第4話『さらば、逆転』第2回法廷(その5)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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同日 午後2時35分
地方裁判所 第3法廷

裁: では、審理を再開します。
‥‥準備はよろしいですね。
成: は‥‥はあ‥‥
御: う‥‥うム‥‥
裁: ‥‥弁護人はともかく‥‥
なぜ、あなたまで半死半生
なのですかッ! 御剣検事!
御: い、いやその。
‥‥シ、シツレイした。
成: (どうしたんだ?
御剣のヤツ‥‥)
千: ‥‥想像を絶するような
コトがあったみたいね。
裁: それでは、御剣検事。
まずは、遺書の筆跡鑑定‥‥
結果を報告してください。
御: う‥‥うム。
ザンネンながら‥‥
‥‥これは‥‥、
ホンモノの遺書ではない。
成: なんだって!
裁: ど、どういうことですかッ!
御: これは‥‥この遺書は‥‥
偽造されたものだとわかった!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
御剣検事! いったい‥‥
ダレの筆跡だったのですか!
御: さらに詳しい検査が必要だが‥‥
どうやらこれは、被害者
藤見野 イサオの筆跡らしい。
成: い‥‥イサオさん‥‥?
千: どうやら‥‥
由利恵さんの遺書には、
書かれていなかったようね。
‥‥王都楼 真悟のこと‥‥
御: ‥‥しかし!
たとえ、この遺書が
ニセモノだったとしても‥‥
王都楼 真悟はそれを
知らなかったにちがいない!
この遺書をホンモノだと思いこみ、
奪いかえそうとしたのだ!
裁: ふむう‥‥
じゅうぶん、あり得ますな。
成: (”王都楼さんは、遺書が
偽造だと知らなかった‥‥”
この主張‥‥ちょっと
ムジュンしてないか?)

(「証拠を提出する」を選択)
成: ただ今の主張は、これまでの検事の
立証とムジュンしています!
もし、この法廷で御剣検事が
立証してきたことが事実なら‥‥
王都楼 真悟は、遺書がニセモノで
あることを知っていたはずです!

(「盗撮カメラ」を選択)
裁: これは‥‥
なんでしたっけ?
成: び、ビデオカメラですよ。
‥‥超小型の。
裁: あ、そうでした。
キカイに弱いもので‥‥
成: 御剣検事! キミはさっき、
こう主張していたはずだ!
”この遺書の存在を知ったのは、
被害者を監視していたからだ”
御: ‥‥‥!
成: それならば!
当然、被害者がそれを偽造
したことも、知っているはずだ!
御: ぐわああッ!
裁: この遺書がニセモノだった。
それを被告人が知っていた。
そうなると‥‥
とんでもないコトになります。
成: ‥‥そのとおりです!
検察側の主張してきた
”殺人の動機”が‥‥
一瞬にして、消えてしまう!
御: し、しかし‥‥!
王都楼も、24時間
監視していたワケではない!
被害者は、王都楼の知らない
ところで遺書を偽造したのだ!
成: ‥‥キミの口グセを、
そのままお返ししよう!
”被害者がどこで偽造をしたか”
‥‥証拠で示してもらおうか!
御: ぐはああアッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
‥‥御剣検事。
どうやら、今度はあなたが
自ら、墓穴を掘ったようですな。
御: うむむむむむ‥‥やはり‥‥
裁: ? ‥‥”やはり”‥‥?
御: やはり‥‥こうなって
しまうのか‥‥
裁: どういうコトですか?
‥‥御剣検事。
御: 筆跡鑑定の結果を聞いたとき、
こうなることは予想できた。
‥‥問題は‥‥その次だ。
成: その‥‥つぎ?
御: 証拠による動機の証明が
できなくなった以上‥‥
検察側は、ベツの方面から
犯行を立証しなければならない。
裁: たしかに‥‥
そうなりますな。
御: 裁判長。
検察側は‥‥ここで、証人を
呼びたいと思うのだが‥‥
裁: お。ベツにかまいませんよ。
御: それがその‥‥ちょっと、
めずらしい証人で‥‥
成: (御剣らしくないな。
口ごもったりして‥‥)
裁: どんな証人ですか?
御: ”虎狼死家に殺害を依頼した
人物はだれだったのか?”
‥‥そのギモンに、
カンペキに答えられる証人だ。
成: バ‥‥バカな!
そんなコトを証言できる
証人なんて、いるわけがない!
裁: た‥‥たしかに!
いったい、その証人とは‥‥
御: そ‥‥それが‥‥その。
裁: だれですか!
御: 本人だ。
‥‥虎狼死家 左々右エ門。
裁: ほお。コロシヤさん。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なんですッてェェェェェェッ!
コロシヤ サザエモンンンッ!

