成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
華宮 霧緒…藤 | |
矢張 政志…紺 | |
星威岳 哀牙…紫 | |
天杉 優作…灰 | |
天杉 希華…桃 | |
亜内検事…茶 | |
裁判官…黄 |
真: |
キョーハクジョーって‥‥ コレが初めてじゃないんですか? |
天: |
モチロン、ちがいますよ! ‥‥今回みたいに、どこかに 呼び出されたのは初めてですけど。 |
成: |
最初の脅迫状は‥‥ この事件の、すぐあとに‥‥? |
天: |
ええ。<<エマノンの涙>>事件から 数日たったころでしたね。 ウチに脅迫状が届いたんです。 <<おまえがやったんだろう>>って。 |
真: | いきなりバレちゃったんですか。 |
天: |
いやー、これでなかなか ムズカシイですよね、怪人も。 <<決定的な証拠もあるから、 カクゴしろ>>なんて言われて。 それで、せっかくのエモノの 宝石も取りあげられちゃって‥‥ |
成: |
そうなんですか‥‥‥‥ ちょ、ちょっと! ”取りあげられた”というのは? |
天: |
あ、シンパイいりませんよ。 指定の貸金庫に宝石を預けたら、 あとで100万円も 送ってきてくれましたからね。 |
成: |
(だれもシンパイなんか してないって‥‥) |
天: |
それからです。ボクのところに、 計画書が届くようになったのは。 |
真: | け、けいかくしょ‥‥? |
真: | あの。”計画書”というのは‥‥? |
天: |
宝冠とか、絵とか、美術品‥‥ 狙うエモノと、盗み出す方法。 警備の盲点や逃げ道、トレーニング 方法までキッチリ書かれていて。 |
真: |
じゃ、じゃあ、まさか。 犯行の計画を立てたのは‥‥ |
天: |
ええ。2回目からは、 ボクじゃないですよ。 だれか親切なヒトが、イカした 大作戦を考えてくれるんですよ! |
真: |
優作さん、キョーハク者に カンシャしてるよ‥‥ |
成: |
(やはり‥‥怪人☆仮面マスクは、 この優作くんだったのか‥‥? ‥‥しかし‥‥ 他にいるんだ。犯罪の計画を 立てた人物が、もうひとり!) |
天: |
計画どおりに盗み出したエモノは、 指定の貸金庫に預けるんです。 そうすると、おカネが 送られてくるんですよねー。 |
成: |
(‥‥そんな、うれしそうな カオで言われても‥‥) |
真: |
じゃあ、<<倉院のツボ>>を 狙ったのも‥‥? |
天: |
そんなツボ‥‥じつは、 見たこともないんですよ。 ボクは、計画書に書いてあるモノを 計画どおりに盗むだけですから。 |
成: |
優作くん‥‥。今の証言、 まちがいないね? |
天: |
ええ。‥‥でも、 まれかちゃんにはナイショですよ? |
法廷記録に挟んだ。 | |
成: |
優作くん‥‥。最後に1つだけ、 カクニンしておくよ。 |
天: |
な、なんですか。 そんな、アタマをトガらせて‥‥ |
成: |
ブスジマ社長を殺害したのは ‥‥本当に、きみじゃないんだね? |
天: |
ち‥‥ちがいます! もう‥‥ ウソはつきません! ボク、死体を金庫に かくしただけなんです。 それがバレるのがコワくて‥‥ きのう、自首したんです。 |
真: | どうして、そんなコトを? |
天: |
怪人として有罪になれば‥‥、 アリバイができますからね‥‥。 |
真: |
ううん‥‥。 アタマいいんだ、優作さん。 |
成: |
(どうやら‥‥優作くんを 信用するしかないみたいだな) |
?: | ‥‥真宵さまっ! |
真: | あ‥‥はみちゃん! |
