第4話『さらば、逆転』第2回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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成: ‥‥はあ‥‥ はあ‥‥
‥‥くそっ!
なんでぼくがこんな目に‥‥

‥‥そこまでだ!‥‥
‥‥もう、逃がしませぬぞ‥‥
成歩堂 龍一ッ!
成: い‥‥いったい、
ぼくが何をしたと言うんですか!

‥‥あなたを生かして
おくわけには行かない‥‥
成: ‥‥‥‥?
で、でもぼくは、
ただのしがない弁護士ですよ‥‥?

問答無用ッ!
‥あなたを弁護士とは認めません‥

‥‥いつかどこかで見たユメ‥‥
‥‥この日のことを
  予言していたのだろうか‥‥
‥‥今日。ぼくは
  殺人者の無実を立証する‥‥
‥‥”弁護士”として‥‥


3月23日 午前9時43分
地方裁判所 被告人第3控え室

電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ピッ‥‥
成: はい。成歩堂です。
王: 『‥‥元気がありませんねえ。』
今日こそ、ボクを
無罪にしてくれるんですよね?
成: ‥‥‥‥‥‥
電: ‥‥ピッ‥‥
王: フッフッフッ‥‥
たのみますよ、弁護士センセイ。
アンタの友人のイノチも
かかってるんですからねえ‥‥
成: くそっ‥‥!
真: 『いい? 王都楼のコト‥‥
かならず有罪にしてやってよね!
あんなヒドいヤツを無罪にしたら
‥‥あたし、ユルさないから!』
成: (‥‥真宵ちゃん‥‥)
?: なるほどくん。‥‥なるほどくん!
成: あ‥‥千尋さん!
真宵ちゃんは‥‥!
今、どうしているんですか!
千: ‥‥わからないわ。
成: わからない‥‥?
千: きのうから、私のことを
呼び出してくれないの。
成: ‥‥千尋さん。
ぼくは、どうすれば‥‥
千: ‥‥‥‥‥‥‥‥
前にも言ったはずよ。
ピンチのとき、弁護士ならば
ふてぶてしく笑いなさい、って。
成: で、でも‥‥!
千: まだ、あきらめてはダメ。
希望はあるわ。
成: ウソです!
そんなの、どこにも‥‥
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (クソッ!
また、王都楼のヤツ‥‥)
電: ‥‥ピッ‥‥
成: うるさいッ!
‥‥電話なんか、かけてくるな!
糸: 『‥‥‥‥‥‥ヒドいッス。』
成: うわわ。イトノコさん!
すすす、すみません!
今、どこにいるんですか?
糸: 『‥‥警官隊にまぜてもらったッス!
虎狼死家を追っているッス!』
成: ‥‥!
何か、手がかりは‥‥!
糸: 『‥‥すまねッス。
今のところ‥‥ゼロ、ッス。
だけど‥‥まだまだ、
あきらめちゃダメッス!』
成: イトノコさん‥‥
糸: 『裁判が終わるまで‥‥
判決が下されるまでに、
ワレワレはなんとしても、
虎狼死家を見つけだすッス!
真宵さんを救出してしまえば、
王都楼を有罪にできるッス!』
成: (た、たしかにそうだけど‥‥)
糸: 『いッスか! だからアンタは、
できるだけ時間をかせぐッス!』
成: 時間を‥‥?
糸: 『御剣検事に全力で立ち向かえば、
きっと審理は長びくッス!』
成: (‥‥そうか‥‥)
糸: 『アンタなら、やれるッス!
‥‥アンタと、御剣検事なら!
だから!
ワレワレを信じて
‥‥がんばるッス!』
成: わかりました!
ありがとう‥‥イトノコさん!
電: ‥‥ピッ‥‥
千: ‥‥ね。
わかったでしょう?
なるほどくん。
あなたには、仲間がいるわ。
おカネでは買うことのできない
‥‥最強の武器よ。
成: ‥‥はい!
(どうやら、作戦は決まった‥‥
裁判を長びかせるんだ!
‥‥イトノコさんを信じて!)


同日 午前10時
地方裁判所 第3法廷

裁: これより、王都楼 真悟の
法廷を開廷します。
成: 弁護側、準備完了しています。
御: 検察側‥‥もとより。
裁: きのうの審理は、大きなナゾを
残したまま、終わりました。
それは‥‥この事件における、
華宮 霧緒の役割です。
はたして彼女は、犯行に
関係しているのか‥‥?
御剣検事。本日の方針を
聞かせていただきましょうか。
御: 華宮 霧緒‥‥
彼女は、殺人現場に手をくわえ、
王都楼に不利な証拠を作った。
そして、トノサマンの着ぐるみを
使って、現場から逃走した。
その点で、彼女は
罪を逃れることはできない。
裁: ふむう‥‥ではやはり、
彼女は有罪、ということに‥‥?
御: ‥‥しかし!
華宮 霧緒は断じて、
殺人には無関係なのだ。
成:‥‥!
御: このカードを
ごらんいただきたい。
裁: なんですか‥‥?
サザエ‥‥に見えますが。
御: これは‥‥、ある殺し屋の
名刺のようなものだ。
裁: こ‥‥コロシヤ、ですって?
御: 藤見野 イサオを殺害したのは
プロの殺し屋だった!
そして、その依頼人こそが
王都楼 真悟だったのだ!