(ざわめきが起こる)
裁: あの‥‥コロシヤ‥‥というのは
‥‥殺し屋、なんですよね?
御: そのとおり‥‥だ。
裁: 証言台に立つ、と?
御: ま。そういうコトに
なるのだろうか‥‥
その。特例ということで、
許可していただきたい。
裁: ふむう‥‥弁護人。
成: は、はい?
裁: いかがですか?
成: (いかがもナニも‥‥
時間をかせぐためには、
モンクを言ってる場合じゃない)
あ。イイと思いますけど。
裁: イイのでしょうか‥‥
御: では、とにかく証人を
入廷させてみようではないか!
成: (御剣‥‥
ほとんどヤケクソだぞ‥‥)

御: では、証人。
‥‥ええと、名前と‥‥
その、職業を。
左: 『かしこまりました。
名前は虎狼死家 左々右エ門。
‥‥殺し屋、やっております。』
裁: ちょちょ、ちょ、ちょ‥‥‥ちょ。
ちょっと待ちなさい!
御: ‥‥なんだろうか?
裁: なんだろうか、じゃありません。
なんですかこの無線機は。
御: ‥‥じつは、ついさっき
私のもとへ届いたものだ。
電波の逆探知をしないという
条件で、証言をする、と。
成: (電話で呼び出されたのは、
そのコトだったのか‥‥)
裁: いやいやいや。ダメですよ、
これはさすがに。
だいいち、コロシヤ本人か
どうかも不明ではないですか!
御: 証人。あなたが虎狼死家だという
証拠を提示していただきたい。
左: 『いたしかたありませんね。
‥‥そのまま、お待ちください。』
裁: ‥‥‥?
真: 『‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥おなか‥‥へった‥‥』
成: ままま、真宵ちゃんッ!
千: 真宵っ!
裁: い‥‥いきなり
どうしましたか! 弁護人!
成: い、異議なし!
そのヒトを左々右エ門と認めます!
裁: またまた、ややこしいコトに
なってきましたな‥‥
しかたありません。
とにかく、審理をつづけましょう。
御: ‥‥それでは、証人。
最初に1つだけ、
カクニンしておきたい。
左: 『なんでしょうか。』
御: あなたは依頼を受けて、
藤見野 イサオを殺害したか。
左: 『‥‥‥‥‥‥
おっしゃるとおりです。
私がやらせていただきました。』
裁: ぐぐゥ‥‥
御: では、証言していただこう。
あなたに依頼した、人物の名前を!
左: 『‥‥かしこまりました。』
裁: ‥‥あ‥‥悪夢です。
こ、こんなことが‥‥
成: (左々右エ門‥‥
いったい、どう出るつもりだ?)

(”依頼人”について)
左: 『最初に1つ、申し上げて
おきたいことがございます。』(証言1)
『殺し屋という商売は、依頼人との
信頼関係が、最も大切なのです。』(証言2)
『だからこそ、私はこうして証言台に
立っているのでございます。』(証言3)
『‥‥名前を申し上げる前に、
それをごリカイいただけますか。』(証言4)
裁: ‥‥ずいぶん、
バカていねいなヒトですね。
まるで、私たちを
バカにしているようです。
御: たしかに、この証人は
われわれの敵でしかない。
しかし、虎狼死家の
コトバにウソはない。
彼は、今、証言したことを
ずっと守ってきている。
裁: ‥‥”依頼人との信頼関係”?
マッタク、私たちのリカイを
超えた世界ですな。
‥‥では、弁護人。尋問を。
成:はい。
千: ‥‥これからの尋問‥‥
まったく、先が読めないわね。