春: | ただいま戻りました! |
成: |
春美ちゃん、今まで 何してたんだっけ‥‥? |
春: |
このツボです! 倉院の里で、 調べてもらっていたのですよ! |
真: | で? で? どうだった? |
春: |
はい! ご心配なく。 まちがいなくホンモノだそうです! |
真: |
うわあ、よかったねえ! いやホントに。 |
春: | ただ‥‥ひとつだけ、問題が。 |
真: | モンダイ‥‥? |
春: |
この、おちゃめな ピンクの模様なのですが‥‥ どうやら、ペンキのようで‥‥ しかも、最近ついたものなのです! |
成: |
(ツボに現れたピンクの模様、か。 ‥‥ま、どうでもいいけど) |
真: |
どうでもよくないッ! ちゃんと調べるんだよ! |
春: |
ちゃんと調べるのですよ、 なるほどくん! |
成: |
わ、わかったよ。 ツボのコトも、調べてみよう。 |
天: |
あの‥‥ボクのコトも、 忘れないでくださいね‥‥。 |
法廷記録にファイルした。 | |
高菱屋 地下倉庫 | |
霧: |
あら。いらっしゃい、 おじょうちゃん。 |
春: | こっ、こんにちは! |
霧: |
しばらく見なかったけど‥‥ どこへ行ってたのかしら? |
春: |
あの、わたくし。 このツボを調べていました! |
霧: |
! あ、あら。 そうだったの‥‥ |
成: |
(あらためて、このツボを よーく見てみると‥‥ この部屋に、そのナゾを解く 手がかりがありそうだな‥‥) |
真: |
なるほどくん! もう一度、 よーく調べてみようよ! |
成: |
‥‥このハコ‥‥ちょっと 気になるんだよな。 |
真: |
それ、倉院のツボを しまっておいたハコだよ! |
春: |
これにも、ピンクの ペンキがついていますね‥‥。 |
真: |
やっぱり、倉院のツボに ついてるのと、同じ色だよ! |
成: |
(このペンキがどこでついたか‥‥ わかるような気がするな) |
真: |
じゃあ、そこをもう一度 調べてみようよ、なるほどくん! |
データを法廷記録にファイルした。 | |
成: |
見た感じ、乾いてから 数日はたっているみたいだ。 |
真: |
このペンキの跡も、 何かとナゾが多いよねー。 シミの左下が欠けてるし、 なぜかピンクだし。 |
春: |
なるほどくん! もしかして、 この欠けている部分は‥‥! |
成: |
‥‥うん。 きっと、コイツだね。 |
真: |
あ、それ! ツボをしまっておいたハコ‥‥ |
成: |
このハコにも、少し ペンキがついてるだろ? |
真: |
きゃあ、ホントだ! ほらほら。合わせる合わせる! |
成: | |
春: |
‥‥いかがですか? なるほどくん。 |
成: |
思ったとおりだよ‥‥。 ピッタリだ! |
法廷記録にファイルした。 | |
成: |
(どうやら‥‥ そろそろ見えてきたな。 ツボのナゾのコタエが‥‥) |
成: |
霧緒さん。倉院のツボについて、 何か知ってるんですね? |
霧: |
な‥‥”何か”って、なんですか! 私、セキニンシャとして‥‥ |
成: |
今日、法廷で提出された 倉院のツボは‥‥ ‥‥以前のものと アキラカにちがうんですよ。 |
霧: |
そ、それは! ええと‥‥そうよ! もしかしたら、そのツボ。 に、ニセモノじゃないかしら! |
成: | ‥‥ニセモノ‥‥? |
霧: |
だって、そう考えるほうが 自然でしょう! それとも‥‥ 法廷で提出されたツボが ホンモノだ、という証拠でも‥‥? |
成: |
ザンネンながら‥‥ このツボはホンモノです。 春美ちゃんが倉院の里に 持ち帰って、調べてくれました。 |