(ざわめきが起こる)
裁: な、なんとも
オドロクべき事態ですな‥‥
御: ‥‥いつものことだ、裁判長。
成: (今回にかぎって、
ぼくは知っている。
御剣が言ってることは、
すべて正しい‥‥)
千: ‥‥とにかく、
持ちこたえるしかないわ。
真宵が救出されるまで、ね。
成: どうなっちゃうんでしょう。
今日の法廷‥‥。
裁: それでは、
最初の証人を呼んでください。
御: 被告人の先輩にあたる、
荷星氏を入廷させていただこう。

御: では、証人‥‥名前と職業を。
荷: は。きょ、恐縮です。
ボクはその‥‥
に、荷星 三郎と申しまして。
ケチなアクション俳優、
やってます。ハイ。
御: 被告との関係は?
荷: は。その‥‥ケチな先輩、
といったところです。ハイ。
裁: ‥‥証人。あまり
ヒクツにならないように。
荷: は。は‥‥きょ、恐縮です。
なにぶんその。ケチな男なもので。
御: 事件当夜。証人は、
被告人の控え室をたずねた。
‥‥まちがいないか?
荷: は、ハイ。
成: ‥‥!
(し、知らなかったぞ‥‥)
荷: い、イヤ、でも。
ケッキョク、オートロくんには
会えなかったんですよ‥‥
御: 聞かれたことだけ答えればよい。
では、そのときのことを
証言していただこう。
荷: は、はあ‥‥きょ、恐縮です‥‥。

(控え室をたずねたこと)
荷: 『授賞式が終わってから、1人で
控え室へ行ったんです。』(証言1)
『控え室の前に、オートロくんが。
トノサマンの衣装を着てましたね。』(証言2)
『だれかと話していたんです。
最初は‥‥ボーイかと思いました。』(証言3)
『しばらく2人を見ていましたケド、
あきらめて帰りました。』(証言4)
『ボクにも、連れがあったので‥‥
待たせるワケにもいかなくて。』(証言5)
裁: ふむう‥‥特に、あやしい
ところはないと思いますが‥‥。
成: (たしかに。ボーイと話していた
から、どうだと言うんだ‥‥?)
御: ‥‥そう。それが、ただのボーイ
だったのならば、だが。
裁: ど‥‥どういうことですか?
御: さあ、弁護人クン。
‥‥尋問をおねがいしよう。
千: ‥‥どうやら‥‥
ヤッカイなことになりそうね。
成:え‥‥?
千: ‥‥ワナよ。
わかりきってるでしょう?
でも‥‥情報を得るためには、
飛びこんでいくしかないわね。

(「証言4」をゆさぶる)
成: ボーイさんと被告人を
見ていたんですね?
荷: ええ。ヒトコト、
お祝いを言いたかったので。
成: 2人を見ていて、何か
気づいたコト、ありましたか?
荷: そうですねえ。‥‥なんか、
ミョーな感じがしたんですよ。
オートロくんが‥‥ボーイさんに
チップをあげたから、かなあ。
成: チップ‥‥?
(フツーだと思うけどな)
裁: それで、どれぐらい
その2人を見ていたのですかな?
荷: いやあ。1、2分ぐらいだと
思いますよ。

(「証言3」をゆさぶる)
成: ”最初は”‥‥?
荷: アレはただのボーイじゃない
‥‥そう思ったんですよ。
成: どうしてですか?
荷: えーと‥‥どうして
でしたっけねえ、成歩堂さん?
成: し、知りませんよ!
(‥‥と、ちょっと待てよ‥‥)
そういえば荷星さん、さっき
こんなことを言いましたね。
荷: 『‥‥なんか、ミョーな感じが
したんですよ。
オートロくんが‥‥ボーイさんに
チップをあげたから、かなあ。』
成: もしかしたら‥‥チップのことで
”おかしい”と感じたのでは‥‥?
荷: ‥‥‥‥‥‥
あ! そうです! それ!
‥‥よくわかりましたねえ。
裁: ふむう‥‥御剣検事。
御: ‥‥なんだろうか。
裁: そのボーイさん‥‥やはり、
タダモノでは‥‥?
御: それは、証人のコトバが
教えてくれるだろう。
裁: わかりました。
では、証人。
‥‥証言を修正してください。
荷: はあ。ボーイさんの
くだりですね?
『オートロくん、ボーイさんに
チップをあげていたんですよ。』(証言・補足)