(「証言2」をゆさぶる)
成: ”信頼関係”‥‥?
左: 『私どもは、正確にシゴトを
させていただきます。
そのかわり、お客さまも、
決して私どものことを口外しない。
商売がら、あまりヒトさまに
知られてはコマりますからね。』
裁: ‥‥そのワリに、こうして堂々と
証言台に立っていますが?
左: 『依頼人に殺人容疑がかかったのは
はじめてでございますから。
虎狼死家の名にかけて、
なんとかせねば、と思いまして。』
成: その”信頼関係”がウラ切られる
コトはないんですか?
左: 『今までは、ありませんでした。
もし、そんなことがあれば‥‥』
成: あ、あれば‥‥?
左: 『依頼人といえども
ヨウシャはいたしません。
かならずや‥‥』
裁: も、もうケッコウです!
左: 『‥‥かしこまりました。
それはともかく。』

(「証言3」をゆさぶる)
成: ‥‥それは少し、おかしいですね。
証人はこれから、依頼人の名前を
証言しようとしています。
依頼人にとっては、ものすごく
メイワクだと思いますが。
左: 『‥‥いたしかたありません。
このたびの依頼人は、仁義に
はずれたコトをしておりますから。』
裁: じじ、じんぎ‥‥?
左: 『自分が助かるために、
他人に罪をなすりつける‥‥
これは、とてもユルされるべき
コトではありません。』
裁: 殺し屋が、ナニをエラそうに‥‥!
左: 『今、発言した方‥‥
シツレイですが、死にたいですか?』
裁: い、いえッ! そんなッ!
なんでもないですッ!
成: (‥‥やれやれ‥‥)

(「証言2」をゆさぶる)
成: ”信頼関係”‥‥?
左: 『私どもは、正確にシゴトを
させていただきます。
そのかわり、お客さまも、
決して私どものことを口外しない。
それが、殺し屋と依頼人の
仁義というものです。』
成: ところで‥‥証人はさっき、
こう証言しましたね。
”今回の依頼人は、仁義にはずれた
コトをした”‥‥と。
左: 『自分の罪をヒトに着せる‥‥
人間として、サイテイです。』
成: ‥‥だから、あなたのほうから
ウラ切るんですか? 信頼関係を。
左: 『”仁義”をリカイできない依頼人
に、信頼関係などありません。』
成: (‥‥リクツっぽい
殺し屋だな、まったく‥‥)
左: 『‥‥いかがですか? みなさん。
私の考え、リカイされましたか?』
成: (リカイできるか!)
左: 『できなければ、このまま
先へ進めませんが‥‥』
成: ‥‥とてもよく
リカイできたと思います。
左: 『それならば‥‥
そろそろ、私の方も
ココロの準備ができてきました。』
御: 証人にとって”信頼関係”が
大切なのは、了解した。
左: 『‥‥さよう。』
『では、そろそろ‥‥依頼人の名前を
証言させていただきましょうか。』(証言・補足)

(「証言・補足」をゆさぶる)
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: どうしましたか?
成: (うう‥‥依頼人の名前を聞く
決心がつかない‥‥)
御: ‥‥では、かわりに私が聞こう。
証人!
藤見野 イサオの殺害を依頼した
人物の名前を証言してもらいたい!
左: 『かしこまりました。
そのヒトのお名前は‥‥』
成: ‥‥‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
左:
『‥‥カミヤ キリオ‥‥。』

ええええええええええええええええ
エエエエエエエエエェェェェッ

(御剣検事「異議あり!」)
御: しょ‥‥証人ッ!
さっきキサマが言った
名前と、ちがうではないかッ!
成:‥‥!
左: 『ナニをおっしゃいます、
検事さん‥‥
依頼人は、カミヤ キリオさま‥‥
まちがいございません。』
御: なんだとおおおオオオオッ!