霧: |
そ、そうなんですか。 それならいいんですけど‥‥。 |
成: |
どうやら、このツボ‥‥ また、割れたみたいですね。 |
霧: | ま、”また”‥‥? |
成: |
1年前に、割れたことが あったんですよ。 そして、どうやら‥‥ 同じコトが起こった。 ‥‥しかも、最近。 |
霧: |
さ‥‥最近! そのツボが 割れた、と言うんですか? |
成: | はい。 |
霧: |
どうして‥‥わかるんですか? このツボが最近割れた、なんて! |
成: |
このポスター‥‥最近 作ったんですよね? |
霧: |
ポスター‥‥? あっ! こ、これは‥‥! |
成: |
ここに運ばれてくるまで、 ツボには”子供”と書かれていた。 しかし! 今はなぜか、 ”供子”と書かれている! ‥‥ツボが割れて、修理するとき、 とりちがえてしまったからです! |
霧: | きゃあああっ! |
霧: |
こ、”子供”‥‥なんて。 私、知りませんでした‥‥ このポスターの撮影には 立ち会わなかったものですから。 |
成: |
それは、シッパイでしたね。 じゃあ‥‥話してください。 |
霧: | あ。ま、待ってください! |
成: | な、なんですか‥‥? |
霧: |
つ、ツボが割れたからと言って ‥‥私にはカンケイありません! |
成: | ‥‥え! |
霧: |
そ、そうです! きっと、写真を 撮影したスタッフのだれかが! つるっと落としちゃったんです! ‥‥そうに決まってますッ! |
成: |
(やれやれ‥‥まだ、 ロックは残っているからな‥‥) |
霧: |
ツボが‥‥この高菱屋で割れた、 っていう証拠はあるんですか! |
成: | どうですか? 霧緒さん。 |
霧: | あの‥‥どういうことですか? |
成: |
このツボには‥‥ ピンクのペンキがついてます。 |
霧: | ううっ‥‥ |
成: |
そして‥‥ツボが入っていた、 このハコにも。 ‥‥どう見ても、 同じペンキですよね。 |
霧: | だ、だから‥‥なんですか? |
成: |
ツボは、ハコごと落とされた‥‥ そして、同時にペンキがついた。 ‥‥ここまでは、いいですか? |
霧: | は、はい‥‥ |
成: |
それなら、話はカンタンです。 ”このハコが落とされたのが、 ここ、高菱屋の地下倉庫である” ‥‥それが証明できれば、 ツボもここで割れたことになる。 |
霧: |
そんな証拠、あるんですか? そのハコが、この倉庫で落とされた っていう証拠が‥‥? |
霧: | あ‥‥‥ |
成: |
‥‥もう、わかってるんじゃ ないですか? ‥‥霧緒さん。 |
霧: |
‥‥は‥‥、はい。 まあ、ウスウスは。 |
成: |
地下倉庫のカベと床にも、ハデに ペンキがブチまけられていた。 あのペンキ‥‥ハジの部分が 少し、欠けていますね? |
霧: | ええ‥‥ |
成: |
このハコをそこに当てると、 ペンキの跡とピッタリ合いました。 |
霧: | ‥‥‥‥‥‥ |
成: |
つまり! このハコは あそこで落とされた! そして、そのとき‥‥中に 入っていたツボも、割れたんです! |
霧: | さすが‥‥成歩堂さんッ! |
霧: |
ごめんなさい‥‥。ツボを 割ってしまったのは、私です。 |
成: |
(‥‥なんか、小学校の先生にでも なった気分だな) |
霧: |
私‥‥サイテイの女ですね。 自分のシッパイをかくそうなんて。 |
真: |
そ、そんなコト‥‥ね、ねえ。 はみちゃん。 |
春: |
え、ええ! もうそれは。 わたくし‥‥わかりますとも! |
霧: |
