成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
華宮 霧緒…藤 | |
矢張 政志…紺 | |
星威岳 哀牙…紫 | |
天杉 優作…灰 | |
天杉 希華…桃 | |
亜内検事…茶 | |
裁判官…黄 |
高菱屋 大展示場 | |
霧: | ま‥‥真宵さんッ! |
真: | あ、霧緒さん‥‥ |
霧: |
ごめんなさい、私のせいで! だ‥‥大事なツボが! 秘宝が‥‥ ひほうがあああああああッ! |
成: | おおお、落ちついてください! |
霧: |
ううう‥‥やっぱり私、 ナニやってもシッパイばっかり。 真宵さん、ごめんなさい! 私‥‥もう、なんでもしますから! |
真: | い、いえ。そんなに気にしな |
霧: |
こう見えても手先は器用ですから、 なんでしたら、かわりのツボを‥‥ |
真: |
ま、まあまあ。とにかく、 お話を聞かせてください。 |
霧: | ごめんなさい、ごめんなさい‥‥ |
成: |
あの‥‥仮面マスクから 予告状が届いたのは‥‥? |
霧: |
あれは‥‥今から10日前でした。 警察に届けようと思ったんですけど ‥‥探偵さんに止められて。 |
真: |
あの。哀牙探偵に 警備を依頼したんですね? |
霧: |
はい。おねがいしたのは‥‥ もう、20日ほど前になります。 あの方、警察よりも 怪人に詳しいということでした。 |
成: |
予告状が届く前から 警備を依頼したんですか。 |
霧: |
なんだか、イヤな予感が したものですから‥‥。 私、イヤな予感だけは 自信があるんです! |
成: |
地下倉庫の防犯カメラや コンピュータは、どなたが‥‥? |
霧: |
防犯用機材は、高菱屋に 用意していただきました。 ”怪人め、いつでも来い!” って思っていたら‥‥ |
成: | (ゆうべ、来たワケか‥‥) |
真: |
秘宝展の警備について 聞かせてください。 |
霧: |
私がワルいんですッ! 大したモノもないのに<<秘宝展>> なんて名前をつけちゃったから‥‥ |
成: |
でも‥‥盗まれた倉院のツボは、 かなりダイジな秘宝だとか‥‥ |
霧: |
ええ。ただ‥‥鑑定の結果、 金銭的な価値は、ほぼゼロです。 |
真: | ぜろ‥‥ |
霧: |
私、いっしょうけんめい ピカピカにみがいて、 少しでも高そうに見えるように がんばったんですよ! |
真: | 供子さまのタマシイ入りなのに‥‥ |
霧: |
とにかく、警備はすべて 哀牙さんにお任せしました。 でも‥‥ 5日前から、地方からの展示品が どんどん届きだしたんです。 だから‥‥いろいろなヒトが 倉庫に出入りしました。 |
真: |
じゃあ、その中に 仮面マスクがいたかも‥‥! |
霧: |
いえ。倉庫に出入りした人物は、 私もチェックしましたから。 |
成: |
(霧緒さんのコトだ。 シッカリやっているだろうな) |
哀牙探偵事務所 | |
真: | すみませーん。 |
哀: |
‥‥これはこれは、 チャアミングなおじょうさん。 我が事務所へようこそ! ごゆるりと、おくつろぎを‥‥。 |
成: | あ、あの。ぼくたちは‥‥ |
哀: |
‥‥シッ! ダマって! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ クックックックックッ‥‥ どうやら、そういうコトですな。 |
真: | なな、なんですか? |
哀: |
‥‥ズヴァリ! 美しきスイリが我にささやく真実。 貴方がたは、弁護士と‥‥おそらく 霊媒師。‥‥ちがいますかな? |
真: |
‥‥あの。 さっきも聞きましたけど、それ。 |
哀: |
ハッ! 美しきスイリはズヴァリ! ‥‥何度聞いても美しいのですよ。 それでは、貴方がたの お話をうかがいましょうかな! |
成: |
さっきも聞きましたけど、 ゆうべは1人で見張りを‥‥? |
哀: |
さよう。これは、我が好敵手との、 5回目にして最大の勝負。 ‥‥なんぴとたりとも、ジャマを ユルすワケには行かなかった。 |
真: |
たしか、仮面マスクの最初の事件 から、対決してるんですよね? |
哀: |
やあれ、さすがはおじょうさん。 よくご存じだ。 さよう! ヤツの最初のエモノ こそ、かの宝石<<エマノンの涙>>! その盗難現場たる美術館で、 我らは奇跡の出会いを果たした! |
