第4話『さらば、逆転』第2回法廷(その4)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
堀田(自称)…黄
荷星 三郎…紺
オバチャン…灰
大沢木 ナツミ…橙
王都楼 真悟…紫
華宮 霧緒…藤
虎狼死家 左々右エ門…桃
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御: ‥‥‥‥‥‥
成: (‥‥とっさの思いつきに
しては、うまくいったな‥‥)
千: ‥‥ザンネンながら。
彼は、そう思っていないようね。
御: ‥‥礼を言わせていただこう。
裁: ど‥‥どういうことですか?
御: 弁護側は、さらなる絶望を
望んでいるようだ。
成:‥‥!
御: ‥‥これを見ていただきたい。
裁: それは‥‥なんですか?
御: 超小型のビデオカメラだ。
‥‥その性能ゆえ、盗撮目的に
使用されることも多い。
裁: と、とうさつ‥‥
成: (‥‥おかしい‥‥!
あの盗撮カメラなら、
ぼくが持ってるのに‥‥)
御: 王都楼 真悟と被害者は、たがいに
異常なライバル意識を抱いていた。
ついには、こんなものを使って、
相手の弱みをにぎろうとしたのだ!
裁: つ、つまり‥‥?
御: 被害者の藤見野 イサオは、
私生活を監視されていた!
‥‥もちろん、
王都楼 真悟によって!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にぃぃッ!
コラ、弁護人ッ!
成: は‥‥はい。
裁: まさか、あなたは‥‥
盗撮の事実を知っていたのですか!
成: え、ええ‥‥まあ。
裁: ”まあ”じゃありませんッ!
御: ‥‥おそらくキミは、
フシギに思っていることだろう。
”クマの目にしかけられたカメラは
ぼくが持ってるのに”‥‥と。
成:‥‥!
御: 私の持っているこのカメラは、
それとはベツのものだ。
‥‥ゆうべ、ちょっと思いついて
被害者の自宅を調べさせた。
‥‥コイツを使って。
成: (イトノコさんの探知機‥‥)
御: ちなみに、このカメラには
被告人の指紋が残されていた。
裁: 王都楼 真悟の‥‥
指紋ですってッ!
千: どうやら‥‥
カメラは、いろいろなところに
しかけられていたようね。
成: (なんてこった‥‥)
御: ‥‥これでおわかりだろう。
王都楼が遺書の情報を
つかんだのは、当然のことなのだ。
‥‥こうして、被害者を
見張っていたのだから‥‥
成: (カンゼンに‥‥やられた‥‥!)

(ざわめきが起こる)

‥‥おいおい、まだ何か
考えてるぞ、あの弁護士‥‥

‥‥ママー。あのおにいちゃん、
サツジンハンなの?

‥‥シッ! ダメよ!
目を合わせちゃ!

‥‥あの冷や汗、キモチワルイ‥‥
千: なるほどくん‥‥
成: は、はい!
千: どうかしら。
次の手は見つかった?
成: 次の手‥‥!
(そんなもの、あるわけが‥‥)
千: たしかに、御剣検事の立証は
カンペキに近いわ。
‥‥でも。
立証を急ぐあまり、彼は1つ
重大な見落としをしているわ。
成: なんですって‥‥!
千: 当然するべき”検査”を
していない証拠品がある。
成: (当然するべき”検査”‥‥?)
千: ‥‥まあ、その”検査”をする
チャンスは存在しなかったから‥‥
検事さんを責めるのも
カワイソウだけど、ね。
成: (どういうことだ‥‥?)
裁: ‥‥今度こそ‥‥
すべてがハッキリしました。
どうですか? 弁護人。
もう、異議はないでしょうな?
成: (千尋さんの言う
”不完全な証拠品”‥‥
このぼくに
指摘できるのか‥‥?)

(「証拠品を提出する」を選択)
成: ‥‥異議あり。
御: ‥‥フッ。
ココロなしか、声が小さいな。

(成歩堂「異議あり!」)
成: 裁判長ッ! 弁護側はまだ、
ナットクしたわけではありません!
裁: ‥‥なんか、ヤケになって
いませんか‥‥?
成: 気のせいです!
‥‥御剣。きみらしくもないな。
御:‥‥?
成: 立証を急ぐあまり‥‥
1つ、重大な見落としをしている。
千: それ‥‥私のセリフじゃない。
御: ‥‥この私が
重大な見落とし‥‥だと?
成: おしかったな、御剣‥‥
当然するべき”検査”を、きみは
できなかった。‥‥この証拠品に!

(「由利恵の遺書」を選択)
裁: それは‥‥
由利恵さんの遺書、ですか‥‥
成: さあ‥‥。
それはどうでしょうか。
御:‥‥!
成: たしかに、”遺書”は
この中から発見されました。
そして、ついさっきまで、
このぼくが持っていた。
ということは‥‥、
その”遺書”は当然、まだ
筆跡の鑑定がされていない!
裁:あ‥‥
成: つまり!
由利恵さんが、本当にこれを
書いたかどうか‥‥
もっとも重要な立証が
マッタク、できていない!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥べ、弁護人!
あなたはまさか‥‥
霧: 成歩堂さん!
あなた‥‥この遺書が
ニセモノだって言うつもりなの!
成: ‥‥霧緒さん。
あなたは、王都楼さんに殺人の
罪を着せようとしていた。
自分でニセの遺書を作って、
この中に入れたのかもしれない!
霧: な‥‥なんですって!