(ざわめきが起こる)
御: ば‥‥バカな‥‥!
さっきの電話では‥‥
成: い、いったい‥‥
どうなってるんでしょう?
千: コロシヤが、ウラ切った
ようね‥‥御剣検事を。
成: 御剣を‥‥?
千: たぶん、開廷前の打ち合わせでは、
ちがう名前を証言するハズだった。
”王都楼 真悟”‥‥と。
成: (やっぱり‥‥)

(御剣検事「異議あり!」)
御: こ‥‥これは、ワナだッ!
この証人は‥‥大ウソを
ついている!
裁: し、しかし‥‥この証人を
召喚したのは、あなた自身ですぞ!
御: ぐ‥‥ッ!
は‥‥はかったな‥‥
虎狼死家 左々右エ門‥‥!
左: 『‥‥私の証言に
ウソはございません。
今、裁判にかけられている被告
‥‥王都楼さま、でしたか。
ただちに、彼を無罪にして
いただきたいと存じます。』
裁: ふ‥‥‥‥‥‥
ふむう‥‥。
千: なんだか‥‥
いきなり、勝っちゃいそうな
フンイキね。
成: ‥‥はあ。

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥検察側は、被告の動機を
立証できませんでした。
この遺書が、被害者による
偽造であること‥‥そして、
そのことを、被告は知っていた
可能性があったからです。
さらに‥‥
今、殺し屋自身の証言で
ハッキリしました。
彼に殺害を依頼したのは
‥‥被告人ではなかった!
御: ‥‥バカな‥‥
裁: そうなれば、当然‥‥
王都楼 真悟は
<<無罪>>ということになります!

(ざわめきが起こる)
左: 『‥‥どうやら、やはり
コンランされているようですね。
しばらく交信を切ります。
‥‥ご相談ください。』

‥‥ピッ‥‥
裁: ‥‥係官! 大至急、
華宮 霧緒を連れてきなさい!
千: どうするの? 今なら、
無罪判決をもらえるわ。
真宵を助けるなら‥‥もう、
最後のチャンスかもしれない。
成: え、ええ‥‥でも‥‥
御剣はまちがっていない。
虎狼死家はウソをついています!
王都楼は‥‥ぼくの依頼人は‥‥
有罪なんですよ!
(このまま‥‥ぼくは、
勝ってしまっていいのか!)
裁: まさか‥‥検察側の証人が、
被告の無実を立証しようとは!
御: 裁判長! 検察側は、
詳しい尋問を要求する!
虎狼死家 左々右エ門は、
ウソをついているのだ!
裁: ‥‥ふむう‥‥
霧: 私じゃないわ!
みなさん、聞いてください!
これは‥‥みんな、ウソです!
成: き、霧緒さん‥‥
霧: 遺書は‥‥ニセモノだった
かもしれません。
でも‥‥!
あの男は‥‥王都楼は、
由利恵さんを死に追いやった!
そして、藤見野の死も‥‥
あいつが仕組んだことなんです!
ウソです‥‥
こんな‥‥ヒドい話‥‥
御:‥‥‥‥
裁: しかし‥‥コロシヤ自身が
証言しているのですぞ。
依頼人はあなたである、と。
霧: ‥‥ウソよ‥‥!
裁: それに、あなたに関する
証拠なら、いくらでもある。
ナイフにボタン、トノサマンの
着ぐるみ‥‥
霧: そ、それは‥‥
裁: ‥‥動機もあります。
天野 由利恵さんは、
あなたの中で、大きな存在でした。
‥‥彼女を死に追いやった、
男たちへの復讐‥‥
殺意を抱く理由として、
じゅうぶんだと言えます。
霧: そ‥‥そんな‥‥
成歩堂さん!
成:‥‥!
霧: あなたは‥‥あなただって、
知ってるんでしょう!
ホントのことを!
‥‥真犯人が、だれなのか‥‥
‥‥おねがいします‥‥
‥‥助けて‥‥
成: (‥‥たしかに‥‥
ぼくは、知っている!)
裁: ‥‥弁護人。
成:はい。
裁: 審理はここにいたって、
1つの結論にたどりつきました。
‥‥弁護側の意見を
述べていただきたい。


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