(「証言・補足」をゆさぶる)
成: ”ボーイにチップをあげた”
‥‥どこがオカシイんですか?
荷: いやあ。オートロくん、ボクと
ちがってケチじゃないですけど。
さすがに、アレはどうかと
思って、ビックリしましたね。
成: ”アレ”‥‥?
荷: それに、もっと
おどろいたコトがあったんですよ!
ボーイさん、もらったチップを
ポケットにしまったんです。
そのとき、初めて彼のカオが
見えたんですけど‥‥
それにもビックリしましたね!
裁: ううん‥‥よくわかりませんね。
成: (どうやら荷星さんは、
2回ビックリしたらしい‥‥
どっちのビックリについて
聞いてみようか‥‥?)

(「王都楼のチップ」を選択)
成: 被告人は大スターです。
チップぐらいバラまくでしょう!
荷: まあ、そうですケド。
さすがにアレはちょっと、
バラまきすぎなのでは‥‥
成: (”バラまきすぎ”‥‥?)
御: ‥‥ハッキリさせよう。
被告人は、ボーイに
いくらわたしたのか?
荷: ちゃんとした
金額はわかりません。
裁: どうしてですか?
荷: だって‥‥
ぶあつい札束だったんですから。
成: さささ、サツタバあ!

(ざわめきが起こる)
裁: あー‥‥たしかにその。
ケタはずれですねえ。
‥‥チップとしては。
御: ぶあつい札束‥‥それは、
チップとは考えられない!
裁: ‥‥ふむう‥‥
成: (裁判長、ウタガイのマナコで
こっちを見てるぞ‥‥)

(「異議を申し立てる」を選択)

(成歩堂「異議あり!」)
成: 被告はスーパースターだった!
それぐらいのチップは
その。トーゼンです!

(御剣検事「異議あり!」)
御: スーパースターは、アタマの中も
スーパーだと言うのか!
お盆を運んでサツタバが
もらえるのならば‥‥!
ダレが検事などやるものかッ!
成: (‥‥スゴいこと言ってるな‥‥)
裁: しかし、その札束が
チップでなかったとしたら‥‥
いったい、なんだったのですか?
御: 依頼料だったのだ。
成:‥‥!
裁: いらい‥‥?
御: ”藤見野 イサオの殺害”に
決まっているではないか。
裁: ‥‥じゃ、じゃあ‥‥
証人が見た、そのボーイは‥‥
御: そう。殺し屋だったのだ。

(ざわめきが起こる)
裁: ま、待ってください!
そんな‥‥証拠もなく‥‥!
御: ‥‥私に、証拠なき発言は
あり得ない。
虎狼死家 左々右エ門が
今回の現場に残したカードがある。
裁: ころしや‥‥さざえもん‥‥
御: 警視庁の特別捜査課が、
ずっと追っている人物だ。
証人が見たボーイは、
殺し屋の虎狼死家だったのだ!
荷: そ‥‥そうだったんですかッ!
裁: ‥‥?
証人。どうしましたか?
荷: いや、それならナットクできる
コトがあるんですよ!
裁: ほ、ほお‥‥
荷: じつはボク、そのボーイさんを
見てるんです! もう一度。
成: なんですってェェ!

(ざわめきが起こる)
裁: それを証言してください!
‥‥あなたの見たことを!
荷: はいッ! 恐縮ですッ!

(二度目の目撃)
荷: 『今度はトイレに行きたくなって、
あのろうかへ行ったんですよ!』(証言1)
『そうしたら‥‥さっきのボーイが
控え室から出てきたんですよ!』(証言2)
『もちろん、藤見野 イサオくんの
控え室からですよ!』(証言3)
『今、思えばあのボーイさん、
やっぱり不自然でしたよ!』(証言4)
『そうですよ! アイツ、
殺し屋だったんです、きっと!』(証言5)
だって‥‥
御: とりあえず、そこまでで
よろしい。
荷: ‥‥え。
でも、まだ話は
終わってませんケド‥‥。
御: まずは、そのボーイが虎狼死家
だったことを立証しておきたい。
裁: ふむう‥‥被害者の控え室から
ボーイさんが‥‥
もし、そのボーイが
殺し屋だったのなら‥‥
‥‥もう、決定的ですね。
御: そういうこと、だ。
では弁護人、出番だ。
‥‥せいぜい笑わせてくれたまえ。
成: ‥‥はははは。
千: あなたが笑ってどうするのっ!