真: | それで‥‥倉院のツボの警備も? |
成: |
(霧緒さんが依頼した、って 言ってたっけな‥‥) |
哀: |
我は高菱屋より機材を借りうけ、 パアフェクトなワナを張ったのだ! |
成: |
それが、あの防犯カメラ だったワケですか‥‥ |
真: |
でも、アイガさん自身も 現場で見張っていたのに‥‥ 仮面マスク、どうやって ツボを盗んだのかな? |
成: |
たしかに‥‥。モンダイは 怪人の手口、だな。やっぱり。 |
真: |
あの‥‥哀牙さん。 倉院のツボって、知ってました? |
哀: |
名探偵が関心をそそぐべきは、 ただ1つ! ‥‥仮面マスクのみ。 ツボ‥‥? ハッ! この事件には、関係ありませぬな。 |
成: |
でも‥‥仮面マスクのエモノ だったんですよ? |
哀: |
‥‥我が名はハンタア。 ツボなど、怪人のエサにすぎぬ。 貴方がたは、ハトに投げたマメの カタチを、おぼえていますかな? |
真: |
‥‥なんかハラ立つねー、 なるほどくん。 |
成: |
とにかく、探偵さんは ツボを知らない、ってコトだね。 |
真: |
あの‥‥ひとつ、気になる コトがあるんですけど。 |
哀: |
人生とは、ただ1つのコタエを 探し求め、さまようがごとし。 ‥‥いったい、なんでしょうかな? |
真: |
仮面マスク、どうやって ツボを盗んだのかなあ、って。 ‥‥それって、哀牙さんが 知ってなければおかしいですよね。 |
哀: | ‥‥‥‥ |
成: |
そりゃそうですね。 だって、あなた‥‥ 現場を見張っていたんですからね。 イネムリでもしていないかぎり、 仮面マスクと会ったはずでしょう? |
哀: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
こ‥‥これは‥‥ サイコ・ロック‥‥! |
真: | さ‥‥さいこ・ろっく‥‥? |
真: |
ね。ね。なるほどくん。 なあに、サイコ・ロックって。 |
成: |
この勾玉の”霊力”でね。ココロを 閉ざす”ヒミツ”が見えるんだ。 ロックを解除すれば、そのヒミツを 聞き出すことだってできる。 |
真: |
ふええええ‥‥その勾玉に、 そんなフシギなパワーがッ! |
成: |
‥‥‥‥‥‥ あのさ。この勾玉をくれたの、 真宵ちゃんじゃないか。去年。 |
真: |
‥‥ま。たしかにそれ、 綾里本家に伝わるモノだけどね。 ジッサイに霊力をこめたのは はみちゃんだったでしょ? だからあたし、よく知らないん だよねー。その勾玉のチカラ。 |
成: |
(これで、倉院流・将来の 家元さんかよ‥‥) |
真: |
で? で? そのサイコ・ロック、 どうやって解除するの? |
成: |
‥‥この勾玉をね。ヒミツを持った ヒトに、つきつけるんだ。 |
真: |
うう‥‥ちょっとワクワクするね。 ほら、ほら。やってみようよ! |
成: | (やれやれ‥‥) |
成: |
哀牙さん。あなたが現場で 見張っていた以上‥‥、 仮面マスクの犯行を 見ていないハズがないんですよ。 |
哀: |
やあやあ、これは いかなるゴアイサツですかな。 この哀牙、たしかに倉庫の扉を 見張っておりました。 ゆうべ、なんぴとたりとも、 あの扉は通らなかった! |
成: |
(理由はわからないけど‥‥ 哀牙さんは、ウソをついている。 ‥‥そうだ。 その証拠を示すんだ!) 哀牙さん。ゆうべ、あの扉を 通った人物がいるハズなんです! |
成: |
現場には、防犯カメラが セットされていました。 あの扉を通った人物は、 自動的に撮影されていたはずです。 |
哀: | ‥‥いかにも‥‥。 |
成: |
勝手ですが、その撮影データを 見せてもらいました。 この通り、ゆうべ1回、 カメラが作動してます! |
哀: |
‥‥ッ! し、しかし‥‥我がマナコは 何者の姿も、とらえていない。 おそらく‥‥コムピュウタのミス ‥‥誤動作にすぎぬッ! |
成: |
誤動作したのは‥‥哀牙さんの マナコの方だったかもしれません。 |
哀: |
な‥‥なんですと! この哀牙が、 扉から目をはなした、とでも? |
成: |