あれは、2週間ほど前のことです。 ポスター用の撮影が終わって、 ツボがこちらへ着いた日のこと‥‥ 倉庫にしまうつもりで、ハコを 持って、ここへ下りてきたとき‥‥ 私‥‥ペンキのカンにつまずいて、 ハデにひっくり返してしまって。 そのひょうしに、持っていた ハコを落としちゃったんです。 |
霧: |
‥‥とてもイヤな音がして‥‥ 私、血の気が引きました。 そして‥‥おそるおそる、 フタを開けた、その瞬間! ハコのスキ間から、ツボのカケラが ザラザラと‥‥ペンキの上に! 私‥‥私、もう‥‥ 絶叫しちゃいましたーーーっ! |
真: |
‥‥うーん。 ありそうなハナシですよねー。 |
成: |
(たしかに、真宵ちゃんなら やりそうだ‥‥) |
霧: |
倉院の里の、一番ダイジな 秘宝と聞いていたものですから‥‥ 私、必死になって修理しました。 さいわい、カケラは大きかったし。 |
真: |
そこで、どうして”子供”が ”供子”になっちゃったんですか? |
霧: |
私、もとの文字を 知らなかったんです。 ごくふつうに修理したら、 ”供子”になったのですけど‥‥ |
春: |
そ、そうなのですか。 ごくふつうに‥‥ |
成: |
(春美ちゃん‥‥ ‥‥図画工作は ニガテって言ってたからな‥‥) |
霧: |
ツボはコッソリ倉庫にしまって、 それからは、だれも見ていません。 |
データを書きなおした。 | |
真: |
でも‥‥あたしたちが最初に ここへ来たとき、 あのペンキの跡は、 ありませんでしたよね? |
霧: |
‥‥ええ。あまりに 見苦しかったものですから。 あの黄金像を使って、 かくしておいたのです。 |
成: | (”綾里 供子の像”‥‥か!) |
成: |
ぼくたちが、初めてここへ 来たのは‥‥ 倉院のツボが盗まれた夜だった。 |
春: |
あのとき‥‥ ‥‥倉庫のカベや床に、 ペンキの跡はありませんでした。 |
霧: |
‥‥ちょうど、あの日の お昼ごろのコトだったんです。 山奥の霊場から、あの黄金像が 倉庫に届いたのは‥‥。 |
真: | そ、それで‥‥? |
霧: |
あの黄金像‥‥ペンキの跡をかくす のに、ちょうどいい大きさでした。 だから‥‥私、あの場所へ 置いておいたんです。 |
真: |
なるほど‥‥ そりゃ、置きますよねえ。 |
春: |
‥‥でも。わたくし、 少しおかしいと思います‥‥ |
霧: | ? 何かしら、おじょうちゃん。 |
春: |
ツボが盗まれた次の日、 また、ここへ来たのですけれど‥‥ そのときは、像は動いていて‥‥ ペンキの跡が見えました。 |
成: |
(たしかに‥‥そうだった) ‥‥いかがですか? 霧緒さん。 |
霧: |
え。わ、私ですか! ‥‥そんな、知りません! ペンキをかくすために置いたのに、 動かすわけ、ないじゃないですか。 |
真: |
じゃ、じゃあ‥‥いったい、 だれがそんなことを‥‥? |
成: |
(事件の前日‥‥像はたしかに 扉の近くにあった。しかし! その翌日。像は動かされていた。 いったい、なぜ‥‥?) |
データを書きなおした。 | |
成: |
どうやら‥‥ 倉院のツボと、例の殺人事件‥‥ 何か関係があるみたいだな。 |
真: | ど‥‥どうして? なるほどくん! |
成: |
あの晩‥‥ホンモノの怪人、 天杉 優作はKB警備にいた。 ‥‥それなら、なぜここに もう1人の仮面マスクが現れたか? いろいろなコトが‥‥ ある事実を指し示している。 |
春: | ‥‥ある事実‥‥? |
成: |
(‥‥明日。殺人事件の裁判‥‥ もう一度、あの怪人に登場して もらうことになりそうだな‥‥) |