(「証言4」をゆさぶる)
成: ‥‥あの‥‥
何が不自然だったんですか?
御: ‥‥なんだ、その
へっぴり腰なタイドは。
成: (だって‥‥何が出てくるか
わからないし‥‥)
荷: いやあ、そのボーイさん
‥‥手ぶらだったんですよ。
成: 手ぶら‥‥?
荷: あのボーイさん、ルームサービスの
係のヒトですよね?
それなのに、ワゴンも押さず、
お盆も持っていなかったんですよ。
ね。ね。これってやっぱり、
不自然ですよね?
裁: ふむう‥‥どうも、
ビミョーなところですなあ‥‥
成: (ボーイが手ぶらだった‥‥。
そんなに不自然なのかな。
どうする? 荷星さんの証言、
そのまま認めるべきか‥‥?)

(「ケチをつける」を選択)
成: 手ぶらのボーイ‥‥
ゼンゼンおかしくありません!
荷: すごく不自然ですよ!
成: ごく自然です!

(御剣検事「異議あり!」)
御: ボーイは、ルームサービスの
係だったのだ。
何か理由がないかぎり、
手ぶらというのはオカシイ‥‥。
裁判長! 今の証人の発言を、
証言として採用していただきたい。
成: (御剣のヤツ‥‥
なんとしても、そのボーイを
疑わしく見せようというワケか)
裁: ‥‥わかりました。
検察側の主張を認めましょう。
では、証人。
証言を修正してください。
荷: は。きょ、恐縮です。
『お客の部屋から手ぶらで出てくる
なんて、おかしいですよね!』(証言・補足)

(「証言・補足」に「グラス」をつきつける)
成: ‥‥荷星さん。
荷: なな、なんですか。
成: あなたは、すぐに
ヒトのコトバに影響されますね。
”ボーイが殺人者かもしれない”
と聞いただけで、
すっかりそれを
信じこんでしまう‥‥。
荷: だって‥‥だって、
アヤシイじゃないですか!
ぬい目があったんですよ?
あのボーイには!
成: ぬい目ぐらい、
野球のボールにだってある!
野球のボールが
アヤシイと言うつもりですかッ!
荷: わぐ!
それに‥‥そう!
手ぶらですよ! ボーイなのに。
成: ‥‥この写真を見てください。
裁: これは‥‥殺人現場の‥‥
成: イサオさんの死体のそばには
グラスが置かれていました。
‥‥中身は、トマトジュースです。
そして、右下に写っている
テーブルの上を見てください。
これはどう見ても、お盆と
トマトジュースのボトルです!
ボーイさんは、これを
イサオさんに届けたばかりだった。
お盆は、部屋に置いてきた。
‥‥だから、手ぶらだったんです。
荷:わぐ!
裁: し、しかし!
そのボーイさんは、死体があった
控え室から出てきたのですぞ!
成: そのとき、イサオさんが死んで
いたかどうか、立証できますか?
裁: うぐ。‥‥み、御剣検事ッ!
御: ‥‥うム。
裁: あなたのせいで、この私が
やりこめられたではないですかッ!
御: ‥‥クックックッ。
もうしわけない‥‥。
成: (なんだ? 笑ってるぞ‥‥)
御: ‥‥証人。
1つ、うかがいたいことがある。
荷: は、はい。なんでしょう‥‥?
御: ”ボーイは手ぶらだった”
‥‥その”手”についてだが。
私が話を聞いたときは、
たしか、その”手”には‥‥
荷: ああッ!
そうだ、言い忘れてました!
成: え。‥‥な、ナニを‥‥?
荷: そのボーイさん、
手袋をしていたんですよ。
成: てぶくろ‥‥?
荷: まっ黒な、革の手袋です。
フツー、ボーイさんは
そんな手袋、しないですよね?
裁: ‥‥黒い‥‥革の手袋‥‥
なんでそれを先に
言わなかったのですかッ!
荷: きょ、恐縮です‥‥
成: (くそッ! たしかに
すごくアヤシイけど‥‥
ここで引っこむワケには
いかない‥‥!)
‥‥手袋ぐらい、
したっていいでしょう!
荷: だって、革の手袋ですよ!
ボーイなのに!
成: 革でできてるといえば、
野球のボールだってそうです!
野球のボールが
アヤシイと言うつもりですかッ!
荷:わぐ!
裁: ‥‥その男は、被告人から
札束を受けとりました。
そして、殺害現場から、
黒い革手袋をはめて出てきた。
‥‥たしかに、ただのボーイとは
考えにくいですね‥‥
成: ぐぐ‥‥。
御: ‥‥どうやら
おわかりいただけたようだ‥‥
では、証人。
証言のつづきをおねがいしたい。
成: つづき‥‥だと?
裁: ほお‥‥それはぜひ、
聞かせていただきたいですな。
荷: ‥‥恐縮ですッ!


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