(御剣検事「異議あり!」)
御: 弁護人はまた、証拠もナシに
証人を犯人呼ばわりしている!
この証人と遺書を結びつける
証拠など、ないではないか!

(成歩堂「異議あり!」)
成: もしコイツがニセモノならば!
それを作れたのは証人しかいない!
御: どういうことだッ!
成: このアクセサリーに関する
証言を思い出してください!
パズルを解くことができたのは、
被害者以外に、証人しかいない!
霧: あッ‥‥!
成: 霧緒さん!
コイツは、あなたが
書いたんじゃないんですか?
王都楼さんに罪を着せるために!
霧: そんな‥‥
わ‥‥私、そんなコト‥‥
やっていません!

(御剣検事「異議あり!」)
御: 成歩堂! この遺書が
ニセモノだというのなら‥‥
その証拠を見せてみろッ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: 御剣! この紙キレを証拠として
提出したのは、お前のほうだ!
コイツがホンモノであることを
示すのは、検察側のシゴトだッ!
御: ‥‥グゥゥゥッ!
裁: そこまでッ!
‥‥御剣検事。この遺書の
筆跡鑑定は‥‥?
御: お聞きのとおりだ!
できるわけがないではないか!
裁: そうなると‥‥
どうやら、また判決は
下せないことになりますな。
御: な‥‥
そんなバカなッ!
千: ‥‥マズいわね、なるほどくん。
成: (あと1日、決着が
のびてしまったら‥‥
真宵ちゃんの身体が‥‥
もう、もたない!)
裁: ‥‥やむを得ませんな。
検察側、弁護側の両者とも、
もう一度、調査を‥‥

‥‥筆跡鑑定なんて、弁護士の
時間かせぎに決まってるよ!

‥‥王都楼は有罪よ!
だれだってわかるじゃない!
千: ‥‥もう‥‥
限界、なのかもね‥‥

‥‥有罪! 有罪! 有罪!‥‥
‥‥有罪! 有罪! 有罪!‥‥
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: な‥‥なんですかこれは?
成: (‥‥イトノコさんだ‥‥!)
電: ‥‥ピッ‥‥
成: もしもし! イトノコさん!
糸: 『‥‥‥‥‥‥はあ。』
成: (なな、なんだ! この、
いきなりのタメイキは!)
真宵ちゃんは!
‥‥犯人はどうなりましたか!
糸: 『それが、そのお‥‥
‥‥逃げられたッス。』
成: なんですって!
糸: 『ごめんッス! すまねッス!
合わせるカオがないッス!
できるコトなら、ソーメンで
クビつって、死んじまいたいッス!』
成: と、とにかく‥‥状況を!
聞かせてください、早く!
糸: 『たった今、アジトを見つけたッス。
でも‥‥もう、すでに
2人とも、いなかったッス‥‥』
千: ‥‥サイアクの事態ね‥‥
糸: 『じ、自分はまだやれるッス!
もう少し、時間を‥‥』
成: ‥‥で、でも‥‥
糸: 『‥‥もしかして‥‥
もう、限界‥‥ッスか?』

‥‥有罪! 有罪! 有罪!‥‥
‥‥有罪! 有罪! 有罪!‥‥
成: 聞こえませんか?
‥‥この、有罪コール‥‥
糸: 『‥‥すまねッス‥‥。
ここまでやっておきながら‥‥
‥‥‥‥‥‥
そッス!』
成: な、なんですか!
糸: 『御剣検事にかわってほしいッス!』
成: そそ、そんなムチャな!
裁: いいかげんにしなさい、
弁護人!
成: は‥‥はい!
裁: 今、審理を終了しますから、
電話なら、そのあとで‥‥。
成: ま、待ってください!
‥‥御剣ッ!

(携帯電話をつきつける)
糸: 『‥‥御剣検事ッスか!』
御: ‥‥‥‥‥‥
糸: 『‥‥おねがいッス!
なんとか、もう少しだけ時間を!』
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥審理中だ。

‥‥ピッ‥‥
成:‥‥!
御: ‥‥シツレイした。
裁: 弁護人!
ここは法廷ですぞ!
成: す、すみません!
しかし‥‥!
裁: 私としても不本意です。
しかし‥‥
審理は、明日まで
中断するしかありません!
成: (もう‥‥
今度こそダメだ‥‥)
裁: それでは、本日の法廷は
ここまでとします!


