースの
中にあるはずです!
霧: あ‥‥ッ!

(御剣検事「異議あり!」)
御: それがいったい、
なんだと言うのだ!
証人が花ビンを落としたとき、
ギターケースは閉まっていた。
‥‥それだけのことではないか!

(成歩堂「異議あり!」)
成: しかし、霧緒さんは
こう証言している!
花ビン以外のものには、
手をふれなかった、と!
御: う‥‥ム‥‥
裁: たしかに‥‥ギターケースには
ふれなかった‥‥そう言いました!

(御剣検事「異議あり!」)
御: し、しかし‥‥
ギターケースがなんだというのだ!
まっかなギターは撮影所にあった!
事件とはなんのカンケイもない!
成: ‥‥‥‥‥‥
まあ、そうですけど‥‥
(カラッポのギターケース
‥‥たしかに、関係なさそうだ)
裁: ふむう‥‥やはり、
たいしたイミはなさそうですね。
どうですか? ギターケースに
ついて、詳しい証言は必要ですか?

(「証言させる」を選択)
成: カラッポのギターケース‥‥
これは、この事件の
重要なポイントなのです!
御: ハッ! よくそこまで
ヌケヌケと言えるモノだな‥‥
成: (‥‥自分でもそう思う)
裁: わかりました。
‥‥では、引きつづき、
ギターケースについて
証言をしてもらいましょう。
霧: ‥‥はい。

(ギターケースについて)
霧: 『私も、動揺していましたから。
キオクがハッキリしないんです。』(証言1)
『ケースは、私が開けたのでしょう。
‥‥花ビンを割ったあとに。』(証言2)
『たいした問題ではないでしょう。
ケースはカラだったのですから。』(証言3)
『なぜ、ケースを開けたか‥‥
自分でも、よくわかりません。』(証言4)
裁: ふむう‥‥やはり、たいしたコト
ではなかったようですな‥‥
御: とてもなつかしい気分だ。
‥‥この、ムナしい感じ‥‥。
成: ‥‥とりあえず尋問します。
御: フン。”とりあえず”か。
‥‥私には縁のないコトバだな。

(「証言2」に「ギターケース」をつきつける)
成: あなたがギターケースを
開けたはずはありません。
霧: ど、どうしてそんなことが‥‥!
成: カンタンなことです。
このギターケースには、被害者の
指紋しか付着していないからです!
霧: あ‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: どうなのですか? 証人。
霧: ‥‥‥‥‥‥‥‥
”ケースにさわれば指紋がつく”
‥‥発想がまずしいですね。
成: どういうことですか?
霧: 私がそのとき、手袋をしてたら
モンダイないでしょう?
裁: てぶくろ‥‥ど、どうして
そんなものを?
霧: あの晩は授賞式でしたから‥‥
私もそれなりに
ドレスアップしていました。
‥‥たしか‥‥、うすでの
手袋をしていたと思います。
裁: ‥‥ふむう‥‥なるほど‥‥
どうですか? 弁護人。証人は
現場で、手袋をしていたそうです。

(「そんなはずはない」を選択)
成: あなたが手袋を‥‥?
それはおかしいですね。
霧: ‥‥なぜ!
私が現場で、手袋を
していなかった証拠でも‥‥?

(「グラス」を選択)
成: 証拠‥‥もちろん、ありますよ。
このグラスです。
霧: ‥‥グラス‥‥
成: このグラスには、ハッキリ
残っています‥‥あなたの指紋が。
霧: あ‥‥
成: 手袋をとって、グラスに
ジュースをそそぎ‥‥
ふたたび手袋をつけて、
ギターケースを開けた‥‥
なぜ、そんな不自然なことを
したのですか!
霧: うぐッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に‥‥!
千: どうやら‥‥あなたは
正しかったようね。
成: ‥‥? なんのことですか?
千: あのギターケース‥‥
重要な意味を持っていたのかも。
成: でも‥‥カラだったんですよ?
千: 本当にカラだったのかしらね‥‥
成: だ、だって‥‥まっかなギターは
スタジオにありました!
千: なるほどくん‥‥先入観は捨てて。
ギターケースに入るのは、
まっかなギターだけじゃないわ。
成: (まさか‥‥まっ白なギター‥‥
とか、そういう話じゃないよな)
裁: ‥‥たしかに、フシギな話です。
証人は、手袋をしていなかった。
にもかかわらず、ケースには‥‥

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥裁判長。弁護人の使う、
いつもの手だ。
関係ない方向へ目をそらし、
ウヤムヤにしてしまう‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: 証言を思い出してください!
霧緒さんは、こう言いました。
”花ビンを、ギターケースの上に
落とした”‥‥と!
つまり、犯行があったとき、
あのケースは閉まっていたのです!
それが‥‥この写真では、
ぱっくり開いている!
‥‥ギターケースは
事件に関係しているのです!

(御剣検事「異議あり!」)
御: そこまで言うなら‥‥弁護人!
キサマにはモチロン、その理由が
立証できるんだろうな!
”いったいなぜ、その
ギターケースは開かれたのか!”
成: え‥‥
裁: できるのですか! 成歩堂くん!
成: そ、そうですね‥‥
‥‥こういう
たとえ話があります。
”ギターケースに入るのは、
まっかなギターだけではない”
裁: ”まっかなギターだけでは”‥‥?
ま、まさか‥‥
まっ黒なギターが入っ

(御剣検事「異議あり!」)
御: このケースはカラではなかった‥‥
そう主張するつもりかッ!
成: 行きがかり上、言わないワケには
いかなくなったんでね!
御: イバるな!
‥‥それなら、聞かせてもらおう。
事件のあったとき、このケースには
いったい、何が入っていたか!

(「トノサマン・丙!」を選択)
裁: こ、これは‥‥
写真ではないですか‥‥!
成: もちろん重要なのは、そこに
写っているシロモノです。
裁: う、写っているもの‥‥
ま、まさか‥‥?
成: ‥‥考えるまでもありません!
あのギターケースの中には‥‥
トノサマン・丙!
‥‥その着ぐるみが入っていた!
御: な、なにィッ‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: こ、これはいったい‥‥
どういうことなんですか!
御: 証人はギターケースを開けて、
着ぐるみを取り出した‥‥?
いったい、なんのために
そんなことを!
成: ‥‥それはもちろん、
着るためでしょう。
その中にかくれて、
現場から逃げるためですよ。
カオを見られるワケには
いかなかったでしょうからね。
霧: ‥‥‥!
御: ば‥‥バカな!
そんな‥‥そんな証拠は
あるのかッ!
成: 控え室のそとでは、スクープを
ねらうカメラマンがいた。
そして実際に、写真を
撮られているじゃないですか。
裁: それが‥‥それが、
この写真だと言うのですか!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にィィィッ!
ま、また、ややこしいコトに
なってきましたね‥‥。


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