哀牙さん。ゆうべ、あなたは 怪人に会っているはずです! しかし! なぜかあなたは、 それをかくそうとしている。 (かくす以上‥‥そこには、 何か、原因があるにちがいない。 名探偵にふさわしくない、 人に言えない”原因”が‥‥ あの”証拠品”が、 それを立証してくれるはずだ!) おそらくあなたは、仮面マスクの 姿を見ることができなかった。 なぜなら! そのとき、あなたは‥‥ |
哀: |
‥‥スイリはつねに、 美しくなければならない。 貴方のスイリ‥‥そのコンキョたる 証拠を見せていただこうッ! |
成: |
哀牙さん‥‥ あなたは、怪人に キゼツさせられたのでしょうッ! |
哀: |
ハッハ! これはしたり! ジョオクがお上手ですな‥‥。 こ、こ、こ、この哀牙が、 あろうことか、キゼツなど! |
成: | このカタナが‥‥その証拠です。 |
哀: | ‥‥! そ、それは‥‥ |
成: |
事件が起こる前、このカタナは‥‥ 綾里 供子像の手にありました。 それに‥‥そのときは、 曲がっていなかった。 |
哀: | う‥‥うむむ‥‥ |
成: |
‥‥コタエはひとつ。 あなたは、このカタナで、 アタマをコツンとやられたのです! どうですか! 哀牙さん! |
哀: | ‥‥さすがは、名弁護士殿‥‥ |
哀: |
‥‥貴方のスイリには、”真実”の ヒラメキがなきにしもあらず。 |
真: |
怪人にひっぱたかれて、 キゼツしちゃったワケですね? |
哀: |
ミもフタもない言いかたをすると ‥‥そうなるのかもしれぬ。 コムピュウタに目をやった、その 一瞬のスキをつかれたのです! |
真: |
怪人が倉庫に入って来たのに 気づかなかったんですか? |
哀: |
扉以外に、ダクトやら排水口やら アナだらけだったゆえ‥‥ まっこと、ヒキョウなり 仮面マスク! この好敵手の後ろアタマを、 このような危険なもので殴るとは! |
真: | 怒ってるよ、探偵さん。 |
成: |
油断する方が悪いような 気もするけどな。 |
書きなおした。 | |
成: |
どうやら‥‥1つ、 ハッキリしたことがあるよ。 |
真: |
え。なに? アイガさんが、 等身大の名探偵だったってコト? |
成: |
哀牙探偵は‥‥ 犯人の姿を見ていないんだ。 |
真: |
あ‥‥そうか! もしかしたら、犯人は 仮面マスクじゃないかも‥‥ |
哀: |
あいや、待たれよ! ‥‥弁護士殿。さすがにそれは! |
真: |
でも、あなたは 見ていないじゃないですか! |
哀: |
‥‥そういうときのために、 防犯キャメラがあるのですよ。 |
真: | あ‥‥ |
哀: |
ゆうべ‥‥キャメラは1回、 作動しています。 これぞ! コムピュウタがとらえた 犯人の真の姿なのだッ! |
成: | ‥‥こ、これは‥‥やっぱり! |
真: | か、かめんますく‥‥だね‥‥ |
法廷記録にファイルした。 | |
哀: |
犯人は、怪人☆仮面マスク 以外にはあり得ませぬぞ。 ヤツには‥‥犯行を重ねなければ ならない理由があるのですから。 |
成: | な‥‥なんですって! |
成: | あの‥‥どういうコトですか? |
哀: |
天杉 優作は、仮面マスクとして 犯行を重ねる理由があるのです。 彼の部屋に、ミドリ色の封書が あるはず。 ‥‥調べてみることですな。 |
真: |
ど、どうして そんなコトを、あなたが‥‥? |
哀: |
フッ‥‥お忘れかな? 我こそは、天上天下にその名を ヒビかせた探偵中の探偵中の探偵! 自他ともに認める星威岳 哀牙、 そのヒトですからな! |
成: |
(とにかく‥‥調べてみた ほうがいいな‥‥) |
真: |
ね、ね、なるほどくん! アイガ探偵が言ってたよね! |
哀: |
『天杉 優作は、仮面マスクとして 犯行を重ねる理由があるのです。 彼の部屋に、ミドリ色の封書が あるはず。 ‥‥調べてみることですな。』 |
成: |
ミドリ色の封書‥‥か。 どうやら、コレみたいだな。 |
真: |
よおし。読むぞお! <<お前の正体を世間に 公表されたくなければ‥‥ 12日の午前1時、500万円を 用意して、KB警備会社に来い>> ‥‥ごごご、ごひゃくまんえん‥‥ |
成: |
こ‥‥これって‥‥ キョーハクジョー‥‥だよな。 (たしかに‥‥コイツは ものスゴい手がかりだ‥‥!) |
法廷記録にファイルした。 |