(御剣検事「異議あり!」)

御: ‥‥お待ちいただきたい。
成: (み‥‥御剣!)
裁: な、なんですか、御剣検事。
御: 30分、時間をいただきたい。
裁: ‥‥どういうことですか?
御: その時間で、この証拠品に
必要な検査をおこなう!
裁: ふむう‥‥しかし、30分で
ケツロンが出るのですか?
御: 出してごらんに入れる。
裁: ここで閉廷して、
1日、時間をとったほうが‥‥。
御: 30分。
‥‥おねがいしたい。
成: おねがいします!
‥‥裁判長!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
しかたがありませんね。
成:‥‥!
裁: 検察側の要請により、
審理を30分間、中断します。
そして、本法廷は、
これ以上の中断は認めません。
成: (た‥‥助かった‥‥のか?)
裁: それでは、
最後の休憩に入ります!


3月23日 午後2時4分
地方裁判所 被告人第3控え室

御: ‥‥成歩堂!
どうなんだ? 真宵くんのほうは!
成: ‥‥虎狼死家のヤツ‥‥
また、消えちまったらしい。
30分じゃあ‥‥
とても発見はムリだ。
御: う‥‥むむむ‥‥
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ピッ‥‥
御: ‥‥状況を報告したまえ!
糸: 『あっ! その声は、
御剣検事‥‥ッスか!』
御: 時間がない。‥‥早く報告を!
糸: 『は‥‥はッ!
ヤツらは、ワレワレと
すれちがいだったらしいッス。
あわてていたらしく、遺留品が
何点か、残されていたッス。』
御: 遺留品‥‥だと?
成: それ‥‥もしかして、
何かの証拠にならないか?
糸: 『ハッハッハッ。‥‥きっと
そう言うと思ったッス!』
成:‥‥?
糸: 『そう思って、今、遺留品を持って
そっちに向かってる途中ッス!』
成: ホントですか!
御: ‥‥妙だな。遺留品は、
まず鑑識課が調べるはず‥‥
糸: 『そんなの、待ってられないッス。
ヤツらの目を盗んで、
ちょろまかしてきたッス!』
御:え。
糸: 『‥‥フッ。自分はもう、刑事じゃ
ないッスからね‥‥
もう、ホーリツでしばられるのは
ゴメンッス!』
成: (そ、それはマズいのでは‥‥)
糸: 『このボロ車でも、あと20分あれば
裁判所につくッス!
アンシンして
待っててほしいッス!』
御: ま、まあ‥‥安全運転で
来てくれたまえ。
糸: 『もう、なんぴとたりとも、
自分を止めるコトはできないッス!
ホレホレホレ!
赤信号なんて、ムシッス!』
成: (‥‥犯人の遺留品‥‥か。
もしかしたら‥‥決定的な
証拠があるかもしれない‥‥!)

(ドンガラガシャーーンン!)
御: おいッ! どうした!
イトノコギリ刑事! 応答を‥‥
糸: 『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なんぴとたりとも‥‥
‥‥自分を‥‥』
電:
‥‥プー‥‥
成: な‥‥なんだ?
御: ‥‥交通事故だ。
携帯電話もブッこわれたらしい。
成: な‥‥ナニやってんだ
あのヒトは‥‥
とにかく、
早く助けを呼ばないと‥‥!
御: しかし‥‥場所がわからない。
携帯電話はコワれている。
パトカーではないから無線もない。
それに‥‥
警察の到着より早く行かなければ、
遺留品も没収されてしまう。
成: そ、そんな‥‥!
御: まあ‥‥彼の現在位置を
知る方法でもあればベツだが‥‥
成: (イトノコさん‥‥ミカタなのか、
それとも、最凶のテキなのか?
彼の現在位置を、カクジツに
知る方法‥‥か!)

(「もちろん、ある」を選択)
成: そうだ‥‥!
1つだけある! 方法が‥‥
御: な、なんだと!
成: イトノコ刑事の現在位置‥‥
コイツが教えてくれるはずだ!

(「狩魔 冥」を選択)
御: ‥‥なぜ、こんなところに
狩魔 冥が‥‥
あッ! そうか‥‥
すぐに連絡をしてみよう。
‥‥望みはうすいが‥‥。
成: (あいつ‥‥
協力してくれるだろうか‥‥?)
‥‥御剣‥‥
御: なんだ。
成: 人のコト、言えないな
‥‥ぼくも。
御: ‥‥‥‥‥‥
成: 依頼人が有罪なのは、
よく知っている。
でも、ぼくが今、
やっていることと言えば‥‥
無実の証人に罪を着せて、
敵の証拠にたよって‥‥
‥‥‥‥‥‥
弁護士・成歩堂 龍一も‥‥
死ぬべきなのかもしれない。
御: ‥‥成歩堂。
くだらん泣きごとに
つきあう気はない。
キサマの弁護が正しかったか、
そうでなかったか‥‥
それがわかるのは、
判決が下された瞬間、だ。
成: ‥‥判決‥‥
係: 御剣検事は
いらっしゃいますか!
御: ‥‥なんだ、係官。
係: お電話が入っています。
大至急とのことです。
御: ‥‥筆跡の検査が終わったのかも
しれない。
‥‥では、私は行くぞ。
キサマがするべきは、何か。
‥‥せいぜい考えることだ。


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